共創・共育・共感 尾鷲市教育長だより 2017.1.27.(金) 第212号 受験前のコンディションづくり 1月14日・15日と大学入試センター試験が行われました。また、県内 の高校や高専の推薦入試も始まり、今週末からは私立高校の入試をはじめ本 格的な受験シーズンの到来です。せっかくの努力を無駄にしないためにも、 テスト前の体調管理には万全を期したいところです。 しかし、受験生は追い込みをかけようとテスト勉強に一生懸命になり、つ い無理をしてしまいがちで、自分の体調管理にまで気が回らないものです。 テストで最大限の力を発揮できるように、保護者もしっかりと目配りしてサ ポートしてあげたいものです。 本市でもインフルエンザが流行しています。テスト前に罹患してしまって は勉強がはかどりませんし、当日まで長引けば力を発揮できないばかりか、 症状によっては当日の試験は欠席し追試験を受けなければなりません。学校 の定期テストを欠席した場合の対応は、学校によって異なっていますが、再 試験を受けたり、見込み点となったりします。いずれにしても避けたいとこ ろです。特に、風邪やインフルエンザが流行するこの時期は注意しましょう。 風邪予防の基本は、栄養と休息です。規則正しい生活を守り、バランスの 良い食事と快眠を心がけてください。テスト前に限ったことではありません が、手洗い・うがいの励行も風邪を遠ざけます。また風邪などがはやる時期 は、マスクをして人ごみを避ける、インフルエンザの予防接種を受ける、室 内は適温にして体を冷やさないようにするなど、体調管理に配慮しましょう。 体調を管理する上で睡眠の大切さに異を唱える人はいないはず。睡眠の効 果は、心身の疲れを取り除いたり、ストレスを解消したりするだけではあり ません。睡眠中、人の脳はその日に学習したことを整理して、記憶として定 着させると考えられています。 つまり、勉強の効果を十分に得るためには、しっかりと睡眠を取ることが 欠かせないわけです。テスト前だからといって夜遅くまで勉強をせず、規則 正しい時間帯に布団に入るよう心がけたいものです。 質の高い睡眠を取るために、就寝直前の食事、コーヒーや緑茶などカフェ インが入った飲料の摂取も避けるようにします。また、入浴は、ぬるめのお 湯にゆっくりと浸かって血行を促すと、寝付きが良くなる効果があります。 さらに、就寝前にテレビを見たり、パソコンやゲームをしたりすると、脳 が興奮したり刺激を受けたりするので、注意が必要です。同じ理由で、布団 に入ってからスマホをいじるのもNGです。 テスト前だからといって、寝る間も惜しんで勉強するのは、体調管理の面 でも、学習効率の面であまりおススメはできません。前夜に集中的に勉強し て寝不足の状態でテストに臨む一夜漬けは、心身に大きな負担がかかります し、脳の働きから考えても効率の悪い勉強法だと思います。 寝不足のボーッとした状態でテストを受けたら、思考力が働かず、ケアレ スミスの連発…といった事態にもなりかねませんし、疲れがたまって体調を 崩すリスクも高まります。 本来は、一夜漬けをしなくていいように計画的に学習を進めるべきですが、 どうしても間に合わない場合でも、ある程度の睡眠を取り、朝から勉強をす るほうが頭がクリアな状態でテストに臨めると思います。 適度な運動は、ストレスを発散させて、快眠をもたらし、勉強の能率を向 上させます。気晴らしとして体を動かすことをおススメします。といっても、 あまりハードな運動をして疲れ切ってしまったら勉強が手に付かなくなりま すので、「気持ち良い」と感じる程度に留めることがポイントです。 得意なスポーツをするのもいいですし、ジョギングやウォーキング、また 心身をリフレッシュさせる効果のある体全体のストレッチなどもいいでしょ う。身体を動かすことで気分転換を図ることができます。 「病は気から」と言われるように、健やかな体調を維持する上ではストレ スも大敵です。テスト前だからといって根を詰めすぎないように注意しまし ょう。特に受験生本人が無理をしがちなタイプなら、適度な気晴らしをする ように保護者の方からも促してあげるといいですね。 ともかく受験生にはプレッシャーを与えるようなことは言わず、食事の時 間にはテストとは無関係な会話をするだけでも気分転換になるはずです。気 持ちを奮い立たせることも大切ですが、本人が強いストレスを受けているか どうかを言動などからよく観察して、時には気持ちが楽になるような接し方 をしてあげることも保護者や家族の大切な役割ではないでしょうか。
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