サイレンスチューブ® の開発・実用化

騒音対策
汎用性
低コスト
サイレンスチューブ ® の開発・実用化
角田 晋相
●山岳トンネルの騒音問題
技術本部 技術研究所 主任研究員
現地のトンネル形状や寸法に応じて音
●低減効果の向上
山岳トンネル工事では、発破による騒
響管を組み立てて設置するため、車両通
本技術の2現場目の適用として、高松
音対策として防音扉を設置しますが、人
路の確保などトンネル空間に対して効率
自動車道志度トンネル工事に試験導入し
の耳には聞こえない低周波音に対しては
的な配置が行えます。
ています。今回の導入では、音響管の開
効果が低く、近隣住民に対して不快感や
また、音響管の組み立てには建設現場
口面に吸音材の膜を付加し、音の低減効
圧迫感を与えるといった問題があります。
でよく使われる鋼製型枠などの汎用部材
果を向上させています。トンネル坑口付
●サイレンスチューブの開発
を用いるため、現場近郊での材料調達が
近と坑口から約 200m 離れた民家付近
サイレンスチューブは、音響管による共
容易で輸送費も少なく済み、解体後も廃
で発破時に低周波音測定を行った結果、
鳴現象を利用した消音装置で、特定周波
棄物はほとんど発生せず、環境にやさし
10 ∼ 25Hz 帯の低周波音を 7dB 程度
数の音を大幅に低減することができます。
い技術です。
低減効果を確認しています。
防音扉
吸音材の膜
低周波音低減装置
「サイレンスチューブ」
低周波音
サイレンスチューブ概念図
現場設置状況
適用作業所
高松自動車道四車線化事業 志度トンネル工事
星野 毅志
大阪支社 土木統轄部 作業所長
本工事は、四国横断自動車道の鳴門
の施工は、トンネル中心間距離が最少
から高松市境まで(延長 51.8km)の
30mと近接しているため、発破振動の許
高松自動車道四車線化事業の一部で、
容値を設定して火薬量を制限し、供用中
志度トンネルと末高架橋を含む 2.5km
のトンネルへの影響を監視しながら施工
を施工するものです。工事延長全線にお
しました。「TUNNEL EYE」と「サイレ
いて、供用中の高松道・高松東道路に
ンスチューブ」適用による生産性と安全
近接した施工となり、特に志度トンネル
性向上の効果が確認できました。
工事延長 約2.5km
志度IC
末高架
橋
L=18
0.8m
工事範囲
供用中
志度トンネル
564m
津田寒川IC
工事概要
施工場所
発 注 者
設
計
構造・規模
完
成
香川県さぬき市
西日本高速道路㈱四国支社
㈱オリエンタルコンサルタンツ
道路トンネル 564m 他
2017 年 2 月予定
ZENITAKA Corporate Social Responsibility Report 2016
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