タイトル:「迷悟のすすめ」

タイトル:
「迷悟のすすめ」
「迷悟」迷いのなかに悟りがあり、悟りのなかに迷いがあるということ。
これは私にとって大学の授業の中で新しい気づきを得る言葉となった。私は今、井上円
了哲学塾の 4 期生として様々な教授や講師の講義やワークショップを受ける中で、そこで
得た多様な学びをもとに、他の塾生と共に哲学する時間を過ごしている。
その中でアメリカから修行僧として日本に住んでいるミラー和空先生が「迷悟」につい
て話す授業があった。その時の私は「迷悟」することは、迷うことであり、自己を創って
いくのに大きな重荷になり、一種の邪気ではないかと考えていたため、迷悟する自分を嫌
うことがあった。特に私は 2 年間教育系 NPO でボランティアをしたり、社会貢献団体に入
っている学生や、学生起業家などと交流することが多く、その中で「今の日本の社会貢献
はこれでいいのか?」という問いと「自分がしているのは本当に社会貢献なのか?」とい
う自己の疑心の狭間で悩んでいるところだった。
先生はそんな悩んでいる私に対して、逆に「迷悟するからこそ本当の自分を見つけるこ
とができる。
」と言う。なぜなら迷悟は自分に正直でいないとできないからである。迷悟す
る自分を嫌って、仮にその結果、やりたいことに行きついたといても「こんなはずじゃな
かった。
」と、結局自分に大きな嘘をつくことになる。まずは自分に正直でいなければ迷悟
はできない。逆に迷悟できる自分は自分に正直なのである。
「だから、あなたは迷悟してい
る。そのままでいい。いつか自分で納得できる答えが出てくるはず。」これを聞いたとき、
私は初めて今の自分を心から受け入れることができたと思っている。
サークルや研究に就活とやりたいことがあってたくさん悩む他の学生も多いかと思う。
しかし、それこそが迷悟であり、向き合っていくことで本当の自分が見えてくる。まずは
迷っている自分を責めないで受け止めてみることからはじめてみてほしい。