ひめぎん情報 ■ 2017.新春 地域に愛され、地域とともに 発展する大学を目指して ~2017年看護学科新設、 大学創立30周年・短期大学部創立50周年~ 聖カタリナ大学・短期大学部 本学は「愛と真理」を建学の精神に掲げ、 これまで地域に貢献できる人材の育成に取り 組んできました。2017(平成29)年には大学 は開学30周年、短期大学部は50周年を迎えま すが、この間、社会に送り出してきた卒業生 は大学3,592名、短期大学部は13,015名、短大 専攻科音楽専攻197名を数え、各分野で活躍 しております(2015年度末現在)。 顧みると1966(昭和41)年4月、聖カタリ ナ女子短期大学が、カトリックを代表するシ エナの聖女カタリナに由来するカトリック系 短期大学として北条の地に開学し、1988(昭 和63)年には社会福祉学部社会福祉学科を持 つ女子単科大学として開学しました。 開学以降、特に大学においては、2004(平 成16)年4月の男女共学化という大きな改革 を行い、その後2011(平成23)年には従来の 社会福祉学科における福祉人材の養成に加 え、社会を構成する人間の理解や社会分析に 必要な心理学、社会学に関する知識、技術の 習得をねらいとした「人間社会学科」を設置 しました。さらに、2014(平成26)年には人々 の健康を維持、増進するための研究指導やス ポーツ、トレーニングに関する知識、技術の 習得と健康な社会づくりに貢献できる人材の 養成を目指した「健康スポーツ学科」を設置 するなど、時代の要請に合わせた柔軟な変化 を遂げてきました。このような改革の根幹に あるのは、すべての人が健康で心豊かに暮ら していけるウェルビーイングの理念の具現化 を目指し、「健康福祉社会づくり」に幅広く 貢献できる人材の養成を目的とした教育研 究、併せてその成果をもって高等教育機関と して社会に貢献するという、人間健康福祉学 部の教育研究目的に沿ったものであるといえ るでしょう。 大学での学びにおいては、特に地域社会の 多様な人々とのつながりを通した体験的な学 びの機会を重視しており、インターンシップ をはじめ、産学官連携事業、行政や関係機関 との連携協定に基づく様々な活動への参加、 過疎地域のまちづくり、学内に設置されてい る「学生ボランティアセンター」を中心とし たボランティア活動など、積極的に取り組ん でおります。また短期大学部においても、地 域の子育て支援事業への参加、保育現場等で のボランティア活動など学外における学習機 会の充実を図っております。 愛媛銀行様には、本学の人材育成、産学振 興、地 域 づくり等 の 理 念 にご 理 解を頂き、 2012(平成24)年に連携協力協定を締結して 以降、継続して寄付講座のご支援を頂いてお ります。寄付講座は地域に開かれた公開講座 で、本学講師に加え、国内の第一線で活躍し 19 ひめぎん情報 ■ 2017.新春 ている著名講師を迎えて開催しており、学生・ 一般の双方から、毎年大変な好評を博してお ります。 このように、本学ではこれまで健康福祉社 会に貢献できる人材育成に取り組んできまし たが、その教育研究機能をより一層発展強化 させるため、また、地域の保健・医療・福祉 のニーズに応え、将来に向けた地域社会の持 続的発展に貢献するため、2017(平成29)年 4月に、人間健康福祉学部に新たに「看護学 科」を設置することとしました。現在、伊予 鉄道「松山市駅」から徒歩1分の好立地に「松 山市駅キャンパス」を建設中です。この看護 学科においては、看護実践能力を修得するた めの体系的な教育研究を行うことを通して、 地域社会の保健・医療・福祉に貢献する豊か な教養を備えた人材の養成を目指しておりま す。特に、これまで培ってきた福祉系大学の 教育資源を活かし、既存の学科の学生と学習 や課外活動を通して他職種の理解を深め、地 域の住民や多様な専門職と連携し協働する力 20 を培いながら、地域住民の安全、安心な暮ら しを支える看護の人材養成を目指しておりま す。また、この看護学科は松山赤十字病院と 協力協定を結び、病院内での隣地実習はもと より、地域医療、国内外の災害救護に関わる 看護教育を行い、国際的な視野を備え、変化 する社会に順応しつつ、社会に貢献できる看 護専門職養成を目指しております。 少子化による社会的影響が問題視されてか ら久しいですが、18歳人口の急激な減少に伴 い、大学を取り巻く状況は今後一層厳しさが 増すことが予測されます。少子化がもたらす 負の影響を最小限で防ぐべく教育、研究の充 実に向けた全学体制の取り組みが求められま す。建学当初から掲げてきた教育方針の「地 域に貢献できる人材育成」を目標に、小規模 ながらもこつこつとその歩みを続け、地域に 活力を与え、地域と協働し、地域と共に発展 する大学を目指し、これからも挑戦を続けて いきたいと思います。
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