ブラジル日系熟年クラブ連合会 新年号 完成しました

謹賀新年
発行所
ブラジル日系熟年クラブ連合会
Federação dos Clubes
Nipo-Brasileiros de Ancióes
律子 さん ( モジ・中央日会老人部)
100歳おめでとう
松谷
新年あけましてお
めでとうございま
す。
日系熟年クラブの
皆 様 に は、 ご 家 族 お
揃いでお健やかな新
年をお迎えのことと
お慶び申し上げま
す。 昨 年 は、 会 員 の
皆様と関係各位のご
理解とご協力によっ
て、 予 定 の 行 事 が 全
て無事に終えること
が で き ま し た こ と、
ありがたく感謝申し
上 げ ま す。
私 が、 就 任 し、 間
無しに拠無い事情で
訪日した約3カ月
間、 役 員 の 方 々 や 会
員の皆様にご迷惑を
おかけしましたこと
を深くお詫び申し上
げ ま す。
さ て、 昨 年 を 振 り
返 っ て み ま す と、 ブ
ラジルは政治家の汚
職や大統領罷免な
ど、 歴 史 に 残 る 大 き
な出来事がありまし
た。南米で初の五輪、
パラリンピックがリ
オデジャネイロで開
催 さ れ ま し た。 開 幕
日が近づくにつれ工
を い た だ き ま し た。
そ し て、 ブ ラ ジ ル に
お帰りになりました
ら熟連会員の皆様に
くれぐれもよろしく
お伝えくださいとの
お言葉もいただきま
し た の で、 失 礼 な が
ら紙面にてお伝えい
た し ま す。
さ て、 熟 連 で は 本
会の活性化を図るた
め に、 で き る だ け 各
クラブを参観させて
い た だ き、 交 流 と 親
睦を深めたいと考え
て い ま す。 昨 年 は
ジュンジアイ睦会と
レ ジ ス ト ロ 秋 冬 会、
バレットス寿楽会の
3つのクラブを訪問
し、 会 員 同 士 が 膝 を
交 え て 懇 談 し、 大 変
有意義な楽しいひと
ときを過ごさせてい
ただき良い勉強にな
り ま し た。
今年もできるだけ
参観させていただ
き、 会 員 の ご 意 見 を
直に聞き熟連の近況
報 告 を し、 常 に 密 接
な関係を維持するこ
と で、 熟 連 の 会 員 増
加 を 図 り、 ま た そ の
ク ラ ブ 活 動 が、 高 齢
社会を明るく豊かな
長 寿 社 会 へ と、 創 り
上げていくことに繋
がるものと考えてお
り ま す。 皆 様 方 の さ
らなるご理解とご協
力をお願い申し上げ
ま す。
年頭にあたり皆様
方のご多幸とご健勝
を心から祈念いたし
ま す と と も に、 充 実
した年でありますこ
とをお祈り申し上げ
ま す。
ブラジル日系熟年クラブ連合会
会長 上野 美佐男
明るく豊かな長寿社会へ
16
事の遅れや政治の問
題などが心配されま
し た が、 何 事 も 起 こ
らず全ての競技が無
事に終わり大成功
だ っ た と 思 い ま す。
特に開会式と閉会式
は素晴らしく眼福に
あ ず か り ま し た。 大
いにブラジルのイ
メ ー ジ・ ア ッ プ に
な っ た と 思 い ま す。
ま た、 日 本 で は 4
月 日と 日に熊本
県で震度7クラスの
地 震 が あ り、 熊 本 県
全体が甚大な被害を
被 り ま し た。 日 系 熟
年クラブ連合会に
も、 熊 本 県 出 身 の 会
員が多数おられます
の で、 各 ク ラ ブ に 募
金を呼びかけました
ところ好意的に浄財
が各クラブから多数
寄 せ ら れ ま し た。 8
月 の 初 め、 私 が 訪 日
した折熊本県老人ク
ラブ連合会を訪問
し、 松 田 正 邦 会 長 に
お 渡 し し ま し た。 松
田会長は海外から義
援金が届けられたの
は 今 回 が 初 め て と、
ご丁寧なお礼の言葉
14
Rua Dr.Siqueira Campos,134
São Paulo-SP
CEP 01509-020
Te l:
(011)3209-5935
Fax:
(011)3208-0981
http://www.100nen.com.br/ja/roukuren/
E-Mail:[email protected]
編集 · 制作:株式会社ニチコミ
http://www.nichicomi.com
!!
2017 年 1 月
宮城県仙台市出身。1916年9月24日生まれ。
1933年4月、17歳で家族と共に渡伯しました。
モジ・老人部では会長を長くつとめ、現在は歌に読書に編み物と
趣味ざんまいの日々を過ごしております。カラオケは85歳から始め
たびたび優勝も。編み物はたくさん編んで人にあげて喜ばれてい
ます。「健康は良好、今にギネスブックにのるかも」とにこやかに語っ
ておられます。
10/Janeiro/2017
No.516(1)
ブラジル老壮の友
祝
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
ブラジル老壮の友
No.516(2)
事務局だより
1月の行事AVISO DOS EVENTOS 皆様お誘いあわせてご参加下さい。
DIA 9.16.23(月 SEG )9.30時・健康表現体操教室 KENKO HYOGEN TAISO
DIA 9.16.23(月 SEG)13時・舞踊教室 TREINO BUYOU
DIA 10.17.24(火 TER)9時30分・コーラス教室 TREINO CORAL
DIA 10.17.24(火 TER)12時30分・カラオケ教室 TREINO KARAOKE
DIA 10.17.24(火TER) 9時・マージャン教室AULA DE MAJAN
DIA 11.18.25(水 QUA)13時・民謡教室 MINYO KYOSHITSU
DIA 18.25(水 QUA)10時・日本語教室 AULA DE JAPONES
DIA 12.19.26(木 QUI)9時30分・練功教室 TREINO RENKO
DIA 12.19.26(木 QUI)12時15分・カラオケダンス愛好会 KARAOKE DANSU AIKOKAI
DIA 12.19.26.22(木 QUI)10時・ポルトガル語教室 CONVERSAÇÃO DE PORTUGUES
DIA 20(金 SEX)10時・絵手紙教室 ETEGAMI KYOSHITSU
DIA 13.27(金 SEX)10時・書道百人一首 SYODO HYAKUNIN ISSHU
DIA 13.27(金 SEX)13時・書道教室 SYODO KYOSHITSU
DIA16(月 SEG)13時・百人一首の会 HYAKUNIN ISSHU
DIA 9(水 QUA)13時・俳句教室 HAIKU KYOSHITSU
DIA 10(火TER)13時・川柳教室 SENRYU KYOUSHITSU
DIA 12.19.26(木・QUI)9時・マッサージ MASSAGEM
DIA (第1. 3水QUA) 9時吸い玉・VENTURE
DIA 14.21.28(土SAB)8.時 健康表現体操 KENKO HYOGENTAISO
DIA 14.28(土 SAB)12時10分・名画鑑賞会 MEIGA KANSYOKAI
DIA 7(土 SAB)12時15分・なつメロ合唱の会NATSUMERO GASSHOU NO KAI
DIA30(月)定期総会 熟連サロン 10.00時から
2月の行事AVISO DOS EVENTOS 皆様お誘いあわせてご参加下さい。
DIA 6.13.20(月 SEG )9.30・健康表現体操教室 KENKO HYOGEN TAISO
DIA 6.13.20(月 SEG)13時・舞踊教室 TREINO BUYOU
DIA 7.14.21(火 TER)9時30分・コーラス教室 TREINO CORAL
DIA 7.14.21/(火 TER)12時30分・カラオケ教室 TREINO KARAOKE
DIA 7.14.21(火TER) 9時・マージャン教室AULA DE MAJAN
DIA 1.8.15.22(水 QUA)13時・民謡教室 MINYO KYOSHITSU
DIA 1.8.15.22(水 QUA)10時・日本語教室 AULA JAPONES
DIA 2.9.16.23(木 QUI)9時30分・練功教室 TREINO RENK
DIA 2.9.16.23(木 QUI)12時15分・カラオケダンス愛好会 KARAOKE DANSU AIKOKAI
DIA 2.9.16.23(木 QUI)10時・ポルトガル語教室 CONVERSAÇÃO DE PORTUGUES
DIA 3.17(金 SEX)10時・絵手紙教室 ETEGAMI KYOSHITSU
DIA 10.24(金 SEX)10時・書道百人一首 SYODO HYAKUNIN ISSHU
DIA 10.24(金 SEX)13時・書道教室 SYODO KYOSHITSU
DIA 6.20(月 SEG)13時・百人一首の会 HYAKUNIN ISSHU
DIA 13(月SEG)13時・俳句教室 HAIKU KYOSHITSU
DIA 14(火 TER)13時・川柳教室 SENRYU KYOSHITSU
DIA 2.9.16.23(木・QUI)9時・マッサージMASSAGEM
R$ 12,451.00
13
唄ったり手を上げた
り 肩 を 叩 い た り、 実
に楽しげに加わって
下 さ り、 演 ず る 方 も
大変喜んでおりまし
た。 最 後 は 炭 鉱 節 を
皆 さ ん で 踊 り、 締 め
括 り ま し た。 こ う し
て二〇十六年も皆様
に 支 援 を 頂 き、 つ つ
がなく終わりまし
た。 2 0 1 7 年 は 会
員一人一人が健康で
気持の和む毎日がお
くれますようお祈り
致 し ま す。
1,170.00
1,212.00
1,211.00
1,186.00
1,170.00
1,340.00
1,170.00
1,170.00
1,372.00
1,450.00
R$ 12,451.00
年末寄付
22 団体
皆様に感謝
計
19
レット壮寿会などか
ら も 寄 せ ら れ、 各 々
の事情にあった配分
をして十団体に贈
リ ま し た。 こ れ ら
が、 各 園 生 や 高 齢 者
のために何かの足し
になることを願って
お り ま す。 年 末 日
に は、 援 協 運 営 の サ
ントス厚生ホームに
マイクロバスで役員
以下一九名で訪問し
ま し た。 私 達 の 踊 り
とカラオケを皆さん
に 披 露 致 し ま し た。
五十六名位の入園者
の ほ と ん ど は、 舞 台
の演技に合わせて
合
贈り先と金額
あけぼのホーム
やすらぎホーム
カンポスさくらホーム
サントス厚生ホーム
スザノイッペランジャホーム
希望の家
救済会
こどものその
サンタ・クルース病院
SBC 病院
合 計
付 を し て 来 ま し た。
各老人クラブが個別
にやるよりは老ク連
がまとめて贈ること
に 決 議 さ れ、 強 要 は
せ ず、 ま た 会 か ら は
出 さ ず、 あ く ま で も
1人1人の気持を集
めようとの事で始
ま っ た の で す。 今 年
は そ の 回 目、 年 末
の 慌 た だ し さ の 中、
皆さんが大変協力し
てくださり大変感謝
し て お り ま す。
クラブは本部近辺
ば か り で な く、 サ ン
パウロからかなりは
なれたリベロン・プ
寄付額
300.00
570.00
1,500.00
1,082.00
200.00
500.00
300.00
400.00
500.00
500.00
700.00
800.00
1,200.00
600.00
200.00
600.00
1,000.00
100.00
700.00
200.00
374.00
125.00
DIA (第1.3水QUA)9時 吸い玉・ VENTURE
DIA 4.11.18.25(土SAB)8時・健康表現体操 KENKO HYOGENTAISO
DIA 11.25(土 SAB)12時10分・名画鑑賞会 MEIGA KANSYOKAI
DIA 4(土 SAB)12時15分・なつメロ合唱の会NATSUMERO GASSHOU NO KAI
上記の行事は熟連福祉センターにて開催(Rua,Dr,Siqueira Campos,134,Liberdade)
(12月1日より12月31日までの報告 敬称略 単位R$)
○寄贈・寄付 深謝Muito Obrigado
・ 書籍類…井出香哉 多数冊、笹島美子 7冊、日本会議 100冊、西一人
多数冊、伊藤フミエ 8冊、小野忠司 23冊、カッフェ 藤永ロー
ザ 2袋、雨笠 田中保子 2本、チョーク他 多川富貴子 2箱、
百人一種 中野明美 1箱、ラジオ体操DVD 西一人 1ケ、花
阿部先生 6鉢、
○事業報告(11月18日~ 12月15日)
11月18日(金)会計監査 小野・高山・相沢・
18日(金)代表者会議 出席 33名
22日(火)鈴木先生 サント・アンドレ白寿会へ
24日(木)鈴木先生 カンピーナス明治会へ
22日(火)ENTREGA DE MEDALHA E DIPLOMA DE ANCHIETA 、
SR, ANDRE KOROSUE、VEREADOR PRECIDENTE DA
CAMARA MUNICIPAL ANTONIO DONATO 辺原
27日(日)熟連親睦カラオケ大会 文協小講堂にて
29日(火)コチヤ青年講演会 熟連サロンにて
30日(水)百歳表彰 総領事公邸 上野
12月02日(金)理事会 12名
04日(日)第22回ブラジル紅白歌合戦 玉井
06日(火)天皇陛下誕生日祝賀会 文協 中川
06日(火)天皇陛下誕生日祝賀会 総領事公邸 辺原
10日(土)第151回定期評議委員会 文協 辺原
13日(火)年末施設訪問 サントス厚生ホーム、上野・玉井・辺原・
中川・西・森 他 13名
14日(水)会計監査 小野・高山・相沢
その他に栗山氏がカラオケダンスに、小野・高山・相沢氏が各人の任務を果たす
○各教室参加者
民謡教室
3回 23名
コーラス教室
2回 27名
舞踊教室
2回 21名
カラオケ・ダンス愛好会 3回 73名
俳句教室
1回
4名
カラオケ教室
3回 88名
川柳教室
0回
0名
表現体操教室
2回 46名
ポ語会話教室
4回 73名
練功体操教室
3回 43名
書道教室
1回
8名
絵手紙教室
2回 37名
書道(百人一首) 1回 16名
百人一首の会
2回 14名
名画鑑賞会
2回 20名
なつメロ
1回 14名
マージャン
3回 27名
健康表現体操
3回 138名
日本語教室
2回 12名
熟連では日系社
会 の 皆 様 の 援 助 で、
一九九七年に現在の
活 動 場 所 で あ る、 老
ク連福祉センター
が出来上がりまし
た。 建 設 基 金 作 り の
三 年 間 は、 電 話 帳 で
調 べ た り、 ほ ん の 少
しの伝手を求め皆様
と、 あ り と あ ら ゆ る
所にお願いしたもの
で す。 そ こ で 翌 年 の
一九九八年から少し
でもお返しが出来た
ら と、 年 末 助 け 合 い
募 金 を し て、 年 々 支
援の減る傾向にあっ
た日系福祉団体に寄
2016年度熟連年末助け合い募金
クラブ名
ナザレー老壮会
ビラ・ソニア老壮クラブ
サンパウロ中央老壮会
モジ・ダス・クルーゼス中央日会老人部
リベロン・プレット壮寿会
サウーデ文協老壮部
リベロン・ピーレス錦友会
サント・アンドレ白寿会
イタケーラ寿会
サン・ベルナルド松寿会
みずほ福寿会
ジュンジアイ睦会
カンピーナス明治会
イタペチ万寿会
インダイアツーバ親和会
ピニェイロス老壮部
グアラニー桜クラブ
杉本鶴代
サント・アマーロ青空会
セントロ桜会
熟連事務局募金
名画ナツメロ・清談会・酉年・抒情歌
10/Janeiro/2017
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
31
仲間とともに
地域社会づくりを
40
熟
問
連
役
謹賀
新年
顧
相 談 役
相 談 役
長
相 談 役
会
副会長一
副会長二
副会長三
第一書記
第二書記
第一会計
第二会計
文化理事
管理理事
援護理事
員
50
熟 連 協 力 者
割引診察
科
事業援助
眼
俳句選者
短歌選者
川柳選者
催事協力
生花協力
法律相談
カラオケ指導者
書道指導者
盆踊り指導者
民謡指導者
コーラス指導者
練功指導者
百人一首指導者
ポ語指導者
〃
健康表現体操
〃
絵手紙指導者
〃
〃
日本語指導者
正監査役
麻雀指導者 大矢
サンタ・クルース病院
ブラデスコ銀行
遠藤エリオ
樋口玄海児
新井 知里
柿嶋さだ子
藤瀬 圭子
阿部すみ子
林アンドレ
田巻 夏枝
若松 孝司
会田 郁子
玉井須美子
足立 弘子
寺田 洋子
田中 保子
岩崎ルリカ
川添 敏江
田中 礼子
今野 米子
石井 恵子
西谷 律子
外山 美春
五十嵐早苗
進貞
正監査役 相沢
五十嵐 司
山本
茂
大庭千代子
小坂
誠
上野美佐男
玉井須美子
辺原よし子
広瀬 哲洋
西丸 俊子
玉田 伯夫
小野 忠司
戸田 房子
中川 浩己
森
博
西
一人
高山 友巳
絹代
安敬
正監査役 栗山
回定期総会お知らせ
25
32
公益財団法人
活 動に取 り 組 んでい
ます。この活動をとお
して、高 齢 者 が 住 み
慣 れた 地 域で、仲 間
とともに健 康で 安 心
した生活を送ることが
できる地 域 社 会 づく
りに貢献したいと考え
ております。
今 後 も、ブラ ジル
の会 員の皆 様と交 流
を 深 めな がら、高 齢
者の活 力 が発 揮でき
る場の拡充に努め、高
齢 期 を 生きがいと誇
りを持って暮らしてい
ける社 会 づくりを目
指したいと思います。
年 頭 にあ たり、貴
会の益々のご発展と、
会員の皆様のご健康、
ご活 躍 を 祈 念いたし
まして、新年のご挨拶
といたします。
第
日時
場所
議題
月 日(月)
第 次召集 時半
第 次召集 時
熟連本部サロン
・ 2016年度事業報告、会計報告
・ 2017年度事業計画、予算案発表
出席者は各クラブの代表者のみです。
昼食準備の都合上、1月 日までに
出席の可否を事務局までお知らせ下
さい。
10 9
30
全国老人クラブ連合会
会長 斎藤 十朗
新 年 あけましてお き な 喜 びで あ り、励
めでとうございます。 みになったことと存じ
ブラ ジル日 系 熟 年 ます。
クラブ連 合 会の会 員
次回2020年の第
の皆様には、健やかに
回大会は、我が国・
新 年 を 迎 えられたこ 東 京で開 催 が決 定し
ととお 慶 び申し上 げ ており、現在、官民が
ます。
一丸となってその準 備
昨 年は第 回とな を進めているところで
る 夏 季 オ リン ピック す。ぜひ、大勢の皆様
が、貴国・リオデジャ にご来日いただき、交
ネイロにおいて開催さ 流を深めたいと考えて
れましたが、平和と環 おります。
境保護をテーマにブラ
さて、一昨年に創立
ジルの歴 史 と文 化 を
周 年を迎えられた
表 現した開 会 式は世 貴 会におかれ まして
界 各国から大きな称 は、来る 周 年に向
賛と共 感の声 があ が けて新たな歴 史 を刻
る記 憶に残る式 典で まれていることと存じ
ありました。
ます。先 人 が 築 き 上
特 に、我 が 国の国 げてこられた日 系 高
民にとって、日系移民 齢 者の結 びつきを 大
の皆 様の足 跡 がその 切にされ 高 齢 者の保
子 孫の群 舞 をとおし 健 福 祉の向 上と日 本
て示されたことに深い 文化継承のために、貴
感銘を受けました。こ 会 がさらなる発 展 を
れもひとえに、先達な 遂 げ られ ますことを
ら びに皆 様 方 がブラ ご期待申し上げます。
ジルの社 会に根 を 張
我 が 国 で は、人口
り、その発展に寄与さ 減 少と少 子・高 齢 化
れてこられた賜物であ にともない、社会保障
ると存じております。 の各 制 度 を維 持 する
また、開会式が行わ ために大 きな 変 革 が
れたエスタジオ・ド・マ 求められています。そ
ラカナンにおいて、サッ のような状況のなか、
カー大国である貴国が 全国の老 人 クラ ブで
決 勝 戦 を制し初の栄 は、高 齢 期の孤 立 を
冠を手にしたことは、 防ぐ 仲 間 づくりと健
国民の皆様にとって大 康づくり、支え合いの
38
1
2 1
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(3)
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
3
中前
隆博
京子
さけんでもどうしよ
うもないが叫びた
い、 い い や、 叫 ん で
かえって動揺を起こ
してもいけないな
どと頭の中でいろ
いろな考えが浮か
び、 ふ っ と 外 を 見 る
と家々にひびが入っ
て今にも崩れそうに
な っ て い ま す。 崩 れ
な い で、 崩 れ た ら バ
スごと埋まってしま
い ま す。 隣 の 男 性 を
除 け て も、 私 は 家 の
下敷きになってしま
い ま す。 家 よ 崩 れ な
い で、 バ ス も 横 転 し
な い で、 心 の 中 で
叫 ん で い ま し た ら、
やっと揺れが収ま
り、 バ ス が 発 車 し て
く れ ま し た。
小学校の前を通っ
た ら、 み ん な 校 庭 に
座 っ て い ま し た。 校
庭で父兄が迎えにく
るのを待っていたそ
う で す。 私 は 運 が 良
くバスは家の近くの
いつもの停留所で止
ま り、 無 事 家 に 着 く
こ と が で き ま し た。
友人達の話を聞くと
途中で降ろされて1
時間かかって家に着
い た 方 や、 信 号 が だ
鈴木
JICAシニアボランティア
笑って元気に
り、 自 然 で あ り、 建
赤信号ではないの
築であり、食であり、 にバスが止まり、そ
デザイン等に代表さ の 時 乗 客 の 携 帯 が
れ ま す。 こ の よ う な い っ せ い に 鳴 り 出 し
日 本 の 魅 力 を サ ン パ ま し た。 ど う し た の
ウロで発信すること か? と思っていた
に よ り、 よ り 深 い 理 ら ド ン と い う 音 と と
解と共感が得られる もにバスが今にも横
こ と と 思 い ま す。
転しそうに揺れ出し
調 査 に よ り ま す と ま し た。 私 の 隣 に は
日本人で2016年 大きな身体の男の人
度 の 海 外 に 居 住 す る が 座 っ て い た の で、
百歳以上高齢者の方 もし窓際の方に倒れ
は 2 5 2 名、 そ の 内 た ら 私 は こ の 人 の 下
サンパウロ総領事館 敷きになってしまう
管 轄 地 域 に は 1 2 5 と と っ さ に 思 い、 ど
名と半数近くの方が うか倒れるなら窓際
お ら れ ま す。 そ の 中 で な い よ う に、 私 が
で、 熟 連 ク ラ ブ の 皆 こ の 男 の 人 の 上 に な
様方は様々な活動を りますようにと願っ
通 じ て、 生 き が い の て し ま い ま し た。 長
ある健康的な生活を い と い っ て も 1 分
推 進 し、 ま た 各 地 で (?) も た っ て い ま
高 齢 者 活 動 の 普 及 に せ ん。
も励んでおられま
「地震怖いね」「す
す。 本 年 も 皆 様 方 の ご い 地 震 で し た ね 」
益々盛んな活動を通 と見ず知らずの人た
じ て、 多 く の 方 々 の ち が 隣 同 士 で 話 を
生 き 生 き と し た 生 活 し、 バ ス が 動 き 始 め
に寄与されることを たらまた携帯が鳴り
願 っ て お り ま す。
出 し ま し た。 バ ス が
結 び に、 あ ら た め 止 ま っ た 瞬 間 グ ラ グ
て関係者の皆様に敬 ラとさっきより長い
意 を 表 す る と と も 大きい揺れの地震が
に、 本 年 の 皆 様 の ご 来 ま し た。
健勝と益々のご活躍
「きゃー」
「きゃー」
を 祈 念 致 し ま す。
乗 客 た ち の 叫 び 声、
11
在サンパウロ日本国総領事
10
東京大会のプレゼン
テーションに参画
し、世界に対して同
大会を素晴らしいも
のにしていくとの決
意を示しました。
さ ら に 月 に は、
テメル大統領がブラ
ジル大統領として
年ぶりの公式訪問を
行 い、 天 皇 陛 下 と 会
見 さ れ、 ま た、 安 倍
総理大臣との間で
日・ブラジル首脳会
談 を 行 い ま し た。 二
国間の親善関係が一
段と深まることが期
待 さ れ ま す。
さ て、 本 年 は ロ ン
ドン、ロサンゼルス、
サンパウロの 都市
に、 ジ
「 ャ パ ン・ ハ
ウス 」が開設されま
す。 こ れ は 世 界 の よ
り多くの人々に対し
て、 日 本 の 魅 力 の 諸
相を 世
「 界を豊かに
する日本 」として表
現・発信することに
よ り、 日 本 へ の 深 い
理解と共感の裾野を
広げていくための海
外 拠 点 事 業 で す。 日
本 の 強 み は、 圧 倒 的
な独自性を持つ文化
で あ り、 そ れ は 例 え
ばテクノロジーであ
めでバスに乗ってい
て時間ばかりかか
り、 や は り 途 中 で 降
ろされて大変だった
と 聞 か さ れ ま し た。
家に着きわが家の
愛犬の無事を見て
ホ ッ と し ま し た。 愛
犬の名前はシロで
す。 シ ロ は 歳 で、
月くらいから寝た
き り で し た。 地 震 の
その日にパスポート
をもらいに県庁に行
き、 そ の 帰 り に シ ロ
のおむつを買って帰
る つ も り で し た が、
家の近くの停留所に
来たときに降りてし
ま っ た の で、 お む
つを買えませんでし
た。
「お む つ を 買 え な
かったのであまり汚
さ な い で ね。 電 気 も
ないし水もないので
洗ってあげられない
の」と何気なしに
言ってしまったこと
があとからとても後
悔の種になろうとは
…。
金魚鉢はひっくり
返っていなかった
ので安心しました
が、 周 り は 水 び た し
で す。 ま た、 食 器 棚
や茶箪笥からは茶碗
やコップが落ちて割
れ、 周 り は ガ ラ ス ガ
ラスの破片や瀬戸物
の破片で歩けませ
ん。 近 所 の 奥 さ ん が
私を見るなり家に入 けてまた家に戻りま
る と き は 「靴 を 履 い す。 片 付 け な が ら ラ
た ま ま の 方 が い い わ ジ オ を か け る と 「津
よ」 と 言 わ れ た の が 波 で す。 メ ー ト ル
わ か り ま し た。 シ ロ 以 上 の 津 波 が 来 て い
が 寝 た き り だ っ た の ま す。 す ぐ に 逃 げ て
は 不 幸 中 の 幸 い で く だ さ い」 と の 放 送
す。 こ れ で 元 気 が 良 で し た。 川 の 近 く の
かったらコップや食 方も危ないとの放送
器 の 破 片 で 足 を ケ ガ だ っ た の で、 海 に 近
し て い た で し ょ う。 い 会 社 で 働 い て い る
片付けているとま 息子に電話しました
たグラグラ震度5弱 が、「 地 震 大 き か っ
の 地 震 で す。 後 片 づ た が 大 丈 夫 だ っ た ?
け そ っ ち の け で 玄 関 俺 は 大 丈 夫」 と 地 震
を開けたままで外に 直後に電話がありま
出 ま し た。 閉 め て い し た が、 も う 通 じ ま
た ら 歪 ん で 入 れ な く せ ん。 連 絡 が あ っ た
な っ て し ま う お そ れ の は 3 日 後 で し た。
が あ り、 家 が 潰 れ そ
私の家族や親戚は
う に な っ た ら、 シ ロ 皆 無 事 で 良 か っ た の
を 連 れ 出 し て 逃 げ る で す が、 嫁 の お 父 さ
ことも考えていまし んの親戚は3人亡く
た。 近 所 の 人 た ち も な っ て し ま い ま し
皆 青 い 顔 で 外 に 出 て た。 友 人 の 家 も 津 波
い ま し た。
で流されてしまいま
「わ ぁ、 ま た 地 震 し た。 水 道 や 電 気、
よ」 グ ラ グ ラ と 地 面 ガ ス が 止 ま っ て し ま
が 揺 れ ま す。 余 震 で い、 雪 が チ ラ ホ ラ 降
す。 余 震 は 半 年 以 上 る 寒 い 夜 を 迎 え 大 変
も 続 き ま し た。 3 カ で し た。 が、 た ま た
月間は着の身着のま まその日は灯油配達
ま で 寝 て、 靴 も ベ ッ の 日 で、 私 が 家 に 着
ド の す ぐ 下 に 置 い いたときに灯油配達
て、 地 震 で 家 が 潰 れ の 車 が 家 の 前 に 止
たらすぐに逃げ出せ ま っ て、「 大 き い 地
る よ う に し て い ま し 震 だ っ た ね」 と 配 達
た。「大きい地震だっ のお兄さんが車から
た ね。 5 年 前 よ り も 降 り て き た の で 「灯
大 き い よ ね。 嫌 だ 油 も ら え ま す か ?」
ね」 と 近 所 の 人 た ち と 言 い、 灯 油 缶 全 部
と 話 な が ら、「 気 を ( 3 缶 ) に 入 れ て も
つ け て ね」 と 声 を か
(↓ 次 頁 へ)
10
新年のご挨拶
謹んで新年のお慶
び を 申 し 上 げ ま す。
一昨年6月に着任
し て 以 来、 様 々 な イ
ベ ン ト に 出 席 し、 ま
た各地日系人団体を
訪 問 さ せ て 頂 き、 多
くの皆様の有意義な
お話を聞かせて頂き
ま し た。 日 本 人 移 民
とその御家族の皆様
はブラジルの地で大
変 な ご 努 力 を 重 ね、
勤 勉、 誠 実 と い っ た
日本人の美徳を実践
し、 次 世 代 へ 継 い で
こ ら れ ま し た。 そ し
て 今 日、 ブ ラ ジ ル の
社会で大きな尊敬と
確固たる信頼を獲得
してこられているこ
と に、 一 人 の 日 本 人
として大変誇らしく
思 っ て お り、 心 か ら
敬意を表したいと思
い ま す。
昨年はリオ・デ・ジャ
ネイロで2016オ
リンピック・パラリ
ンピック大会が開催
され、大成功の内に
閉幕しました。閉会
式では五輪旗がリオ
から東京へしっかり
と受け継がれ、また
安倍総理大臣は閉会
式における2020
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(4)
2
17
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
新年あけましてお
めでとうございま
す。
皆様におかれまし
て は、 ま す ま す ご 清
栄のこととお慶び申
し 上 げ ま す。 旧 年 中
は当国際協力機構
(JICA)の事業
に対して格別のご支
援 を 賜 り、 心 よ り 感
謝 申 し 上 げ ま す。
昨年はブラジルに
とって大きな契機と
なる一年となりまし
た。
ま ず、 リ オ デ ジ ャ
ネイロオリンピック
/パラリンピックが
成功裏に終了したこ
と、 こ れ は ブ ラ ジ ル
の存在を世界に大き
くアピールする出来
事 と な り ま し た。 オ
リンピックの開会式
で は、 日 系 移 民 を モ
チーフにした演出が
世界中に発信されま
し た。 ブ ラ ジ ル で 確
固たる地位を築かれ
た日系人の皆様に
とって胸が熱くなる
演出だったのではな
い か と 思 い ま す。
他 方、 政 治 の 世 界
では大きな混乱があ
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(5)
隆一
名のボランティアを
派 遣 し ま し た。 昨 年
帰国した与那覇博一
シニアボランティア
は、 貴 連 合 会 の 各 支
部 を 巡 回 し、 様 々 な
レクリエーションの
導入の活動を行って
き ま し た。 7 月 の サ
ンパウロ日本祭りで
開催されたお手玉品
評会は大きな話題に
も な り ま し た が、 そ
の 他、 お 手 玉 体 操、
指 体 操、 シ ル バ ー 川
柳など様々な趣向を
こらした活動で皆様
と楽しく過ごしたと
聞 い て お り ま す。
ま た、 現 在 活 動 中
の鈴木京子シニアボ
ラ ン テ ィ ア も、 活 動
の幅をさらに広げる
べ く、 会 員 の 皆 様 の
健康増進と新たな生
きがいの提供に尽力
しているところで
す。 シ ニ ア ボ ラ ン
テ ィ ア の 活 動 は、 貴
連合会の皆様のお力
添 え に よ り、 よ り 大
きな相乗効果をもた
らすものと確信して
お り ま す の で、 皆 様
のご協力を何卒よろ
しくお願いいたしま
JICAブラジル事務所
所長 那須
高齢者福祉分野への
協力を推進
り、 こ ち ら も 世 界 中
の注目を集めること
に な り ま し た。 ブ ラ
ジル国民の大きなう
ねりが大統領の弾劾
と い う 結 果 と な り、
テメル新政権はブラ
ジル全体で停滞する
経済状況の改善や治
安問題など多くの課
題に取り組んでいく
こ と に な り ま し た。
このようにめまぐ
るしく変化するブラ
ジ ル の 中 で、 J I C
Aは引き続き日系社
会支援の1つの柱と
して高齢者福祉分野
への協力を推進して
い く 所 存 で す。 高 齢
化は日系社会だけで
な く、 こ れ か ら の ブ
ラ ジ ル 全 体 に と り、
大きなテーマとなっ
ていくと考えていま
す。 日 系 社 会 ボ ラ ン
ティアを中心とする
この分野への協力の
成果がブラジル全体
に広がることも合わ
せて期待しておりま
す。
貴連合会へは、「老
人 ク ラ ブ 連 合 会」 時
代を含めるとJIC
Aはこれまでに計7
(↓ 前 頁 の 続 き) を 振 り 絞 り 雄 々 し い
らい灯油が足りたの 伏せの姿で亡くなっ
で、 寒 さ 対 策 と 料 理 て い た の で す。 年
には反射式ストーブ 間家族の一員として
が 大 活 躍 を し て 助 か 育 っ て、 い い え、 そ
れ 以 上 で し た。 精 神
り ま し た。
地震から4日後に 的に救われた 年間
電 気 が つ き ま し た。 で し た。 盲 導 犬 と し
ちょうど早い夕食を て活躍する犬の種類
食べようとしてい なのでとても利口
た こ ろ で し た。「 シ で、家族で一番悲し
ロ、 電 気 が つ い た か ん で い る 人 が わ か る
ら お 尻 を 洗 っ て あ げ ら し く、 そ の 人 の 側
ら れ る ね」 と、 シ ロ で ジ ッ と 慰 め て く れ
を 見 た ら ラ イ オ ン の ま し た。
愛 犬 が 死 ん で、 余
よ う に、 ま た、 ピ ラ
ミッドの側のスフィ 震が昼夜構わず頻繁
ン ク ス の よ う な 姿 勢 に 来 る の で、 そ の た
でスッと座っていま びに胸が締め付けら
し た。 今 ま で 横 に れ 苦 し く な り、 地 震
なってフーフー言っ の片付けも手につか
て い た シ ロ が。 驚 い ず ボ ー ッ と し て 自 分
て「 シ ロ 」 と 側 に で何もする気が起き
い っ て 触 れ た 途 端、 ま せ ん で し た。 気 力
コロッと倒れてしま がないというのはこ
い ま し た。 最 後 の 力 う い う こ と な の か と
考 え た の は、 2 ~ 3
日過ぎてからでし
た。 こ れ で は い け な
い。『 笑 う ヨ ガ を 何
のためにやっている
の 』「 笑 え な い よ 」
と 自 問 自 答。 鏡 を 見
す。
鈴木京子シニアボ
ランティアによれ
ば、「 笑 う こ と は 大
き な 健 康 の 源」 な の
だ そ う で す。 最 後 に
な り ま す が、 新 し い
年が貴連合会及び会
員の皆様にとって笑
顔あふれる最良の年
となりますよう心か
らお祈り申し上げま
す。
本年もどうぞよろ
しくお願いいたしま
す。
17
17
て笑おうとしまし
た。 顔 が 引 き つ り ま
す。 も う 回。 引 き
つった顔が悲しそう
で す。『 笑 わ な く て
い い よ。 口 角 を あ げ
ま し ょ う。 そ う、 そ
う、ゆっくり、そら、
明るい顔になったわ
よ』 自 分 で 自 分 を 励
ま し ま す。 朝、 目 が
覚めたら顔を洗う前
と洗うあとに鏡を見
てニッコリ微笑みま
し た。 だ ん だ ん と、
声を出して笑うこと
が で き ま し た。 笑 う
と『今日も頑張ろう』
と気力が湧いてきま
す。
地震と津波で多く
の人の命が奪われて
し ま い ま し た。 助
か っ た 命、 精 一 杯 生
きていこうと思って
い ま す、 一 人 で も 楽
しく生きていけます
よ う に、 笑 っ て 笑 っ
て生きたいと思って
い ま す。
1
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
第1、第3金曜
10時〜12時
指導
石井
会長
呉屋
ブラジル日本文化福祉協会
日本文化の伝承を
日時
春美
与 那 覇 さ ん が 「お
手 玉 体 操」 や 「お 手
玉 ゲ ー ム」 を 積 極 的
に 考 案 し、 コ ロ ニ ア
のみならずブラジル
社会にも幅広く普及
したいという思いを
抱 き な が ら、 活 動 さ
れていたことはとて
も嬉しいことでし
た。 こ れ は 我 々 の 社
会 に と っ て、 大 変 貴
重な贈り物となりま
し た。
数 年 後、 ブ ラ ジ ル
は高齢化社会に突入
するといわれており
ま す。 そ ん な 中 で い
ち 早 く、 そ の 社 会 に
突入している先進国
日本から高い経験値
や技術を誇るボラン
テ ィ ア の 派 遣 は、 大
いにブラジル社会へ
貢献し続けるものと
私は信じておりま
す。
一 方 で、 日 系 団 体
も2世から3世・4
世 へ と 移 行 し、 そ れ
に伴う団体離れと会
員減少という連鎖作
用というべき現象も
危 惧 さ れ て い ま す。
ブラジルにおいて日
系団体が存続するた
め最大の要素は日本
文化の伝承であると
思 わ れ ま す。
その日本文化の
数々を実行しており
ます熟年クラブ連合
会の皆様方の熱意に
敬意を表しますとと
も に、 皆 様 が こ れ ま
での人生で培ってこ
られたご経験や能力
を積極的に次世代へ
伝えることの実行は
必ず未来の力に繋が
る一助になると確信
し て お り ま す。
機 関 紙『 老 壮 の
友』 を 発 行 さ れ ま す
関 係 者 の 皆 様、 そ し
てその活躍を維持さ
れるブラジル全土の
それぞれの地域で活
躍される会員の皆様
のますますのご健勝
とご多幸を祈念しま
し て、 新 年 の ご 挨 拶
とさせていただきま
す。
西谷律子さんの作品
す。
昨年はジャイカの
シニアボランティア
である与那覇博一さ
んが2年の派遣期間
を経て帰国されまし
た。 与 那 覇 さ ん の 老
人クラブ派遣時に
は、 脳 の 活 性 化 に つ
ながることや楽しく
体を動かすことので
きるレクリエーショ
ン 等、 様 々 な 活 動 を
取 り 入 れ ら れ、 特 に
高齢者の健康促進に
も 最 適 で あ る 「お 手
玉」 の 運 動 は 大 変 反
響があったと伺って
お り ま す。
西藤啓子さんの作品
視 し た い」 と 抱 負 を
語 り、 新 た な 旅 立 ち
と な り ま し た。
熟年クラブ連合会
では数々の文化教養
教室が運営されてお
り、 ま た 貴 会 の 主 行
事としてビンゴやカ
ラ オ ケ、 ゲ ー ト ボ ー
ル 大 会、 地 蔵 祭、 7
月には第 回目の節
目となる芸能祭が開
催 さ れ ま し た。 そ ん
な皆様が若者にも負
けないようなエネル
ギーと情熱を活動に
注いでおりますこと
は、 私 ど も が 見 習 う
べき姿勢でございま
恵子 先生
ブラジル日系熟年
クラブ連合会の皆
様、 新 年 明 け ま し て
おめでとうございま
す。 旧 年 中 は ブ ラ ジ
ル日本文化福祉協会
に対し温かいご支援
と ご 協 力 を 頂 き、 誠
にありがとうござい
ま し た。
2016年は熟年
クラブ連合会の定期
総会にて役員改選が
行 わ れ、 3 期 6 年 会
長を務められた五十
嵐司前会長の推薦に
より上野美佐男新会
長 が 就 任。「 地 方 支
部とのつながりを重
絵手紙教室
40
作品紹介
中島佳子さんの作品
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(6)
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
サンパウロ日伯援護協会
会長 与儀
昭雄
違えるほど一新さ 組織体制作りを行
れ、 入 居 者 は 快 適 で い、 長 期 的 な 存 続 の
楽 し い 入 居 生 活 を 可能性をより確実な
送 っ て お ら れ ま す。 も の に し、 援 協 精 神
又、 ス ザ ノ イ ペ ラ ン の 原 点 で あ り ま す
ジャホームも昨年9 「 高 齢 者 及 び 社 会 的
月、 日 本 財 団 様 の 資 弱 者 の 救 済 援 護」 事
金援助で の相部屋 業をさらに充実・発
と厨房と食堂等の増 展させていくことが
築 工 事 が 始 ま り、 本 肝 要 で あ り、 こ の 課
年 8 月 末 に は 完 工 予 題 達 成 に 向 け、 努 力
定 で す が、 入 居 者 は 精 進 し て ま い り ま
勿 論 の こ と、 多 数 の す。 引 き 続 き、 皆 様
入居待ちの高齢者た のご指導とご鞭撻を
ち は 工 事 の 完 成 を 心 賜 り ま す よ う、 お 願
待 ち に し て お ら れ ま い 申 し 上 げ ま す。
す。 そ し て お 陰 さ ま
さ て、 熟 ク 連 様 は
で す べ て の ホ ー ム は 先 般、 執 行 部 人 事 を
満 杯 で 入 居 待 ち の 状 一 新 さ れ、 上 野 美 佐
況 が 続 い て お り ま 男 会 長 の 下、 新 体 制
す。
で活動を開始されま
さ て、 近 年、 ブ ラ し た。 貴 会 の 活 動 は
ジ ル で は 公 益 社 会 福 会 報 誌 「ブ ラ ジ ル 老
祉法人の認定に対す 壮の友」の定期刊行、
る 法 規 制 強 化 に よ カラオケ、舞踊、コー
り、 援 協 も ブ ラ ジ ル ラ ス、 マ ー ジ ャ ン、
の 政 府 及 び 公 的 機 関 民 謡、 練 功、 健 康 表
と の 提 携 事 業 や ブ ラ 現 体 操、 カ ラ オ ケ ダ
ジル人及びブラジル ンス、ポルトガル語、
社 会 を も 対 象 と し た 日 本 語、 書 道、 百 人
幅広い医療福祉事業 一首、絵手紙、俳句、
活 動 を 求 め ら れ て 川 柳、 短 歌、 名 画 鑑
お り ま す。 斯 か る 状 賞、 な つ メ ロ 等 々、
況 下、 援 協 は ブ ラ ジ 広 範 多 岐 に 亘 っ て 活
ル社会の時流に即し 発にいろいろな素晴
た、 し っ か り と し た ら し い 活 動 を さ れ て
さらに充実・発展した
事業展開を
ブラジル日系熟年
ク ラ ブ 連 合 会 (熟 ク
連 ) の 会 員 の 皆 様、
役 員 の 皆 様、 そ し て
関 係 者 の 皆 様、 新 年
明けましておめでと
う ご ざ い ま す。
2017年(酉年)
の新春を迎えるにあ
た り、 サ ン パ ウ ロ 日
伯 援 護 協 会( 援 協 )
を 代 表 し て 一 言、 新
年のご挨拶を申し上
げ ま す。
旧年中は援協の社
会福祉・医療事業に
対 し、 多 大 な る 御 支
援、 御 協 力 を 賜 り 篤
く御礼申し上げま
す。
さ て、 2 0 1 6 年
度の援協の経営全般
に 就 き ま し て は、 福
祉介護事業及び医療
事業共に不祥事や事
故 も な く、 日 伯 友 好
病院の好調な決算を
背 景 に 引 き 続 き、 堅
調に推移いたしまし
た。
特に福祉介護事業
で は さ く ら ホ ー ム、
サントス厚生ホー
ム、 あ け ぼ の ホ ー ム
が神内プロジェクト
Ⅱ の 完 工 に よ り、 見
10
お り ま す。
ブラジルは年々
歳 々、 高 齢 化 が 進 ん
で お り ま す。 そ の ブ
ラジル社会の中で日
系社会がいかに日本
の伝統と文化を維持
し、 独 自 性 を 発 揮
し、 そ し て 融 和、 融
合 し な が ら、 発 展 し
て い く の か。 そ の 意
味でも熟ク連様が果
たす役割はこれから
益 々、 重 要 に な っ て
いくことと思いま
す。 微 力 な が ら、 援
協も熟ク連様のご協
力を得ながら日系社
会発展のために努力
を し て ま い り ま す。
結びに関係者の皆
様のご多幸と熟ク連
様が益々その活動範
囲 を 拡 大 し、 そ の 存
在 感 を 高 め、 日 系 社
会高齢者の交流・社
交 の 場、 憩 い の 場 と
して大きく発展され
んことを祈念致しま
して2017年の年
頭のご挨拶とさせて
い た だ き ま す。
■ ポックリと逝きたいくせに医者通い
堀江 正一(男性 栃
/ 木県 / 歳 無
/ 職)
■ 気が付けば母のとし超え我を知る
井上 親子(女性 山
/ 梨県 / 歳 無
/ 職)
■ 絵手紙でいい味出してる震える字
角森 玲子(女性 島
/ 根県 / 歳 自
/ 営業)
■「や
めとくれ」ただの寝坊で脈とられ
くずれ荘の管理人(男性 大
/ 阪府 / 歳 会
/ 社員)★
■ こ んにちは思い出せずにさようなら
山本 芳子(女性 大
/ 阪府 / 歳 主
/ 婦)
■ 希 望なし目標なくて自由あり
かつ子(女性 山
/ 形県 / 歳 無
/ 職)★
■ あ れよあれそれよそれよと答え出ず
毛利 勝(女性 愛
/ 媛県 / 歳 主
/ 婦)
■ 猫 までが妻の真似して俺またぐ
見辺 千春(男性 東
/ 京都 / 歳 契
/ 約社員)
■ クラス会それぞれ持病の専門医
荒木 貞一(男性 北
/ 海道 / 歳 無
/ 職)
■ ボケもよい昨日のケンカもう忘れ
桑村 宗次(男性 岡
/ 山県 / 歳 無
/ 職)
■ 金よりも大事なものが無い老後
梶 政幸(男性 千
/ 葉県 / 歳 自
/ 営業)
■ 見栄と欲捨ててしまえば生き仏
原 好英(男性 静
/ 岡県 / 歳 無
/ 職)
■ チンをして出すの忘れて冷蔵庫
山本 加代子(女性 岩
/ 手県 / 歳 主
/ 婦)
■ 金 が要る息子の声だが電話切る
浜乙女(女性 神
/ 奈川県 / 歳 主
/ 婦)★
■ 飼 犬が徘徊防止に付いて来る
石川 昇(男性 東
/ 京都 / 歳 パ
/ ート)
■ こ の歳で止めてどうする酒たばこ
永田 寿道(男性 岡
/ 山県 / 歳 農
/ 業)
■ や っと立ち受話器を取れば電話切れ
井堀 雅子(女性 奈
/ 良県 / 歳 無
/ 職)
■ ハ グされてこわい私の骨密度
澄っ子ぐらし(女性 徳
/ 島県 / 歳 会
/ 社員)★
■ 五郎丸まねて念仏かと訊かれ
カバの妻(女性 北
/ 海道 / 歳 パ
/ ート)★
■ 基地問題うちがもめるは墓地問題
松本 俊彦(男性 京
/ 都府 / 歳 会
/ 社員)
68
78
48
73
81
73
72
51
91
67
63
67
51
63
49
83
69
72
41
55
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(7)
シルバー川柳
★はペンネーム
第16回入選作品 ㈳全国有料老人ホーム協会ホームページより
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
ブラジル日本都道府県人会連合会
会長
山田
康夫
ブラジル日本都道府県人会連合会
Federação das Associações de
Províncias do Japão no Brasil
美しく老いる
イタペチ万寿会
檀
正子
で会員相互の親睦と ら二世、そして三世、
私 は、 も う 年 近 と 褒 め て く だ さ い ま
相 互 扶 助、 生 き が い 四 世 へ と 活 動 が こ れ く 書 道 に 親 し ん で い し た。 も ち ろ ん 出 品
増 進 の た め、 文 化 ・ か ら も 末 永 く ブ ラ ジ ま す。 毎 年、 サ ン パ 作 の 書 体 は 若 松 先 生
体 育 活 動、 福 祉 活 動 ル 日 系 老 人 の 心 の 支 ウ ロ 文 協 貴 賓 室 で に ご 指 導 い た だ い て
や そ の 他、 老 人 ク ラ え に な る こ と は 間 違 行 わ れ る 書 道 展 に 書 い た も の で す。
ブ 大 会、 カ ラ オ ケ 大 い あ り ま せ ん。 こ の 幾 度 と な く 出 品 さ
今 年 出 品 し た 「美
会、 芸 能 祭、 ゲ ー ト 組 織 が ブ ラ ジ ル 全 土 せ て も ら っ て い ま し く 老 い る」 は 2 点
ボ ー ル 大 会、 そ し て に 広 が り、 名 実 と も す。 今 年 は 「美 し く を 額 に 入 れ て も ら い
頭を使うマージャン にブラジルの日系熟 老 い る 」 Envelhecer 1点は長女にあげる
大会など盛りだくさ 年クラブの連合会に
“blautifully”と 書 い 予 定 で、 昨 年 の 作
ん の 行 事 を 行 い、 心 な る こ と を 祈 り ま て 出 品 し ま し た。
品 「笑 顔 と 思 い や り
強 く 感 じ て お り ま す。
昨 年 は、「 笑 顔 と の心を大切に」は次
す。
終わりにブラジル 思いやりの心を大切 男の 歳の誕生祝い
ま た 平 常 は 短 歌、 日 系 熟 年 ク ラ ブ 連 合 に」 と 書 き、 や は り に あ げ ま し た。 嫁 さ
俳 句、 川 柳、 書 道、 会 が、 今 年 も ま す ま ポ ル ト ガ ル 語 も 書 き ん が 大 層 喜 ん で く れ
絵 手 紙 な ど の 教 室 を す 発 展 さ れ、 皆 様 方 入 れ、 日 伯 両 語 の 作 ま し た。 な ぜ 日 伯 両
開 い て い る と の こ の 心 豊 か な 生 活 と 明 品 を 出 品 し ま し た。 語 で 書 く よ う に し た
と、 熟 年 だ け で な く る く 活 気 あ る 社 会 作
来 年 は、 次 女 の 婿 か と い う と、 若 い 人
興 味 津 々 で す。 会 員 り に 貢 献 さ れ る こ と に 自 作 の 句 を、 や は に も 理 解 し て も ら い
は 一 世 だ け で は 無 い を 祈 念 い た し ま す。 り 日 伯 両 語 で 書 き、 た い と 思 っ た か ら で
で し ょ う が、 一 世 か 2 0 1 7 年 月 元 旦 送 り た い と 思 っ て い す。
ま す。
私の出品した作品
次 女 の 婿 は、 今 年 は 新 築 し た 広 い 家 の
からピアウイ州の国 居 間 や 食 堂 に 掲 げ
立 大 学 で、 教 鞭 を 日 々 眺 め て い ま す。
執 っ て い て、 英 語、
さ て、「 美 し く 老
フ ラ ン ス 語、 ラ テ ン い る」 と い う 言 葉 で
語 も 堪 能 で、 日 本 文 す が、 こ れ は 元 内 閣
化 に も 興 味 が あ り、 総 理 大 臣 夫 人、 佐 藤
いずれ日本語も習得 寛子さんが以前ある
したいと言っている 雑誌記者に語られた
か ら で す。
言 葉 で す。
若 松 先 生 が 『こ れ
寛子夫人といえ
か ら 日 伯 両 語 で 書 く ば、 渡 米 す る 夫 に 同
こ と が 流 行 る か も し 行 さ れ た 際、 ミ ニ ス
れない、いいですね』 カ ー ト を は い て 話
題 に な っ た り、 ワ
イドショー等のテ
レビ番組にも出演
さ れ た り、
「花―追
想」「宰相夫人の秘話」
等の著書もあるよう
です。彼女は、今の
青山学院の英文科を
出た才媛でもありま
す。その寛子夫人が
晩年、
「美しく老いて
生きたい、日々普段
でも美しい衣服を纏
い、美しく化粧をし
て 過 ご し た い」 と 語
られたという記事を
読んだとき、私の心
にその言葉が深く刻
まれて残りました。
私もその頃田舎暮
ら し で し た が、 毎 朝
晩、 鏡 台 の 前 に 座 り
顔や手足の手入れを
しては美しくありた
い と 願 い、 5 人 の 子
を 育 て な が ら も、 お
洒落する心を大切に
し て い た の で、 私 の
心に響いたのでしょ
う。
私は決して美人で
は あ り ま せ ん。 し か
し、 化 粧 し て お 洒 落
を す る と、 し な い よ
り少しは美しくな
り、 若 返 っ た よ う な
気がして嬉しくてな
り ま せ ん。 外 出 す る
と き は、 ど の 服 を 着
よ う か、 と い ろ い ろ
着 た り 脱 い だ り、 そ
してお化粧も必ずし
て楽しく出かけま
す。 亡 母 は 私 の 外 出
する際の姿を見るの
が楽しみとよく言っ
て い ま し た。
さ て、 私 も い よ い
よ老人となりまし
た。 ボ ケ た り、 ま た
歩 け な く な っ た ら、
美しく老いるどころ
で は あ り ま せ ん。 俳
句も以前にも増して
作 句 す る よ う に し、
ポ語の勉強も週一回
先生について学ぶこ
と に し ま し た。 ポ 語
の先生は日本語が全
然 分 か ら な い の で、
予習復習をしないと
教科書に書かれてい
ることがよく分かり
ま せ ん。
また子どもたちが
勉強することが好
き だ か ら と″ T A B
L E T "を 日 本 か ら
買 っ て き て く れ、 昨
年の母の日にプレゼ
ントしてくれました
の で、 週 一 回 習 い に
行 っ て お り、 今 で は
インターネットで交
信 も で き、 い ろ い ろ
のことに活用できる
よ う に な り ま し た。
それに毎週金曜日
は、 村 の 日 語 校 で 書
道を教えさせていた
だき、元気な子ども、
五 歳 ~ 十 七 歳 の″ 元
気 "の 気 を 一 杯 貰 っ
て い ま す。 土 曜 日 の
夜 は、 カ ラ オ ケ を 主
人 共 々 楽 し む、 そ し
て も う 一 つ、 食 生 活
も大切なのでなるべ
く手作りの物をと心
掛 け て い ま す。 こ れ
らが私のボケ防止で
し ょ う か。
頭の運動はこれで
良 し と し て、 次 は 体
力 減 退 防 止 法 で す。
私は低血圧気味なの
で、 毎 朝 5 時 半、 ヨ
ガを取り入れた床体
操をして起床。食後、
化 粧 を 済 ま せ、 ま た
三 十 分 の″ 正 子 式 体
操"をします。
夕 方 は、主 人 と 仲
よ く 家 庭 菜 園 作 り、
その後主人は1時間、
私は 分のウオーキ
ング、大体そんなと
ころでしょうか。
「心 身 共 に 美 し く
老いる、元気に老い
る」 こ れ を ス ロ ー ガ
ンとして、ある日ポッ
クリとあの世に旅立
てたらどんなに幸せ
なことでしょう。
こうして美しく老
いてゆく女性が増し
て ゆ き、 そ れ ぞ れ の
家 庭 に、 熟 年 ク ラ ブ
内 に、 生 き 生 き と し
たおばあさんがあふ
れんことを願ってい
ま す。
おばあさんが美し
く 元 気 で い る と、 世
の中のおじいさんた
ち も 若 返 り、 と も に
元気で長生きをする
こ と で し ょ う。
30
新年に寄せて
一年の計は元旦に
あ り と 申 し ま す が、
ブラジル日系熟年ク
ラブ連合会が機関紙
「老壮の友」新年号
を発刊されるにあた
り、 ブ ラ ジ ル 日 本 都
道府県人会連合会を
代 表 い た し ま し て、
皆様へのメッセージ
を 申 し 上 げ ま す。
熟年クラブ連合会
は高齢者団体として
新しい生き方を求
め、 会 員 の 皆 様 が、
いろいろな分野でそ
れぞれの生きがいを
見 出 し て、 頑 張 っ て
おられる姿には感服
い た し ま す。
ブラジルに移住さ
れ た 方 々 は 戦 前、 戦
後を通じて約 万人
と い わ れ、 今 で は そ
の数は3万人を切っ
ているかもしれませ
ん。 そ し て ブ ラ ジ ル
で生まれた二世のか
た が た で も、 高 齢 者
は多くなっているの
が 実 情 で す。
ブラジル日系熟
年クラブ連合会は
1975年には の
クラブが参加して連
合 会 と な り、 こ の 中
25
85
1
o
Rua São Joaquim,381 5 andar
‐
sala.51/52
Cep.01508-900 Liberdade-São Paulo
Tel.;(011)3277-8569 Fax.;(011)3207-5224
e-mail [email protected]
30
40
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(8)
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
医者から聞いたこ
と や、 医 学 書 を 紐 解
き な が ら、 私 見 を 交
え て 記 述 す る。
さ て、 老 化 の 原 因
と し て、 現 在 考 え ら
れ て い る の は、 細 胞
の酸化と糖化であ
る。 私 た ち は 酸 素 を
吸 っ て 生 き て い る。
酸素は肺から体内に
入 り、 細 胞 に 送 ら れ
る。 細 胞 膜 か ら 細 胞
の 中 に 入 る と、 栄 養
素となる物質を酸化
させる。例えば、ブド
ウ 糖 を 酸 化 さ せ る。
す る と、ブ ド ウ 糖 は
分解してエネルギー
を出す。このエネル
ギーを利用して私た
ちは生きている。
と こ ろ が、 鉄 サ ビ
などでも分かるよう
に、 酸 素 は 栄 養 物 の
み で な く、 す べ て の
物質を酸化させる能
力 が あ る。 特 に 重 要
なのは酸化力の強い
活性酸素と呼ばれる
も の で あ る。 酸 素 は
酸 化 す る と き、 電 子
を 物 質 か ら 奪 う。 そ
の 後、 水 素 イ オ ン と
一緒になって水とな
る。 も し、 電 子 が 十
できるだけ息をせ
ず、 年 中、 チ ャ ド ル
(イランの全身を覆
う 黒 衣 装) や ア バ ヤ
( サ ウ ジ・ ア ラ ビ ア
名画友の会 安田 功
の 黒 衣 装) 等 を ま と
えば何とかなるかも
分 に な い と、 酸 素 は し れ な い。
電子をより多く奪お
一 方、 私 た ち の エ
う と し て、 活 性 酸 ネ ル ギ ー 源 と し て ブ
素というものにな ドウ糖は重要であ
る。 こ れ は 非 常 に 酸 る。 ブ ド ウ 糖 は エ ネ
化 能 力 が 強 い。 細 胞 ル ギ ー に な る だ け で
内 に 酸 素 が 入 っ て い な く、 そ の 分 解 産 物
る と、 ど う し て も 活 か ら 脂 肪 が で き た
性 酸 素 が で き て し ま り、 タ ン パ ク や 核 酸
う。 活 性 酸 素 は あ ら ( 遺 伝 子 の 成 分 ) に
ゆ る 物 質 を 酸 化 す な っ た り す る。 さ ら
る。 つ ま り サ ビ を 作 に、 脳 は エ ネ ル ギ ー
る の で あ る。 膜 が 酸 源 と し て ブ ド ウ 糖 し
化 さ れ て サ ビ に な か 使 え な い の で、 ブ
れ ば、 膜 の 機 能 は ド ウ 糖 が 少 な く な る
落 ち る。 遺伝子が酸 と意識を失い、死亡
化されれば、異常な する。
分裂を起こしガン化
このように生存に
したりする。さらに 必須な物質であるブ
細 胞 は 死 滅 し て し ま ド ウ 糖 は、 同 時 に 体
う。このように考え 内の成分を結合して
ると、息をするとい その構造を変えてし
う こ と は 生 存 の 必 須 ま う。 結 合 し た も の
条件であるが、と同 を 糖 化 物 質 と い う。
時 に 老 化 へ の 道 だ と 例 え ば、 皮 膚 の コ
いうことになる。何 ラーゲンが糖化すれ
の こ と は な い そ れ は ば 褐 色 に な る。 老 人
もろは
≪両刃の剣≫だった の皮膚が褐色に見え
のである。
るのはこのためであ
そ れ に 拍 車 を か け る。 ま た、 白 内 障 の
る よ う に、 太 陽 の 紫 白 い 部 分 は 糖 化 し た
外 線、 風 雨、 乾 燥、 レ ン ズ の 蛋 白 質 で あ
熱 や 冷 気 等、 気 候 に る。 こ の よ う に ブ ド
多大な影響を受けて ウ糖は細胞の成分を
い る。 老 化 を 少 し で 糖 化 し て 機 能 を 異 常
も 遅 ら せ る た め に は に さ せ る。
人間はなぜ
老けるのか?
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(9)
酸素もブドウ糖も
生存に欠かせざるも
の で あ る が、 同 時 に
老化を起こす物質な
の だ。 こ の よ う に 考
え る と、 生 き て い く
こと自体が死に向
かっている行為だと
い う こ と が 分 か る。
細胞が老化しなけれ
ば ど う な る か。
細胞を培養する
と、 細 胞 の 種 類 に よ
り、 何 回 か 分 裂 す る
とそれを止めてしま
う。 そ う な る と、 細
胞 は 糖 化、 酸 化 に よ
り老化するしかな
い。 最 近 で は 核 に あ
るDNAの一部が分
裂するごとに切れて
短 く な り、 最 後 に は
その部分がなくなっ
て し ま う。 こ れ が そ
の現象の元になる変
化 だ と さ れ る。
と こ ろ が、 ガ ン 細
胞ではこのDNAの
短縮が起こらない仕
組 み に な っ て い る。
つ ま り、 細 胞 は 永 遠
に 分 裂 す る の だ。 そ
う す る と、 老 化 し な
い代わりに体内で広
が り、 結 局 個 体 を 死
に 追 い や る。 細 胞 自
体は勝手に分裂して
も個体では異物とな
る の で、 臓 器 の 機 能
は 失 わ れ る。
さ ら に、 ガ ン 細 胞
は分裂にエネルギー
と機能のすべてを使
う の で、 細 胞 本 来 の
機能は失われること
が 多 い。 例 え ば、 胃
ガンの細胞は増殖す
る の が 主 で、 本 来 の
粘膜としての機能は
非 常 に 少 な く な る。
すると機能を持たな
い細胞がどんどん増
え る こ と に な り、 胃
の機能はなくなって
し ま う。 さ ら に 移 転
が起きれば別の臓器
でも同じことが起
き、 結 局 個 体 は 死 ぬ
こ と に な る。 こ の よ
う に 考 え る と、 細 胞
は普通は次第に老化
し て い く。 し か し、
老化しない変化を受
ければガン化するこ
と に な る。
寿命について
このように考える
と、 私 た ち は い つ も
息 を し、 い つ も 米 や
パ ン を 食 べ て、 ブ ド
ウ糖を摂取している
の で、 細 胞 は 次 第 に
老化してゆかざるを
得ないということが
分 か る。 人 間 の 場 合
には120歳を超え
ることは困難とされ
る。 実 際、 長 寿 番 付
の1位の人も110
歳代で大抵亡くなる
よ う で あ る。 こ の よ
うに生きている以
上、 不 老 長 寿 は 有 り
得ないということに
な る。 こ の 寿 命 の 中
でいかに生きるかが
大 事 に な る。
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
進む少子化
教育費の重みか
に す れ ば 企 業 が 繁 栄 者 の 増 加 が 大 き い。 だ ね。 そ れ で は 学 校
す る と い う 過 去 の 経 医 学 の 進 歩 は あ り が は」 と 言 う の で 「み
験 か ら、 低 金 利 で 懸 た い が、 若 者 が 老 人 ん な 大 学 を 出 て い ま
命に不況に対応しよ を養う責任が年々重 す」と返答すると「よ
う と し て い る の だ。 く な る の が 目 に 見 え く や れ ま し た ね」 と
ブラジル書道愛好会
そ れ で も 景 気 は さ っ て い る。 自 分 た ち が 感 心 さ れ た。 そ し て
名誉会長 若松 如空
ぱり上昇してこない 年をとって引退する 彼らの悩みを語って
の が 現 況 な の で あ と き に、 政 治 は 我 々 く れ た。
子どもが公立大学
最 近、 日 本 で 「マ が 縮 小 し て い る、 会 る。 金 融 資 本 主 義 は の 恩 給 を 支 払 え る の
イ ナ ス 金 利」 と い う 社 に 活 力 を 付 け て、 行 き 詰 ま っ た で は な だ ろ う か と 心 配 す る へ 入 っ て く れ れ ば よ
聞きなれない言葉が 何とか生産を増やし いか。終局にいたっ 若者も出てきた。将 いが、私大に入ると、
新 聞 に 表 れ る。 お 金 て も ら お う と い う 中 た の だ、 と い う 意 見 来 が 不 安 だ。 当 然 の 入 学 金 の 支 払 い が あ
を 貸 し た ら 当 然 の 見 央 銀 行 の 政 策 に 沿 っ が ち ら ほ ら 出 る よ う 成 り 行 き で お 金 は 使 る。 有 名 大 学 の 医
わ な い 方 が よ い と い 学 部 に で も 入 れ ば、
返 り と し て 金 利 を 受 て、 金 利 の つ か な い に な っ た。
日 本 の 不 況 は 世 界 う 姿 勢 に な る。 子 ど 最 低 1 0 0 0 万 円、
け 取 れ る。 逆 に、 借 融 資 を 強 い ら れ て い
金 を し た ら 金 利 を 払 る。 だ か ら、 銀 行 も 的 な 不 況 で、 輸 出 が も も 少 な く な る、 悪 2 0 0 0 万 円、 あ る
う の が 常 識 だ。 と こ 儲 か ら な い。 こ ん な 困 難 に な っ た か ら だ い こ と に 人 口 の 減 少 い は そ れ 以 上 と い う
ろ が 最 近 は 銀 行 に お 政 策 が 長 引 く と、 中 と い う 意 見 も 一 理 あ は 経 済 成 長 の 低 下 に の も あ る。 子 ど も は
2 人 で 止 ま り で す、
金 を 預 け て も、 金 利 小 の 銀 行 は 店 を 閉 め る が、 国 内 の 消 費 が つ な が る の だ。
と の こ と。 私 は 日 本
は 払 っ て も ら え な るより方法がなくな 伸びないのが主因だ
と の 見 方 も 強 い。 特
の少子化は教育費が
い、 金 利 を 払 う ど こ る。
こ れ ま で 世 界 の ど に、 若 者 の 消 費 が
主因だとその時認識
ろか預け賃を取られ
し た。
る、 こ れ が マ イ ナ ス の 国 も、 経 済 成 長 の 細 っ て い る の が 問 題
達 成 が 最 重 要 課 題 だ と い わ れ る。 少 子
ブ ラ ジ ル は 今、 政
金 利 だ。
治不安と経済不安の
銀 行 は 不 況 で 事 業 だ っ た か ら、 低 金 利 化 傾 向 が 顕 著 で 高 齢
二 重 苦 で、 国 民 の 苦
悩は大きい。しかし、
大学についてはむし
ろ恵まれていると思
作品紹介
う。 理 由 は 夜 学 が 発
達している点であ
日時 第2、第4金曜日
り、 数 も 多 い し 専 門
午前9時半〜(百人一首)
も 多 面 で あ る。 そ し
午後1時〜
て、 昼 間 の 大 学 で も
指導 若松 如空
夜 の 大 学 で も、 卒 業
後 は 「学 士」 で、 区
別 を 受 け な い。 私 は
夜 学 だ が 「昼 間 の 大
学 で す か、 夜 間 の 大
学 で す か」 と い う 質
問は受けたことがな
い。 日 本 の よ う に 夜
学の学生は昼間の学
熟連書道教室
教育費が大変
昔 の 話 だ が、 茨 城
県庁が農業組合連合
会と共催して農業高
校の先生を毎年ブラ
ジルへ派遣す
る事業を始
め、 ブ ラ ジ ル
の県人会がこ
れをお世話し
たことがあっ
た。 こ れ ら の
先生との会話
で、 子 ど も は
何 人 か と か、
学校はどこへ
行っているの
か、 と の 質 問
を受けること
になった。「私
の子どもは4
人 で す」 と 答
え る と 「大 勢
管ようこさんの作品
坂田栄子さんの作品
生 よ り 劣 る と い う 評 け た。
論なのだと述べたあ
価 は な い の だ。
県 立 の 大 学 は そ の と、 教 育 費 が 少 子
コ ロ ニ ア の 2 世 ・ 昔、 駅 弁 大 学 と 悪 口 化 の 主 因 で あ る と は
3 世 の リ ー ダ ー 達 の を 言 わ れ た が、 埼 玉 い え な い と 主 張。 別
中 で 夜 間 大 学 を 出 て 大 学 の よ う に ノ ー ベ な 意 味 で、 奨 学 金 制
社 会 的 に 立 派 な 地 位 ル 賞 を 受 賞 し た 卒 業 度 を 改 善 し て、 卒 業
に就いた人が非常に 生を出す程に成長し 後に返済する今の制
多 い。 明 治 か ら 教 育 た。 こ こ で 5 年 制 の 度 か ら、 返 済 を 免 除
勅語を聞いて育った 夜間大学を作って質 にする方向を検討し
移 住 者 た ち が 貧 乏 な の 向 上 を 図 っ た 上、 て い る と こ ろ だ と 説
生 活 の 中 で も、 子 ど 働 き な が ら 良 い 大 明 し た。 私 は 5 年 制
もを学校へ行かせる 学を卒業できるとい で不足なら6年制に
ことを最優先にした う新しい流れを作っ すればよいと食い下
結 果 な の で あ る。 銀 て は ど う か、 社 会 的 が り、 さ ら に、 ブ ラ
行筋や農業協同組合 に も 企 業 に 対 し て ジルの日系社会で夜
な ど 日 系 企 業 が 夜 学 も、 昼 間 の 大 学 に 劣 学 で 育 っ た 子 弟 の 調
生 の 入 社 を 許 し、 大 ら な い 評 価 を 目 指 す 査 を し た ら ど う か な
き な 支 援 と な っ た こ 教 育 を 目 指 し て は ど ど 述 べ た。 知 事 は あ
と も 述 べ る 必 要 が あ う か。 教 育 費 を 自 分 な た の い う こ と は わ
ろ う。
で 働 い て 支 払 う こ と か っ た、 頭 の 中 に 入
現 在、 日 系 家 庭 の が で き た ら、 少 子 化 れ て 帰 る こ と に す る
生 活 水 準 は 一 般 ブ ラ も 止 ま る の で は な い と 述 べ た。
ジ ル 人 家 庭 よ り、 一 か。
月末のNHKの
段も二段も上の形態
そ し て、 私 の 孫 は ニ ュ ー ス で 日 本 は 遂
を 持 っ て い る。 教 育 夜 学 で サ ン パ ウ ロ 大 に 人 口 減 少 の 軌 道 に
に 対 す る 先 輩 の 方 々 学 の 経 済 学 部 を 卒 業 入 っ た と 報 じ た。 同
の 努 力 の 積 み 重 ね が し、 フ ォ ル ク ス ワ ー じ 日 に 政 府 当 局 は 奨
効 果 を 生 ん だ 結 果 に ゲ ン 社 に 入 社 し た こ 学 金 制 度 検 討 で、 返
ほ か な ら な い。
と。 私 の 知 る 老 婆 は 済 に は 金 利 は 取 ら な
朝市で野菜を売りな いことにすると報じ
が ら 6 人 の 子 ど も を た。 返 済 不 能 な 卒 業
夜 学 に 通 わ せ、 今 は 生 に つ い て の 踏 み
子どもたちの小遣 込んだ答えは表れ
い で 悠 々 と 暮 ら し な か っ た。 金 利 は も
て い る 話 も し た。 東 う マ イ ナ ス で 問 題 な
大出の知事は5年制 いことになっている
に し て も 夜 学 で は 昼 の に、 と 理 解 に 苦 し
の 大 学 に 追 い つ け な ん だ。 国 費 に は 余 裕
い だ ろ う と、 ま ず 一 は な い の だ。 国 民 は
声。 そ し て、 少 子 化 現 状 を 深 く 認 識 し て
は逃れられない流れ 「 自 助 努 力 」 を 改 め
で、 あ ら ゆ る 角 度 か て 考 え る 時 期 に 来 て
ら 研 究 し た 結 果 の 結 い る。
茨城県知事との対談
去 る 8 月、 茨 城 県
知 事 が 来 泊 し た 折、
知 事 と の 雑 談 で、 少
子化の問題が話題と
な っ た。 私 は 生 意 気
にも持論を展開し
た。 橋 本 知 事 は 日 本
知事会の副会長でも
あ る こ と か ら、 全 国
の県立の人気学部に
夜学を併立させない
かという話を持ちか
10
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(10)
伊藤フミエさんの作品
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
俳
句
鈴木
保子
文子
セントロ桜会 森川
老いの身に華やぎもらふ君子蘭
アガパンサス椰子の根元に海の町
老人会コンサート聴く春の服
花束を結社主宰に教師の日
寺田
一期一会友と腕くむサンジョン祭
生りし国と果てる国とに春やさし
ブラジルの風に散りゆく桜かな
しかられて泣く声はこぶ秋の風
玲子
雪絵
香哉
田中エレーナ
髪切って仕事始めのヘルメット
褐色の住民の街土人の日
長引きし経営講座目借時
保護林に幾千万の蝉時雨
井出
荒波で浜に出られず子等不機嫌
春嵐波押し寄せる椰子の木に
駆けくらべ夏の名残りの浜辺かな
新年のカルタあっと間に札取られ
MIKIO HIGUCHI
Jordaneja, Cajamar- Caixa Postal 542
CEP 07760-000
投句の宛先
オートファージ解明春のノーベル賞
岩崎るりか
うららかや等身大の句を詠まん
ブラジルに汗拭き食べる雑煮かな
幼な子に雪の正月説明し
角田めぐみ 一世の母思い出す雑煮かな
後継ぎのなき農園や鰯雲
移住地の餅搗き今も目の前に
大口論枝豆が出て中休み
パンパ芒かき分け終便バス消ゆる
玉井須美子
故郷遠く無国籍者のごと寝正月
風わたる青葉若葉や山笑う
せせらぎや千古の響こだまして
香山 和榮 緑陰に憩う一時山歩き
文部省唱歌つぎつぎ新年会
雪 止 み て ほ ん の り 朱 き 初 日 の 出 (日 本)
真 黄 に 塗 り て 孫 描 く 初 日 か な (ブ ラ ジ ル)
掃き初めや畳ぱっぱと庭はぞろりと
(母 の 教 訓)
慕われて集ひし笑顔念腹忌
切に乞ふ核無き世界原爆忌
田中
子のおらぬ娘の育児論合歓の花
栄転を見送る空港春霞
兼題は恋人の日とかや老ク会
雑炊は味噌にかぎると譲らぬ娘
畠山てるえ
春昼やコーヒー飲みたくなる時刻
火の粉吹く観光列車竹の秋
なぜ喧嘩するのと幼な猫の恋
仐の組帽子組あり山笑う
猪野ミツエ
シャンソンのショーに招かれ女性の日
牧枯るゝ孫の乳母牛も売られゆく
白菜の太さも話題朝の市
うかと来てカンポスに逢う寒波かな
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(11)
短
歌
評
娘 さ ん の 云 う こ と を 聞 き、 ご 主 人
新井 知里選
亡きあと一ヶ月半ばかり訪日される
と の こ と、 お 元 気 で。
バレットス寿楽会 池田 正藤
ファゼンダに枯木に似たる大木は
インダイアツーバ親和会 野村 文恵
緑の芽吹く春を待ってる
日本祭祭り囃子の笛太鼓
今年は間作ミーリョ雨が無く
今宵嬉しや里帰りだね
実つく頃に立枯れとなる
鉢巻きで踊る生徒の勇しさ
フェイジョンも収穫無くてミイリョ蒔く
飛んで引いてソーランソーラン
ミイリョ雨無く両方取れず
霊牌を日伯両語で招霊し
評
農家の方は自然と一緒だから大変
お盆供養の暑き香焚く
ですね。雨が降るのを待っています。
評
暑い中の若者達の躍動する様子が
よ く 出 て 元 気 に な る 歌 で す ね。
プ・ダ・アルボレ老荘会 矢島みどり
初盆に愛し孫等は祖父偲び
サンパウロ中央老壮会 三宅 珠美
美しき供花そなえくれたる
高級な材料使わず質素なる
日頃より孫等と仲良き祖父なりと
我が家の手料理飽きることなく
思い出も深く胸に残らん
苗呉れし人に見せたき満開の
吾が部屋を必ず訪ねくれる孫等に
庭石菖咲き誇る庭
写真の亡夫笑って見守る
手拭を片手に汗ふくこの酷暑
評
心優しいお孫さんたちとそれを見
微動だにせぬ木の葉ながめつ
守っている亡き夫、優しい歌ですね。
評
汗かきには大変な夏ですね日常の
こ と よ く 見 て 詠 ん で い ま す。
サウデ文化協会老壮部 山田かおる
春の旅バイアの十日満喫し
読みたき本も読み終えにけり
つ ま
旅先の夢で出合いし亡夫若く
旅を共にしたのしかりけり
この海は遠く母国につながれり
郷里を偲び浜にたたずむ
評
亡きご主人と夢で出合って一緒に
バ イ ヤ の 旅 を 楽 し ん だ ご 様 子、 ロ マ
ン チ ッ ク で す ね。 九 十 過 ぎ て こ ん な
歌が出来るなんて素晴しいことだと
思 い ま す。
セントロ桜会 大志田良子
かねてより亡父の初盆供養して
娘はひとまず名古屋に帰ると
年老いた母を残して心配と
娘にしたがい帰郷の手続き
里がえり数えて見れば十年ぶり
脳裏にうかぶ古き生家
ROSSO NO TOMO DO BRASIL
スザノ福栄会 藤田 朝壽
駅前に大きな男が立っていて
行き来の人ら小さく見ゆる
側に行き握手もとめ話しかく
雲つく男を我は見上げて
身長を問えば二米十センチと
男こたえぬいやはやびっくり
日本の戦国の世に生れなば
武功赫々この大男
寝台も机も椅子も特別に
あつらえしならぬこの大男
大男が腰をかがめて汽車に乗る
まわりの人らがおどろきていん
評
二メートル十センチもある大男は
さ ぞ び っ く し た こ と で し ょ う。 世 間
に は 驚 く こ と が 多 い で す ね。
スザノ福栄会 原
君子
何するも動作のにぶき吾を見て
真似る曽孫にいとしさつのる
何時知らぬ別れを互いに秘めもちて
喪中の新聞友と見ている
ポ語出来ず単語ばかりを並べたて
後は手振りで何とかまとめる
スザノ福栄会 野村
康
評
三 首 目 手 振 り で 何 と か ま と め る。 地 球 上 ど こ か に 絶 え ず 戦 あ り
よ く 出 来 た 歌 だ と 思 い ま す。
吾はテレビのドラマ観ている
会場は望郷ジョンガラに沸き立てり
民謡聞きつつ弁当食べる
法事でもないと会えない妹らと
菩提寺の庭に寄りて話すも
評
民謡聴きつつ弁当食べるの歌おも
し ろ い で す ね。
スザノ福栄会 杉本つる代
アパートの庭木に縛りいし蘭の花
いまをさかりと咲き匂うなり
車椅子に乗りたる人と日向ぼこ
彼女はポ語で吾は日本語
帰伯せし二人の子らも日本へ
もどりて行けばさびしき吾が家
評
どの歌もいいですが一首咲き誇る
でなく咲き匂うなりとあるのがいい
で す ね。
評
スザノ福栄会 青柳 房治
ひっそりと年金暮らしの日向ぼこ
妻あることが吾の幸せ
生かされている喜びを感謝して
今日も励まん万歩計腰に
さえずりの声の高きに励まされ
独立祭の朝を起き出づ
三首目のさえずりの声の高さに励
ま さ れ の と こ ろ ぐ っ と き ま す。
スザノ福栄会 寺尾 芳子
スザノ福栄会 青柳 ます
横綱と立ち合う大関琴奨菊
「ブ ラ ジ ル に 来 て よ か っ た ね」 と 老 い 夫 に
にらむ気概は仁王に負けず
言えば笑顔でうなずきかえす
寒き日の庭を黄色に染めて咲く
昨日今日一日まちがい日記書く
ミモザに今年の冬は長かり
吾をいましむ惚けてはならぬ
片足に立ちてズボンをまだ穿ける
四世の曽孫が来れば満足に
八十五歳の正月迎う
話せなくともポ語をつかいぬ
評
相撲が直接NHKで観られるよう
評
本当に一世は両方の言葉を覚えな
に な っ た の は 二 十 年 近 く 前 で す ね。
く て は な ら ぬ 身 で す ね。 四 世 の 曽 孫
感 謝 で す。
さ ん と な れ ば な お さ ら で す ね。
10/Janeiro/2017
ブラジル老壮の友
No.516(12)
選者吟
サンパウロ中央老壮会 尾身千枝子
えさ食べてひとり遊んで箱の中
無事に育って二ヶ月の犬
両親に電話をかけたあの頃は
元気げんきで話し進まず
世界中どこも同じに顔を見て
話せる事の幸せ思う
評
ど の 歌 も よ く 詠 ま れ て い ま す。 時
が移り顔を見て話しが出来る世に
な っ た の で す ね。
老パワー弾け大型バスの旅
バレットスまで笑い声絶えず
七レアルでお肌つるつる若がえり
この世の春とうかれてみたが
温泉水なん杯飲んでも変らない
皺はしっかりついている顔
バレットス寿楽会のみなさまの
心のこもる昼食おいしく
有名なベオン祭りの会場を
小雨の車窓でのぞいて満足
投句の宛先
CHISATO ARAI
Rua Almeida Gois, 195, Vila Gumercindo,
SP CEP 04131-040