ちょっとした用途向き Cortex

緊急特集
第
2章
IoT 用 ARM マイコン Cortex-M23/M33 誕生
Cortex-M0 +の後継者
ご購入はこちら
ちょっとした用途向き
Cortex-M23 入門
中森 章
全体がTrustZone対応
ウェイクアップ
割り込みコントローラ
WIC
外部からのセ
キュリティ属
性設定用イン
ターフェース
CPU
ARMv8-M
ベースライン
割り込みコントローラ
NVIC
ブレークポイント・
ユニット
BPU
MTB
トレース機能
ETM
メモリ保護ユニット
MPU/セキュリティ属性
ユニットSAU
バス・マトリクス
AHB5
バス
業界標準の
JTAG/SWD
デバッグ・
インターフェ
ースなど
クロス・トリガ・
インターフェースCTI
データ・ウォッチポイント
DWT
シングルI/O
デバッグ用
インターフェース APBインターフェース
図 1 ちょっとした用途向き Cortex-M0+の後継者! Cortex-M23 の回路構成
以降で,ARMv8-M アーキテクチャを実装する新し
い Cortex-M23 と Cortex-M33 の 特 徴 を 示 し て い き ま
す.まず本稿では Cortex-M23 を紹介します.
とてもシンプルな回路構成
まず Cortex-M23 の特徴を一言でいうと,TrustZone
を備えた,小さくてエネルギー効率に優れるプロセッ
サ と い え ま す. 命 令 セ ッ ト は ARMv8-M の Baseline
(サブセット)で,ARM によると「効率の良いセキュ
リティが要求され,かつ使用制限の多い(constrained)
組み込みアプリケーションに最適」とのことです.
図 1 に Cortex-M23 の 回 路 ブ ロ ッ ク を 示 し ま す.
「APB インターフェース」は,ETM(Embedded Trace
Macrocell)としかつがなっていないので,ETM の設
定を行うためのデバッグ・インターフェースだと思わ
れます.
以下に Cortex-M23 の特徴的な 5 つの項目について
説明します.
162
特徴 1:セキュリティ基本機能
TrustZone
● IoT やセキュリティ用途などに使える
Cortex-M23 は,ハードウェアにより,ソフトウェ
アを「信頼された世界(トラステッド)=セキュアな世
界」と「信頼されない世界(ノン・トラステッド)=非
セキュアな世界」に分離します.
従来は,これを実現するために 2 つのプロセッサが
必要でしたが,TrustZone を使えば 1 つのプロセッサ
上に 2 種類のセキュリティ属性(トラステッドとノン・
トラステッド)を使って世界を構築できます.
Cortex-M23 は,1 つのプロセッサで,デバイス認
識管理,機密性の高いファームウェアの保護,アプリ
ケーション・ソフトウェアの認証,セキュリティ・
ブートなどに要求される諸々のセキュリティを兼ね備
えた用途に使うことが可能になるのです.
ち な み に,TrustZone は オ プ シ ョ ン 機 能 で す.
TrustZone を持たない Cortex-M23 は,デバッグ機能
な ど が 強 化 さ れ た, 高 性 能 で 低 消 費 電 力 な
Cortex-M0+(相当品)として使用できます.
2017 年 3 月号