管理計画 - 山口県

第4期第二種特定鳥獣(ニホンジカ)管理計画(骨子案)の概要
1 背景及び目的
(1)背景
○本県のニホンジカは貴重な地域個体群であり、昭和 30
年代前半には戦後の乱獲等により生息数が著しく減少
○それ以来、個体群の回復に努めてきたが、生息数が増加
に転じ、生息域も拡大
○生息数の増加や生息域の拡大に伴い、生活環境、農林業
及び生態系に係る被害が増加
(2)目的
ニホンジカによる被害の軽減及びニホンジカ個体群の長
期にわたる安定的な維持を図る。
2 管理すべき鳥獣の種類(特定鳥獣)
ニホンジカ
3 計画の期間
平成 29 年4月1日から平成 34 年3月 31 日までの5年間
(2)被害状況及び被害防除対策
○農林業被害は造林木、水稲、野菜類等を中心に平成 27
年度で約 9 千万円
○野生鳥獣全体に占めるシカの農林業被害額は増加傾向
○被害防除対策は、防護柵の設置を中心に実施
(3)管理の基本的な考え方及び目標等
○基本的な考え方
自然条件下において、生活環境、農林業及び生態系被害
のない安定した状態への個体群の誘導・維持
○管理目標
本計画の終期における生息頭数を 16,000 頭まで誘導
6 鳥獣の数の調整に関する事項
山口県全域
〇規制緩和による狩猟の強化、被害に応じた有害鳥獣捕獲
の実施に加え、指定管理鳥獣捕獲等事業を積極的に活用
(1)現状
○生息状況
・主な生息域は県西部の3市(下関市、長門市、美祢市)
であるが、周辺の市町でも生息が確認
・平成 27 年度末の生息数は、県内で約 2 万 3 千頭と推定
○捕獲状況
・狩猟と有害鳥獣捕獲により捕獲頭数は年々増加
・平成 27 年度は新たに指定管理鳥獣捕獲等事業を実施し、
過去最高の捕獲頭数
(H25:3,533 頭、H26:3,616 頭、H27:5,299 頭)
主に 11 月 1 日から翌年 3 月 31 日までの 5 ヶ月間
(2)実施区域
下関市、長門市、美祢市、宇部市、山口市、萩市、
山陽小野田市及び阿武町の計7市1町
(3)事業の目標
〇当該年度の捕獲目標頭数を達成するため、狩猟や有害
鳥獣捕獲の状況等を考慮し、目標頭数を決定
〇個体数を効果的に抑制するため、主にメスジカを捕獲
(4)事業の実施者
山口県とし、その実施を認定鳥獣捕獲等事業者に委託
8 生息地の保護及び整備に関する事項
○鳥獣保護区等の指定による生息環境の保護
○長期的にはシカが生息できる自然環境の整備
〇管理目標を達成するため、5,200 頭を目安に、毎年度実
施する調査での推定生息数や捕獲状況に基づき、当該年
度の捕獲目標頭数を決定
5 管理の目標等
(1)実施期間
(1)個体群管理の考え方
(2)個体群管理の目標
4 管理を行う区域
7 指定管理鳥獣捕獲等事業に関する事項
(3)個体群管理の方法
○狩猟の促進
・法定の狩猟期間を 11 月 1 日から 3 月 31 日まで延長
・国による 1 日当たりの捕獲制限(1 日 1 頭)を解除
・くくりわなの輪の直径を 12 ㎝から 15 ㎝に緩和
9 その他管理のために必要な事項
(1)被害防除対策
適切な捕獲と合わせ、効果的な被害防除対策を推進する
ため、農林業者への普及啓発等を実施
(2)調査研究
市町や関係団体、研究機関等との連携の下、捕獲実績や
被害防除対策の効果検証等の調査研究
・下関市、長門市の「くくりわな架設禁止区域」を「くく
りわな架設制限区域」に変更し、シカ専用くくりわなに
ついては区域全体において、足くくりわなについては特
定猟具(銃器)使用禁止区域等での使用を可能とする規
制緩和を実施
※架設制限区域:県の承認により架設が可能となる。
(3)計画の推進体制
○行政、関係団体、関係者等の管理に関する合意形成
○市町や山口県鳥獣被害防止対策協議会など関係機関と
の連携強化
(4)計画の進行管理
〇有害鳥獣捕獲の促進や捕獲技術の研究・開発の推進
○被害・捕獲状況等を基にした計画の進行管理
〇狩猟免許試験 PR や研修の実施による狩猟者の確保・育成
○山口県シカ対策検討会や山口県自然環境保全審議会鳥
〇農林業者の狩猟免許取得など地域ぐるみの捕獲の推進
獣保護部会における計画の進捗状況の評価
第4期第二種特定鳥獣(イノシシ)管理計画(骨子案)の概要
1 背景及び目的
(1)背景
○狩猟資源や生態系を構成する要素として重要な存在であ
るが、近年、農林業被害が増大
○捕獲や防護対策の強化により、農林業被害額は平成 22
年度をピークに減少傾向にあるが、依然として高い水準
(2)被害状況及び被害防除対策
○農林業被害は水稲、野菜、果樹等を中心に平成 27 年度で
約 2.4 億円
7 生息地の保護及び整備に関する事項
○鳥獣保護区等の指定による生息環境の保護
○長期的にはイノシシが生息できる自然環境の整備
○野生鳥獣全体に占めるイノシシの農林業被害額は 4 割強
であり、野生鳥獣の中で最も深刻な被害
○被害防除対策は、防護柵の設置を中心に実施
8 その他管理のために必要な事項
(1)被害防除対策
(2)目的
イノシシによる被害の軽減及びイノシシ個体群の長期に
わたる安定的な維持を図る。
(3)管理の基本的な考え方及び目標等
○基本的な考え方
イノシシ
3 計画の期間
○管理目標
本計画の終期における農林業被害額を
「3 億 7 千万円
(※)
の半分以下」とする。※平成 22 年度の被害額で過去最高
6 鳥獣の数の調整に関する事項
山口県全域
(1)個体群管理の考え方
〇規制緩和による狩猟の強化、被害状況に応じた有害鳥獣
捕獲の実施
5 管理の目標等
(1)現状
○生息状況
・一部の島しょを除き、県内全域に生息
・環境省の調査においては、生息数は平成 21 年度をピーク
に減少傾向
(2)個体群管理の目標
〇管理目標を達成するため、個体数を着実に減少させる必
要があることから、捕獲目標を年間 20,000 頭以上とす
る。
(3)個体群管理の方法
○狩猟の促進
○捕獲状況
・法定の狩猟期間を 11 月 1 日から 3 月 31 日まで延長
・狩猟と有害鳥獣捕獲により捕獲
・くくりわなの輪の直径を 12 ㎝から 15 ㎝に緩和
・捕獲頭数は増加傾向にあり、平成 27 年度は過去最高
・下関市、長門市の「くくりわな架設禁止区域」を「くく
(H25:15,251 頭、H26:14,852 頭、H27:20,023 頭)
(2)調査研究
市町や関係団体、研究機関等との連携の下、捕獲実績や
被害防除対策の効果検証等の調査研究
(3)計画の推進体制
○行政、関係団体、関係者等の管理に関する合意形成
平成 29 年4月1日から平成 34 年3月 31 日までの5年間
4 管理を行う区域
ため、農林業者への普及啓発等を実施
自然条件下において、農林業被害のない安定した状態へ
の個体群の誘導・維持
2 管理すべき鳥獣の種類(特定鳥獣)
適切な捕獲と合わせ、効果的な被害防除対策を推進する
りわな架設制限区域」に変更し、イノシシ捕獲用の足く
くりわなは特定猟具(銃器)使用禁止区域等での使用を
可能とする規制緩和を実施
※架設制限区域:県の承認により架設が可能となる。
〇有害鳥獣捕獲の促進や捕獲技術の研究・開発の推進
〇狩猟免許試験 PR や研修の実施による狩猟者の確保・育成
〇農林業者の狩猟免許取得など地域ぐるみの捕獲の推進
○市町や山口県鳥獣被害防止対策協議会など関係機関と
の連携強化
(4)計画の進行管理
○被害・捕獲状況等を基にした計画の進行管理
○山口県イノシシ対策検討会や山口県自然環境保全審議
会鳥獣保護部会における計画の進捗状況の評価
第2期第二種特定鳥獣(カワウ)管理計画(骨子案)の概要
1 背景及び目的
(2)被害状況及び被害防除対策
(1)背景
○春のアユの放流・遡上時期、秋の落ちアユの時期に、カ
○1960 年代から 1970 年代にかけて、浅瀬や干潟の減少、
水質汚染など採食環境の悪化により生息数が減少
○1980 年代以降、水質改善や営巣地の保護等により、生息
数が増加に転じ漁業被害や糞による樹木の枯死が顕在化
○本県においても、1990 年代以降、生息数の増加や生息域
の拡大に伴い、アユの捕食など内水面漁業被害が発生
(2)目的
ワウによる食害が発生
○平成 19 年3月に策定(水産部局)した「山口県カワウ食
害防除対策ガイドライン」に沿って、平成 19 年度以降、
テグス張り、追い払い等の被害防除対策を実施
(3)管理の基本的な考え方及び目標等
○基本的な考え方
7 その他管理のために必要な事項
(1)被害防除対策
適切な捕獲と合わせ、河川等でのテグス張りや追い払い
等の効果的な被害防除対策を推進するため、漁業者への普
及啓発等を実施
(2)河川環境の保全・整備
河川改修等に当たっては、鳥類が魚を補食しやすい水域
が増えないよう、瀬と淵等の生態的機能に配慮
県と市町等との役割分担の下、個体数管理や被害防除対
生物多様性の確保、漁業の健全な発展等の観点から、カ
ワウ個体群を安定的に維持し、生息地を適正な範囲へ縮小
2 管理すべき鳥獣の種類(特定鳥獣)
策等を総合的に推進
○管理目標
(3)調査研究
市町や関係団体、研究機関等との連携の下、ねぐら・営
自然状況下において、漁業等被害が問題化・顕在化しな
巣地での生息状況、河川での被害状況等を調査研究
い状況へ個体群を誘導
〇営巣地や飛来地での新たな捕獲技術の開発
〇ドローンを活用した卵の孵化抑制技術の開発
カワウ
〇高性能空気銃を活用した個体数管理の検討
3 計画の期間
(4)計画の推進体制
平成 29 年4月1日から平成 34 年3月 31 日までの5年間
○人財の養成や普及啓発によるカワウの保護管理に関す
4 管理を行う区域
6 鳥獣の数の調整に関する事項
山口県全域
(1)個体群管理の考え方
○生息個体数の多い営巣地を対象に繁殖抑制
○新たに形成されるねぐら・営巣地の早期発見・除去
(2)個体数管理の目標
5 管理の目標等
○ねぐら(14 カ所)
、営巣地(3カ所)
、営巣数(300 巣)
(1)現状
以下
○生息状況
・ねぐら・営巣数は、前回調査に比べて増加
ねぐら:
(H25) 14 カ所
⇒
(H27)19 カ所
営巣地:
(H25) 5カ所
⇒
(H27)4カ所
営巣数:(H25)
⇒
(H27) 334 巣
309 巣
(3)個体群管理の方法
〇モニタリングの体制整備・実施
カワウ胃内容物調査、ねぐら・営巣地調査、採食地調査
○体制の整備と計画的な個体数管理
・協議会の設置
○捕獲状況
狩猟鳥獣に指定された平成 19 年度以降、毎年度、狩猟及
び有害鳥獣捕獲許可により捕獲
・繁殖抑制等による営巣地の個体数の低減
・新規のねぐらの利用放棄化や営巣地の除去
・営巣木の伐採等による営巣数の逓減
る合意形成
○市町や山口県鳥獣被害防止対策協議会など関係機関と
の連携強化
○中国四国地方カワウ広域協議会等を通じた、中国・四国
各県などとの連携強化
(5)計画の進行管理
○生息・被害状況等のモニタリングを基にした計画の進行
管理
○山口県カワウ対策連絡調整会議や山口県自然環境保全
審議会鳥獣保護部会における計画の進捗状況の評価
第2期第二種特定鳥獣(ニホンザル)管理計画(骨子案)の概要
1 背景及び目的
(1)背景
○日本のニホンザルは戦後の乱獲等により分布域が減少し
たが、その後、中山間地域や都市部に拡大
○分布域の拡大に伴い、農業被害、人的被害等が顕在化
○本県においても、同様の傾向であり、生息数の増加や生
息域の拡大に伴い、被害が増加
(2)目的
ニホンザルによる被害の軽減及びニホンザル個体群の長
期にわたる安定的な維持を図る。
(2)被害状況及び被害防除対策
○農林業被害は、野菜、果樹、水稲、イモ類等を中心に、
平成 27 年度で約 1.1 億円
○生活被害、人身被害も発生
ニホンザル
3 計画の期間
(3)管理の基本的な考え方及び目標等
○基本的な考え方
自然条件下において、農林業被害のない安定した状態へ
○管理目標
適正な被害防除対策を講じた状況下において、農林業被
害や生活環境被害等が顕在化しない状態
6 鳥獣の数の調整に関する事項
(2)個体群管理の目標
○被害防除対策の強化とともに、効果的な捕獲を行い、群
れの農耕地・市街地への分布拡大を防止し、加害群の加
害レベルを逓減させ、レベル0を目指す
(H27) 118 群、約 3,500~5,000 頭
○捕獲状況
・非狩猟鳥獣であるため、有害鳥獣捕獲許可により捕獲
適切な捕獲と合わせ、効果的な被害防除対策を推進する
ため、農林業者への普及啓発等を実施
(2)ハナレザルの取扱い
農作物被害や生活環境被害を起こすサルについては、積
極的に捕獲
息状況、被害防除対策の効果検証等の調査研究
(4)計画の推進体制
○行政、関係団体、関係者等の管理に関する合意形成
○市町や山口県鳥獣被害防止対策協議会など関係機関と
の連携強化
(5)計画の進行管理
○生息・被害状況等のモニタリングを基にした計画の進行
管理
・H17 の調査時より大幅に増加
(H17) 28 群、約 1,500 頭
(1)被害防除対策
市町や関係団体、研究機関等との連携の下、加害群の生
○群れの管理を最小単位として管理
○生息状況
8 その他管理のために必要な事項
(3)調査研究
(1)個体群管理の考え方
(1)現状
る
ッグを導入
4 管理を行う区域
5 管理の目標等
○長期的にはニホンザルが生息できる自然環境の整備を図
一部地域では、集落ぐるみでの追い払いや、モンキード
平成 29 年4月1日から平成 34 年3月 31 日までの5年間
山口県全域
○鳥獣保護区等の指定により生息環境の保護を図る
○被害防除対策は、追い払いを中心に実施
の個体群の誘導・維持
2 管理すべき鳥獣の種類(特定鳥獣)
7 生息地の保護及び整備に関する事項
(3)個体群管理の方法
○加害群の分布、数、群れごとの個体数、加害レベルを評
価し、捕獲目標頭数、捕獲方法等を検討し、適正な捕獲
を実行
・近年、捕獲数は増加傾向
※加害レベルは①出没頻度②平均的な出没規模③人への反
応④集落への加害状況⑤生活被害により判定
○山口県サル対策検討会や山口県自然環境保全審議会鳥
獣保護部会における計画の進捗状況の評価