群馬県民の食料品・家電製品・外出着の買物行動

(2017 年1月号掲載)
群馬県民の食料品・家電製品・外出着の買物行動
群馬経済研究所主席研究員
~要
樹下芳久
約~
1.経済産業省の商業統計調査(業態別統計編)によると、群馬県内では 2014 年7月現在、
1万 3624 の小売店が立地し、年間2兆円の商品が販売されている。
2.業態別にみると、
「百貨店」
「総合スーパー」
「専門スーパー」
「コンビニエンスストア」
「ドラッグストア」
「家電大型専門店」といった業態が店数で1割ほどにとどまるが、年
間販売額では4割近くを占める。
3.群馬経済研究所が、県内の消費者を対象に、食料品、家電製品、外出着の買物行動を
調べたところ、ほとんどの消費者が複数の店を使い分けていることが分かった。
4.消費者が『主に利用している店』をみると、食料品の買物では「食料品スーパー」、家
電製品の買物では「家電大型専門店」とする回答が多かった。外出着の買物では「総合
スーパー」「百貨店」「ショッピングセンター内の専門店」など様々な回答がみられた。
5.『主に利用している店』と『補助的に利用している店』を使い分ける理由は、食料品、
家電製品、外出着の買物とも、
『品揃えの違い』が多い。この他、食料品では『利便性』、
家電製品では『低価格』、外出着では『商品選び』を重視する傾向がみられる。
6.利用する店の組み合わせをみると、食料品の買物では「食料品スーパーと総合スーパ
ー」、家電製品の買物では「家電大型専門店とホームセンター」や「家電大型専門店と通
信販売」が多い。外出着の買物では「総合スーパーと衣料品スーパー」
「総合スーパーと
百貨店」「百貨店とアウトレットモール内の専門店」など様々であった。
7.食料品、家電製品、外出着の買物とも、実店舗の利用はまだまだ多いが、今後は通信
販売の利用拡大が予想される。一方、実店舗の減少に直面する地域では、高齢者などイ
ンターネット通信販売に不慣れな人が多く、買物難民の問題が大きくなることが懸念さ
れる。
キーワード
個人消費
買物行動
利用店舗
店の使い分け
大規模小売店
通信販売