第 5 回日本 HBOC コンソーシアム学術総会 会長挨拶 第 5 回日本 HBOC コンソーシアム学術総会会長 札幌医科大学医学部遺伝医学 教授 櫻井 晃洋 第 5 回日本 HBOC コンソーシアム学術総会を,平成 29 年 1 月 21 日(土),22 日(日) の 2 日間にわたり,札幌医科大学において開催いたします.会長として本学術総会をお世 話させていただくにあたり,日本 HBOC コンソーシアム理事長の中村清吾先生をはじめ, 多くの先生方からいただきましたご指導,ご支援に厚く御礼申し上げます. この学術総会はこれまで慶應義塾大学 青木大輔教授,東京医科歯科大学 三木義男教 授,四国がんセンター 大住省三部長,新潟大学 榎本隆之教授が会長として,毎回大変 充実した学術総会を開催してこられました.振り返ってみますと,第 1 回学術総会から 4 年弱しか経過しておりませんが,このわずかな間にも HBOC を取り巻く状況は大きく変わ りつつあります.米国の女優,アンジェリーナ・ジョリーさんが自らの決断を新聞紙上で 公表したのは 2013 年の 5 月,わずか 3 年半ほど前のことです.相前後してわが国において も,本コンソーシアムによる症例登録やセミナーの開催,さらには一部の施設による予防 的手術の開始など,HBOC に関する診療には大きな変化がありました.これまであまり HBOC に関心を持つことのなかった医療関係者にも本疾患が広く認識されるようになり, 一般市民の関心も高まりました.また HBOC の当事者の会「Clavis Arcus:クラヴィスアル クス」も設立されています.今後もマルチジーンパネルを活用した遺伝学的検査や PARP 阻害薬に象徴される新たな治療薬の導入など,まさに日進月歩の状況が続いています.こ うした状況にあって,わが国の HBOC 診療の水準の向上と標準化,より一層の普及を目指 して,日本人類遺伝学会,日本乳癌学会,日本産科婦人科学会の協力のもとに,一般社団 法人「日本遺伝性乳がん卵巣癌総合診療制度機構」が設立されました. 今回の学術総会のテーマは「ALL JAPAN で挑む新世代の HBOC 診療」といたしました. 確実な前進を続けているとはいえ,わが国の HBOC 診療体制はまだ先進諸国に比べて遅れ をとっているのも事実です.現在,そして将来の患者さんを救うべく,様々な専門領域の 医療関係者,科学者が総力をあげて HBOC および関連する遺伝性腫瘍に立ち向かう必要が あります.本学術総会がそうした挑戦のひとつのステップとなることができれば幸いです. 今回は初めて東京を離れて地方都市での開催となります.遠路からお越しの方々のご予 定も考慮し,日程についてもこれまでの一日開催から二日間にまたがっての開催といたし ました.その分,参加していただく方々にご満足いただけるよう,事務局の総力をあげて 総会の準備と開催に全力で取り組む所存です.また,冬の北海道はまさにこの季節ならで はの魅力にも満ち溢れています.総会の前後や夜には札幌市内,そして少し足を伸ばして, ぜひ冬の北海道の魅力も満喫していただければと思います. 多くの皆さまのお越しをお待ちしております.
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