【解答への手引き(テーマ説明文)】 今回の話題は、廃校となった小中学校の校舎の再利用についてです。首都圏でも小学 校などの統廃合が進み、旧校舎を保育施設や老人ホームに利用している例を見かけます。 この記事に書かれている通り、地方においては宿泊施設や工場としての再利用も、せっ かくの大規模な建造物を有効利用する一つの活用例と言えるでしょう。 英文自体は難易度の高い単語や構文もほとんどなく、設問についても順序よく読み進 めてポイントをおさえていけば十分解答できます。文内容把握問題では、周辺の文脈を よく読み取り、どの段落で何が述べられているのかをしっかりつかむことが大切です。 【解答】 問1 ① ウ 問2 (A) 問3 第 3 番目: 問4 ただ、夜になると私の宿泊している部屋は雰囲気がまったく変わった。 問5 イ 問6 ウ 問7 イ、オ イ ② ア (B) just イ ③ エ (C) ④ ア 第 6 番目: イ (D) ア used 【設問解説】 問1 語句問題。下線部の語句と同じ意味の日本語を選ぶ問題です。 ① 正解はウです。revive は「~を復活させる、再び流行らせる」の意味の他動 詞です。ここでは主語が some「一部(の施設)」で、受動態の形で用いられ ているので、廃校となった学校の一部が「生まれ変わる、再生される」の意 味で用いられていると考えるのが自然です。 ② 正解はアです。icon はコンピュータ用語でおなじみの「アイコン」ですが、 もとは「象徴、肖像」の意味で用いられる名詞です。iconic はその形容詞形 なので、「象徴的な」の意味で用いられていることが分かります。 ③ 正解はエです。age は「年齢」の意味の名詞として知っている受験生も多い でしょう。しかし、ここでは to の後に用いられていることから動詞「~を老 けさせる、古びさせる」の意味となります。目的語として直後に the meat があることから、「肉を熟成させる」の意味であると考えるのが自然です。 ④ 正解はイです。形容詞 playful は「ふざけた、冗談半分の」の意味で、playfully はこの副詞形です。文脈からも、豚肉を pupil「生徒」と呼んだりしているこ とから、冗談まじりに楽しんでいる様子がうかがえます。 問2 空所補充問題。文脈に合わせて、空所に適した語句を選択する問題です。 (A) 正解はイです。「生徒数不足で学校が閉鎖した」という文脈から、原因を表 す表現 due to ~「~により」を用います。 (B) 正解はイです。関係詞の選択問題です。直前にカンマがあることから、関係 代名詞の継続用法を疑いたくなりますが、もう少し前を見ていきましょう。 先行詞は another Children’s Room であり、空所直後の文(six women from the prefecture were staying overnight.)は完全文なので、関係副詞の where が適していると分かります。 (C) 正解はアです。close to ~で「~の近くに」の意味となります。closed は形 が似ていますが「閉じた、閉鎖的な」とまったく違う意味になるので注意し て下さい。 (D) 正解はアです。 「学校の校舎は大きな窓があるので( )」にあてはまる ものを考えます。airy は「風通しが良い」の意味です。powdery は「粉っぽ い」、rainy は「雨天の」、sticky は「べたつく」の意味で、いずれも文脈に 合いません。 問3 英文整序問題。正しく並べ替えた英文は、The blackboard was [set up just as it used to] be です。[ ]の直後に be があることから考えて、as it used to be「以前 のように」というフレーズがさっと組み立てられると良いでしょう。used to は助 動詞の一つで「(以前)~だった」と過去の状態や習慣などを表しますが、助動詞 だけではなくこうしたフレーズとして構文暗記しておくといろいろな場面で使え ます。set up は「~を建設する」という意味です。 問4 下線部和訳問題。though は「ただ、~だけれども」という意味の副詞として用い られています。文の主語は the atmosphere of the room で、関係詞節 I stayed in が続き(関係代名詞は省略されています)、「私が宿泊した部屋の雰囲気」とつな がります。述語動詞は became で very different が文の補語となります。構造が分 かればあとは第 2 文型の文として和訳すれば良いでしょう。全体の和訳は「ただ、 夜になると私の宿泊している部屋は雰囲気がまったく変わった」などのようにな ります。 問5 文内容把握問題。正解はイです。下線部直後に as we thought staying overnight in a school would be a unique experience「学校に泊まるというのはなかなかできな い経験だから」とあるのをそのまま読み取れれば正解できます。内容把握問題は、 しっかりとその周辺を読み取ることが、正解への一番の近道です。 問6 文内容把握問題。正解はウです。pupil は「生徒」、enroll は「入学する」の意味。 前文脈より、豚肉のことを「生徒」、出荷することを「卒業」と冗談半分に言って いることから、たとえ下線部中の語句を知らなくてもだいたいの想像は可能です。 直後に when purchasing pork「豚肉を購入する際に」とあるのも大きなヒントで す。 <各選択肢の和訳> (ア) 「1000 人の生徒が、今年この工場で作られたハムを食べた」 (イ) 「今年の卒業生は生ハムを 1000 本作った」 (ウ) 「今年はハム作りのための豚肉のかたまりを 1000 個入荷した」 (エ) 「今年、この工場には 1000 名の新しい生徒が訪れた」 問7 内容把握問題。各選択肢の文内容を正しく捉え、本文中のどこに言及があるのか を確かめながら適切な答えを選ぶ問題です。 (ア) 誤り:本文第 7~8 パラグラフ参照。県内の女性 6 人組は宿泊客として話に 登場しますが、宿泊した学校の卒業生だとは述べられていません。 (イ) 正解:本文第 5、11 パラグラフ参照。校庭は、バーベキュー場以外にも、地 元の運動会や祭りの会場としても用いられていることが述べられています。 (ウ) 誤り:本文第 9~10 パラグラフ参照。運営者の男性がラフティングのインス トラクターだったとは述べられていますが、宿泊施設のサービスとしてガイド があるとは述べられていません。 (エ) 誤り:本文第 12、16 パラグラフ参照。建物の 2 階が熟成室になっていると いうのは正しいですが、机やロッカーがそのまま使われているという記述はあ りません。第 16 パラグラフに下駄箱がそのまま使われているという記述はあ ります。 (オ) 正解:本文第 15 パラグラフ参照。社長は「地元への感謝の意を表すために 校舎を再利用することを思いついた」と述べています。
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