ツイン・ブレードミキシング工法 (スラリー系機械撹拌式中層混合処理工法) 1.技術概要 本 技 術 は 、 軟 弱 地 盤 中 に 撹 拌 装 置 を 貫 入 し 、 固 化材 ス ラ リ ー を 吐 出 し な が ら 撹 拌 混 合 し て 改 良 体 を 造 成 す る ス ラ リ ー 系 機 械 撹 拌 工 法 の 一 種 で 、深 度 10m 程 度 ま で の 中 層 領 域 を 適 用 範 囲 と す る 中 層 混 合 処 理 工 法 と し て 位 置 付 け られ る 。 本 工 法 は 、 汎 用 バ ッ ク ホ ウ へ 専 用 撹 拌 装 置 を 装 着し た 施 工 機 ( 図 − 1 ) に よ り 、 改 良 深 度 13m 程 度 ま で の 中 層 域 に 矩 形 状 の 改 良 体 を 効 率的 に 造 成 で き 、杭 式 改 良 、改 良 率 100% の 全 面 改 良 お よ び 格 子 状 改 良 形 式 に 対 応 可 能 で ある 。 専 用 撹 拌 装 置 は 、 バ ッ ク ホ ウ に 簡 単 に 着 脱 で き 、先 端 部 に 縦 型 回 転 す る 大 径 撹 拌 翼 ( 直 径 φ 1.5m ×幅 1.5m ) を 標 準 装 備 し 、 最 大 1.5m ×1.5m の 正 方 形 断 面 改 良 体 を 経 済 的 に 造 成 で き る 。ま た 、撹 拌 翼 の 幅( 1.0∼ 1.5m )を 目 的 に 応 じ て 、選 択 す る こ と に よ り 、1.5m ×1.5m の 正 方 形 か ら 1.5m ×1.0m の 長 方 形 ま で 改 良 体 造 成 が 可 能 で あ る 。 施 工 機 の 構 成 を 図 − 1 に 示 し 、 改 良 形 式 の 例 を 図− 2 に 示 す 。 *施工機には組立時に 施工管理システムが 装備される。 着脱部 ケーシング T B 撹 拌 混 合 装 置 縦 型 回 転 攪拌翼 〔 施 工機 (専 用 撹 拌 装 置 +汎 用 バックホウ)〕 〔専用撹拌装置〕 図−1 施 工機 の構 成 1.5m 1.5m 0.6m 1.5m 1.5m 0.6m [杭式改良] [全面改良] 図−2 [格子状改良] 改 良 形 式( 平 面 図 ) 本工法の撹拌混合は、撹拌翼が縦型に回転撹拌する特徴的機構により、ばらつきの少な い良好な品質の改良体を提供できる。本工法の施工機の空頭制約は、専用撹拌装置の長さ と ほ ぼ 等 し い 8m ∼ 15m で あ り 、三 点 支 持 式 杭 打 機 を使 用 す る 従 来 工 法 に 比 べ 低 い 。ま た 、 高 ト ル ク の 油 圧 駆 動 装 置 の 採 用 に よ り 、 低 騒 音 ・ 低 振動 の 施 工 を 実 現 す る と と も に 、 撹 拌 翼 駆 動 装 置 が 専 用 撹 拌 装 置 の 下 部 に 設 け ら れ て いる こ と か ら 、 施 工 機 械 の 安 定 性 が 高 い 。 本 工 法 で は 、 専 用 の 施 工 管 理 シ ス テ ム に よ り リ アル タ イ ム で 施 工 管 理 が 可 能 で あ り 、 改 良深度、撹拌翼回転数、固化材スラリー吐出量および専用撹拌装置の傾斜角を適時管理・ 記録できる。 2.適用範囲 表− 1 適用地盤 本工法の地盤への適用性は、これまでの施工実績か 土 質 地 盤 条 件 ら 、表 − 1 に 示 す と お り で あ る 。な お 、礫 分 を 含 む 地 砂質土 N≦10 盤には留意が必要であり、改良対象土中に玉石やコン 粘性土 N≦5 (Cu≦50kN/m 2 ) クリートガラ等の障害物がある場合は、あらかじめ除 腐植土 w≦1000% 去が必要である。 本 工 法 は 、 表 − 2 に 示 す よ う に 、 施 工 機 の 機 種 を 選 定す る こ と に よ り 、 最 大 深 度 1 3 m までの改良体造成が可能である。 表− 2 機 種 ベースマシン (バックホウ) 適 用 深 度 施 工 機 の 機 種 と適 用 深 度 TB7M 35t級 標準仕様 TB9M 45t級 標準仕様 TB12M 45t級 ロングアーム仕 様 TB14M 48t級 ロングブーム仕 様 6m以 下 8m以 下 11m以 下 13m以 下 注 ) 撹 拌 翼 の幅 B は、1.0m∼1.5m(0.1m単 位 ごと)に変 更 可 能 である。 3.使用機械設備 本 工 法 で 使 用 す る 標 準 的 な 主 要 機 械 お よ び 配 置例 を 図 − 3 に 示 す 。 ス ラ リ ー 供 給 設 備 の 機 材 は 全 て の 施 工 機 と も 共 通 で あ り 、 そ の 所 要面 積 は 約 120m 2 で あ る 。 図−3 標準的な主要機械および配置例 4.施工手順 本 工 法 の 概 略 施 工 手 順 は 図 − 4 に 示 す と お り であ る 。 な お 、 固 化 材 ス ラ リ ー は 貫 入 時 か ら引抜き時まで連続的に吐出される。施工機が走行する施工基面は、専用攪拌装置の鉛直 性 ( 左 右 方 向 ) を 確 保 す る た め 、 平 坦 に 整 地 す る 必 要が あ る 。 施工基面 設計の改良深度 図−4 概 略施 工 手 順 5.施工管理システム 本工法の施工機には、改良の精度および品質を確保するため、施工管理項目ごとに専用 の 検 出 器 が 装 備 さ れ て い る 。 運 転 席 の オ ペ レ ー タ は 、モ ニ タ 画 面 に 表 示 さ れ る 計 測 値 等 に より、リアルタイムに施工状況を把握しながら施工機等の操作ができる。また、施工管理 結 果 は デ ー タ ベ ー ス に 記 録 さ れ る と と も に 、 作 業 日 報お よ び 施 工 デ ー タ グ ラ フ と し て 所 定 の様式で印刷できる。 施工機に装着した施工管理機器の配置状況を写真−1に示す。 ・深度用検出器具 ・傾斜検出 深度検出器 流量検出 回転検出器 モニタ画面 [専用攪拌装置] 写真−1 [ ベ ース マ シ ン : 汎 用 バ ッ ク ホ ウ ] 施工機に装備された施工管理用機器
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