資料1-9 本資料のうち,枠囲みの内容は機密事項に属しますので公開できません。 柏崎刈羽原子力発電所6号及び7号炉審査資料 資料番号 KK67-0138 提出年月日 平成29年2月2日 柏崎刈羽原子力発電所 6号及び7号炉 重大事故等対処設備の一部変更について 平成29年2月 東京電力ホールディングス株式会社 枠囲みの内容は機密事項に属しますので公開できません ご説明事項⑮ 水源設備の一部運用変更について 1.はじめに 実用発電用原子炉及びその附属設備の位置,構造及び設備の基準に関する規則及びその解 釈(第五十六条)において,重大事故等の収束に必要となる十分な量の水を有する水源の確 保及び,重大事故等の収束に必要となる十分な量の水を供給するために必要な設備を設けな ければならないとされている。 従来は,淡水と海水のいずれを使用する場合においても,防火水槽を経由して必要な箇所 へ注水を行う構成としていたが,重大事故等時の注水の確実性を向上させるため,従来の運 用に加えて,防火水槽を経由せずに,代替淡水源である淡水貯水池から,注水用の可搬型代 替注水ポンプ(A-1 級)又は(A-2 級)に直接送水が可能となるホースを配備し,送水手順を 整備する。系統構成図については「2.系統構成」に示す。 また,海水を取水するための設備として,代替原子炉補機冷却海水ポンプを用いる構成と していたが,事故時の可搬性に優れ,設置作業の簡素化が達成できる大容量送水車(海水取 水用)を用いる構成に変更する。ポンプの仕様については表 1 に示す。 なお,大容量送水車(海水取水用)はエンジン駆動であるため電源設備は不要となる。 表 1 海水取水用のポンプの変更点 項目 変更前 変更後 図 名称 種類 容量 揚程,吐出圧力 最高使用圧力 最高使用温度 原動機出力 個数 使用箇所 保管場所 代替原子炉補機冷却海水ポンプ (6 号及び 7 号炉共用) うず巻形 420m3/h/台 35m 0.5MPa 40℃ 75kW 2(6 号及び 7 号炉共用で必要数 2) 屋外 荒浜側高台保管場所及び大湊側高台 保管場所 1 大容量送水車(海水取水用) (6 号及び 7 号炉共用) うず巻形 900m3/h/台 1.25MPa[gage] 1.3MPa[gage] 60℃ 2(6 号及び 7 号炉共用で必要数 2) 屋外 荒浜側高台保管場所及び大湊側高台 保管場所 2.系統構成 防火水槽を経由する場合と,防火水槽を経由しない場合の系統構成の比較のため,防火水 槽を経由する場合の系統構成を図 1,防火水槽を経由しない場合の系統構成を図 2 に示す。 変更点としては,淡水貯水池から注水用の可搬型代替注水ポンプ(A-1 級)又は(A-2 級)に, 直接送水が可能となるホースが追加となるのみであり,注水用の可搬型代替注水ポンプ(A1 級)又は(A-2 級)から下流側の系統構成に変更はない。 7号炉 タービン建屋 CSP可搬式 CSP補給用 接続口(西) CSP大容量 接続口(西) 接続口(西) 淡水貯水池 (約18,000m3) CSP屋内 接続口 K7 復水貯蔵槽 3 (約1,700m ) 廃棄物 処理建屋 ホース SFP 可搬式用 接続口(南) 7 号炉 原子炉建屋 CSP大容量 接続口(東) CSP可搬式 接続口(東) MUWC 接続口(南) MUWC 接続口(北) No.14 防火水槽 3 (約 100m ) MUWC可搬式用 接続口(東) 代替原子炉補機冷却 海水ポンプから変更 No.15 防火水槽 (約 100m3) No.5 防槽 (約100m3 ) SFP 接続口(北) SFP 接続口(東) スクラバ接続口 可搬型代替注水ポンプ(A-1 級又は A-2 級) 大容量送水車 (海水取水用) 海水 図 1 系統概要図(代替淡水源を水源とし防火水槽を経由する場合) CSP可搬式 接続口(西) CSP大容量 接続口(西) CSP補給用 接続口(西) 7号炉 タービン建屋 淡水貯水池 (約18,000m3 ) CSP屋内 接続口 K7 復水貯蔵槽 3 (約1,700m ) 淡水貯水池からの直接送水 廃棄物 処理建屋 SFP 可搬式 接続口(南) 7 号炉 原子炉建屋 CSP大容量 接続口(東) ホース CSP可搬式 接続口(東) 代替原子炉補機冷却 海水ポンプから変更 MUWC 接続口(南) MUWC 接続口(北) MUWC 可搬式用 接続口(東) No.14 防火水槽 3 (約100m ) SFP 接続口(北) No.15 防火水槽 (約100m3) SFP 接続口(東) スクラバ接続口 可搬型代替注水ポンプ(A-1 級又は A-2 級) 大容量送水車 (海水取水用) 図 2 系統概要図(代替淡水源を水源とし防火水槽を経由しない場合) 2 海水 3.大容量送水車(海水取水用)の性能について 大容量送水車(海水取水用)は、重大事故等時に復水貯蔵槽の淡水が枯渇し、複数の代替淡 水源(防火水槽又は淡水貯水池)から復水貯蔵槽への淡水供給が不可能となる場合に、防火水 槽または可搬型代替注水ポンプ(A-2 級)に、海水を供給するための性能を有するものである。 これを踏まえ、大容量送水車(海水取水用)の容量は、重大事故等において 6 号及び 7 号炉 で最も流量が必要となる「代替格納容器スプレイ冷却系を用いた『格納容器過圧・過温破損』 」 3 3 のシナリオにおける格納容器スプレイ流量(260m /h)を満足するよう、900m /h とする。また、 吐出圧力は 1.25MPa[gage]であり、想定される系統圧損(ホースによる圧損等:0.87MPa)を考 慮しても、必要な容量を確保することが可能である。 大容量送水車(海水取水用)は、取水ポンプと送水ポンプの2つのポンプにより送水するが、 取水ポンプについては、キャビテーションの発生を防止するため、運転必要最低水位が水面か ら-0.5m となっている。これに対し、海水取水時には、約 1m 程度海中に投入し、キャビテーシ ョン発生を防止する。一方、送水ポンプは、取水ポンプの設置高さから約 18m 上位に設置され るが、取水ポンプの吐出揚程は約 20m であることから、送水ポンプに対して十分な吸い込み圧 力を供給することが可能であり、送水ポンプでキャビテーションが発生することはない(図 3 参照) 。 図 3 大容量送水車(海水取水用)概要図 以上 3 枠囲みの内容は機密事項に属しますので公開できません ご説明事項⑯ 代替原子炉補機冷却系における大容量送水車の適用について 1.はじめに 代替原子炉補機冷却系熱交換器ユニットの二次系冷却水として海水を供給するポン プについて,従来は代替原子炉補機冷却海水ポンプ 2 台を用いる構成としていたが,事 故時の可搬性に優れ,設置作業の簡素化が達成でき,容量の充実を図ることができる大 容量送水車(熱交換器ユニット用)を用いる構成に変更する。具体的な変更点は表 1 の とおりとする。大容量送水車(熱交換器ユニット用)に変更することで必要容量を満足 することは「3.大容量送水車(熱交換器ユニット用)の性能について」に示す。 なお,大容量送水車(熱交換器ユニット用)はエンジン駆動であるため電源設備は不 要となる。 表 1 代替原子炉補機冷却系 海水系ポンプの変更点 項目 変更前 変更後 代替原子炉補機冷却海水ポンプ (6 号及び 7 号炉共用) うず巻形 420m3/h/台 35m 0.5MPa 40℃ 75kW 8(6 号及び 7 号炉の必要数はそれぞ れ 4) 屋外 荒浜側高台保管場所及び大湊側高台 保管場所 大容量送水車(熱交換器ユニット用) (6 号及び 7 号炉共用) うず巻形 900m3/h/台 1.25MPa[gage] 1.3MPa[gage] 60℃ 図 名称 種類 容量 揚程,吐出圧力 最高使用圧力 最高使用温度 原動機出力 個数 使用箇所 保管場所 4 4(6 号及び 7 号炉の必要数はそれぞれ 2) 屋外 荒浜側高台保管場所及び大湊側高台 保管場所 2.系統構成の変更点 大容量送水車を適用することによる代替原子炉補機冷却系の変更前後比較として, 変更前を図 1,変更後を図 2 に示す。変更箇所としては熱交換器ユニットへ海水を供給 するポンプのみが代替原子炉補機冷却海水ポンプから大容量送水車(熱交換器ユニッ ト用)に変更するのみであり,それに伴うホース口径,ホース引き回しは変わるものの 系統構成図としては海水系のポンプ以外に変更はない。 図 1 代替原子炉補機冷却系(変更前) 図 2 代替原子炉補機冷却系(変更後) 5 3.大容量送水車(熱交換器ユニット用)の性能について 大容量送水車(熱交換器ユニット用)は、原子炉補機冷却系が機能を喪失した場合にお いても、原子炉の崩壊熱を除去するための性能を有するものである。 これを踏まえ、大容量送水車(熱交換器ユニット用)の容量は、熱交換器ユニットを用 いて、原子炉停止 48 時間経過後の崩壊熱(約 23MW)を除去するために必要となる 840m3/h を満足するよう、900m3/h とする。また、吐出圧力は 1.25MPa[gage]であり、想定される 系統圧損(熱交換器ユニット内の圧損やホースによる圧損等:0.47MPa)を考慮しても、 必要な容量を確保することが可能である。 大容量送水車(熱交換器ユニット用)は、取水ポンプと送水ポンプの2つのポンプによ り送水するが、取水ポンプについては、キャビテーションの発生を防止するため、運転必 要最低水位が水面から-0.5m となっている。これに対し、海水取水時には、約 1m 程度海 中に投入し、キャビテーション発生を防止する。一方、送水ポンプは、取水ポンプの設置 高さから約 18m 上位に設置されるが、取水ポンプの吐出揚程は約 20m であることから、 送水ポンプに対して十分な吸い込み圧力を供給することが可能であり、送水ポンプでキ ャビテーションが発生することはない(図 3 参照) 。 約 17.6m 送水ポンプ 1.0m 運転必要最低水位 0.5m 熱交換器ユニットへ ↑ 大容量送水車(熱交換器ユニット用) ↑ 取水ポンプ 図 3 大容量送水車(熱交換器ユニット用)概要図 以上 6 枠囲みの内容は機密事項に属しますので公開できません ご説明事項⑰ 常設代替交流電源設備の変更について 常設代替交流電源設備は,当初第二ガスタービン発電機単独で基準適合させる方針であ った。しかし,第二ガスタービン発電機の電路を設置する洞道の地盤が設置許可基準規則※ 第三条 3 項に適合しないと判断されたことにより, 地震時の機能維持が困難になったため, 原子炉建屋近傍に地震時の機能維持が可能な第一ガスタービン発電機を追設した。なお,第 二ガスタービン発電機は原子炉建屋と位置的分散を図った配置となっており,重大事故等 の状況に応じて使用可能であることから,引き続き重大事故等対処設備として使用できる と考えていた。 今回,常設代替交流電源設備の基準適合性を改めて整理した結果,第一ガスタービン発電 機は単独で基準適合させることが可能と判断した。したがって,今後は第二ガスタービン発 電機は事業者の自主的な取り組みとして設置する設備に位置付けを変更することとする。 常設代替交流電源設備の分類を表 1 に,常設代替交流電源設備の設置場所を図 1 に,常 設代替交流電源設備の系統図を図 2 にそれぞれ示す。 ※実用発電用原子炉及びその附属施設の位置,構造及び設備の基準に関する規則 表 1 常設代替交流電源設備の分類 設備名称 変更前 変更後 第一ガスタービン 常設耐震重要重大事故防止設備 常設耐震重要重大事故防止設備 発電機 常設重大事故緩和設備 常設重大事故緩和設備 第二ガスタービン 常設重大事故防止設備 事業者の自主的な取り組みとし 発電機 常設重大事故緩和設備 て設置する設備 以上 7 枠囲みの内容は機密事項に属しますので公開できません 図 1 常設代替交流電源設備設置場所 8 図 2 常設代替交流電源設備系統図 9 M MCC 6C系 代替所内 電気設備 非常用低圧 母線 6C-1 動力変圧器 AM用直流 125V充電器 非常用所内 電気設備 【区分Ⅱ】 AM用切替盤 M AM用 動力変圧器 M MCC 6D系 非常用低圧 母線 6D-1 動力変圧器 非常用高圧 母線 6D D/G 非常用高圧 母線 6C 緊急用 電源切替箱 接続装置 緊急用高圧母線 (6B) AM用MCC 6B 緊急用 電源切替箱 断路器 GTG 予備 (6A) D/G 非常用所内 電気設備 【区分Ⅰ】 6号炉 緊急用断路器 GTG 第二ガスタービン発電機 M MCC 7C系 代替所内 電気設備 非常用低圧 母線 7C-1 動力変圧器 予備 GTG AM用切替盤 M M MCC 7D系 非常用低圧 母線 7D-1 動力変圧器 非常用高圧 母線 7D (7B) D/G 大湊側緊急用 高圧母線 非常用所内 電気設備 【区分Ⅱ】 緊急用 電源切替箱 接続装置 AM用 動力変圧器 AM用直流 125V充電器 AM用MCC 7B 緊急用 電源切替箱 断路器 GTG 非常用高圧 母線 7C (7A) D/G 非常用所内 電気設備 【区分Ⅰ】 7号炉 緊急用断路器 第一 ガスタービン 発電機 :非常用ディーゼル発電機 D/G 凡例 大湊側緊急用高圧母線を 経由する給電系統 →自主対策設備 (位置付け変更なし) 第二ガスタービン発電機からの 給電系統 →重大事故等対処設備から 自主対策設備に変更 第一ガスタービン発電機からの 給電系統 →重大事故等対処設備 (位置付け変更なし) MCC:モータ・コントロール・ センタ :切替装置 M :電動切替装置 :接続装置 :配線用遮断器 :断路器 :遮断器 :ガスタービン発電機 GTG 【凡例】
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