海外だより - JA 全中

D.C.通信
海外だより
連載 69
中村岳志 (JA全中農政部国際企画課<在ワシントン>)
February, 2017
天皇誕生日祝賀レセプションでの
国産農畜産物PR
12月13日、 ア メ リ カ・ ワ シ
ントン DC の日本大使公邸にお
■和牛の品質の高さを印象づ
けた
日本産和牛の魅力をPRする全農担当者
いて、天皇陛下の誕生日を祝う
当地ではアメリカ産「Wagyu」
とともに、わが国に対する理解
が普及している中で 注、今回初
ても購入していただけるような
の促進と関係強化を図る趣旨で
めて日本産「和牛」を食べた人
売り込みができるかどうか、ま
「天皇誕生日祝賀レセプション」
も多く、参加者は総じて和牛の
たは高すぎない価格設定で供給
が開催され、政府・議会、経済
味を高く評価していた。特に軟
できる体制をつくれるかどうか
団体・企業、各国大使館など、
らかく口の中で溶ける肉質や、
などが課題となってくるのでは
約700名が参加した。
味わい深い・香り高いといった
ないかと思われた。
風味を絶賛する声が多く聞かれ、
レセプションでの PR に協力
■JAグループの食材を使用
「これらの肉はどこの店で買え
いただいた全農アメリカの河野
るのか、どのレストランで食べ
氏は「これからは、商品と調理・
レセプションでは公邸料理人
られるのか」という質問も多く
販売方法をセットで提案し、消
が手がけた料理が振る舞われ、
いただいた。
費者への末端販売を広げていく
JA全農が毎年農林水産省に贈
首都・ワシントンDCの発信力
段階。ハレの日に和牛を食べて
呈している米(2016年は新潟県
のある層に「日本産」和牛の品
もらえるような流れをつくって
産コシヒカリ)が供されたほか、
質の高さを印象づけ、購買・消
いきたい。その意味で、今回は
費への関心を抱いてもらえたこ
影響力・発信力のある人物に和
キも並んだ。
とは、今回の成果のひとつと言
牛の魅力を PR する良い機会と
また、JAグループの PR ブー
える。
なった」と手応えを感じておら
した料理を提供
「全農和牛」を使用したステー
れた。
スでは、
「全農和牛」を使用した
冷製ローストビーフの試食を提
■今後の課題
今後ともワシントンを中心
供しながら、映像上映やタペス
品質を評価する声が多かった
に、こうした機会を多くつくっ
トリーの展示等で和牛の魅力を
一方で、
「おいしくても値段が
ていきたい。
解説し、200名分用意したロー
高すぎると手が伸びない」など
ストビーフが30分もたたずに
価格面を懸念する声も少なくな
品切れとなる人気ぶりであった。
かった。
今後は、ある程度価格が高く
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月刊 JA
2017/02
注:2015年 8 月号 の 本 コラム
を参照。