松本ユミ事務所便り

平成29年(2017年)2月号
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特定社会保険労務士
松本ユミ事務所便り
労働保険事務組合 愛和会
連絡先:〒270-0163
千葉県流山市南流山2-28-3
TEL;04-7158-1980 FAX;04-7158-1981
e-mail;[email protected]
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最近の動き
●残業時間月60時間に規制(1/28)
21月号
政府は「働き方改革」としての原案をまとめた。(現在
は、労働基準法の特別条項を使えば青空天井で従業
平成 19年(2007年)7月号
員を残業させることが可能である) 残業時間の上限を
60 時間とし、繁忙月は 100 時間まで認めるが、年間で
は平均して 60 時間に抑えるように企業に義務付ける。
残業時間が「過労死ライン」といわれる 100 時間をど
のような場合にも超えないようにする。全業種対象。違
反企業には罰則を科す。労使の代表や与党とも調整し、
年内に労基法改正案を国会に提出、2019 年度の施行
を目指す。
●転職直後でも有休取得しやすく~規制改革会議(1
/27)
政府は現行の労基法下では入社後半年たたないと
有休が与えられない仕組みをあらため、転職直後でも
有休を取得しやすくする仕組みづくりを検討する。転
職しやすい環境を整えて、女性や高齢者の就労を促
すねらい。規制改革推進会議では、法定休暇の制度
の見直しを議論し、入社から1カ月ごとに1日ずつ増え
る仕組みなどを提案。まずはガイドラインを策定する案
を検討している。
●年金IDの取得容易に(1/24)
日本年金機構は、「ねんきんネット」の利用を促進す
るため、4月から「ねんきん定期便」で、必要なIDを簡
単に取得できる案内を行う。ねんきん定期便にスマー
トフォンなどで読み取れるQRコードを入れ、個人ごと
の番号も記載して、基礎年金番号などと合わせてネッ
トに入力すれば、その場でIDが発行されるようにな
る。
●年金・健保・雇用保険の手続一元化を検討 政府
(1/11)
政府は、年金・健康保険・雇用保険などの社会保険
に関する手続きについて、ハローワークや年金事務所
に別々に申請する手間をなくすなど一元化を進める方
針を示した。マイナンバーや住民基本台帳ネットワー
ク、法人番号の連携により、重複する書類申請の簡素
化を検討するとしている。
*前月号に引き続き 雇用保険について*
「65 歳以上の労働者」も雇用保険の適用対象とな
りました!
◆雇用保険法の改正
昨年、雇用保険法が改正され、2017 年 1 月から雇
用保険の適用対象が「65 歳以上の労働者」にも拡大
されました。
65 歳以上の労働者については、これまで高年齢継
続被保険者(65 歳に達した日の前日から引き続いて
65 歳に達した日以後の日において雇用されている
被保険者)となっている場合を除き、雇用保険の適
用除外となっていましたが、この 1 月からは「高年
齢被保険者」として適用対象となりました。
◆会社が必要な手続きは?
平成 29 年 1 月以降、新たに 65 歳以上の労働者を
雇用し、雇用保険の適用要件(①1 週間の所定労働
時間が20時間以上で②31日以上の雇用見込みが
あること)に該当する場合は、事業所を管轄するハ
ローワークに「雇用保険 被保険者資格取得届」を提
出する必要があります(提出期限:被保険者となっ
た日の属する月の翌月 10 日)
。
また、
平成 28 年 12 月末までに 65 歳以上の労働者
を雇用し平成29年1月以降も継続して雇用している
場合も同様の扱いとなりますが、この場合には提出
期限の特例があり、今年3月末までに資格取得届を
提出すればよいこととなっています。
なお、平成 28 年 12 月末時点で高年齢継続被保険
者である労働者を 1 月以降も継続して雇用している
場合は自動的に高年齢被保険者に被保険者区分が変
更されるため、ハローワークへの届出は必要ありま
せん。
◆保険料の徴収は?
65 歳以上の労働者について、雇用保険料の徴収は
「平成 31 年度まで免除」となっています。
◆各種給付金の支給について
1 月以降、65 歳以上の労働者は雇用保険の適用対
象となったため、高年齢被保険者として離職した場
合、受給要件を満たすごとに高年齢求職者給付金が
支給されます。育児休業給付金・介護休業給付金・
教育訓練給付金についても、それぞれの要件を満た
せば支給されます。
2 月から実施!「プレミアムフライデー」は定着す
るのか?
◆「プレミアムフライデー」とは?
経済産業省は、月末の金曜日は早く仕事を終える
ことで消費を喚起する「プレミアムフライデー」を 2 月
24 日に実施することを決め、その方針や統一ロゴマー
ク等を公表しました。
経団連、流通業界、旅行業界、サービス業界など 15
の経済団体と経済産業省が参加する「プレミアムフライ
デー推進協議会」は、この取組を進めるにあたって、
働き方改革などライフスタイルの変革とも併せて推進し、
今後、付随する商品・サービス、イベントなどを地域・コ
ミュニティ・企業等で検討していくとしています。
◆懸念される問題点
「プレミアムフライデー」に参加できる企業はすべて
の企業ですが、当然、飲食店、百貨店や娯楽施設等
の従業員は働いていなければなりません。
これらに関連する企業の需要は増えますが、従業員は
忙しくなり、勤務時間も増えるということになりかねませ
ん。
また、部署によっては月末の金曜日は仕事が集中
するため、「終業時刻を前倒しできない」という声も挙
がっており、その際は他の日の残業が増えるということ
も考えられます。
◆経済効果に期待!
このように、現段階では「プレミアムフライデー」の実
施に対する賛否の意見がありますが、実施してみない
とわからないところがあります。これが定着すれば全国
的な消費拡大につながり、経済効果も期待できます。
なお、企業がこの取組に対応するにあたっては、月
末の金曜日のみ退社時間を早めるための規定(就業
時間)の見直し等を行わなければなりません。
「プレミアムフライデー」は様々な方面に影響があるか
もしれませんので、今後の動向に注目です。
2017 年は副業元年!?
ンネとは?
「副業」に関する企業のホ
◆副業についての気運の高まり
個人による輸入ビジネス、Web メディアのライター、
アフィリエイター、営業代行、民泊…。これまであまり一
般的ではなかった「副業」ビジネスが、いま注目されて
います。
これらのノウハウを紹介する書籍が数多く出版され
たり、人材サービス会社が副業斡旋ビジネスをはじめ
たりしています。
「週刊東洋経済」2016 年 10 月 29 日号によれば、
79.1%の人が「副業に関心あり」とのことですが、世の
働く人にとって、副業の第一義は「収入の補助」です。
特に近年は、残業削減の時流もあり、“長時間労働に
より残業代を稼ぐ”という働き方が難しくなってきていま
すので、「残業から副業へ」という流れが出てくるのも
当然です。
また、近年の副業の特徴として、収入面以外にも人
脈やスキル、やりがいなど、いわゆるパラレルキャリア
形成も目的となってきていると「週刊東洋経済」は指摘
しています。
◆政府も副業を奨励
政府も副業を後押ししています。
昨年 10 月、安倍首相は働き方改革会議において、副
業・兼業について「ガイドライン制定も含めて検討する」
といった趣旨の発言を行いました。
また、昨年末には厚生労働省が、今までモデル就
業規則に記載されていた副業・兼業に関する規定を
「原則禁止」から「原則容認」に転換する方針を示しまし
た。政府としては、いずれ訪れる労働力減少時代への
備えとして、働き方の選択肢の1つとして副業を奨励し
たい考えのようです。
◆企業の 8 割は「不許可」
企業の多くは現在、自社の従業員が副業を持つこと
を禁じています。中小企業庁「平成 26 年度兼業・副業
に係る取組み実態調査事業報告書」によれば、「副業
を認めていない」企業は全体の 85.3%でした。
また、日本経済新聞社が昨年実施した「社長 100 人
アンケート」でも、経営者の 8 割が「副業を認めない」と
回答しています。認めない理由としては「本業がおろ
そかになる」「情報漏洩のリスクがある」などが挙げられ
ています。
他にも、企業にとっては、「副業を社員に奨励するこ
とで、業績への不安を煽ってしまう」「労災が発生した
場合、本業と副業の判断基準が難しい」といった問題
もあります。多くの企業にとって「副業を積極的に奨励
するメリットは少ない」というのが本音ではないでしょう
か。
一方で、ロート製薬やヤフージャパンなどは、副業
を解禁したことで本業との相乗効果が出たと、数多くの
メディアにて報道されています。副業と上手に付き合
えば、企業にとってもメリットがあるということです。
副業が世間的に定着するのはまだ時間がかかりそうで
すが、自社において従業員の副業をどうすべきか、今
から準備しておくとよいかもしれません。
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