教員組織の在り方(ダブルカウント・みなし専任教員)について① 現行

教員組織の在り方(ダブルカウント・みなし専任教員)について①
資料6
中央教育審議会大学分科会大学院部会
専門職大学院ワーキンググループ
(第1回)H29.1.20
◆ダブルカウント
<現行制度上の整理>
○設置基準上必ず置くこととされている専任教員(「必置教員」)は、原則として他の課程の専任教員を兼務できない。
(制度創設後10年間の特例として、他の課程の専任教員を兼務することが認められていたが、平成26年度より、博士課程(一貫性及び区分性の後期)を
除き、特例措置は廃止された。)
○専門職大学院の専任教員であっても、兼担として、他の課程の授業を教えることは可能。また、必置教員数分を超えて配置される専任教員については、他の
課程の専任教員を兼務することは可能。
現行
専門職学位課程
博士課程
(後期課程)
必置内専任教員
必置外専任教員
兼担
● ● ● ● ● ○ ○ ○ ○
○ ○
教授会メンバー
(
(
兼務可)
修士課程
(
(
兼務が不可)
(
(
兼務が不可)
専門職
学位課程
専任教員
・・・必置教員数内における兼務は不可
・・・必置教員数内における兼務も可
学士課程
修士課程
学士課程
兼担
● ● ● ● ● ○ ○
教授会メンバー
○ ○
○必置外の専任教員
は他の課程の専任教
員の兼務が可能
教員組織の在り方(ダブルカウント・みなし専任教員)について②
<現行制度における課題>
○この制度により、専門職大学院における教育に専念する教員の確保が図られる一方で、学部との連携や学際連携が図りづらいため、高等教育機関とし
ての発展が阻害されているとの指摘がある。
<対応方針>
○専門職大学院を、高度専門職業人養成のための中核的教育機関と位置付け、機能強化を図っていく観点から、専門職大学院と、学士課程や修士課程等
との連携を強化していく必要がある。また、特に、地方の小規模大学などについては、地域課題の解決に貢献するためにも、限られた人的リソースの
有効活用を促進する必要がある。
○社会(「出口」)や地域のニーズに対応するための新たな取組や自らの強みや特徴を伸ばすための取り組みを促進し、高度専門職業人養成機能の強化
を図るため、教育の質保証を前提として、以下の通り、まずは専門職大学院を新設する場合(修士課程から移行する場合も含む)の時限付き措置とし
て、専門職大学院の必置教員が他の課程の専任教員を兼務することを一定程度認めることとしてはどうか。
専門職学位課程
博士課程
(後期課程)
必置内専任教員
必置外専任教員
兼担
● ● ● ● ● ○ ○ ○ ○
○ ○
教授会メンバー
(
(
兼務可)
(
(
兼務可)
修士課程
(
(
兼務可)
専門職
学位課程
専任教員
・・・時限措置により必置教員数内における兼務は可
・・・必置教員数内における兼務も可(従来通り)
学士課程
修士課程
学士課程
兼担
● ● ● ● ● ○ ○
教授会メンバー
※時限措置期間としては制度創設時と同様、10年間の特例とすることも一案。
○ ○
○必置外の専任教員
は他の課程の専任教
員の兼務が可能
教員組織の在り方(ダブルカウント・みなし専任教員)について③
<今後の検討課題>
○専門職大学院と他の課程との連携を継続的に連携を図っていく観点から、教育上積極的な効果が認められる場合であり、かつ、教育上支
障がない場合限定した恒常的措置として認めるかどうかを検討する必要がある。特に、修士課程及び専門職学位課程を恒常的措置の対象
とすることについては、引き続き、適切な場において全体的な議論が必要である。
○また、これらの措置が専門職大学院の教育の質の低下を招かないようにすることが必要であり、エフォート管理の手法の導入や基準の在
り方についての十分な検討が必要である。また、兼務を認める場合、設置審査や認証評価において確認することについても今後、検討す
る必要がある。
○なお、エフォート管理の手法を導入する場合は、専門職学位課程以外にも影響が及ぶことが考えられるため、上記同様、引き続き、適切
な場において全体的な議論が必要である。
⇒本ワーキンググループの上位部会である大学院部会及び大学分科会等での議論が必要。
○専門職大学院設置基準上、平成30年度までの間、特例措置が設けられている教職大学院については対象外とすべきである。また、法科
大学院については、国は、平成30年度までを法科大学院集中改革期間と位置付けていることを踏まえ、中央教育審議会に設置されてい
る法科大学院特別委員会において更に専門的な議論が必要である。
○一方、修士課程の教員基準について、法学分野については、複数専攻を設ける場合の緩和措置が設けられていることから、専門職学位課
程においても、法学分野においては、一研究科に、複数の専門職学位課程の専攻がある場合は、必置教員数を一定程度緩和することを検
討すべきである。
○一定の独立性の確保を求めたこととの関係で、大学内で、専門職大学院が他の課程と必要な連携が取られていない場合があるとの指摘が
あるが、新たなニーズに対応した教育プログラムを提供するため、学士課程や修士課程等と連携を図ることは重要である。教授会の運営
等において一定の独立性が確保されている場合、前例もあるとおり、同じ研究科内に、修士課程と専門職学位課程を設置することも一つ
の方策である。
教員組織の在り方(ダブルカウント・みなし専任教員)について④
◆みなし専任教員
<現行制度上の整理>
○実務家教員のうち、3分の2(端数は四捨五入)の範囲内については、専任教員以外の者であっても、1年につき6単位以上の授業科目を担当し、かつ、
教育課程の編成その他専門職学位課程を置く組織の運営について責任を担う者で足りるものとする。
(告示第53号)第2条第2項
現行
①必要な専任教員
1)当該分野の修士課程の研
究指導教員数の1.5倍+研究
指導補助教員
又は
2)修士課程を担当する研究
指導教員1人当たりの学生の
収容定員に4分の3を乗じて
算定される収容定員の数(小
数点以下の端数は切り捨て)
につき1人の専任教員を配置
(告示53号第1条第1項)
※1)2)のいずれか多い方
の数
②実務家教員
必要専任教員数のうち、3割は
実務家教員を配置
(告示第53号第2条第1項)
※法科大学院は2割、教職大学
院は4割の実務家教員を配置
(告示第53号第2条第3項,第5
項)
(参考)教員数(平成28年5月1日時点)
全教員
研究者教員
実務家教員
③みなし専任教員
実務家教員のうち、3分
の2(端数は四捨五入)
の範囲 内につ いては、
専任教員以外の者で
あっても、1年につき6
単位以 上の授 業科目を
担当し 、かつ 、教育課
程の編 成その 他専門職
学位課 程を置 く組織の
運営に ついて 責任を担
う者で 足りる ものとす
る。
(告示第53号)第2条第
2項
研究者教員
実務家教員
(人)
みなし専任教員
ビ ジ ネ ス ・
MOT
611
264(43.2%)
347(56.8%)
47(7.7%)
会計
190
108(56.8%)
82(43.2%)
26(13.7%)
公共政策
114
73(64.0%)
41(36.0%)
5(4.4%)
公衆衛生等
73
48(65.8%)
25(34.2%)
1(1.4%)
知的財産
35
9(25.7%)
26(74.3%)
4(11.4%)
臨床心理
51
27(52.9%)
24(47.1%)
1(2.0%)
242
121(50.0%)
121(50.0%)
3(1.2%)
法科大学院
1,331
901(67.7%)
430(32.3%)
157(11.8%)
教職大学院
721
387(53.7%)
334(46.3%)
89(12.3%)
その他
※1
※2
括弧内は全教員数に対する割合を指す。
法科大学院のみ平成28年4月1日現在の教員数である。
1年につき4単位以上の授業科目を担当する方向で緩和する。なお、みなし専任教員については、大学院の運営についての責任(教授会構成員として責
任のある参画を想定)を担保することを前提とし、教育の質が低下しないよう留意が必要。