「あかがね御殿と加古川」 加古川の南端にある別府港に面し てあかがね御殿が、堂々とした威容 でたたずんでいます。他に類をみな い建造物で、いつのころからか「あ かがね御殿」と呼ばれています。別 称「多木浜洋館」とも呼ばれていま す。現在は、国の登録文化財にも登 録されている貴重な文化財です。 4 階 建 て の こ の 洋 館 は 、多 木 化 学 の 創始者、多木久米次郎氏が、賓客を迎 え る た め の 別 荘 と し て 大 正 7 年 (1918) か ら 着 工 し 、 昭 和 8 年 ( 1933) に 完 成 さ せ た も の で す 。 現 在 は 記 念 館 と な っ て いて会議などに使われています。内部は非公開となっていますが、所定の日時 のみ見学会が実施されています。 この建物の西側に多木久米次郎を顕彰する「肥料 王」と誤読しそうな肥料主の記念碑が設けられてい ま す 。こ の 書 は 、第 3 0 代 総 理 大 臣 斉 藤 実 に よ る も の で、国の登録文化財に登録されています。台座の上 には多木氏の銅像がありましたが、戦時中の金属供 出によって現在銅像は存在しません。 多 木 久 米 次 郎 氏 は 、明 治 2 2 年( 1 8 8 9 )別 府 村 会 議 員、ついで加古郡会議員、兵庫県農政倶楽部会頭、 兵庫県農会長、衆議院議員、貴族院議員等の要路を 歴任します。 学 校 関 係 で は 、大 正 9 年( 1920) 別 府 中 学 を 建 て ますが、兵庫県当局の要請で寄付することになりま す。その学校が、現在の県立農業高等学校です。 現在、多木化学株式会社となり、アグリ事業、化 学品事業、不動産事業(イトーヨーカ堂加古川店な ど )、 建 材 事 業 、 石 油 ・ ガ ス 事 業 、 運 輸 事 業 な ど 多 角 経 営 で 加 古 川 の 優 良 企 業 と して存在しています。 ぶ ら り 加 古 川 第 44 号 平 成 29 年 1 月
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