実務で活用!Acrobat 8 Adobe® Acrobat 8 Professional ® 日本語版 LiveCycle Designer で自動計算するフォームを作成する 自動計算を行うロジックを埋 Adobe Acrobat 8 Professional またはAcrobat 3D version 8には、Adobe LiveCycle™ Designer® が付属しており、XMLベー め込んで、PDFフォームを更に スのPDFフォームの新規作成や既存のドキュメントを利用した高度でインタラクティブなフォームの作成及び構築を行うこ 便利に活用 とができます。 ここでは一般的な表計算ソフトと同様簡単な四則演算を行い、 自動で計算結果を表示するフォームフィールドの設定方法 をご紹介します。予め計算式を組み込んでおけば、PDFフォームで作成した見積書や納品書、予算案といった様々な文書を さらに便利に活用することができます。 はじめに • このガイドブック は、Acrobat 8 professional およびAdobe Reader 8 始める前に ご参照いただいているPDFファイルには、手順を実行するためのサンプルファイルが添付されています。添付ファイルを ディスクに保存し、該当データを開いてご利用ください。 Windows版を元に解説して います。Acrobat 8 Standard 版およびMacintosh版では、 一部の機能が制限される可 この PDF に添付されているサンプルファイルについて •• 見積書 _ フィールド配置済 .pdf 能性があります。 Word で作成した文書から PDF 変換を行い、LiveCycle Designer でフォームフィールドの自動認識を行ったサンプルです。 このフォームフィールドに、計算式を設定します。フィールドのカスタマイズや整形については、Acrobat 活用ガイド 会員限定コンテンツ内「LiveCycle Designer でフォームを整形・カスタマイズする」をご参照ください。 • Adobe LiveCycle Designer は、Acrobat 8 Professional •• 見積書 _ フィールド配置済 _ 完成版 .pdf 版およびAcrobat 3D 計算式が埋め込まれた完成版の PDF フォームです。実際にどのように記述されているか確認する場合などにご利用く version 8に同梱されてい ださい。 ます。Standard版および Macintosh版には同梱され ておりませんのでご注意く ださい。 • このPDFにはサンプルファ イルが添付されています。詳 細はページ右側「始める前 添付ファイルの保存方法 11 右下の「添付パネルを表示」ボタンを押すか、ウインドウ左下にある[添付ファイル:添付ファイルの表示]ボタン て添付パネルを表示します。 (既に添付パネルが表示されている場合、添付パネルは非表示になります) 22 [開く]ボタンを押して添付ファイルをAcrobatで開き、[ファイル]メニュー>[名前をつけて保存]で添付ファイルを別名保存し ます。 を押し 添付パネルを開く に」をご覧下さい。 ** このテキストでご紹介するスクリプトサンプルは、あくまで簡単な計算式を実行するためのごく単純なスクリプトサン プルであり、スクリプティングに関する詳細な解説・サポートは行っておりません。プログラミングに関する詳細は、 弊社サポートデータベースや各種オンラインリソースをご参照ください。 [ スクリプト作成のテクニカルサポートについて ] http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?230366+002 [ オンラインリソース ] http://support.adobe.co.jp/faq/faq/qadoc.sv?230366+002#anc_d ** サンプルリソースは、以下のフォルダに保存されています。(デフォルトインストールの場合) Program Files\Adobe\Acrobat 8.0\Designer 8.0\JA\Samples ** サンプルデータの一切の著作権はアドビ システムズ株式会社に帰属します。サンプルデータの使用は個人利用のみを目 的とし、商用目的で使用することはできません。 ** サンプルは、お客様ご自身の責任において使用されるものとします。サンプルを使用した結果発生した損害や不利益に ついて、弊社は一切の責任を負いません。 フォームフィールドに計算式を設定する 配置したフィールドエレメントに計算式を挿入します。LiveCycle Designerでは、 フォームに何らかの動作を設定する 場合、用途に応じて2種類のプログラミング言語を使用することができます。 とは言ってもここで使用するスクリプトは とても単純なものですので、 プログラミング言語に不慣れな方は、 この後に出てくるスクリプトのサンプルを手順通り にコピー&ペーストして応用すると良いでしょう。 フィールドエレメントに名前をつける 計算式に限らず、 フォームエレメントで何らかのプログラムを実行するためには、実行対象となるエレメントを指定す るために、 フィールドに名前をつけておく必要があります。 フィールド名は、 フィールドをドキュメントに配置する際自 動で一意の名前が付与されますが、 フォームの管理を効率化するために、わかりやすい名前に変更しておくことを推 奨します。 11 添付のサンプルファイル「見積書_フィールド配置済.pdf」を開きます。 22 「単価」項目のすぐ下のフィールドを選択します。 33 [ウィンドウ]メニュー > [オブジェクト]を選択し、オブジェクトパレットを表示します。 44 [連結]タブ>[名前]からフィールド名を変更します。ここでは、「tanka」としました。下二つの単価の行にある フィールドも同様に「tanka」と変更します。すると、同一の名前がつけられたフィールド同士は、 「tanka[0]、 それぞれのフィールドに名前をつける tanka[1]…」という風に、自動的に番号が割り振られ「tanka」というグループの中で更に細かく区別されます。 「小計」の行にあるフィールドも、それぞれ名前をつけていきます。ここでは「kosuu」、 「syoukei」と 55 「個数」、 しました。 2 指定したフィールドの積 ( 小計 ) を求める FormCalcとJavaScript LiveCycle Designer では、 FormCalc および JavaScript というスクリプティング言語 をサポートしています。 FormCalc は、一般的な表 計算ソフトウェアをモデルと した簡単かつ強力な演算言 語です。FormCalc の目的は、 従来のスクリプティングテク ニックや 言 語 の 知 識 が なく ても、すばやくかつ効果的な フォームデザインを容易にす ることです。 このテキストでは 主にFormCalcを使用します。 JavaScript は、さらに多く の機能を備えた高度なスクリ プト言語で、柔軟なスクリプ トを記述したい場合や、スク リプトに関してユーザが既に 持っている知識を活用したい 場合を想定しています。例え ば、既存の JavaScript 関数を LiveCycle Designer で再利用 できれば、新しいスクリプトを 「小計」列には「単価」に「発注アイテム数」をかけた結果が表示される必要があります。LiveCycle Designer では、 FormCalc または JavaScript を使用して演算を実行します。 ここでの演算には、FormCalc を使用します。 11 [ウィンドウ]メニュー > [スクリプトエディタ]選択し、スクリプトエディタを表示します。 22 必要に応じて、スクリプトエディタのパレットバーをドラッグして、パレットを大きくします。 「小計」の下のフィールドを選択します。 33 見積書_フィールド配置済.pdfを開き、 44 [スクリプトエディタ]内[イベントリスト]から[calculate]を選択します。 55 言語リストから[FormCalc]、実行位置リストから[クライアント]を選択します。 66 スクリプト編集フィールドに、次の計算式を入力します。 tanka[0] * kosuu[0] 77 同様に、2、3行目のsyoukei[1]、syoukei[2]のフィールドも tanka[1] * kosuu[1] tanka[2] * kosuu[2] とスクリプトを記述していきます。 作成する手間が軽減されます。 必要に応じてドラッグ [新規フォームを作成]ダイアログ 88 計算式は、計算したいフィールドに設定されている名前と演算式で記述します。 計算式は計算したいフィール ドに設定されている名前と演 算式で記述します。 (ここでの 例: 「tanka[0]*kosuu[0]) 四則演算の演算式は、一般的 な表計算アプリケーションと 同様に和(+)、差(-)、積(*)、商(/) で表します。 (ここでの例:「kazu[0] * tanka[0]) 99 [スクリプトソースの変更を入力] をクリックして入力したスクリプトを確定します。 111 この列の値をユーザーが変更できないようにするには、[オブジェクトパレット]の[値]タブをクリックし、[種類] リストで[計算済み - 読み取り専用]を選択します。 111 スクリプトが正しく動作するか確認したい場合は[PDFプレビュー] 画面にて数字をテス ト入力し、結果を確認します。 3 指定したフィールドの合計 ( 論理和 ) を求める 今度は、 「単価」 と 「個数」をかけた小計の総計を算出するためのスクリプトを記述します。 11 p2.「フィールドエレメントに名前をつける」手順と同じ要領で「合計」フィールドにもフィールド名を設定します。 ここでは、[goukei]としました。 「合計」 フィールドにフィールド名を設定します 22 [スクリプトエディタ]内[イベントリスト]から[calculate]を選択します。 33 言語リストから[FormCalc]、実行位置リストから[クライアント]を選択します。 44 スクリプト編集フィールドに、次の計算式を入力します。 sum(syoukei[0] + syoukei[1] + syoukei[2]) これは、syoukei[0] と syoukei[1] と syoukei[2] のフィールドの値を「合計する」という意味の記述になります。 ** ここでは、合計したいフィールド名を 1 つ1つ指定して総計を算出していますが、ある法則をもとにフィールド を一括指定するスクリプトを記述することもできます。詳しくは LiveCycle Designer 付属のリファレンスガイドや FormCalc の演算組み込みに関する Readme 情報 ( デフォルトインストールの場合、Program Files\Adobe\Acrobat 8.0\Designer 8.0\Documentation\JA) や、 「Readme.htm」および「FormCalc.pdf」を参照してください。また、 「始 める前に」でご紹介している各種オンラインリソースもご利用ください。 4
© Copyright 2024 ExpyDoc