新ビギナーのためのストレージ講座 @ JDSFエデュケーション部門 開催日時 2017年 2017年2月8日(水)14:30 日(水)14:30- 14:30-17:30 ©JDSF おことわり 本書で記載している製品名は、各社の商標です。 2 ©JDSF アジェンダ 1.ストレージ概論 2.ストレージネットワーキング概論 3.バックアップ概論 3 ©JDSF バックアップ概論の主な内容 必要性、定義、目的 要件 対象、復旧時間・時点、保存世代・期間 取得方法、システム構成 予行演習・手順確認 4 ©JDSF 3-1 バックアップの必要性 ● 個人の場合 ・PC(Disk)故障、停電 ・操作ミス → データ損失 ・ウイルス 5 ©JDSF 3-1 バックアップの必要性(続) ● 個人の場合 ・PC(Disk)故障、停電 ・操作ミス → データ損失 ・ウイルス ● 企業の場合 ・サーバ(Disk)故障、停電 ・操作ミス → データ損失 ・ウイルス データ損失から、業務停止、信用崩壊へ 6 ©JDSF 3-2 バックアップの定義 バックアップ データの保管(複製) 復旧 アーカイブ データの保管(移動) 閲覧 レプリケーション データおよびシステムの複製 可用性 7 ©JDSF 3-2 バックアップの定義(続) アプリサーバ アプリサーバ 同期・非同期 レプリケーション バックアップ (複製) アーカイブ (移動) 8 ©JDSF 3-2 バックアップの定義(続) バックアップ アーカイブ レプリケーション 機能 保管、複製 保管、移動 複製 目的 復旧 閲覧 可用性 適用分野 障害対応 災害対策 業務 監査 障害対応 災害対策 障害種類 ハード障害 データ論理障害 - ハード障害 複数 複数 1世代 比較的短期 比較的長期 - データ世代 保存期間 9 ©JDSF 3-3 バックアップの目的 想定する障害項目 10 ©JDSF 3-3 バックアップの目的(続) リストア バックアップ リストアによる復旧が目的!! バックアップは手段 ・データの重要性 ・対象の選択 ・データ量 ・リストアとリカバリの時間 ・復旧手順 11 ©JDSF 3-3 バックアップの目的(続) 復旧作業着手 復旧 障害 発生 リストア リカバリ データの配置 データの利用を 可能に 12 ©JDSF 3-4 バックアップの要件 要件と適用技術の関連付けを・・・ 要件 バックアップ対象 データ種類 取得方法 RTO(目標復旧時間) RTO(目標復旧時間) ・フル/差分/増分 ・圧縮 ・暗号化 ・オンライン/オフライン ・ハード管理 (スプリットミラーなど) RPO(目標復旧時点) RPO(目標復旧時点) 保存世代、期間 時間 システム構成 スケジュール・・・開始・終了時間 ウインドウ・・・許容所要時間 データ容量 ・データ保管先 (テープ・ディスク) ・サーバ構成 セキュリティ 13 ©JDSF 3-5 バックアップ対象 例)バックアップ対象の区別 サーバ ・OS ・ソフトウエア等 →非定期的にバックアップ 非定期的にバックアップ (パッチ適用時など) 内蔵ディスク ・日々更新されるデータ →定期的にバックアップ 定期的にバックアップ 外付ディスク 14 ©JDSF 3-6 保存世代・期間 災害・障害 発生 RPO RTO Recovery Point Objective 目標復旧時点 Recovery Time Objective どの時点の状態に復旧するかの目標 災害発生時からどの位前に戻るのか どの時点でリカバリが完了するかの目標 災害発生後、復旧するまでの時間 目標復旧時間 = データの鮮度 (保存世代、期間に関与) 15 ©JDSF 3-6 保存世代・期間(続) 災害・障害 発生 RPO 保存世代 3世代 2世代 1世代 3日前 2日前 1日前 16 保存期間 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-1 フル・差分・増分バックアップ フルバックアップ Full 差分バックアップ Full (デファレンシャル) Full 増分バックアップ (インクリメンタル) ※製品によって、定義が異なる場合があります。 17 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-1 フル・差分・増分バックアップ(続) 方法 内容 取得データ量 (媒体・時間) リストア 処理 すべてバックアップ 多 単純 中 差分 フルバック後の フルバック後の 追加・変更ファイルの取得 やや 複雑 少 複雑 増分 前回のバックアップ後の 前回のバックアップ後の 追加・変更ファイルの取得 フル 18 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-2 圧縮、重複排除、暗号化 圧縮 ・目的 媒体(テープなど)の使用量 使用量削減 使用量 所要時間の短縮 所要時間 ・方法 方法 ソフトウェア圧縮(バックアップソフト) ハードウェア圧縮(テープ装置) ※どちらかを選択して使用すること ・性能(圧縮率) 性能(圧縮率) 非圧縮で格納可能な容量:圧縮で格納可能な容量 例)テープ製品の表示 1:2(圧縮率2倍) → 実際は2倍とは限らない。データの種類で異なる 19 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-2 圧縮、重複排除、暗号化 重複排除 格納するデータを少なくする技術 データ保管する際に同じデータをそのままにして、変更された データのみを記録・・容量の削減・・転送時容量削減 FileFile-A FileFile-A 0101 ハッシュ値 ○ △ FileFile-B 0101 ハッシュ値 ○ 0111 0011 1001 1101 ◆ ▼ ☆ 0100 0011 0101 1011 ◎ ◆ ○ □ 0101 0111 0011 1001 1101 0100 1011 FileFile-B 20 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-2 圧縮、重複排除、暗号化 暗号化 ・目的 データセキュリティの要件 (データ持ち出しの対応) 情報漏えいリスク軽減 ・方法 方法 バックアップソフトの機能を使用 テープドライブの機能を使用 アプライアンス(専用機)を設置 21 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-3 オンライン・オフラインバックアップ 静止点を設定できるか? アプリケーションサーバの バックアップ データの整合性・一貫性 静止点の設定 アプリの一時的な停止 バックアップウィンドゥ の制約大 オンライン バックアップ 高速バックアップ 22 ©JDSF 3-7 取得方法 3-7-3 オンライン・オフラインバックアップ(続) データ整合性確保のため、静止点が必要 停止 (静止点) オフライン (コールド) バックアップ DBMS ※ 停止 DB 全体 ユーティ リティ オンライン (ホット) バックアップ or エクスポート(論理バックアップ) 静止点 バックアップ モード バックアップ モード TR ログ TR ログ DB データ or ※DBMS(データベースマネジメントシステム) (データベースマネジメントシステム) 23 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-1 ディスクvsテープ 目的とそれぞれのメリットを明確に ディスクにバックアップ テープにバックアップ D2D D2T ランダムアクセス 複数の世代保管向き クリーニング不要 可搬性による外部保管向き ディスク装置機能によるD2Dで で ディスク装置機能による (災害対策の別地保管) 高速バックアップ・リストア 保管時のエコロジー (消費電力、発熱量) (サーバに負荷なし) ※D2D (Disk to Disk) D2T (Disk to Tape)の意味 の意味 24 (to を2に置き換え) に置き換え) ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-2 バックアップ統合 LANバックアップ バックアップシステムを構成する4種類のサーバ バックアップ クライアント (アプリサーバ) アプリサーバ) バックアップ 対象 テープドライブ にI/Oを実施 を実施 バックアッ プ全体制御 バックアップ サーバ バックアップ テープ サーバ ライブラリ装置 のロボット制御 バックアップ ライブラリ サーバ ライブラリ 管理情報 カタログ 情報 テープライブラリ バックアップソフトによって、 ・呼び方が異なる ・ライセンス費用計算方法が異なる 25 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-2 バックアップ統合 LANバックアップ(続) I/O負荷 負荷 どのサーバが負荷が高い? データ検索 データ受渡 バックアップ クライアント (アプリサーバ) データ受取 テープドライブ への書き込み ライブラリ装置 のロボット制御 No2 カタログ情報処理 (クライアント 数) (ファイル数) (ジョブ数) バックアップ バックアップ テープ サーバ バックアップ ライブラリ サーバ No1 ライブラリ 管理情報 サーバ テープライブラリ カタログ 情報 バックアップテープサーバと アプリサーバは分離しましょう。 26 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-3 バックアップ統合 LANフリーバックアップ 元のディスクと同一容量のディスクを作成 スプリットミラー バックアップ サーバ アプリサーバ D2D※ 正 副 バックアップ用 外部ディスク装置 ※D2D Disk to Disk (toを を2に置き換え)の意味 に置き換え)の意味 27 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-3 バックアップ統合 LANフリーバックアップ(続) アプリサーバの負荷軽減 バックアップ サーバ アプリサーバ アプリサーバ アプリサーバ カタログ 情報 バックアップ テープ & ライブラリ サーバ バックアップ クライアント ライブラリ 管理情報 SAN テープライブラリ D2T 正 D2D 副 外部ディスク 複数世代確保 アプリサーバからバックアップクライアント機能を取り外し。 外部ディスク機能によるD2Dとバックアップサーバによる とバックアップサーバによるD2T → D2D2T 外部ディスク機能による とバックアップサーバによる 28 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-4 スナップショット ポインタを使った論理的複製 バックアップ サーバ アプリサーバ スナップ ショット時点 正 A B A B A’ スナップ ショット A スナップショット領域 外部ディスク装置 論理的領域 複数世代設定可 テープへのバックアップ時に、正ディスクにも負荷がかかる →アプリのパフォーマンスに影響 アプリのパフォーマンスに影響 リストア時のデータ経路に留意 29 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-5 仮想サーバのバックアップ 従来の基本的な技術の組み合わせ 仮想ホストのAPIと と 仮想ホストの バックアップソフトの連携 仮想ホスト 管理サーバ 仮想ホスト 仮想ホスト 仮想マシン バックアップ サーバ 仮想マシン アプリ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ アプリ サーバ バックアップ クライアント SAN バックアップ テープサーバ テープライブラリ サーバ イメージ スナップ ショット 外部ディスク装置(データ領域) LANフリーバックアップとスナップショットの組み合わせ フリーバックアップとスナップショットの組み合わせ 30 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-5 バックアップデバイスの選定ポイント 容量、速度、頻度、別地保管の有無、コストで選定 デバイス 容 量 速 度 コスト 中中中中~~~~高高高高 中中中中~~~~多多多多 ○○○○ 中中中中~~~~高高高高 小小小小~~~~中中中中 低低低低~~~~中中中中 少少少少~~~~多多多多 ×××× 少少少少~~~~中中中中 中中中中~~~~大大大大 高高高高 中中中中~~~~多多多多 ×××× 高高高高 外部ディスク装置 (D2D機能付) D2D機能付) 少少少少~~~~中中中中 中中中中~~~~大大大大 ディスク ○○○○ 低低低低~~~~中中中中 テープライブラリ 少少少少 単体テープ 小小小小~~~~中中中中 頻 別地 度 保管 適用例 OSやソフトウエアなどの非定 OSやソフトウエアなどの非定 期バックアップ 日々のバックアップで保管世 代数が多い、別地保管がある もの 日々のバックアップで保管世 代数が多い、別地保管が無い もの 日々のバックアップで高速 バックアップが必要なもの 31 ©JDSF 3-8 システム構成 3-8-6 バックアップ統合 方式 LAN バックアップ LANフリー バックアップ まとめ ○メリット △デメリット 内容 ・ネットワークバックアップ ・データはLAN経由 ・外部ディスクのコピー機能 (スプリットミラー)使用 ・データはSAN経由 ・データはSAN経由 32 ○ SAN不要 SAN不要 → 導入が簡素 △ LANに負荷 LANに負荷 → 専用LAN 専用LANを準備 LANを準備 △ アプリに負荷 ○ LAN, LAN,アプリに無負荷 アプリに無負荷 △ SAN必要 SAN必要 △ 機能付ディスク必要 → 導入がやや複雑 比較的高価 ©JDSF 3-9 予行演習・手順確認 「ぶっつけ本番」は厳禁です。 リストア・リカバリ リストア・リカバリは、かなり・・・ リカバリは、かなり・・・ 大変なイベントなのです 原則不定期に発生し、かつ緊急を要することが多い。 人間の高度な判断が不可欠。 (破損状態の確認・解析、復旧方針の判定、現状確保、リストア作業、 リカバリ作業、動作検証など) より高い権限をもったエキスパートが必要な場合もある。 (システムの管理者権限、ネットワークスキル、データベーススキル、 システム全体のアーキテクチャや業務への影響度の判断など) プロセスや人手の面で、綿密な行動計画や対処が必要。 33 ©JDSF 3-9 予行演習・手順確認(続) 恒例行事としたいものです。 34 ©JDSF 3-9 予行演習・手順確認(続) 手順は常に確認しておきましょう。 リカバリを考えた バックアップ設計 RPO/RTO 費用対効果 リカバリテスト 手順確認 所要時間確認 書面化 リカバリ手順書作成 構築フェーズ 担当者の 予行演習 手順再確認 構成変更、OSパッチ適用 データ量増加による 手順書見直し 手順と所要時間確認 運用フェーズ 35 ©JDSF バックアップ概論 まとめ バックアップの目的を明確に リストアとリカバリは違います 要件と適用技術の関連付け 取得方法とシステム構成 予行演習・手順確認は必須 36 ©JDSF おわり おつかれさまでした!! アンケートのご記入をお願いいたします ご質問、ご意見は以下まで JDSF事務局 事務局 [email protected] 37 ©JDSF
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