中国・四国ブロックのエイズ発生動向の概要 1 HIV 感染者・AIDS 患者の

中国・四国ブロックのエイズ発生動向の概要
1
HIV 感染者・AIDS 患者の報告数
平成 27 年に報告された全国の HIV 感染者数は 1,006 件(前年 1,091 件),AIDS 患者数は,
428 件(前年 455 件),両者を合わせた新規報告件数は 1,434 件(前年 1,546 件)であった。
中国・四国ブロック内のHIV感染者数は 47 件(前年 45 件),AIDS 患者数は
37 件(前年 30 件),両者を合わせた新規報告件数は 84 件(前年 75 件)であった(図1,図2)
図 1 全国の HIV 感染者・AIDS 患者の報告数
図 2 中国・四国ブロックのHIV感染者・AIDS患者の報告数
2
全国の HIV 感染者・AIDS 患者の感染経路別内訳(平成 27 年)
(1)
HIV 感染者について
全国で平成 27 年に報告された HIV 感染者の感染経路は,異性間の性的接触が
196 件(19.5%),同性間の性的接触が 691 件(68.7%)で,性的接触によるものは
合わせて 887 件(88.2%)を占めた(図3)。
また,静注薬物使用が2件,母子感染は1件報告があった。
図 3 全国の HIV 感染者の感染経路別内訳(平成 27 年全国報告例)
(2)
AIDS 患者について
全国で平成 27 年に報告された AIDS 患者の感染経路は,異性間の性的接触に
よる感染が 95 件(22.2%),同性間の性的接触による感染が 250 件(58.4%)で,
性的接触による感染は合わせて 345 件(80.6%)を占めた(図 4) 。
図 4 全国のAIDS患者の感染経路別内訳(平成 27 年全国報告例)
3
中国・四国ブロックの都道府県別の報告数について(平成 27 年)
全国のHIV感染者・AIDS患者報告数の上位都道府県をみると(表1,表2),人口 10
万人当たりのHIV感染者数で岡山県が4位,徳島県が6位,香川県が 9 位となっている。
また人口 10 万人当たりのAIDS患者報告数で香川県が1位,高知県が3位となっている。
なお,中国・四国ブロック各県の HIV 感染者・AIDS 患者の人口 10 万対の累積報告数
は,表3のとおりである。
HIV 感染者・AIDS 患者報告数上位 10 位の自治体
表 1 HIV 感染者上位自治体
自治体
1 東京都
2 大阪府
3 愛知県
4 神奈川県
5 北海道
6 千葉県
7 福岡県
8 埼玉県
9 静岡県
9 兵庫県
報告数
364
168
62
54
35
32
30
22
21
21
表 2 AIDS 患者上位自治体
自治体
人口10万対
1 東京都
2.718
2 大阪府
1.901
3 沖縄県
1.196
4 岡山県
0.884
5 愛知県
0.832
6 徳島県
0.785
7 奈良県
0.727
8 宮崎県
0.718
9 香川県
0.714
10 岐阜県
0.686
自治体
2015報告数
1 東京都
71
2 大阪府
53
3 愛知県
43
4 神奈川県
33
5 福岡県
27
6 千葉県
22
7 埼玉県
13
8 北海道
12
9 岐阜県
10
9 広島県
10
9 沖縄県
10
表 3 中国・四国ブロックの人口 10 万対の累積報告数
HIV 感染者
AIDS 患者
鳥取県
2.439
2.787
島根県
2.582
1.004
岡山県
6.965
3.846
広島県
7.377
3.918
山口県
4.119
1.491
徳島県
4.581
2.749
香川県
5.810
4.689
愛媛県
5.305
3.871
高知県
4.743
3.252
中国・四国ブロック
5.604
3.306
全国
14.092
6.363
自治体
人口10万対
1 香川県
0.917
2 沖縄県
0.704
3 高知県
0.678
4 宮崎県
0.628
5 大阪府
0.600
6 愛知県
0.577
7 福岡県
0.530
8 東京都
0.530
9 岐阜県
0.490
10 滋賀県
0.424
4
HIV 抗体検査及び相談
平成 27 年の中国・四国ブロックにおける HIV 抗体検査件数は 7,905 件(前年 9,080 件)
と減少し,相談件数も 10,150 件(前年 11,846 件)と減少した(図 5)
。
また,平成 28 年第 1~3四半期における HIV 抗体検査件数は 4,891 件(前年同時期 5,483
件),相談件数は 6,429 件(前年同時期 7,318 件)と,いずれも前年同時期と比較し減少し
ている(表4,表5)
。
これらのことから,保健所等における無料・匿名のHIV抗体検査及び相談の推進や普
及啓発活動等,一層の取組が必要である。
(件)
図 5 中国・四国ブロックのHIV抗体検査・相談件数の年次推移
表4
中国・四国ブロック保健所等における HIV 抗体検査件数
H27 第 1~3 四半期
表5
H28 第 1~3 四半期
中国・四国ブロック保健所等における相談件数
H27 第 1~3 四半期
H28 第 1~3 四半期
鳥取県
398
442
鳥取県
6
20
島根県
233
201
島根県
263
208
岡山県
734
690
岡山県
1,321
1,237
広島県
1,576
1,319
広島県
3,346
2,781
山口県
646
541
山口県
501
377
徳島県
539
500
徳島県
656
639
香川県
256
221
香川県
218
262
愛媛県
769
722
愛媛県
934
870
高知県
332
255
高知県
73
35
5,483
4,891
7,318
6,429
計
計
※第1~3四半期とは,1月から9月のこと