和歌山県景観計画における 太陽光発電施設等の取り扱い変更(案)について ◆変更理由 平成 24 年7月の固定価格買取制度開始以降、再生可能エネルギーは太陽光発電を中心に導入 が進んでいます。また、固定価格買取制度の買取価格の引き下げ等に伴い、昨今、発電出力が 1,000kw を超えるメガソーラーの設置割合が増加しています。 太陽光発電施設は、従来の建築物や工作物とは形態意匠等が異なる人工的で異質な存在であり、 また、メガソーラー化に伴い、周辺景観への影響が懸念されるところです。 こうした状況を踏まえ、県では、和歌山県景観条例施行規則及び和歌山県景観計画を下記のと おり変更するほか、新たに「太陽光発電施設等の設置に関する景観ガイドライン」(別添資料) を策定し、太陽光発電施設等の設置に対して、良好な景観形成の観点から一定の配慮を求めてい きます。 景観法に基づく届出制度の見直し(和歌山県景観計画の変更) ◆現状 ◆現状 ○太陽光発電施設は工作物の「その他の工作物」に分類され、一定の高さを超える場合には、景観法に 基づく届出が必要 (届出対象行為) 区分 規模 特定景観形成地域 バッファゾーン 国道 311 号沿道 国道 168 号沿道 天野集落、国道 370 号、480 号沿 道及び鉄道沿線 世界遺産を結ぶ 歩行者導線 左記以外 全ての行為 全ての行為 高さ 10m 超 高さ 13m 超 一般区域 工作物の新築、 増築、改築若し くは移転等 その他の工作物 高さ 13m 超 ◆改正案 ◆変更案 ○工作物の「製造施設等」の区分に太陽光発電施設を追加し、一定の高さを超える場合に加えて、一定 の築造面積を超える場合にも、景観法に基づく届出を求める (届出対象行為) 規模 特定景観形成地域 バッファゾーン 区分 工作物の新築、 増築、改築若し くは移転等 一般区域 製造施設、貯蔵施設、遊 高さ 13m 超 全ての行為 戯施設等の工作物(プラ または ント等、車庫等、汚物処 築造面積 理場等、太陽光発電施設) 1,000 ㎡超(※) 国道 311 号沿道 国道 168 号沿道 天野集落、国道 370 号、480 号沿 道及び鉄道沿線 世界遺産を結ぶ 歩行者導線 左記以外 全ての行為 高さ 10m 超 または 築造面積 500 ㎡超(※) 高さ 13m 超 または 築造面積 1,000 ㎡超(※) ※)太陽光発電施設においては、高さは見付けの高さを、築造面積は太陽光パネル、付属施設(パワ ーコンディショナ、キュービクル、送電施設等)及びパネル間隔を含めた外郭の水平投影面積と する。 届出制度の適用除外対象の見直し(和歌山県景観条例施行規則の変更) ◆現状 〇工作物の高さが 1.5 メートルを超えないものは景観法に基づく届出の対象外 ◆変更案 〇工作物の高さが 1.5 メートルを超えないものであっても、太陽光発電施設その他広大に設置され、周 辺景観への影響が大きいと認められるものは、景観法に基づく届出を求める ■和歌山県景観条例施行規則(朱書き部が改正案) (適用除外) 第 7 条第 3 項 条例第 13 条第 4 号の規則で定める行為は、次に掲げる行為とする。 (3) 工作物の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替え又は色彩 の変更で、当該工作物の高さが 1.5 メートルを超えないもの(ただし、太陽光発電施設その他広大に設置さ れ、周辺景観への影響が大きいと認められるものを除く。) 「太陽光発電等の設置に関する景観ガイドライン」の策定 現行の景観形成基準は、工作物全般を想定した定性的な内容であり、必ずしも太陽光発電施設 に特化した内容となっていないことから、太陽光発電施設の設置に際し事業者が景観に配慮し た事業計画を策定できるよう、配慮すべき事項を明確化した景観ガイドラインを策定する。 具体的には、景観計画区域全域に緩やかな規制をかけた上で、景観上特に重要な地域である 特定景観形成地域については上乗せで景観に対する配慮を求める。 ◆景観ガイドライン(案)の概要 項 目 一般地域 太陽光パネル 配置 形態 意匠 色彩 附 属 設 備 色彩 緑化、目隠し 維持管理 特 定 景 観 形 成 地 域 太 陽 光 パ ネ ル 配置等 緑化、目隠し 基 準 ○交通量の多い道路等から容易に望見できる場合は、地形に応じパネルの向きや傾斜を揃える。 ○文化財等との近接を回避又は樹木等による緩衝帯を設置。 ○材質は低反射性のものとする。 ○模様が目立たないものとする。 ○色彩は黒色又は濃紺色とし、低明度かつ低彩度の目立たないものとする。 ○交通量の多い道路等から容易に望見できる場合、フレームの色彩はパネルと同色か黒色又は 濃紺色とし、低明度かつ低彩度の目立たないものとする。 ○変電設備等の附属設備は、周辺景観と調和した形態色彩とし、低彩度で統一。 ○樹木の伐採は、必要最小限とする。 ○交通量の多い道路や集落に隣接する場合、存在感を軽減させるための植栽又は塀等を設置。 ○施設及び敷地内は、定期的に保守点検を行うなど適切に維持管理。 ○主要な眺望点から容易に望見できる場所や世界遺産又は幹線道路から容易に望見できる山の 斜面に設置する場合 (1) 色彩はフレームも含め黒色又は濃紺色とし、低明度かつ低彩度の目立たないものとする。 構造体は焦茶色。 (2) 分散配置や樹木の活用等人工物の存在感を軽減。 ○世界遺産から 200m 以内の範囲(バッファゾーン含む。)に設置する場合、容易に望見できな いための植栽帯等を実施。 今後の予定 ※施行日以降に着手する行為が対象 4月中旬 施行 3月中旬 公布 3月上旬 和歌山県景観審議会で審議 意見募集(今回) ・和歌山県景観条例施行規則 ・和歌山県景観計画 景観ガイドライン ・太陽光発電施設等の設置に関する 平成 29 年 【参考】太陽光発電施設における高さ及び築造面積の取り方 ① 太陽光発電施設における高さ 太陽光パネルもしくは架台を対象とした上端と下端との見付け高さとする。 太陽光パネルもしくは架台を対象とした上端位置 太陽光パネルもしくは架台を対象とした上端位置 見付け高さ 見付け高さ 太陽光パネルもしくは架台を対象とした下端位置 太陽光パネルもしくは架台を対象とした下端位置 ② 太陽光発電施設における築造面積 太陽光パネル、付属施設(パワーコンディショナ、キュービクル、送電施設等)及びパネル間隔を 含めた外郭の水平投影面積とする。 太陽光パネル間隔も含む 水平投影面積で算定 付属施設(パワーコンディショナ、キュ ービクル、送電施設等)も含む 太陽光パネル間隔も含む 付属施設(パワーコンディショナ、キュ ービクル、送電施設等)も含む 【参考】和歌山県景観計画の対象区域 高野山町石道周辺 熊野参詣道(中辺路) 熊野参詣道(大辺路) 熊野川周辺
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