提供:サノフィ株式会社 Progress in Medecine 第10号 別刷 Vol.36 No.10 2016.10 CVIT2016 Round Table Discussion 日本人の更なるLDL-C 低下の 重要性と患者のベネフィット ∼残 存する心 血 管イベントリスクの 低 減に向けて∼ Discussion 司会 木村 剛 Keynote Lecture Stephen Nicholls 先生 京都大学 循環器内科 教授 石原 正治 先生 兵庫医科大学 冠疾患内科 主任教授 サノフィとRegeneron社は、脂質管理の重要性の認知向上とLDLコレステロール治療に おけるアンメットメディカルニーズの研究に寄与してまいります。 SAJP.ALI.16.09.2230 ライフ・サイエンス 先生 Deputy Director and Heart Health Theme Leader Professor of Cardiology, University of Adelaide Cardiologist, Royal Adelaide Hospital SAHMRI 田邉 健吾 先生 三井記念病院 循環器内科 部長 宮内 克己 先生 順天堂大学 循環器内科 先任准教授 日本人の更なるLDL-C 低下の重要性と患者のベネフィット Progress in Medicine Vol.36 No.10 2016.10 ∼残 存する心 血 管イベントリスクの 低 減に向けて∼ Keynote Lecture モノクローナル抗 体である、 ベースラインから24週後のLDL-C変化率(主要評価項目) は、 アリロクマブが注目されてい アリロクマブ群で−62.5%と、 プラセボ群の+1.6%に比べて有意 ます 。アリロクマブは、肝 細 なL D L - C 低 下 が 認 められました( 図 3 )5 )。アリロクマブの 胞内でのLDL受容体の分解 LDL-C低下効果は52週時まで維持されました。 に関与するPCSK9に、高い 投与後24週時にLDL-C管理目標値を達成した患者の割合は、 親和性をもって特異的に結合 プラセボ群10.2%に対しアリロクマブ群は96.7%と、有意に高い 脂質異常症の治療に広く用いられるスタチンには、一次予防、 アリロクマブ します(図2)4 )。 ことが示されました(図4)5)。150mgへの増量が必要であった 二次予防ともに、海外の複数の大規模臨床試験において心血管 が 結 合 するとP C S K 9 は 不 患者は2例であり、 日本人においては2週間に1回75mgの投与 イベントリスクの低下効果が認められています(図1) 。LDL 活化され、LDL受容体への が最適であることが示されました5)。 コレステロール (LDL-C)が低ければ低いほどイベント発症率も 結合が阻害されます。LDL受容体が肝細胞に取り込まれた際、 更に、non-HDLコレステロールや空腹時トリグリセライドなどの 低下するという “the lower, the better” のコンセプトは、 これら 受容体にPCSK9が結合していなければ分解されずにリサイクル 脂 質パラメータにも有 意な改 善が認められました(いずれも の試験結果から導かれました。 されるため、肝細胞表面のLDL受容体が増加し、血中LDL-C p<0.0001、MMRMによる解析、参考情報)5)。 しかし、 スタチンを投与しても心血管イベントリスクは残存してお 値が低下します。 スタチンだけでは抑制できない残存リスクを低減するには、 り、 最大のリスク低下を示したJUPITER試験でも、 イベントリスクの アリロクマブの国 内 第Ⅲ相 試 験 O D Y S S E Y J A P A Nは、 新 たな 治 療 戦 略 が 求 められます 。P C S K 9 阻 害 薬アリロ したがって、 この「残存リスク」 を低減するた 低下率は約45%です 。 日本人家族性高コレステロール血症(FH)ヘテロ接合体患者 クマブは、スタチン治 療の次の選 択 肢の一つにふさわしいと めには、 スタチン以外の脂質低下療法を考慮する必要があります。 または心血管イベントリスクの高い高コレステロール血症患者 期待されます。 LDL-Cは下 げれば下げるほど 心 血管イベント抑制に有用― “th e l owe r, the b etter ” 1,2) 3) アリロクマブの作用機序 図2 アリロクマブ ❷ LDL受容体は LDLとともに 取り込まれる セボ投与群(72例) に無作為に割り付け、52週間投与しました。 PCSK9阻 害薬を用いた治療戦略 アリロクマブは2週間に1回75mgの皮下注射にて投与を開始し、 8週目に、 日本動脈硬化学会(JAS)の「動脈硬化性疾患予防 スタチン以外の脂質異常症治療薬として、 ヒトプロ蛋白質転換 ガイドライン2012年版」の管理目標値に達していない場合には、 酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に対する完全ヒト型 150mgへ増量するという投与方法です。 主要評価項目:投与後24週時までのLDL-Cの変化率 副次評価項目:投与後52週時までのLDL-C値の推移 図3 ベースラインから投与後24週時までのLDL-Cの変化率 ベースラインからのLDL-C変化率 * スタチンのLDL-C低下効果とベネフィット −62.5±1.3%(vs ベースライン) +1.6±1.8%(vs ベースライン) −64.1% p値(95%信頼区間) vs プラセボ (MMRMによる解析) * 最小二乗推定値 検定法:MMRM ITT解析 150 4S-Rx CARE-PBO LIPID-Rx TNT-ATV10 HPS-Rx PROVE-IT-ATV80 AFCAPS-Rx ASCOT-PBO ASCOT-Rx 60 (1.6) 70 (1.8) 80 (2.1) 100 (2.6) 120 (3.1) 130 140 (3.6) 110 WOSCOPS-PBO 100 WOSCOPS-Rx 160 (4.1) 180 (4.7) 200 (5.2) 平均LDL-C値 (mg/dL (mmol/L) ) 一次予防例を対象とした試験:WOSCOPS=West of Scotland Coronary Prevention Study, AFCAPS=Air Force/Texas Coronary Atherosclerosis Prevention Study, ASCOT=Anglo-Scandinavian Cardiac Outcomes Trial 二次予防例を対象とした試験:TNT=Treating to New Targets, PROVE-IT=Pravastatin or Atorvastatin Evaluation and Infection Therapy, HPS=Heart Protection Study, CARE=Cholesterol and Recurrent Events Trial, LIPID=Long-term Intervention with Pravastatin in Ischaemic Disease, 4S=Scandinavian Simvastatin Survival Study. 対 象 : 冠動脈疾患一次予防例あるいは二次予防例を対象としたスタチンのプラセボ対照無作為化比較試験。 方 法 : LDL-C値と冠動脈疾患発症率との関係をメタ解析。 1)Rosenson RS. Expert Opin Emerg Drugs.2004, 9(2), 269-279. より改変 2)LaRosa JC, et al. N Engl J Med.2005, 352(14), 1425-1435. より改変 000(000) 135.6mg/dL 141.1mg/dL 120 Primary Prevention AFCAPS-PBO PROVE-IT-PRA 141.6mg/dL 140 LIPID-PBO HPS-PBO LDL-C値の推移(ITT解析) (mg/dL) 160 LDLコレステロール値 冠動脈疾患の発症率 20 CARE-Rx p<0.0001(−68.5∼−59.8) 4S-PBO Secondary Prevention 40 (1.0) プラセボ群(n=72) LDL-C変化率のプラセボに対する群間差 NCEP 2001 Eur Joint 2003 NCEP 2004 0 アリロクマブ群(n=143) * 30 TNT-ATV80 ❸ LDLが分解され、 LDL受容体が リサイクルされる 3)Abifadel M et al. Nat Genet. 2003, 34(2), 154-156. 4)Lagace TA, et al. J Clin Invest. 2006, 116 (11), 2995-3005. アリロクマブ投与群(144例) とプラ 216例を対象としています 。 10 (%) LDL受容体 ❶ アリロクマブは PCSK9に結合する 5) 図1 LDL PCSK9 90 80 70 53.4mg/dL 60 50 40 30 アリロクマブ群(143例) プラセボ群(72例) 最小二乗平均値±標準誤差 20 10 0 対 象: 脂 質 低 下 療 法でコントロー ル 不 十分な家族性高コレステロール 血症ヘテロ接合体または心血管 イベントリスクの高い高コレステ ロール血症患者216例。 方 法:アリロクマブ群またはプラセボ群 に2:1の割合で割り付けし、アリ ロクマブまたはプラセボを2週間 に1回、52週間皮下投与した。ア リロクマブは75mgから投与開始 し、150mgまで増量可とし、スタ チンおよび他の脂質低下療法は 維持した。 安全性: 主な副 作 用はアリロクマブ 群で は注射部位反応18例(12.6%)、 プラセボ群では注 射 部 位 反 応 3 例 (4.2%) であった。 投与 開始時 4週 8週 12週 16週 24週 36週 52週 評価時点 5)社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験[EFC13672試験] (承認時評価資料) 000(000) 日本人の更なるLDL-C 低下の重要性と患者のベネフィット Progress in Medicine Vol.36 No.10 2016.10 ∼残 存する心 血 管イベントリスクの 低 減に向けて∼ Discussion 例 の 6ヵ月 後 の 死 亡 率 が LDL-C低下は心血管イベントを予防できるか? STEMIで4.8%、非ST上昇 二 次 予 防 患 者 がスタチン 投与下でLDL-C 100mg/dL 型 心 筋 梗 塞 では 6 . 2 %と、 日本人と欧米人の心血管イベント発現状況 木村 日本では今のところ、 P A C I F I C R e g i s t r yより 木村 心血管イベントの残存リスクを低減するための、LDL-C 未 満を達 成していれば 、増 高くなっています 。 管理目標値の設定について伺いたいと思います。 量してLDL-Cを低下させる 木村 Nicholls先生、 ありがとうございました。 日本を含む国際観察研究 石原 LDL-Cを下げれば下げるほど心血管イベントリスクが ことはありません。スタチンを 宮内先生、 日本人の心血管イベントは、欧米人と比較してどの R E A C H R e g i s t r yでは、 低下する、 いわゆる 「LDL仮説」 を裏付ける、 海外のメタアナリシス 最 大 用 量まで投 与 すること ような違いがあるのでしょうか。 アテローム血栓症患者の心 の結果が報告されています(図6) 。LDL-Cが50mg/dL未満と はめったにないと思います。 宮内 一 番の特 徴は、 日本 人はイベント発 症 率が低いという 血 管リスクの 予 測 因 子 が いう非常に低い領域でも、主要心血管イベントのハザード比は、 N i c h o l l s われわれは、 ことです。 日本 人 急 性 冠 症 候 群( A C S )患 者を対 象とした前 検 討されています 8 )。多 変 量 解 析 の 結 果 、p o l y v a s c u l a r LDL-Cの低下に伴い減少することが示されました。 ハイリスク患者に対してはLDL-C 70mg/dL未満の目標値も 向き観察研究PACIFIC Registryでは、主要評価項目の主要 diseaseや心不全といった正の予測因子のほか、 日本人である そもそも、健康成人で正常範 囲とされているL D L - C 値が、 考慮します。そうなると、 スタチンだけでは十分に管理できない 心血管イベント (MACCE) の累積発症率が6.37%でした (図5) 。 こと自体が負の予測因子であることが明らかになりました。その 「最適」ではない可能性もあ ACSのうち、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者のMACCE 理由には遺伝的背景などが考えられますが、明らかではあり るので す 。例えば 、狩 猟 採 田邉 日本人でもLDL仮説が成立するかどうかは、 日本人を 発 症 率は非 S T 上 昇 型 A C S( N S T E - A C S )患 者に比 べて ません。 集民のLDL-C値は50∼ 対象とした臨床試験で心血管イベントリスクへの影響を評価して 有意に高く、期間中の死亡率はSTEMIが2.7%、NSTE-ACS Nicholls 日本の医療水準の高さも、 理由の一つだと思います。 7 5 m g / d L 、新 生 児では3 0 から判断したいと思います。海外とは経皮的冠動脈インターベン が0.7%でした。 木村 それでも起こるイベントの再発をいかに抑制するかが、 ∼ 7 0 m g / d Lです 。一 見 低 ション (PCI)の実施状況や薬剤の選択肢が異なります。 ガイド 一方、欧州の国際観察研究GRACEでは、ACS患者5,476 今後の課題と言えますね。 いと思われるこれらの値が、 ラインやLDL-C管理目標値の設定も、 わが国の実臨床に即した 実は進化の過程で最も適応 ものであるべきです。 した形であるとも考えられる N i c h o l l s 臨 床 試 験の実 施は十 分に可 能だと思います 。 7) 6) 図4 副次評価項目: 投与後24週時にLDL-C目標値に達した患者の割合 投与後2年時までの主要心血管 イベントの累積発症率(PACIFIC Registry) 図5 0.09 96.7 ST上昇型心筋梗塞患者 0.08 90 全例 0.06 6.37% 4.75% 0.05 目標達成率 60 0.04 50 非ST上昇型ACS患者 0.03 0.02 40 p=0.001 (ST上昇型心筋梗塞患者 vs 非ST上昇型ACS患者,Log-rank test) 0.01 30 * 0 20 0 薬物治療, % プラセボ群 (n=72) ITT解析 * p<0.0001:多重代入法により欠測を考慮したもとでのロジスティック回帰モデル 対象、方法、安全性:図3参照 180 360 540 720 入院患者 全例 (n=3,597) 2年 (n=3,228) 抗血小板薬 (全例) 99.3 92.2 84.7 降圧薬 91.6 86.3 79.4 スタチン 77.8 75.0 69.5 対 象: 20歳以上の日本人ACS入院患者3,597例。 方 法: 2 年 間にわたり主 要 心 血 管イベントの 累 積 発 症 率を追 跡 調 査し、 Kaplan-Meier法で解析。 5)社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験[EFC13672試験] (承認時評価資料) 6)Daida H, et al. Circ J. 2013, 77(4), 934-943. 000(000) 図7 急性心筋梗塞発症後のイベント発症率 30 1.0 0.8 0.6 0.4 (%) 0.2 0 フォローアップ患者 1年 (n=3,351) LDL-Cと心血管イベント発症のハザード比 20 10 900 (日) ACS発症後の追跡期間 10.2 アリロクマブ群 (n=143) 日本 発のエビデンスに期 待しています。 非標的病変の血行再建術施行率 70 0 。 10) 1.2 主要心血管イベントの調整後ハザード比 累 積 心 血 管 イベン ト 発 症 率 80 図6 7.48% 0.07 10 のです 場合もあります。 0.10 p<0.0001* (%) 100 9) <50 50<75 75<100 100<125 125<150 150<175 175 投与後のLDL-C値 対 象: 8件のスタチンを用いた無作為化比較試験の参加者38,153例。 方 法: スタチンを用いた無作為化比較試験で、試験開始時および追跡1年後の血清 脂質値およびアポリポタンパク質が測定されている8件について、メタ解析 を行った。 *性別、年齢、喫煙状況、糖尿病合併の有無、収縮期血圧、血中HDL-C値および参加した試験で調整。 LDL-Cが最も高いカテゴリーを参照とした。 0 0 1 2 3 4 5 退院後の経過年数(年) 対 象: 発症後24時間以内にPCIを施行した急性心筋梗塞患者410例。 方 法: 退院後5年間追跡して非標的病変の血行再建術施行率を検討した。 12)Ikenaga H, et al. Circ J. 2011, 75(12), 2847-2852. より改変 9)Boekholdt SM, et al. J Am Coll Cardiol. 2014, 64(5), 485-494. より作図 000(000) 日本人の更なるLDL-C 低下の重要性と患者のベネフィット Progress in Medicine Vol.36 No.10 2016.10 ∼残存する心血管イベントリスクの 低減に向けて∼ 目標値を達成する上で有用な治療選択肢になり得ることが示唆 心血管イベントのハイリスク患者とは? されます。 残念ながら現時点では、脂質低下薬による死亡率の抑制 木村 心血管イベントのリスクが高い患者の脂質管理を行う という最も重要なベネフィットが、 スタチン以外でははっきりとは 上で、 アリロクマブなどのPCSK9阻害薬の投与に適した患者 証明されていません。今後、PCSK9阻害薬の新たなエビデンス 像を考えてみたいと思います。 が構築されることを期待しています。 石 原 心 血 管イベントのリスクの中で 最も重 要な因 子 は、 木 村 P C S K 9 阻 害 薬アリロクマブは、F H およびその他の A C S 既 往であると考えています。A C S 既 往 歴を有する患 者 ハイリスク患者に対するLDL-C低下効果が認められています。 では、既 往のない患 者に比 べて、非 標 的 病 変のプラークが 将来的には、 日本発のエビデンスにより投与に適した患者像を より脆 弱であることが報 告されています 11)。 明らかにし、 アリロクマブが更に活用されることが望まれます。 そして、ACS患者の再発リスクには、発症後の経過時間が 本日はありがとうございました。 大きく影 響します 。われわれの検 討では、プライマリーP C Iを 施行した急性心筋梗塞患者410例を追跡した結果、非標的 病 変 由来の再 発が最も多かったのは、発 症 後 1 年 未 満の群 1)Rosenson RS. Expert Opin Emerg Drugs. 2004, 9(2), 269-279. 2)LaRosa JC, et al. N Engl J Med. 2005, 352(14), 1425-1435. 3)Abifadel M et al. Nat Genet. 2003, 34(2), 154-156. でした(図7) 。更に、糖尿病や慢性腎臓病といった合併症 4)Lagace TA, et al. J Clin Invest. 2006, 116(11), 2995-3005. や、血 栓 形 成にかかわるという報 告のあるリポタンパク質 ( a ) 6)Daida H, et al. Circ J. 2013, 77(4), 934-943. 12) (Lp(a))の上昇も、再発リスクと関連していました 5)社内資料:国内第Ⅲ相臨床試験[EFC13672試験] (承認時評価資料) 7)Goldberg RJ, et al. Am J Cardiol. 2004, 93(3), 288-293. 。 12) Nicholls 大変興味深い知見ですね。ただし、最大のリスク 8)Bhatt DL, et al. JAMA. 2010, 304(12), 1350-1357. 9)Boekholdt SM, et al. J Am Coll Cardiol. 2014, 64(5), 485-494. 因子はあくまでもLDL-Cです。LDL-Cが190mg/dLを超える 10)O'Keefe JH Jr, et al. J Am Coll Cardiol. 2004, 43(11), 2142-2146. ようなハイリスクの患 者では、 まずしっかりとL D L - Cを下げる 12)Ikenaga H, et al. Circ J. 2011, 75(12), 2847-2852. 11)Kato K, et al. Circ Cardiovasc Imaging. 2012, 5(4), 433-440. 必 要があります。患 者によってはL D L - Cが6 0 m g / d L 台でも 不十分であり、 アリロクマブなどを用いて40∼50mg/dLで管理 することも考慮すべきです。 田 邉 現 時 点 で そこまで 厳密な脂質管理が行われて こなかったのは、FHが正しく 診断されない患者が多かった た め で は な い でしょうか 。 PCSK9阻害薬はFHを適応 症の一つとしていることから、 今後、新たにFHと診断され、 PCSK9阻害薬の適用となる 患者が増える可能性はあります。 N i c h o l l s そうですね。F H 患 者に対して、適 切なP C S K 9 阻害薬による脂質管理を行えば、更なるベネフィットにつながる 可 能 性も考えられます。スタチンだけでは脂 質 管 理が難しい ことの多いFHは、PCSK9阻害薬の最適な投与対象の一つ になります。 先ほどご紹介したODYSSEY JAPAN試験では、 スタチン とアリロクマブ75mgの併用は、 日本人患者にとってLDL-C管理 000(000)
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