モデル事業の取組紹介・成果発表要旨 ア.coco de class 株式会社

○ モデル事業の取組紹介・成果発表要旨
ア.coco de class 株式会社(大久保社長)
・2つの事務局(茨城・東海村と東京・吉祥寺)での情報が一元化されておらず,二回
同じ作業が発生するなど非効率であったため,IT化によりこれらの問題の解決を図
るとともに,講師のコメントと生徒の意見掲載や,講義の予約,作成した作品写真の
掲載等生徒も使えるシステムの構築を目指しました。
・問題解決を図るため,
「業務内容のヒアリング」
「業務フロー及び作業工程一覧を作
成」
「各工程の時間測定」を実施した結果,「業務の効率化と付加価値の向上を図るシ
ステム構築・運用」が可能となりました。
・その結果,茨城事務局の事務作業時間の 25%削減,東京事務局の事務作業時間の
42%削減等事務局の作業効率が大幅にアップし,人件費の削減と業務のゆとりが実現
しました。
・しかし,実際にシステムを導入・運用してみると,導入時に「膨大なデータ入力が必
要」
,
「通常業務との平行した作業」が発生し,3ヶ月かけてデータを入力,スタッフ
への導入研修の実施が必要となりました。また,運用に当たっては通常のサービス業
務を行いながら平行してシステムを導入をスタートしなくてはならないことが課題で
あると感じました。通常の業務サービスを実施しながらマニュアルを読む時間の確保
は不可能であり、マニュアルなしで使用できるシステムが必須と感じました。
・その結果,現在はシステム運用を一時中断し,改善を進めています。
・今後は,改善されたシステム運用により,更なる業務効率のアップと生徒満足度の向
上や業務のゆとりでできた時間を,筑波大学と連携した色彩による感性の研究を用い
た高齢者支援等の新ビジネスの展開に用い,付加価値の高いサービスを提供していき
たいと考えています。
イ.株式会社小野写真館(須田管理部長・畠山マネージャー)
・全社的に労働時間が長く,生産性の低さが課題となっていたことから,今回のモデル
事業では,従業員の作業時間に関するデータの収集・分析を行いました。
・その結果,バックヤード業務に係る作業時間の割合が全体の46%を占めるほか,業
種ごと(プランナー,カメラ,美容,衣装の各部門)の課題が浮き彫りとなりまし
た。例えば衣装部門であれば「作業の非効率(衣装セットとメンテナンスの場所が一
緒で作業しにくい)
」
,プランナー部門であれば「電話・メール対応の一部スタッフへ
の偏り」等。
・データ分析の結果を現場スタッフと共有し,現場目線で改善策を練った結果,現場ス
タッフが独自の改善策を立案しました(衣装部門の作業スペースのレイアウト変更,
プランナー部門の役割分担表の作成等)
。
・その結果,バックヤード作業の効率化と効率化された作業分の営業活動への転化がな
され,来客者の成約率や売上高の増加等がみられ,
「1人当りの売上高の増加(=生
産性の向上)
」が図られました。
・今後は「プランナー・美容部門の配置換えによる他部門との更なる連携」,
「スタッフ
1人3役主義の推進」等により,更なる生産性の向上を図りたいと考えています。
ウ.有限会社リカーショップスドウ(須藤社長)
・酒類専門店として,2,000 種類という圧倒的な品揃えやネット販売に負けない接客サ
ービスなどを自社の強みとしていますが,全ての商品情報を従業員が覚えるのには,
長い年月と労力を要しています。また,季節ごとの商品入替えの都度,POP(店内
広告)を作成しているが,準備や出力に時間がかかってしまっています。
・このため,商品情報をデータベース化してタブレット端末を活用して紹介できるよう
にすることで,商品知識の取得時間の削減等につなげるとともに,アンケート機能を
加えて顧客情報を収集することにより商品仕入れに活用すること,POP印刷機能を
加えて作業の効率化を図りました。
・その結果,従業員の教育期間の短縮(約 10 年間 ⇒ 1 年間)
,POP印刷時間の短縮
(印刷1回あたり 15 分間 ⇒ 3 分間),アンケート調査による気付き(
「専門的知識
があるスタッフとないスタッフで接客する回数が違う」
「最適な接客時間で接客を行
うと顧客満足度が向上する」
)等の成果が得られました。
・今後は,短期的には「タブレット端末にワイン以外の酒類データの入力」
,中期的に
は「タブレット端末と基幹システムの連携」を図り,現行システムの活用により,作
業の効率化と顧客満足度の向上等につなげていきたいと考えています。