地下水利用から水道水利用へ復帰した場合の水道料金の減額 Ⅰ 資料④ 地下水利用者の状況 事業者の地下水利用の状況は、膜処理技術(施設)の高度化、普及、コストの低価格化に伴い、 ② 個別需給給水契約制度 水道料金の価格設定との比較により、地下水への転換が年々増加している。 大口需要者一件ごとの個別契約で、使用者ごとの過去の使用量に応じて基準水量(最大 地下水転換後は、全量を地下水利用する事業者と一部水道水と併用する事業者があるが、後者 使用水量)を設定し、低料金を設定する代わりに災害時や渇水時に水の使用料を抑制して の方が圧倒的に多く、前者の場合も閉止をすることなく基本料金のみ発生している状況である。 ○地下水転換の状況(平成 11 年度~平成 27 年度) もらうなど、一定の負荷をかける制度である。(宇都宮市、北九州市、岡山市など) ○例:北九州市「大口使用者特割制度」 ●地下水へ転換:44 者・・・病院・ホテル・大型店舗等 基準水量・・・直近1年間のうち最も使用水量の多い月の水量(1,000 ㎥未満の場合は 1,000 ●減収の累計:約8億円 ㎥とする)を基に算定 従量 ○例:最も使用量の多かった事業者 使用水量 1 26 51 201 1,000 (㎥) ~25 ~50 ~200 ~1,000 ~ 単価(円) 122 156 208 288 310 料金 地下水転換前の使用水量 年間約189,000立方メートル 大口 特割 1,000~ 基準水量 基準水量 ~ 310 160 地下水転換後の使用水量 年間約118,000立方メートル →年間約 18 万立方メートルの減少、9,500 万円の減収 ③ 料金減免制度 Ⅱ 料金改定との関係性 地下水から水道水に復帰する場合に限り、水道料金を減免する制度である。もともと地 平成 29 年度から大口需要者の地下水転換に歯止めをかける意味でも、水道料金の見直しを行 うこととしている。 下水に転換してしまった事業者が水道水に復帰する際に、前年同月比の地下水と水道水の 総使用量のうち、水道水の使用割合が一定量増加した場合に、その増加分を減免するもの。 (神奈川県) ○地下水の単価(利用事業者により大きな幅がある) ●機器のリース料:月に数十万円、 ら地下水分と水道分に按分 ●維持管理費:1立方メートルあたり 100 円~500 円程度 地下水利用量 今回の料金体系の見直しにより第 4 段階の1立方メートルあたり 385 円を最高単価とするこ とから、これから地下水へ転換しようとする事業者に対しては、抑制効果が期待できるものの、 既に地下水へと転換した事業者に対しては、水道水への復帰が期待できる単価設定とはいえない。 Ⅲ 当月の水量を過去の実績か ○例:神奈川県 当 月 の 使 用 水 地下水分(按分) 減 免 地下水利用量 水道使用水量 量 水道分(按分) 水道使用水量 1 年 前 の 同 月 使 用 水 量 他都市の復帰対策事例 ① 逓増逓減型料金制度 ④ 固定費負担制度 いわゆる稲穂型料金体系で、一定量以上使えば料金単価が安くなる。 (長門川水道企業団、 前橋市、渋川市、長岡京市、草津市、佐賀市など) 地下水利用者で、補給水として水道水を利用する事業者に対して、併用で使用すること の届け出を受け、水道水が停滞して生じる水質悪化や急な使用による周辺への濁りの対策 のために適時一定量以上の水道水の使用や量が急増する場合の事前協議などを明確化し、 ○例:佐賀市水道料金(一部) 区分 基本料金 使用水量(㎥) ~10 協定を締結したうえで固定費部分を負担金として徴収する制度である。(神戸市) 超過料金(1立方メートルあたり) 10 30 60 80 300~ 3,000 ~30 ~60 ~80 ~300 3,000 ~ ⑤ バックアップ料金制度 大口需要者が地下水転換後も水道水をバックアップとして利用する場合に「バックアッ 料金 一般用 1,300 190 195 240 270 270 200 (円) 工場用 1,300 190 195 240 270 96 96 プ料金」の負担を求める制度である。(帯広市)
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