「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における 個人情報

「経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における
個人情報保護ガイドライン」の改正について
平成 29 年1月 26 日
経済産業省商務情報政策局
生物化学産業課
1.改正の経緯
経済産業分野のうち個人遺伝情報を用いた事業分野における個人情報保護ガイ
ドライン(平成 16 年経済産業省告示第 435 号。以下「本ガイドライン」という。)
は、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号。以下「個人情報保護法」
という。)第6条及び第8条に基づき、経済産業省が所管する事業分野における個
人遺伝情報の適正な取扱いの確保等を目的として定められたものである。
平成 27 年9月、近年の情報通信技術の進展を踏まえ、個人情報の保護と適正な
利活用の推進を目的として、個人情報保護法が改正され、個人情報の定義の明確化、
個人情報の適正な流通の確保、個人情報を適正に利活用できる環境の整備等が図ら
れたところ(平成 29 年5月 30 日全面施行)。これを踏まえ、本ガイドラインの一
部を改正する。
2.改正の概要
(1)「匿名化」の定義の見直し
現行ガイドラインでは、安全管理措置の一環として、試料等を匿名化した上で事
業に用いることとされている。「匿名化」は、特定の個人を識別できる情報を取り
除くこととして定義され、匿名化された情報は、対応表を保有しない法人内にある
ときは、個人情報に該当しないとされているが、今回の法改正に伴い、試料等の解
析により得られるDNA塩基配列情報が個人識別符号※)に該当する場合、当該情報
を含む情報は匿名化された情報とみなせなくなる。
これを踏まえ、
「匿名化」の定義を見直し、特定の個人を識別できる情報として、
DNA塩基配列情報のみを含む場合は、匿名化されたものとみなすこととする。
(※)個人識別符号が含まれる情報は個人情報に該当する。
(2)受託解析業者の定義及び義務規定の見直し
匿名化された試料等の受託解析のみを行う事業者は、現行ガイドラインでは、個
人情報保護法の適用対象外である「遺伝情報取扱事業者」として定義されているが、
今回の法改正に伴い、試料等の解析により得られるDNA塩基配列情報が個人識別
符号に該当する場合、受託解析業者を「個人遺伝情報取扱事業者」として取り扱う
必要が生じる。
これを踏まえ、「個人遺伝情報取扱事業者」のうち、個人識別符号に該当するD
NA塩基配列情報のみを取り扱う事業者(匿名化された試料等の受託解析のみを行
う事業者を想定)を「特定個人遺伝情報取扱事業者」として定義し、当該事業者に
対する義務規定について、本人から直接試料等を取得する「個人遺伝情報取扱事業
者」と区別して規定する。
・ 委託元が得たインフォームド・コンセントの範囲内で個人遺伝情報を取り扱う。
・ 委託元で策定された事業計画に基づき事業を実施する。 等
(3)検査等の質の確保に関する規定の追加
「ゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース」の意見取りまとめ(平
成 28 年 10 月 19 日)等を踏まえ、個人遺伝情報に係る検査、解析及び鑑定等を行
うに当たっては、その分析的妥当性及び科学的根拠の確保に努める旨の規定を追加
する。
(4)その他
個人情報保護法の改正を踏まえ、改正内容を適宜反映する。具体的には、定義の
追加・削除、要配慮個人情報に関する規定、匿名加工情報に関する規定、第三者提
供の記録の作成・保存義務に係る規定及び外国への第三者提供の制限に係る規定の
追加、小規模事業者への適用範囲拡大に伴う規定の整備等。
3.施行日
平成 29 年5月 30 日
以上