インドネシア:加速する構造改革と魅力高まる債券投資

ご参考資料
2017年1⽉13⽇
政権基盤が安定化したジョコ政権:⼤統領は改⾰実⾏に向けて内閣改造を発表
 最⼤野党であったゴルカル党が2016年に⼊り与党⽀持に転換。国会での連⽴与党の合計議席が
約70%となり、政権基盤は安定化しました。
 こうした中、ジョコ⼤統領は2016年7⽉に⼤規模な内閣改造を発表。改⾰派として名⾼いムル
ヤニ⽒が財務相に就任したことから、市場では財政健全化への期待が⾼まっています。
政党別議席割合(2016年12⽉末現在)
※グラフは表⽰単位未満を四捨五⼊しているため、合計100%にならない場合があります。
出所 : インドネシア中央統計局のデータをもとにHSBC投信が作成
ジョコ政権第2次改造内閣の主要閣僚(2016年7⽉27⽇現在)
役職
⾼い経済
成⻑率を維
持する上で
重要な閣僚
新任
経歴等
調整⼤⾂(政治・法務・治安
担当)
ウィラント
国⺠純⼼党党⾸、
元国軍司令官
調整⼤⾂(海事担当)
ルフット・パンジャイタン
元⼤統領⾸席補佐官、
元陸軍⼤尉
財務⼤⾂
スリ・ムルヤニ・
インドラワティ
前世界銀⾏専務理事兼
最⾼執⾏責任者
⼯業⼤⾂
アイルランガ・ハルタルト
ゴルカル党
商業⼤⾂
エンガルティアスト・ルキト
国⺠⺠主党
投資調整庁(BKPM)⻑官
トマス・レンボン
前商業⼤⾂
出所:各種報道資料、ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
1
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
財政健全化に向けた動き:タックス・アムネスティ法とその効果
 財政健全化に向けた動きが加速しており、2016年7⽉にはタックス・アムネスティ(税務特
赦)法が施⾏されました。同法により、税収増が⾒込まれ、財政健全化が期待されます。
タックス・アムネスティ
法
タックス・アムネスティ法の効果
とは?
インドネシア当局への海外資産の申告のみ
の場合でも、税収の増加は期待できます。
資産や所得を過去に正しく申告していなかった納
税者が⾃主的に開⽰・申告を⾏うことで加算税の
減免や刑事告発の免除を得られる現地の法律。
1. 税収の増加
2016年7⽉
タックス・アムネスティ法の施⾏
税収の増加
9⽉28⽇時点(施⾏から3ヶ⽉後)
税収⽬標の45%にあたる74.6兆ルピアに
到達。海外からの還流額は128兆ルピアに
財政収⽀の⾚字幅の縮⼩
165兆ルピア
(約1.3兆円)
の税収増に
(財務省
試算)
財政健全化へ
2017年3⽉
同法の適⽤期間が終了
2. 直接的な効果
タックス・アムネスティ法上の決まり
送還した資⾦は政府が指定する投資(対象は国債や
“ インフラ投資など)を最低3年、継続しなければならない
◆ 国債の購⼊
◆インフラ投資の拡⼤
海外から本国に送還された資⾦のうち、
約30%がインドネシア国債に向かうと
国債
予想されています。
(30%)
その他の資産等
(70%)
3. 間接的な効果
◆ 通貨ルピア⾼
還流した資産は、ルピア上昇
の要因になります。
海外から本国に資⾦を送⾦
⽶ドル売りルピア買い
対⽶ドルでルピア上昇へ
2
⺠間部⾨による
官⺠共同事業
などのインフラ
分野への投資
歳⼊増を背景
に今後、政府に
よるインフラ投資
の拡⼤に期待
◆外貨準備⾼の増加
資⾦還流に伴い、外貨準備⾼
の増加も期待されています。
資産保有者によるルピア買い
⽶ドル売りが発⽣
(中央銀⾏による⽶ドル買い)
外貨準備⾼の増⼤へ
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
“
債券市場の推移とジョコ⼤統領による改⾰発表
 2016年に⼊り、インドネシアの債券市場は、断続的な利下げやタックス・アムネスティ法の
施⾏などが好材料となり、堅調に推移していました。しかし、11⽉の⽶国⼤統領選挙の結果を
受けて、⾜元では利回りは上昇(債券価格は下落)傾向にあります。
10年物国債利回りの推移(2014年9⽉〜2016年12⽉末)
(%、逆⽬盛)
6.0
債券価格上昇
(利回り低下)
6.5
7.0
7.5
8.0
8.5
9.0
利下げサイクル
2016年1⽉から10⽉まで計6回の利下げを実施
9.5
10.0
14/09
14/12
15/03
15/06
15/09
15/12
16/03
16/06
16/09
出所:ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
ジョコ⼤統領の主な政策発表など
2014年
10⽉..ジョコ・ウィドド⼤統領誕⽣
11⽉..燃料補助⾦の削減を断⾏
2015年
1⽉..中期開発計画の発表
8⽉..第1次改造内閣を発表
9⽉..外資誘致に向けた規制緩和
2016年
7⽉..タックス・アムネスティ法の施⾏
7⽉..第2次改造内閣を発表
8⽉..法⼈税の減税を検討(25%から17%へ)
出所:各種報道資料をもとにHSBC投信が作成
3
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
債券価格下落
16/12 (利回り上昇)
(年/⽉)
ジョコ・ウィドド⼤統領
写真提供:インドネシア政府ホームページ
相対的に⾼い利回り⽔準と改⾰推進で期待される信⽤⼒の向上
インドネシア現地通貨建⻑期債格付
(2016年12⽉末現在)
10年物国債利回りの⽐較 (2016年12⽉末現在)
(%)
14
12
11.4
11.1
10
7.9
8
7.5
6
4
2.8
2
BB+
ムーディーズ・インベスターズ・
サービス
BBB-
フィッチ・レーティングス
Baa3
2.4
0.05
⽇本
⽶国
オーストラリア
メキシコ
インドネシア
トルコ
ブラジル
0
スタンダード&プアーズ
出所 : データストリームのデータをもとにHSBC投信が作成
出所 : ブルームバーグのデータをもとにHSBC投信が作成
2016年に⼊り断続的な利下げを実施〜背景にインフレ率の低下傾向
 インドネシア銀⾏(中央銀⾏)はインフレ率の低下傾向を背景に、2016年に⼊り、合計6回の
利下げを実施しました。中央銀⾏は、「利下げを通じて国内需要を促進し、経済成⻑を下⽀えす
る」と述べており、緩和的な⾦融政策による景気浮揚に前向きな姿勢を⽰しています。
(%)
政策⾦利とインフレ率の推移(2011年12⽉末〜2016年12⽉末)
9
8
7
4.75 %
6
5
4
中央銀⾏の⽬標レンジ
3
レファレンス⾦利
2
⾜元のインフレ率は
現⾏の中央銀⾏の⽬標レンジ
(3〜5%)の下限に
7⽇物リバースレポ⾦利
1
インフレ率(前年同⽉⽐)
0
11/12
12/12
13/12
14/12
15/12
3.02%
16/12
(年/⽉)
*政策⾦利は、市場の実態により近づけることを⽬的として8⽉19⽇に「レファレンス⾦利」から「7⽇物リバースレポ⾦利」に変更。
レファレンス⾦利は8⽉以降、データ取得不能。7⽇物リバースレポ⾦利は取得可能な2016年4⽉から表⽰。
出所 : データストリーム、インドネシア銀⾏のデータをもとにHSBC投信が作成
4
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
底堅く推移するルピア相場
 ルピア相場はインフレ率の低下傾向、タックス・アムネスティ法の施⾏による財政健全化への期
待などを受けて対⽶ドルで底堅く推移しています。対円では、⾜元、円安の進⾏を背景に上昇し
ています。
ルピアの推移
(2011年1⽉〜2016年12⽉末)
ルピア⾼/
(⽶ドル/ルピア、逆⽬盛) 円安・⽶ドル安
8,000
(100ルピア/円)
1.20
対円(左軸)
1.10
対⽶ドル(右軸)
9,000
10,000
1.00
11,000
0.90
12,000
0.80
13,000
0.70
14,000
15,000
0.60
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
16/1
(年/⽉)
ルピア安/
円⾼・⽶ドル⾼
出所 : データストリームのデータをもとにHSBC投信が作成
ルピア相場の⾒通し〜⻑期的に強気な⾒⽅
 購買⼒平価でみると、ルピアは割安感が強い通貨の⼀つであることから、当社ではルピアについて
⻑期的に強気な⾒⽅をしています。
購買⼒平価から⾒た為替⽔準 (対⽶ドル)
割⾼
割安
インドルピー
インドネシアルピア
-69%
トルコリラ
-63%
19%
15%
-49%
14% 13%
40%
※購買⼒平価は2016年IMF予想、各国の対⽶ドル為替レートは2016年12⽉末現在
出所:ブルームバーグ、IMF World Economic Outlook Database(October 2016)の
データをもとにHSBC投信が作成
当資料の「留意点」については、巻末をご覧ください。
⽶ド ル
20%
インドネシアルピア
0%
インドルピ
-100% -80% -60% -40% -20%
ユ ロ
-12%
オ ストラリアドル
-17%
トルコリラ
5%
-40%
⼤
リ
ス
ク
10%
ブラジルレアル
⽇本円
14%
南アフリカランド
ユーロ
他の新興国通貨に⽐べて
相対的に価格変動率が低い
10%
-58%
ブラジルレアル
5
19%
17% 17%
-63%
中国元
20%
-75%
ロシアルーブル
南アフリカランド
各通貨の価格変動率
(対円、2006年12⽉末〜2016年12⽉末)
⼩
※上記期間における⽉次騰落率の標準偏差を年率換算して算出
出所 :ブルームバーグ、データストリームのデータをもとにHSBC投信が作成
留意点
<当資料に関する留意点>
 当資料は、HSBC投信株式会社(以下、当社)が投資者の皆さまへの情報提供を⽬的として作成し
たものであり、特定の⾦融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。
 当資料は信頼に⾜ると判断した情報に基づき作成していますが、情報の正確性、完全性を保証するもので
はありません。また、データ等は過去の実績あるいは予想を⽰したものであり、将来の成果を⽰唆するもので
はありません。
 当資料の記載内容等は作成時点のものであり、今後変更されることがあります。
 当社は、当資料に含まれている情報について更新する義務を⼀切負いません。
<投資信託に関する留意点>
投資信託に係わるリスクについて
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