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No. 722-723 / 02.2017
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福島原発事故の影響
日本における死産、周産期死亡および乳幼児の死亡-2001 年から 2015 年にかけて
のトレンド分析のアップデート
ハーゲン・シェアプ、森國悦、ふくもとまさお、林敬次、クリスティーナ・フォイ
クト、ラルフ・クスミーアツ
1. 背景と問題提起
東京電力福島第一原発の事故が起こってから 2 年間観察した段階で、放射性物質に
汚染された地域において一歳未満の乳児死亡と死産(妊娠満 12 週以後の死児の出産)
を加えた死亡例が相対的に上昇していることがすでに確認されていた[1]。さらにこ
れまでにわかったこととして、一般的には安定して減少傾向にあった周産期死亡
(妊娠満 22 週以後の死産に生後 7 日未満の死亡を加えたもの )が、高レベルに汚
染された 6 つの県(岩手、宮城、福島、茨城、栃木および群馬)において 2012 年か
ら 2014 年の間に約 15%と飛躍的にかつ継続的に上昇していたことが挙げられる[2]。
本稿の目的は、日本における早い段階の死亡(本稿では、妊娠満 12 週以後の死産と
生後一年未満の死亡を合わせたものをさし、以下、早期死亡とする)および周産期
死亡についての傾向(以下、トレンド)分析を 2016 年末現在において入手可能な
2015 年のデータをもとにアップデートし、補正することによって、これまでに確認
された東京電力福島第一原発事故後のトレンド変化の諸相をさらに正確に記述して
いくことにある。
日本の 47 都道府県(図 1)の月別の出生数は、厚生労働省が作成している「人口動態
統 計
」 を も と に 公 表 さ れ て い る
(http://www.e-stat.go.jp/SG1/
estat/NewList.do?tid=000001028897)が、この公式の出生数統計では一歳未満の早期死
亡として以下の 5 つの指標が用いられている。

妊娠満 12 週以後の死産

妊娠満 22 週以後の死産


生後 7 日未満の死亡
生後 28 日未満の死亡

生後一年未満の死亡
1
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2. 統計的分析方法
核施設の近辺に住む住民や、放射性物質が放出された周辺地域に住む住民において
罹患率および死亡率、さらに出生性比に変化があった際には、一般的に国内全土を
網羅している公的な人口統計と先天奇形の登録、がん登録などの特殊な登録制度を
参照することによって、これら住民に放射線に起因した遺伝子の影響が出たのかど
うかの示唆を得ることができる[3-5]。とりわけ筆者らによって開発された分析的環
境疫学(Analytical Ecological Epidemiology)の手法を用いることによって、異なった
汚染レベルの地域における死産率や周産期死亡率や先天奇形率、さらに出生時の性
比(男児が多いか、女児が多いか)のトレンドを概観し、さらに空間的・時間的に
線量反応関係が分析できる[6]。 放射能による汚染と遺伝子への影響の頻度の間に有
意な線量反応関係が明らかになる、すなわち放射性物質の放出のあと、それにより
相対的に高く汚染された地域の住民の間でより多くの疾患や死亡が確認された場合、
それは放射線と疾患ないしは死亡の間にある因果関係を示す強い徴候があるといえ
る。例えば、ドイツのバイエルン州ではチェルノブイリ原発事故以後、放射線によ
る汚染レベルに応じて先天奇形の発生率に統計的に非常に有意に、ほぼ直線の上昇
傾向が見られた[7]。
本稿では、チェルノブイリ原発事故後の観察結果をもとに、日本における早期死亡
をいくつかの方法で観察し、その結果を以下のように構成し記述する。

3.1 では中レベルないしは高レベルに汚染された 11 の都・県(千葉、福島、
群馬、茨城、岩手、宮城、新潟、埼玉、栃木、東京、山形)での早期死亡全
体の筆者らの手法によるトレンド分析をアップデートする。東京電力福島第
一原発事故の 2 年後にはすでに早期死亡が上昇するトレンド が立証されたが、

この 2002 年から 2012 年までのトレンド分析に関しては[1]を参照されたい。
3.2 では環境上の線量反応関係の観点で 3.1 の本質的な結果を概観する。

3.3 では、6 つの高レベル汚染県(福島、群馬、茨城、岩手、宮城、栃木)お
よび 3 つの中レベル汚染都・県(千葉、埼玉、東京)における 2001 年から
2014 年にかけての周産期死亡分析を 2015 年の最新データを用いてアップデ
ートする。該当するすでに公表済みの 2001 年から 2014 年にかけてのトレン
ド分析は[2]を参照されたい。
2
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3. 結果
3.1.
11 の汚染都・県における早期死亡
表 1 は日本全国におけるそれぞれの早期死亡の年間総数を示し、表 2 は中・高レベ
ルに汚染された千葉、福島、群馬、茨城、岩手、宮城、新潟、埼玉、栃木、東京お
よび山形の 11 の都・県でのそれぞれの早期死亡の年間総数を示している。これらの
11 の都・県の出生数の年間合計はドイツ全体の年間出生数のおよそ半分である[8]。
表 3 は福島、群馬、茨城、岩手、宮城および栃木の 6 つの高レベルに汚染された県
における年間の出産数と周産期死亡(妊娠満 22 週以後の死産ないしは出生後 7 日未
満の死亡)数だけを抽出して補足したものである。
図 2 と図 3 はそれぞれ早期死亡全体のトレンドを示している。図 2 は 11 の汚染され
た都・県のトレンドで、図 3 は放射性物質による汚染の低い、ないしは汚染のなか
った日本のその他の 36 の道府県のトレンドである。11 の汚染した都・県における
早期死亡のトレンドを見ると、以下のような 2 つのはっきりとした統計的に有意性
の高い影響がみられる。

津波後の最初の 3 か月間(2011 年 3 月~5 月)には 15.6%という一過性の上
昇(オッズ比 1.156, 95 %信頼区間 [1.085, 1.232], p<0.0001)があり、地震と津波
が直接的に影響したものであることがはっきりとわかる。

2011 年のその後の経過をみると、早期死亡は一時的にあきらかに低くなった
が、2011 年 12 月からは再び一様に 6.8%と非常に有意な上昇を示し、その傾
向が続いている(オッズ比 1.068, 95 %信頼区間 [1.035, 1.101], p<0.0001)。
2011 年 12 月以降、日本で早期死亡が 6.8%上昇していることは、ドイツ全体で 1987
年、すなわちチェルノブイリ原発事故の翌年に周産期死亡が 4.9%上昇 (オッズ比
1.049, 95 %信頼区間 [1.015, 1.084], p=0.0046)したこととおおよそ一致している[8]。並
行して、チェルノブイリ原発事故後はヨーロッパ各国において死産も 5~10%と相
対的に上昇傾向に転じた[9, 10]。図 3 をみると、汚染されていない日本のその他の
道府県においては、2011 年春に統計的に有意な津波の影響もなく(p=0.2644)、2011
年 12 月以降に死産が統計的に有意に上昇している事実もみられない(p=0.7931)。484
万 2630 の出生総数に対して 7 万 1645 の死産ないしは乳児死亡があるという統計的
数字から、2011 年 12 月以降は 1140 の過剰死亡が影響として表れていることを図 2
は示している。相応する数を 95 %信頼区間でみると [592, 1704] となる。
3
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3.2.
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環境上の線量反応関係
チェルノブイリ原発事故のあと、バイエルン州では放射性物質の降下量と死産、お
よび先天奇形の間に明らかな環境上の線量反応関係が観察された。例えば、バイエ
ルン州で最も放射性物質による汚染が高かった 10 の郡では 1987 年から 1992 年にか
けて死産率が約 50%上昇している[7, 11]。日本においては通常、死産(妊娠満 12 週
以後の死児の出産)数が早期死亡全体の中で大きな割合を占めている(表 1 参照)と
いう事実を鑑みると、最も汚染されているとみられる東北太平洋沿岸の 4 つの県、
すなわち茨城、福島、宮城および岩手における死産率の変化をより綿密に観察し、
さらに残りの日本全体と比べなければならない。当該の 4 つの汚染度の高い県のデ
ータを示している図 4 をみると、2011 年の 3 月から 5 月にかけて 21.5%(p=0.0086)と
いう統計的に有意な上昇のピークが観察されるが、これは地震と津波による直接的
な影響と考えられる。その後、死産率は低く推移したが、2011 年 12 月以降は大幅
な増加が見られている(オッズ比 1.12 95 %、信頼区間=[1.04, 1.21], p=0.0048)。
福島県から相対的に近い埼玉県と東京都には人口が集中しているが、この 2 つの
都・県では、東京電力福島第一原発事故後も、2012 年 12 月までに入手可能なデー
タをみる限りは統計的に有意な死産の上昇はみられていなかった[1]。しかしながら、
現時点で入手可能な 2015 年 12 月までの数字を含めた図 5 をみると、ここでもオッ
ズ比で 1.084 (95 %信頼区間=[1.033, 1.137], p=0.0010)と、2011 年 12 月以後の死産率
が統計的に有意に上昇していることがわかる。早期死亡全体(図 3)と同様、図 6
をみると、高レベル汚染県である茨城、福島、宮城、岩手、および中レベルに汚染
された都・県である東京と埼玉を除く道府県では、死産(妊娠満 12 週以後の死児の
出産)は 2012 年から 2015 年にかけても上昇していない。
チェルノブイリ原発事故以後のバイエルン州の各郡において起こったことと同じよ
うに、日本でもこれら当該の都・県において東京電力福島第一原発事故以降、放射
性物質の降下量と死産の間に線量反応関係が示唆されるのである。図 4 から図 6 ま
でを記述的ないし質的な角度から環境上の線量反応関係をみたものが図 7 である。
これをみると、死産率が実際に線量に比例して上昇していることがわかる。純粋な
推定として、放射能に高度に汚染された福島県、茨城県、岩手県、および宮城県に
おいて、東京電力福島第一原発事故後、バックグラウンド線量が倍になり、傾向と
して年間約 1 mSv から 2 mSv になったと仮定した場合[2]、図 4、ないしは図 7 が示
すことは、年間 1 mSv の線量上昇によって相対的に高まる死産のリスクは、オッズ
比で表すと 1.12(95%信頼区間 [1.035, 1.209])になるということである。したがっ
て、チェルノブイリ原発事故以後バイエルン州の各地域で死産に関して年間 1 mSv
につきオッズ比で 1.33(95%信頼区間=[1.16, 1.51], p < 0.0001)という環境上の線量
反応関係が得られたことを鑑みると、東京電力福島第一原発事故後の日本の都道府
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県レベルのデータに基づくこの解析結果は、バイエルン州のそれと同様である。
[10]。
3.3.
6 つの高レベル汚染県と 3 つの中レベル汚染都県における周産期死亡
早期死亡(生後一年未満の死亡に妊娠満 12 週以後の死産を加えたもの)とならんで、
一般的な周産期死亡(妊娠満 22 週以後の死産に生後 7 日未満の死亡を加えたもの)
も観察の対象であろう。これらを集計した 2001 年から 2014 年にかけての月別統計
を放射性物質による汚染が中高レベルの 9 つの都・県(千葉、福島、群馬、茨城、
岩手、宮城、埼玉、栃木、東京)と他の道府県とに分けて厳密に解析したものが[2]
である。ここでも、汚染されてない地域から中レベルの汚染地域、さらには高レベ
ルの汚染地域にかけて周産期死亡の上昇がはっきりとした生物学的な勾配を示して
いることを確認した。2015 年までの年間統計を示したものが表 3 である。図 8 から
図 10 にかけては、それぞれの統計データと放射性物質による汚染レベルに伴う影響
がどのように推移しているかを月別に示している。[2] で示した東京電力福島第一原
発事故後の日本における周産期死亡についてのすべての解析結果が 2015 年の統計を
加えることによってさらにはっきりと立証され確固なものとなっている。とりわけ、
図 8 から図 10 を合わせてみると、3.2 で死産について明らかになったように(図 7
参照)、周産期死亡についても環境上の線量反応関係が存在することがわかる。
4. 結論
2011 年 3 月に日本を襲った震災および原発事故は、放射性物質が拡散されてから 9
か月ないしは 10 か月を経過したのちに、該当する県・都において早期死亡や周産期
死亡の上昇をもたらした。そしてその上昇は、汚染状況によって該当する県や都に
よっては 5%から 20%であり、日本全体で早期死亡が基本的に減少傾向であるのに
反して、大幅かつ統計的に非常に有意であることがわかった。放射性物質による汚
染がなかった他の道府県ではこのような影響はみられなかった。本稿でアップデー
トした解析結果は、基本的に都道府県のグループ分けの特性にも、死産・乳児死亡
などの早期死亡指標の選び方にも依存しないものであり、さらにこの影響が最も強
く表れたピークが東京電力福島第一原発事故の 9 か月後なのか、あるいは 10 か月な
のかという問題にも依存しないものであるため、動かしがたいものであるともいえ
る。これによって、チェルノブイリ原発事故後のヨーロッパで見られたものと非常
に似通った影響が福島第一原発事故後の日本でも観察できることがわかった。この
ことをきっかけとして、日本では、人体において放射線によって誘発されうる遺伝
子への影響の推移(http://www.unscear.org/unscear/en/publications /1958.html)、具体的に
挙げると早期死亡、周産期死亡などの指標、先天奇形、出生性比について、今後も
厳密に統計をとり、調査していくことが必要となってくる。
5
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国内および国際的な各放射線防護委員会が支持するような前提、即ち死産や先天奇
形のような遺伝子の損傷は、数 cSv(センチシーベルト)の汚染があってはじめて
認められるものであり、がんのように極僅かな低線量で発症する可能性はない
(http://www.ssk.de/SharedDocs/Beratungsergebnisse_PDF/1984/1984_01.pdf?__
blob=publicationFile)、という前提は、放射線に起因して遺伝子が突然変異するには
一定の「閾値」があるという考え方である。しかし、このような前提はチェルノブ
イリ原発事故以後、そして本稿で示し、アップデートした東京電力福島第一原発事
故以後の解析結果によって明らかに反証された。なぜ国内および国際的な放射線専
門機関がこのように重大な見誤りをおかすのか。その理由として、がん罹患を誘発
する放射線の影響が帰納的に推計されるもの(確率的影響)であるといわれるのに
対して、死産や先天奇形がいわゆる確定的影響(一定の放射線を浴びなければあら
われない影響。即ち一定の放射線を浴びると必ず影響があらわれるということ)に
より放射線に誘発される障害であることが挙げられよう。言い換えると、国内およ
び国際的な放射線防護機関は、卵細胞や精子細胞に放射線がおよぼす有害な影響を
無視し、精子形成や胚生成などの受胎に伴う生物学的・遺伝的なプロセスが被ばく
でダメージを被るということを無視しているのである。このような観点から、現在
有効とされている放射線防護の基準は基本的に誤っており、改められなければなら
ない。これは、放射性物質の放出をともなう核施設の廃炉や、特に長い半減期を持
つ高濃度放射性廃棄物の「最終処分」の課題において、人々の遺伝子を健全に保持
し、地球上生物の生存状況を保護するためにも喫緊の課題である。
(日本語翻訳:桂木
忍)
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表
年
出生数
妊娠満 12 週以
妊娠満 22 週以 生後 7 日未満の 生後1年未満
後の死産
後の死産
死亡
の死亡
2002
1153855
15161
4959
1374
3497
2003
1123610
14644
4626
1303
3364
2004
1110721
14288
4357
1184
3122
2005
1062530
13502
4058
1091
2958
2006
1092674
13424
4047
1053
2864
2007
1089818
13107
3854
1052
2828
2008
1091156
12625
3751
969
2798
2009
1070035
12214
3645
874
2556
2010
1071304
12245
3637
875
2450
2011
1050806
11940
3491
824
2463
2012
1037231
11448
3343
790
2299
2013
1029816
10938
3110
752
2185
2014
1003539
10905
3039
711
2080
2015
1005677
10862
3063
665
1916
総数
14992772
177303
52980
13517
37380
表 1: 2002 ~2015 年の日本における出生と早期死亡
年間
出生数
妊娠満 12 週以
妊娠満 22 週以 生後 7 日未満の
生後1年未満
後の死産
後の死産
死亡
の死亡
2002
367475
5155
1746
463
1149
2003
358364
4912
1575
398
1084
2004
355089
4817
1533
370
996
2005
340873
4540
1314
322
920
2006
350774
4427
1342
358
935
2007
350473
4442
1279
355
912
2008
352263
4275
1263
286
915
2009
347581
4010
1177
308
845
2010
347421
3994
1195
263
769
2011
337900
3928
1152
231
791
2012
334449
3829
1132
280
771
2013
336428
3728
1059
240
711
2014
330815
3702
1064
248
691
2015
332725
3758
1005
211
639
総数
4842630
59517
17836
4333
12128
表 2: 2002 ~2015 年の中・高レベル汚染都・県(千葉、福島、群馬、茨城、岩手、
宮城、新潟、埼玉、栃木、東京、山形)における出生と早期死亡
7
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福島、群馬、茨城、岩手、 宮城 、栃木
千葉、 埼玉、東京
その他の道府県
年
出生数
妊娠満 22
週以後の死
産
生後 7 日未
満の死亡
周産期死亡
出生数
妊娠満 22 週以
後の死産
生後 7 日未満
の死亡
周産期死亡
出生数
妊娠満 22 週以
後の死産
生後 7 日未
満の死亡
周産期死亡
2001
119830
576
147
723
218349
986
253
1239
832285
3546
959
4505
2002
117278
539
158
697
219487
1066
267
1333
816895
3349
943
4292
2003
114011
530
140
670
214547
927
220
1147
794882
3167
938
4105
2004
111437
518
135
653
214201
874
200
1074
784907
2964
847
3811
2005
106150
387
118
505
206861
811
184
995
749349
2859
786
3645
2006
107639
412
110
522
214637
820
213
1033
770222
2812
727
3539
2007
106134
402
131
533
216476
771
202
973
767048
2679
716
3395
2008
105870
393
93
486
218841
766
166
932
766272
2588
706
3294
2009
102741
348
107
455
218177
743
178
921
749018
2552
587
3139
2010
101482
370
82
452
219205
726
163
889
750492
2537
630
3167
2011
97213
333
65
398
214465
734
137
871
739006
2422
619
3041
2012
95536
358
80
438
213225
686
179
865
728403
2295
530
2825
2013
95404
339
79
418
215799
644
138
782
718559
2126
533
2659
2014
93226
304
85
389
213143
664
147
811
697105
2068
479
2547
2015
92270
301
67
368
216285
627
128
755
697069
2134
469
2603
1566221
6110
1597
7707
3233698
11845
2775
14620 11361512
40098
10469
50567
総数
表 3: 2001 ~2015 年の 6 つの高レベル汚染県(福島、群馬、茨城、岩手、宮城、栃木)、3 つの中レベル汚染都・県(千葉、埼玉、
東京)およびその他の道府県における出生と早期死亡
8
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図
図 1: 日本の 47 都道府県 (http://de.wikipedia.org/wiki/Präfektur)
9
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図 2 :津波後、11 の汚染された都・県で 2011 年の 3 月から 5 月にかけてみられた早
期死亡の上昇ピークと 2011 年 12 月以降の長期的な上昇
図 3 :津波後、36 の汚染されなかった道府県では、2011 年の 3 月から 5 月にかけて
早期死亡に統計上有意な上昇がみられず、2011 年 12 月以降長期的にも有意に上昇
しなかった。
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図 4:高レベル汚染県(茨城、福島、宮城、岩手)における妊娠満 12 週以後の死産
図 5 :中レベル汚染都・県(埼玉、東京)の妊娠満 12 週以後の死産
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図 6 :高レベル汚染県(茨城、福島、宮城、岩手)と中レベル汚染都・県(埼玉、
東京)以外の道府県における妊娠満 12 週以後の死産
図 7:図 4、5、6 に関する変化オッズ比の自然対数(プラス/マイナス 1 標準誤差)
左から:hoch (高い)
:茨城県、福島県、宮城県
mittel (中程度) :埼玉県、東京都
niedrig (低い)
:それ以外の道府県
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図 8 放射能汚染があった福島県、群馬県、茨城県、岩手県、宮城県、栃木県の周産
期死亡
図 9 中レベルに汚染した千葉県、埼玉県、東京都の周産期死亡
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図 10 中レベル汚染都県(千葉、埼玉、東京)と高レベル汚染県(福島、群馬、茨城、
岩手、宮城、栃木)を除いた日本の道府県における周産期死亡
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