高梁偉人列伝 ⑭ 有漢の豊かな自然に触れた ことが、私の研究の原点 プロフィール 品の開発に必要な人工合成を、昭和 種なしブドウを作るには、ジベレ リンという薬品が必要です。この薬 学校を卒業するまでの少年時代を高 民学校 (現・有漢西小学校) ・有漢中 年4月、 歳の時に東京か 昭和 ら高梁市有漢町へ引っ越し、有漢国 10 年代終わりから9年の歳月を経 20 農芸化学の世界的な科学者 高梁 偉人 列伝 合成の実力を世界に知らせた研究結 来事で、農芸化学における有機化学 学技術の水準から鑑みて画期的な出 治さんです。この合成は、当時の科 て、世界で初めて成功したのが森謙 東 京 都 在 住 で、 海 外 で の 講 演 な ど、 て有機合成化学研究に従事。現在は 経て、東京大学農学部名誉教授とし 京都立新宿高校、さらに東京大学を 梁市有漢町で過ごす。卒業後は、東 月には、日本学士院 います。 今もなお、多忙な毎日を過ごされて 森さんは、農芸化学の世界的な科 学 者 で、 ジ ベ レ リ ン 開 発 の 他 に も、 昆虫フェロモンの人工合成の研究論 文 を 世 界 で 最 も 多 く 発 表 さ れ、 ま た、私たちの生活には欠かせない殺 虫剤などの研究開発など、数多くの 研究、論文を発表されています。 平成4年、農学分野では最高賞で ある日本農学賞をはじめ、国内およ 年 び海外で多くの賞を受賞されていま す。平成 まさる についてお話もされています。 年6月には、天皇皇后両陛下へ研究 会員に選定される栄誉に輝かれ、翌 12 やまがた 海外 国 際 化 学 生 態 学 会 賞(1996 年)、 ア メ リ カ 化 学 会 賞(1999 年)、 チ ェ コ 共 和 国 科 学 ア カ デ ミ ー Sorm Medal(2003 年)、 イ タ リ ア 化 学 会 Chirality Medal (2010 年)、 ア ジ ア 太 平 洋 化 学 生 態 学 会 Life-time Achievement Award in Chemical Ecology(2013 年) 果となりました。 30 紹介者 山縣 勝さん(有漢町有漢) 森 謙治さんの主な受賞歴 国内 農芸化学賞(昭和 40 年)、日本学士院賞(昭和 56 年)、日本農学賞・読売農学賞(平成4年)、藤原賞 (平成 10 年)、有機合成化学特別賞(平成 15 年)、 瑞宝中綬章(平成 22 年) ジベレリンとは? ジベレリンはある種の植 物 ホ ル モ ン の 総 称 で、 生 長 軸の方向への細胞伸長を促 進 さ せ た り、 種 子 の 発 芽 促 進 や 休 眠 打 破 の 促 進、 老 化 しん し の 抑 制 に 関 わ り ま す。 ジ ベ レリンは農薬として浸漬や 噴 霧 散 布 な ど を し て、 種 無 し ブ ド ウ の 生 産、 果 実 の 落 下 防 止、 成 長 促 進 な ど に 用 い ら れ る こ と が 多 く、 こ う した操作をジベレリン処理 といいます。 高梁偉人列伝 偉人を募集しています 高 梁 市 に 関 わ り が あ り、 各分野で優れた功績などを 残している人・団体などで、 市 民 の 皆 さ ん に、 ぜ ひ 知 っ てもらいたい人をご紹介く ださい。 問 秘書政策課 ☎( )0210 21 27 け ん じ 森 謙 治 さん もり 東京大学名誉教授 / 日本学士院会員 / 東洋合成工業顧問 16 H29 (2017) 2月
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