両国- 江戸NOREN

No.0208
2017 年 1月15日 発行
http://www.nsouzai-kyoukai.or.jp
◎繁盛店紹介号
-両国- 江戸NOREN
(㈱ジェイアール東日本都市開発)
「粋な江戸の食文化を楽しむ、
12店舗のノスタルジック空間!」
旧駅舎コンコースを生かした吹き抜け空間
昨年11月25日にJR両国駅にオープンした「-両国- 江戸NOREN」は、粋な江戸の食文
化 を楽しむことができる東京の新たな観光スポットだ。寿司、そば、深川めし、もんじゃ焼
き、ちゃんこなど、江戸の時代から続く食を提供する12店舗が集結。80年以上の歴史を持
つ両国駅の旧駅舎コンコースを改装したノスタルジックな空間は、江戸にまつわる多くの
観光資源を抱く墨田区の新たな地域活性化拠点としても注目される。
「江戸最大級の庶民の街」
いん)や、赤穂浪士が討ち入りした吉良上野介の
屋 敷 跡 など が ある。昨 年 は 葛 飾 北 斎 の 作 品 約
両国は、かつて武蔵国と
1,800点を集めた、すみだ北斎美術館もオープン
下総国の境であった隅田川
した。
に架けられた両国橋をその
こうした江戸文化観光スポットにある両国駅に
地名の由来に持ち、江戸時
昨年11月25日にオープンしたのが、
「 -両国- 江戸
代は最大級の庶民の賑わ
NOREN」だ。
「粋な江戸の食文化を楽しむ。」をコ
いを見 せた街だ 。せっかち
ンセプトに、12の和食店が集結。この土地ならで
な町 人で活 気あふ れた同
地 は、手 早く食 べられる江 戸
はの歴史的・文化的背景を生かし、新たな観光拠
高橋一利
両国江戸NOREN
営業所所長
点としても取組みを進めている。
前のにぎり寿司が広まった原
旧駅舎の歴史と面影を残す施設
設計
点でもある。
現在は両国駅の北側に両国国技館、江戸東京
博物館があり、遠方に東京スカイツリーを望む。
周辺には江戸にまつわる観光資源が点在し、江戸
「江戸の食文化を楽しめる空間を、歴史ある両
∼明治時代にかけ相撲の本場所が行われ 、伝説
国駅舎の中で提供したかった」
と、高橋一利両国
の大泥棒鼠小僧次郎吉の墓がある回向院(えこう
江戸NOREN営業所所長は語る。
惣菜ホットニュース
1
政五ずし
東京商店
月島もんじゃ もへじ
かぶきまぐろ
両国駅は明治∼昭和にかけて総武線の始発駅
また、館内中央には(公財)日本相撲協会監修
であり、
「房 総 へ の 玄 関 口」として、新 橋( 東 海 道
の本格的な土俵を設置する。高橋所長が呼出か
線)、上野(東北線)、飯田町(中央線)に並んで東
ら直々に指導を受け管理しており、昨年12月26日
京の4大ターミナルの一つを形成し、房総方面へ
には立行司による祝詞や縁起物の奉納などが、出
の旅客・貨物輸送を一手に担っていた。戦後の高
店者・一般客らと共に執り行われた。
度経済成長期には海水浴客を運ぶ臨時列車が出
江戸の食文化伝える12店舗
発するなど、1929(昭和4)年に建設された旧駅
舎コンコースは多くのレジャー客でも賑わった。
し
かし、横須賀線との直通などで1988(昭和63)年
今回出店した12店舗は、江戸の食文化を伝え
に両国始発の特急列車は全て廃止され 、総武線
るこだわりの商品を展開している。代々両国出身
の中間駅となった。
これによりコンコースが不要と
の 寿 司 職 人 が 握る江 戸 流 本 格 寿 司 が 味 わえる
なり、平成8(1996)年からJR東日本グループがビ
「政五ずし」、東京都内にある全ての酒造の日本酒
アホールとして活用を始め、その後飲食店が入る
を角 打ちスタイルで利き酒できる「東 京 商 店」、
などの変遷を経た。
1871(明治4)年創業の「月島もんじゃ もへじ」、
両 国をより魅 力ある街にすべく、- 両 国 - 江 戸
元大関霧島の経営する相撲部屋伝統のちゃんこ
NORENのプロジェクトは約2年前から進行。外観
が楽しめる「ちゃんこ霧島」など、JRグループとし
は 旧 駅 舎 の 面 影 を 残し、建 設 当 時 の 流 行 色 を
てほとんどが初出店となる外食店が集まった。持
ベースに直線とアーチ型にデザインされた大きな
ち帰り商品でも東京軍鶏の親子丼などを提供す
窓や、中央に駅時計を配置した。館内は江戸の町
る「根津 鶏はな」がこだわりの卵で作ったプリン
屋をイメージした開放的な吹き抜け空間で、壁に
を販売するほか、お土産処では両国国技館で販
はエージング加工を施し、よりノスタルジックな雰
売される焼き鳥が人気だ。
囲気を訴求している。
ターゲット層としては子どもよりも大人の観光
ちゃんこ霧島
惣菜ホットニュース
両国橋茶房
つきぢ神楽寿司
2
根津 鶏はな
天ぷら食堂 ひさご
門前茶屋 成る口
日本ばし やぶ久
築地食堂 源ちゃん
客を意識しており、昼のランチ需要のほか、
「日本
観光客の方々に訪れてもらい、両国、墨田区の活
ばし や ぶ 久 」では 仕 事 帰りの「ちょい 呑 み ニ ー
性化にも貢献していきたい」
と目標を示す。
ズ」にも対 応したそばがきと日本 酒などを展 開、
昔はのれんが汚れてい
「昼と夜でまた異なる顔を見せる」
(高橋所長)趣
る店は、それだけくぐる客
向だ。
が 多く、繁 盛して いる印
また、観光客の誘致ではJRグループのスケール
だと言 わ れていた。
「-両
メリットを生かしたパック商品に加え、旅行会社と
国- 江戸NOREN」にも多
連携していく。
くの観 光 客 が 訪 れ 、江 戸
文 化ののれんをくぐって
新たな観光拠点として地域活性
化に貢献
いくことだろう。
館内の土俵で「土俵祭り」が
行われた
同施設の館内には、墨田区の観光案内所を設
置しており、観光拠点としての機能も充実させて
- 両国 - 江戸 NOREN
いる。近年増加する外国人観光客に対しても、英
住 所:東京都墨田区横網1-3-20
開館時間:10時∼ 23時30分
※営業時間は店舗により異なる
定 休 日:1 月 1 日、2 日、ほか施設点検日
店舗(カッコ内は提供料理):政五ずし(鮓)、東京商店
(酒・角打ち)、月島もんじゃ もへじ(もんじゃ焼き・
お好み焼き)、かぶきまぐろ(海鮮料理)、ちゃんこ霧島
(ちゃんこ・季節料理)、両国橋茶房(甘味処・茶)、
つきぢ神楽寿司(寿司)、根津 鶏はな(鶏・軍鶏)、天
ぷら食堂 ひさご(天ぷら)、門前茶屋 成る口(深川
めし・純米酒)、日本ばし やぶ久(日本そば)、築地食
堂 源ちゃん(海鮮総合和食・宴会)
語対応のできるスタッフが常駐し、多言語パンフ
レットなども用意する。両国国技館は2020年の東
京オリンピックではボクシング会場として利用され
る予定で、将来のインバウンドニーズへの対応も
今後強化していく考えだ。
高橋所長は、
「今後は土俵などを生かし、江戸
の食文化をテーマにしたイベントを行って多くの
ノスタルジックな外観
惣菜ホットニュース
江戸情緒あふれる店舗
3