資料2-3 技術開発個別課題(革新的な技術) -研究期間を延長する課題-(案) 革新脳の技術開発個別課題は、「中核拠点」及び「臨床研究グループ」が設定する目標の達成を補完・ 加速する目的で、「革新的な技術開発」及び「霊長類脳構造・機能マップ作成効率化のための技術開発 等」について、3年間の研究期間で採択されたものである。 このうち「革新的な技術開発」については、事後評価の結果によって研究期間を延長することを認めて いる。今回の事後評価においては、「革新的な技術開発」として実施の全10課題から、継続の意思を示 した8課題について、将来の実現可能性及びプロジェクトの目標の達成を補完・加速しうるかの観点から 審査を実施し、研究期間を延長する課題として以下の課題を選定した。 革新脳 技術の 位置付け 課題名 研究開発担当者 所属 ① 脳構造・機能マップによる多階層モデルのための計算技術 銅谷 賢治 開発 沖縄科学技術大学院大学 ② 体内埋込型集積回路内臓フレキシブル超薄膜センサシー 関谷 毅 トを用いたマーモセットの脳信号計測システムの開発 大阪大学 ③ 脳皮質高次脳機能回路の操作・光計測技術の開発 松崎 政紀 東京大学 ④ 光遺伝学的に投射先を同定するマルチニューロン記録技 術の開発 礒村 宜和 玉川大学 ⑤ 革新的プロ-ビングによる神経活動の高速3D測定と活動 痕跡の長期可視化 尾藤 晴彦 喜多村 和郎 東京大学 山梨大学 ⑥ 新規半導体レーザー光源を用いた超解像多光子励起顕微 根本 知己 横山 弘之 鏡法の開発 北海道大学 東北大学 ⑦ 遺伝子操作マーモセットの作製・世代短縮のための革新的 饗場 篤 小倉 淳郎 胚操作技術の開発 東京大学 理化学研究所バイオリソースセンター 1 1 2 3 4 5年後 10年後 マカクザルでの解剖・生理情報の活用 マカクで発達している能力で補完 遺伝子改変霊長類作製技術の高度化 (トランスジェニック、ノックアウト等) 精神神経疾患の 異常神経回路の 解明 ヒトにつながるトランスレータブル脳・行動指標の開発 精神神経疾患に対するニューロフィードバック治療への 生物学的エビデンス付与 ヒトでの非侵襲脳 画像計測技術を 高度化 疾患モデル動物の作製 パーキンソン病・自閉症統合失調症モデルなど マーモセット脳活動・機能マップ作成 • 拡散テンソル画像法による神経線 維構造解析 • 神経トレーサーによる経路全染色 • 遺伝子蛋白質発現・エピゲノム情 報のマッピング 行動の網羅的大規模解析 • 家族行動・情動・注意の経時的大 規模情報抽出 活動マップの構築 ②③ ④ • 機能的単位の同定 • 信号の流れの推定 構造マップの構築 • 領野の構造的同定 • 領野間結合関係 • の3次元構築 革新的ニューロンレベル 大規模網羅的計測による ハイスループット解析 ミクロマッピング マーモセット脳の ニューロンレベルでの 神経回路機能 (正常・異常) の全容解明 統合失調症・ うつ病・ 発達障害 強迫性障害など マクロレベル全脳構造解析 • connectivity解析、画像処 理、ビッグデータ処理 ① 意思の創発・社会性などに関わる 重要部位・回路を特定 • 網羅的電気生理記録:超多チャネ ルECoG(より広く、細かく) • 詳細全脳活動計測:高磁場MRI • 光遺伝学との組み合わせ 大規模情報解析技術 マーモセット脳 3次元構造・ 活動マクロマッピング (領野間の結合関係) マクロレベル全脳活動解析 ヒトの高次脳機能とその障害としての 精神神経疾患の理解と治療戦略 ヒト疾患画像データとの比較 ヒト-サルの相違点・類似点の対応づけ 創発的意思・ 意識・ 思考・ 自我・ 創造性 社会性・ コミュニケーション、環境適応 ヒト高次脳機能理解への連結技術開発 アウトカム マクロ-ミクロ回路モデル による大規模シミュレーション 脳の情報処理理論 の確立と応用 より速く、より広く、より詳細に、より深く ミクロマップ作成・活用革新技術開発 線維連絡マクロトレーシング技術 STP tomography/fMOST、透明化技術 顕微鏡的MRIの高度化(現在50μmの解像度) ニューロンレベル大規模活動記録 多光子Caイメージング、深部マルチユニット記録 超解像度電子顕微鏡コネクト―ム 超解像度光学顕微鏡 新規コネクトーム手法の開発 標準脳構築情報科学技術 ニューロン・グリア・血管 相互作用の4次元解析 新しい深部イメージング手法の開発 ⑤⑥ ゲノム・エピゲノム操作・解析技術 神経回路機能操作法の開発 (光遺伝学、ウィルスベクター) ⑦ 大規模網羅的 解析技術による 脳科学研究の パラダイムシフト
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