釧路市手話言語条例素案へのご意見を募集します。 + 募集期間:平成29年1月6日(金)~平成29年2月6日(月) 釧路市では、全ての市民が、ろう者(手話を言語として日常使用する聴覚障がい者をい います。)であるかないかによって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し 合いながら共に住み慣れた地域で心豊かに暮らすことができるまちづくりの実現を目指し て、手話の普及に関する基本理念や施策の基本的事項等を定め、手話の普及に関する施策 を総合的かつ計画的に推進することを目的として、「釧路市手話言語条例」の制定に向け た検討を進めています。 このたび、その条例の素案をまとめましたので、この案に対する皆さんのご意見を募集 します。 取り入れるべきご意見については素案を修正するなど、さらに検討を進め、最終的な条 例案を釧路市議会に提案する予定です。また、皆さんからいただきましたご意見などの概 要は、それらに対する市の考え方と併せて、平成29年2月中旬をめどに釧路市のホーム ページなどで公表します。 【目次】 1 条例制定の背景、目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 釧路市手話言語条例素案・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 意見募集要領・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 5 意見の提出・問合先 釧路市福祉部障がい福祉課障がい福祉担当 〒085-8505 釧路市黒金町8丁目2番地 釧路市役所防災庁舎3階 電話:0154-31-4537(直通) ファックス:0154-25-3522 E-mail:[email protected] 1 条例制定の背景、目的 手話は、日本語と異なる文法構造を持つ言語(非音声言語)であり、ろう者 は、物事を考え、コミュニケーションを図り、お互いの気持ちを理解し合う ために、また、知識を蓄え、文化を創造する上で必要不可欠なものとして、 手話を大切に育んできました。 しかしながら、これまで手話が言語として認められてこなかったことや、手 話を使用することができる環境が整えられてこなかったことなどから、ろう 者は、必要な情報を得ることもコミュニケーシヨンをとることもできず、多 くの不便や不安を感じながら生活してきました。 そうした中、平成23年に改正された「障害者基本法」や、平成18年に国 際連合総会で採択され、平成26年に我が国が批准した「障害者の権利に関 する条約」において、手話は言語であることが明記され、ろう者が意思疎通 等の手段として手話を使用することができる環境の整備が求められるように なっています。 釧路市では、平成27年6月に、釧路聴力障害者協会と2つの手話の関係団 体から「手話言語条例」の制定を求める要望書の提出を受け、 今後より一層、 ろう者と手話に対する市民の理解を深め、手話を広く普及していくために、 これらの団体との意見交換を行い、「釧路市手話言語条例」の制定に向けた 検討を進めてきました。 条例案の検討に当たっては、同年11月に、聴覚障がい者の団体や、手話及 び要約筆記の関係団体、学識経験者などで構成する「釧路市手話を使って豊 かに暮らせる街の実現を目指す協議会」を立ち上げ、以後、条例制定に向け た具体的論議を行う作業部会を含め、14回にわたる会議を重ねていただき、 そこでの意見等を踏まえて、このたび、市において、釧路市手話言語条例素 案を作成いたしました。 - 1 - 2 釧路市手話言語条例素案 〔前文〕 言語は、お互いの感情を分かり合い、知識を蓄え、文化を創造する上で必要不可欠なものであ り、人類の発展に大きく寄与してきた。 手話は、音声言語である日本語と異なる言語であり、ろう者のコミュニケーションや、思考、論 理、感性、情緒等の基盤となるものとして、ろう者の間で大切に育まれてきた。 しかしながら、我が国においては、長年にわたり、手話は言語として認知されず、手話を使う権 利を保障する必要性が認識されない状態が続き、ろう者は、多くの不便や不安を感じながら生活し てきた中で、ようやく平成23年の障害者基本法の一部改正において、言語に手話が含まれること が規定され、さらに、言語に手話その他の非音声言語が含まれることが明記されている障害者の権 利に関する条約が、平成26年に批准された。 このような状況の下、ろう者が安心して暮らすことができるよう、手話により表現及び意見の自 由についての権利を行使することができることを確保するためには、市民一人一人の手話に対する 理解を深め、手話を使用しやすい環境を整備していくことが必要となっている。 ここに、ろう者が意思疎通等の手段として言語たる手話を使用することができる機会を確保する ための手話の普及についての施策の基本理念を明らかにしてその方向を示し、手話の普及に関する 施策を総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。 ○ 前文は、法令の条項の前に置かれる文章で、法令の趣旨・目的・基本原則などを宣言するもの です。 ○ この条例の前文では、次のことを宣明しています。 ① 手話は言語であり、ろう者の間で大切に育まれてきたこと。 ② 近年、ようやく国内法でも手話が言語であることが規定されたこと。 ③ ろう者が安心して暮らすことができるよう、市民一人一人の手話に対する理解を深め、手話 を使用しやすい環境を整備していくことが必要となっていること。 ④ 手話の普及に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために、この条例を制定すること。 (目的) 第1条 この条例は、ろう者(手話を言語として日常使用する聴覚障がい者をいう。以下同じ。) が意思疎通及び情報の取得のための手段として手話を使用することができる機会が可能な限り確 保されなければならないものであることに鑑み、手話の普及に関し、基本理念を定め、並びに市 の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話の普及に関する施策の基本と なる事項を定めることにより、手話の普及に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって全 ての市民が、ろう者であるかないかによって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重 し合いながら共に住み慣れた地域で心豊かに暮らすことができるまちづくりの実現を図ることを 目的とする。 ○ この条例の目的を規定するものです。 ○ この条例の目的は、手話の普及に関し、「基本理念」を定めて「市の責務」と「市民及び事業 - 2 - 者の役割」を明らかにするとともに、「手話の普及に関する施策の基本となる事項」を定めるこ とにより、「手話の普及に関する施策を総合的かつ計画的に推進すること」であり、それによっ て、全ての市民が、ろう者であるかないかによって分け隔てられることなく、相互に人格と個性 を尊重し合いながら共に住み慣れた地域で心豊かに暮らすことができるまちづくりの実現を目指 すものです。 (基本理念) 第2条 手話の普及は、手話が言語であること並びにろう者が意思疎通及び情報の取得のための手 段として手話を使用することを保障される権利を有することを前提とし、全ての市民が、相互に 人格と個性を尊重し合うことを基本として行われなければならない。 ○ 手話の普及に関する「基本理念」として、手話の普及は、「手話が言語であること」及び「ろ う者が意思疎通等の手段に手話を使用することを保障される権利を有すること」を前提として、 全ての市民が、相互に人格と個性を尊重し合うことを基本として行われなければならないことを 規定するものです。 (市の責務) 第3条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話の普及に関 する施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。 ○ 市の責務として、基本理念にのっとり、手話の普及に関する施策を総合的かつ計画的に推進す ることを規定するものです。 (市民及び事業者の役割) 第4条 市民は、基本理念にのっとり、手話に対する関心と理解を深めるとともに、市が推進する 手話の普及に関する施策に協力するよう努めるものとする。 2 事業者(市内で事業活動その他の活動を行う者又は団体をいう。以下同じ。)は、基本理念に のっとり、市が推進する手話の普及に関する施策に協力するよう努めるとともに、提供するサー ビスをろう者が円滑に利用することができるよう、及びろう者が働きやすい職場環境となるよ う、手話の使用に関して配慮するよう努めるものとする。 ○ 市民の役割として、基本理念にのっとり、手話に対する関心と理解を深めるとともに、市が推 進する手話の普及に関する施策に協力するよう努めることを規定するものです。具体的には、市 が実施する市民向け手話講座などの手話の普及に関する各種事業に参加することなどが考えられ ます。 ○ また、事業者の役割として、基本理念にのっとり、市が推進する手話の普及に関する施策に協 力するよう努めるとともに、サービスの提供や、ろう者が働く職場環境において、手話の使用に 関して配慮するよう努めることを規定するものです。具体的には、手話通訳者を配置することや、 従業員の手話研修の機会を設けることなどが考えられます。 - 3 - (基本方針) 第5条 市は、手話の普及に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、手話の普及に関する 基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。 2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。 (1) 手話に対する市民及び事業者の理解の促進に関すること。 (2) 手話通訳者の派遣又は設置及び養成その他のろう者とろう者以外の者が手話により意思疎通 を図ることができる環境の整備に関すること。 (3) ろう者が手話により情報の取得を行うことができる環境の整備に関すること。 (4) 前3号に掲げるもののほか、手話の普及に関する基本的な事項に関すること。 3 市は、基本方針及びこれに基づく施策にろう者、手話通訳者その他の関係者の意見を適切に反 映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。 ○ 市は、手話の普及に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本方針を定めることを 規定するものです。 ○ 市は、基本方針及び基本方針に基づく施策に、ろう者や手話通訳者などの関係者の意見を適切 に反映することができるよう、関係者との協議の場を設けるなど、必要な措置を講ずるものとし ます。 (財政上の措置) 第6条 市は、手話の普及に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努める ものとする。 ○ 市は、手話の普及に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めること を規定するものです。 (委任) 第7条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。 附 則 この条例は、平成29年4月1日から施行する。 - 4 - 3 意見募集要領 (1) 意見募集期間 平成29年1月6日(金)~平成29年2月6日(月) (2) 資料の公表場所 ・釧路市福祉部障がい福祉課障がい福祉担当(釧路市役所防災庁舎3階) ・釧路市役所本庁舎1階市政情報コーナー ・各行政センター1階市政情報コーナー ・各支所 ・釧路市身体障害者福祉センター1階ロビー ・釧路市役所ホームページ(http://www.city.kushiro.lg.jp/) (3) 意見の提出方法 郵便、信書便、持参(受付時間 平日の8時50分~17時20分)、ファックス、メー ルのいずれかの方法で提出してください(様式は問いません。)。 ※ 電話によるご意見の受付は応じかねますので、ご了承ください。 ※ ご意見の提出にあたっては、お名前、ご住所、電話番号をご記入ください。 (取得した個人情報は、ご意見の具体的な内容等を必要に応じて確認するために 使用し、その他の目的で使用することはありません。) (4) 意見の提出・問合先 釧路市福祉部障がい福祉課障がい福祉担当 〒085-8505 釧路市黒金町8丁目2番地 釧路市役所防災庁舎3階 電話:0154-31-4537(直通) ファックス:0154-25-3522 E-mail:[email protected] - 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