2017/1/28 坂 康彦 MarkAudio社製8cmフルレンジユニットAlpair6を2個使用した、ダブルバスレフ 方式のセンタースピーカー用エンクロージャーを製作しました。 第1ダクト 狙い;このSPBOXは、Alpair10ホーン付とセットで使用する為に、音質の傾向を 第2ダクト 合わせる目的で製作しました。また、テレビの下に設置する為、厚みを極力 小さくし、低域の再生は欲張らないようにしています。 特徴としては、ユニット前面にエクスポネンシャルホーンが付いています。 ホーン 外形寸法(突起部分を除く)は、150mm×490mm×335mm(HWD)で、 開口部 Alpair6 主要な構造材は15mm厚のMDFを使用しています。 ホーン部分と前面バッフルには、20mm厚のラバーウッド(ゴムの木)の 集成材を使用して、ウレタンニスで仕上げています。 Alpair6 ダブルバスレフ方式の詳細構造は、次のようになっています。 ホーン 2つのユニットの中央を仕切り、2つの第1室(各2.8L)を独立して設け、 その背面を15mmのMDFで斜めに仕切り、共通の第2室(5.6L)を設けています。 (注;容積には、ユニットとダクトを含む、第1室には、吸音材も配置した) 第1ダクトは内径32mmの開口で、長さは15mm(板厚)です。 第1ダクト 第2ダクトは20mm×96mmのダクトを長さ120mmにし、開口は90×11mmです。 以上の条件は、「第1ダクトの長さ」、「第2ダクトの長さ」、「開口部の面積(幅)」 の3つの要素を各3種類、組み合わせで試験し、OmniMicでの周波数特性(平坦度とレベル)で決定しました。 ユニット前面のエクスポネンシャルホーンは、口元面積をユニットの有効振動面積(2個分)に合わせ、カットオフ 周波数(fc)を550Hzとして設計しました。 口元からの距離;x(m)、その場所の面積;S(㎡)とすると、 S=0.007697EXP(20.33x)・・・2個合計 (ホーン長は70mmです。) ホーンの形状は、上下に平面を配置し、左右の面を曲線に削って、実現しています。 尚、ユニット1個分のホーン開口面積では、カットオフ周波数は760Hzになってしまいます。 OmniMicでの周波数特性の測定 ユニット軸上で、バッフルから50cm(ユニットから約60cm)の位置で測定した周波数特性は、以下のグラフです。 黒線が1ユニットだけ(他ユニットはショート)の特性、赤線は2ユニット直列駆動の特性です。 MarkAudio Alpair6 フロントホーン付ダブルバスレフ センタースピーカー 400Hz付近からホーンの効果が出て、最大(950Hz付近)で10dB程度上昇しています。 また、700Hz付近から急激に上昇しているのは、1ユニット分の効果が大きい為と思います。 直列駆動では、計測点がSP正面10度になり、高域の減衰が大きいと思います。(斜め配置の失敗) ダクト開口部(黒線)とユニット近接(赤線)の音圧特性は、以下のようになっています。 このグラフから、第1ダクトの共振周波数は210Hz、第2ダクトは45Hzになっている事が分かります。 スピーカーユニットの軸上で、バッフルから50cmの位置で測定した歪の特性は、以下のグラフです。 青線は2~5次の歪を塁積した特性を示し赤線は2次歪、紫線は3次歪を示しています。 低域で多少の歪の上昇がみられますが、全般的には歪は小さい事がわかります。 MarkAudio Alpair10 フロントホーン付ダブルバスレフ スピーカー(改造) 前回発表したBOXに対し、以下の改造を行いました。 1.第1ポートの面積増加(φ38;2個→φ38;3個)<長さは、板厚の18mm> 2.第1室への吸音材の追加 3.第2ポート開口面積の減少(17×120mm→17×40mm) ユニット軸上で、バッフルから50cmの位置で測定した周波数特性は、以下のグラフです。 黒線が今回発表の改造品の特性、赤線は前回の特性です。 ダクト開口部とユニット近接の音圧特性は省略しますが、第1共振が128→152Hz、第2共振が35→32Hzに変化しました。 MarkAudio Alpair10 &Alpair6 3スピーカー同時駆動 上記の左右とセンターの3つのスピーカーを同時の駆動し、各SPより1.5mの点で周波数特性を測定しました。 尚、センタースピーカーのAlpair6は2個を同時(個別)に駆動しています。 高域では、複数のスピーカーの相互作用で、特性に大きな変動が計測されていますが、・・・・。
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