電池駆動Web使い方色々:PDF 9P

手に乗る Web 観測点 FBS-HORNET
観測点 FBS-HORNET
乾電池・
乾電池
・太陽電池動作 W e b 観測
屋外観測の負担を減らし正確な情報を収集
電池で Web 観測
Web 計測
システム
単2x8本を内蔵
スマートフォン利用
2017/01/05
アスペクト・システム有限会社
1. 初めに
「日陰も置ける電池駆動で気を使わない Web 観測」を目指して
屋外での観測は設置許可を含めて観測を始めるまでも時間と費用が掛かる事に加え運用
費用もかさむのが一般的です。
こんな中、設置する場所も小さく、周囲の自然環境に影響が少ないロガーの様に利用で
きる Web ロガーを目指して開発、発展しているシステムです。
このシステムもご多分に漏れず最初は 100V から電気をもらう事からはじまり、大きな
太陽電池、小さな太陽電池 , そしてついに乾電池駆動へとの開発の歴史をたどっていま
す。 開発では思った様に動かなかったり安定しなかったりと多くの失敗も重ね、現在の
安定して動作するシステムへと繋がっています。
電池駆動の難しさは、如何に消費電力を落とすかにあります。そのために、消費電力の
小さなマイクロコンピュータを使ったり、
様々な部品も消費電力の小さな物を精査して利
用します。
更に回路とコンピュータのプログラムを工夫し観測や通信を必要な時以外は
電源をこまめに切っています。 センサーの電源も観測する少し前に電源を入れ、セン
サーが安定したら計測して電源は直ぐ切っています。例えば水位センサーの1回の計測は
1∼2秒しか電源を入れずに観測を行います。
待機時の消費電力は 0.1 ∼ 0.2mA と LED1 個の点灯よりずっと小さくなっています。
また、利用する最近のアルカリ乾電池自身は 10 年経っても使える自己放電の小ささで1
年ならほぼ本来の容量が使えます。
利用できる容量は落ちますが氷点下10度での動作
可能となっています。エボルタ乾電池を使い -20℃での動作の実績も出来ました。
電池駆動とする事で日陰も気にせず置ける様になりました。
機器も小さくて済むので
1m四方の領域があれば,杭を打って機器を抱きつければ設置が終わります。 さらにセ
ンサーをつけてケーブルやセンサーに養生をして観測が始められます。観測期間も 10 分
観測,1日1回のWeb更新なら1年電池だけで動作し、保守の手間も減らした長期の観測
が実現しています。(電波の状態で再送が行われる状況により電池の持ちは変化します)
電池駆動で観測負担を減らしながらも、
現地の情報をにデータベースに収集蓄積する事
で、様々な知見を収集蓄積し、多地点での比較や評価のシステムに結びつきます。
手軽なWeb観測を通して収集した知見から災害のメカニズムの理解が進み防災対策に役
立てる事を目指し、そして願っています。
2.システム構成
インターネット
サーバ
DB 保存+ Web サービス
システムの流れ
電池駆動観測システムは、自動で観測し、観測結果をまとめてサーバに送ります。
サーバでクラフやダウンロードできる CSV データを作成し、Web で公開します。
また、観測システムにしきい値を設定してアラームメールの送信も可能です。
警報メールもサーバで加工し、複数の宛先に日本語での警報や警報解除のメールを
送る事もできます。
3. 手に乗る Web 観測の利用イメージ
3.1. 水位 Web 観測システム(1チャネルモデル)
長期の水位調査や緊急の現地監視に最適です
乾電池で必要十分な Web 水位観測システム
単2x8本で 10 分毎計測、1日 2 回 Web 更新で6ヶ月∼1年動作、10 分計測 ,10
分毎 Web 更新の詳細観測で3週間動作、水位警報設定で警報メール、更新間隔自動調整
可能です。
実際に観測中のシステム
2.2. 濁度・水位 ・雨量・温度 総合 Web 観測 (4チャネルモデル)
総合的な水環境観測に向いています。
10 分毎観測、1日 2 回 Web 更新で3∼6ヶ月動作する電池駆動 Web 観測システム
降雨による河川の増水、濁りを
総合的に観測できます。
濁度計の消費電力が大きいので
電池駆動時間は 3 ヶ月の試算で
す。
3.3 温度4点観測システム(4チャネルモデル)
最終処分場で廃棄物が分解するときにでる熱の調査に使われています。
K 型熱電対を 4 本、地中の浅い
所から深いところまで埋め、地下の
温度分布を連続的に観測できます。
現地に入るのが遠くて大変な所に
設置できモニタできる点を評価して
頂いています。
3.4 土壌水分・雨量観測システム
斜面や農地の土壌水分と雨量の関係調査に向いています。
土壌水分、地温、ECを1本ので実現
したARP社のセンサーで簡単に地中
情報を収集記録できます。
3.5
太陽電池駆動濁度観測システム
乾電池でなく太陽電池とすることで計測データの送信間隔を短くでき、細かい間隔で
Web ページを更新する事できます。
リュックに入れて簡単運べる大きさです。 観測・監視には単管に固定して完了です。
10分観測、1 時間毎 Web 更新、
水位のアラーム設定値を判定して更新間隔を 10 分毎に
変更、関係者に警報メールを配信を行うことができます。
3.6 太陽電池駆動雨量、土壌水分、地温、雨量、水位観測システム
10分間隔の観測1時間毎のWeb更新な
ら内蔵の NiMH 乾電池を充電しながら
連続観測ができます。
総合的に土壌環境をモニタするのに
適しています。
4チャネルのADと2チャネルのDIを
持っており、センサーへの給電回路
もないそうじていますので様々なセ
ンサーの組み合わせも可能です。
3.7 16チャネル Web 計測システム
片手で持てる大きさと重さで AD16 チャネルと
DI2 チャネルを備えています。
斜面を総合的に観測するため
1)雨量:林間と屋外の 2 箇所
2) 斜面傾斜 4つの深さ
3) 土壌水分 4つの深さ
4) 吸引水頭 4つの深さ
5) 水位: 渓流水位と地下水位の 2 箇所
異なる電圧のセンサーにも内部から給電します。
太陽電池は4Wになり、充電の機能も強化されま
した。
お客様からは小型で多く測れる事を気に行って
頂いています。
土砂災害が発生した斜面の総合観測を実施中のシステム構成です。
2.8 地下水位の変化計測イメージ
地下水位の変化を 4つの水位セ
ンサーで捉えるイメージです。
4−20m Aのセンサーを使っ
て200mに設置してケーブル
を伸ばした実績があります。
27 斜面の総合観測イメージ
地すべり斜面の観測イメージです。
太陽電池モデルなら , 計測データ
の送信間隔を短くできますが、乾
電池モデルでも , 通常は1日 2 回、
伸縮や雨量を規定値で判定して危
険を察知,10分毎にWebページを更
新する運用も可能です。
北斜面だったり、林の中だったり
日照が期待できない場所には運用
方法を工夫した乾電池モデルが有
効です。
2.8 電池駆動・振動 Web 観測
現地に設置すれば設定値以上の3軸振動を自動記録、Web で見られます。
箱を観測を行なうしっかりした所に設置、アンテナを伸ばせば直ぐ観測を始めます。
土石流や火山泥流で発生する振動を記録するために開発したMEMS加速度センサーを利
用した Web 観測システムです。 冬山で6ヶ月電池だけで動作が目標の設計です。
左が、システムでこの中に単1電池x8本を含むWeb観測に必要な全ての機器を内蔵し
6ヶ月、内蔵電池だけでの動作を設計値としています。 右のグラフが2017/01/05 00:
44 頃 福島沖で発生した M 5の地震を東京でこのシステムが捉えたグラフです。 手軽に設置して、振動が規定値以上となった事を検知して発生前 30秒から発生後3分
の3軸加速度のデータをサーバに自動送信し、サーバでグラフを自動生成します。
Web なので波形や波形データを関係者で共有するとともに、様々な振動を記録に残し、
以降の評価に役立てられます。