て成し遂げてきた一体感にプラスして、 都倉 いよいよ始まるな、という感じで すね。昨年、コンサドーレがチームとし ください。 す。ですから昨季の良い部分を持ち続け 1チームとして開幕を迎えられるわけで ったからこそ、僕たちが今季こうしてJ つきという、チームとしての一体感があ いということ。そのなかで精神的な結び あらためて思うのは、やはりサッカー は駒を並べて戦うだけのスポーツではな も、同じく自信を持って言えます。 が高い意識でオフに準備を続けてきたと いると自信を持って言えますし、みんな 果を出すことができる。実際に僕らはそ ことができれば、周囲の予想を上回る結 結びついて、持っている力を結集させる 力が強力ではなくとも、1人1人が強く ないから。その意味で言えば、個々の戦 はり戦力がしっかりと足し算になってい 真逆の結果に終わってしまう。それはや 成績を収めても不思議ではないチームが ると思うんです。強力な戦力があり、好 格するという出来事が、何度も起きてい かみ合わず、ビッグクラブがJ2へと降 ても、強力な戦力を有しながらも歯車が そこから3シーズンを経てやっとJ1の そこでコンサドーレに拾ってもらった。 現実は厳しく、思うようにいかず帰国。 ームを離れて欧州に飛びました。でも、 そのオフに僕は海外移籍に挑戦すべくチ 振り返ると、J2に降格した神戸は2 013年にJ1復帰を果たすのですが、 いますし、ワクワクしています。 都倉 当然、J1で再びプレーできるこ とをうれしく思わない選手はいないと思 していた2012年以来になりますが。 んな心境ですか。ヴィッセル神戸でプレー プレーができるということについてはど 今年も﹁一体感﹂を持って戦う 要所に経験のある選手が新たに複数加わ ながら、J1の舞台でもコンサドーレの れを去年、強く一体感を持つことで体現 開幕目前です。現在の心境から聞かせて いよいよ2017年のJ1リーグが ったことでポジションをめぐる競争力が そういう気持ちですね。 一体感を披露し、戦い抜いていきたい。 ︱ 高まっている。競争力が高まったという ことは、間違いなくチーム力もアップし ではないかと感じています。サッカーは ら、常にそれを超えることを目指してい れるじゃないですか? 自分のベストの 記録がハッキリと残っているわけですか 舞台へ戻ることができたということで、 に求めていく、と。 チームスポーツでありながらも、細かく かなければいけない。もちろん、サッカ したわけですから、今季もやるべきこと 都倉 そうですね。過去の例を振り返っ 分解していくと最終的には個の力が勝敗 ーにも数字としての記録はありますが、 J1で戦う今季も﹁一体感﹂を一番 上げるために、オフ中に新たに取り組ま を決することが多々ありますし。と同時 周りの選手のパフォーマンスによっても ︱ てシーズンに突入していきたいですね。 れたことは何かありますか。 に、常に限界を超えていこうとする右代 それが変動することも多いわけで。対し ているということですから、自信を持っ J1で戦ううえで必要な仲間がそろって 都倉 肉体的には例年、オフ期間はあま り筋トレを積極的に取り入れるスタイル 選手の姿勢からも、強い刺激を受けまし て陸上競技は常にすべてが自分にかかっ ある意味で遠回りをしたとも言えますが、 だ、と強く思っているところです。 ではありませんでした。ただ、体づくり たね。J1という新たなステージに再び は変わりません。 は、みんなでチームを着実にレベルアッ のメソッド︵手法︶や考え方については、 立つ前に、日本国内トップのアスリート 僕にとっての歩むべき道がこれだったん プさせながらやってきた実感がものすご このオフは昨年のリオ五輪にも出場した ていて、常に自分のベスト、つまり限界 持ちを高めていますね。そして﹁個人的 もらい、いろいろなことを得ることがで 都倉選手個人にとって、またJ1で くあるので、個人的には﹁満を持して﹂ 十種競技︵陸上︶の右代啓祐選手︵江別 と時間を共にできたことは、本当に大き を超えていくことを目指していくという、 に﹂とは言いながらも、やはり仲間なく きました。右代選手は同い年でもあり、 に、 何をするか﹂ を意識しているアスリー ︱ と言いますか、その3年間を経なければ な価値があったと考えています。 過酷かつ孤独な戦いですよね。毎分、毎 いろんなことを気軽に話させてもらって 都倉 はい。彼らにとっては当たり前の ことなのかもしれませんが、例えばサッ トの考え方を、僕も少しずつ取り入れて すが、日々の練習で自分の力を出しきる 秒をそうした﹁自分の限界を超えるため して自分はありませんから、多くの仲間 いるのですが、彼は常に自らの体と向き カーだと得点できた要因や失点をした要 いますね。サッカーの場合は物差しがな コンサドーレに来てからJ1に戻るま で3年かかったわけですが、その3年間 味わえないような達成感も感じつつ、気 市出身︶と一緒にトレーニングをさせて 限界を超える、ですか。 と一緒に日本のトップリーグで戦えるこ 合い、専門としている競技が個人種目で 因は、何かひとつだけに限定することが 技って自分の結果が明確に数字として表 ︱ とにもまた、大きな喜びを感じています。 あるがゆえに、徹底して個の部分を突き いので、なかなか難しいところもありま 自分の限界を超えたい 難しいと思うんですよね。でも、陸上競 今季のJ1に向け、自身をより磨き サッカーでも参考になるところも多いの つめているんですよね。そうした部分は、 ︱ 10 2017 MARCH 2017 MARCH 11
© Copyright 2024 ExpyDoc