海外安全対策情報(ウルグアイ) 平成28年第 4 四半期 1 社会・治安関係 (1) 治安関係 ア 内務省内の新組織PADOにおけるプログラムは高い職業意識を保持した警察官 の集団である。PADOはデータを解析し犯罪発生の日時等を分析し犯罪傾向を知 り,防犯・検挙に努める。これはアメリカ合衆国のニューヨークや英国の警察をモデ ルとして取り入れたとラジェラ警察庁長官は説明した。アメリカや英国から技術提供 を受けた。 PADOは現在首都圏(モンテビデオ,カネロネス,マルドナド,サン・ホセの各県) に800名の警察官を投入し,1000名をその他の各県へ配置した。PADOの警察 官は首都圏,主にモンテビデオにおいて,「カサバジェ,カサボ,パハス・ブランカス, ラ・パロマ(セロ),トムキンソン(パソ・デ・ラ・アレナ),ラス・アカシアス,ペニャロー ルといった熱地点と呼ばれる暴力犯罪多発地域」に配置される。 イ 2015年中の殺人事件の67%において拳銃が使用されている。殺人事件の42% は公的場所で,38%は住宅内で発生している。2015年中の殺人事件の37%が 犯罪組織同士の紛争に起因しており,19%が強盗事件によるもの,18%は家族 内での殺人であった。 2 一般犯罪、凶悪犯罪の事例 ⑴ 強盗 日本人の被害は報告されていないが主な事例は以下のとおり。 ア バス対象 なし イ タクシー対象 ・10月15日,マルビン地区において,男2人がタクシーに乗り込み目的地に着いたと ころ銃を取り出し,タクシー運転手を脅し売上金等を強奪した。 ウ ガソリンスタンド対象 ・11月8日早朝, ポシートス地区においてガソリンスタンドにハロウィーンの仮面を被 った強盗数人が押し入り,ウイスキー,タバコ等を強奪した。現在ガソリンスタンドでは 夜間,従業員が現金を取り扱うことを禁じられており,ガソリンスタンド併設のミニマー ケット内にも現金はなかった。 ・11月16日,ポシートス地区において,ガソリンスタンドに併設のミニマーケットに銃を 所持した2人組強盗が押し入り,ウイスキー,タバコ等を強奪して逃走した。 エ 住宅対象 なし 1 オ 店舗対象 ・10月13日午後9時30分ごろ,コロン地区において,猟銃を所持した犯人3人が商 店に強盗に入ったところ,3人の警察官が駆けつけ銃撃戦になり,犯人が怪我をした。 ・12月5日午後8時30分ごろ,カラスコ地区において,大使公邸に近い大型スーパー マーケットで現金輸送車が襲われ警備員側と犯人側による銃撃戦があった。客が多く いる時間帯で騒然とした。 ・12月19日深夜,ポシートス地区において,レストランに拳銃を持った3人組強盗が 押し入り,客から現金,携帯電話,貴重品を強奪してバイクで逃走した。 ・12月20日,カラスコ地区(センター街)所在の両替所に強盗6名が押し入り,1万米 ドル,10万アルゼンチンペソ(約75万円相当),100ブラジルレアル(約3500円相当) を強奪した。現在捜査中である。 ・12月21日,リオ・ネグロ県シューン市において,スーパーマーケットに強盗が押し入 り,90万6千(約362万円)ペソが強奪された。 カ その他 ・10月30日,ポシートス地区において,60歳男性が自宅に到着したところ武器を所 持した強盗に現金を強奪された。男性が銀行から出たところを,2人乗りしたバイクが 追随していた模様である。 ・11月5日午前10時30分ごろ,ラ・ウニオン地区において,武装した犯人が現金輸送 車(民間警備会社)を襲撃し,110万ペソ(約440万円)を強奪した。現金は毎土曜日 同時刻に運搬されていた。警備員と犯人グループとの銃撃戦となった。警備員のうち 一人は銃弾を受けたが防弾チョッキにより命に別状はない。使用された銃は残された 薬莢から45口径,9mm と推測され,グロッグ製銃1丁も銃弾約30発と共に残された。 不確かな情報であるが犯人側の一人が頭に銃弾を受けた。 ・11月17日,パソ・カラスコ地区において,強盗事件に関係した犯人が警察に射殺さ れた。 ・12月4日,ポシートス地区において,10歳と13歳の子供が通行中,犯人は銃を持 っているぞと2人を脅迫し,子供たちから携帯電話,リュックサックを強奪した。後に逮 捕された。 ・12月6日,コロン地区において,銃を持った3人の犯人が配達中のトラックを襲い, 運転手から現金等を強奪して逃走した。 ・12月6日,プンタ・ゴルダ地区において,バス停で待っていた57歳女性が少年5人 に取り囲まれ携帯電話を強奪された。 ⑵ 殺人 日本人の被害は報告されていないが主な事例は以下のとおり。 ア 既遂 2 ・10月1日,カラスコ・ノルテ地区において,56歳男性が強盗犯人に頭を打ち抜かれ 死亡した。男性は妻,友人女性と歩いていたところ,友人女性が強盗犯人から銃を突 きつけられたことから男性が女性を助けようと犯人に抵抗したところ犯人は男性の頭 部に向けて拳銃を発射した。男性は即死状態であった。犯人はそのまま逃走した。 ・11月15日,カサボ地区において,46歳男性が殺害された。犯罪組織同士の抗争と みられ,警察が捜査中である。 ・12月4日,カネロネス県ラス・ピエドラス地区において,17歳少年が銃で怪我をして いるところを発見され,病院へ運ばれたが死亡した。殺人事件として捜査中である。 イ 殺人未遂 ・10月31日,コロン地区において,36歳男性が市場で買い物をしていたところ,犯人 が男性に近付き言葉もなく銃を数発発射した。男性は怪我を負い,犯人は逃走中であ る。 ⑶ 強姦 日本人が関係している被害は報告されていない。 3 薬物犯罪発生状況 日本人が関係している事件は報告されていないが主な事例は以下のとおり。 ・11月15日,ロチャ県において,薬物取締作戦が実行され,18人を逮捕,8人を起訴 した。エクスタシー錠,大麻,コカイン,LSD,4台の車,4個の武器,現金等を押収し た。 4 テロ・爆発事件発生状況 事件は報告されていない。 5 誘拐・脅迫事件発生状況 ・12月13日の午後,プンタ・デル・エステ在住のアルゼンチン国籍女性がアルゼンチ ンへ向かう夫をラグーナ・デル・サウセ空港(マルドナド県所在)へ送り届けた帰り,空 港を出て5分ほどの場所で誘拐未遂の被害にあった。犯人は男2名,女2名で緑色の 服を着用しており,女性は警察の検問と思い,車を停車させたところ犯人が車に乗り 込んできた。女性の助けを求める声を聞きつけた通行人が警察へ通報したことに気付 いた犯人は2台の車で逃走した。被害者は誘拐される心当たりがないと話した。 6 日本企業の安全に関わる諸問題 3 モンテビデオ市内外において銃を使用した強盗事件が多発している。当地では日本 人は一般的に「裕福」と見られており,日本企業及びその関係者が強盗や誘拐の標的と なる可能性は排除できない。 また労働者の権利意識が高く労働争議が過激に行われることから注意を要する。(了) 4
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