リニア 10 年後開業「厳しい目標」 JR東海・柘植社長 JR東海の柘植康英(つげこうえい)社長は31日までに、名古屋市の本社で信 濃毎日新聞などのインタビューに応じた。リニア中央新幹線東京・品川―名古屋 間(約286キロ)の開業目標とする2027年まで、あと10年となることに ついて「余裕のない厳しいスケジュール」との認識を示した。下伊那郡大鹿村と 静岡市との境界付近で地表からトンネルまでの深さ(土被(どかぶ)り)が約1 400メートルにもなる南アルプストンネル(25キロ)などを例示し、工事の 難しさを挙げた。 課題として、トンネル工事で大量に出る残土問題を改めて指摘。「本格的に掘削 して土が出てくるまでには、処理地(処分地)を決めておかなくてはならない。 地元の方の理解を得ながらやっていく」と述べた。 長野県内などで、リニア工事に対する地域住民の不安が根強いことについては 「発生土(残土)の問題もあるので、引き続き丁寧に話し合いをし、話を聞き、 説明し、納得していただく努力は不可欠」としたものの、「今の段階で(工事 を)遅らせることは考えていない」と明言。「しっかり説明をして、進めさせて いただきたいと考えている」と重ねて述べた。
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