最終 - 大分県

平成28年度大豆(フクユタカ)作況判定試験(最終概況報告)
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa平成28年12月28日
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa大分県農林水産研究指導センター
aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa農業研究部水田農業グループ
【標準播区(7月7日播種)】
開花期は平年より4日早かったが、成熟期は平年よりも7日遅かった。
主茎長、主茎節数及び分枝数は平年を下回った。
稔実莢数は平年を上回り(平年比:124)、百粒重は平年並(平年比:98)、子実重は35.2
kg/aで平年を上回った(平年比:119)。
検査等級は大粒で1等中、中粒で2~3等であった。
【晩播区(7月22日播種)】
開花期は平年並であったが、成熟期は平年より18日遅かった。
主茎長は平年並、主茎節数及び分枝数は平年を下回った。
稔実莢数は平年をやや上回り(平年比:107)、百粒重は平年並(平年比:99)、子実重は
27.6kg/aで平年並であった(平年比:101)。
検査等級は大粒で2等、中粒は3等であった。
1.気象概況(7月1半旬~11月6半旬
1)気
宇佐市北宇佐観測値
標高30m)
温:7月1半旬~8月5半旬は、7月3半旬~5半旬を除き、平年を上回って推移した。8月
6半旬に平年を下回り、その後9月5半旬まで平年並~やや高く推移した。9月6半
旬~10月6半旬までは10月3半旬を除き平年を上回って推移し、11月上旬は平年を
下回った後、中下旬は上回って推移した。
平均気温の平年差(℃) 7月:+1.1、8月:+1.3、9月:+0.7、10月:+2.1、
11月:+0.4、期間中:+1.1
2)降 水 量:7月2・3半旬に平年を上回る降雨があった後、7月4半旬~8月5半旬まではごくわ
ずかな降雨がみられたのみであった。8月6半旬~9月6半旬までは、9月1・6半旬を
除き平年を上回る降雨があり、10月1~4半旬の降水量は平年をやや下回る~下回
った。10月5半旬~11月4半旬は、11月1半旬を除いて平年を上回る降雨があり、
下旬は平年を下回る降水量となった。
平年比 7月:59、8月:33、9月:226、10月:122、11月:110、期間中:110
3)日照時間:7月2・3半旬は平年を下回り、7月4半旬~8月5半旬を上回って推移した。8月6半
旬以降、9月2半旬、10月2半旬、11月1半旬を除き、平年を下回って推移した。
平年比 7月:105、8月:120、9月:60、10月:67、11月:86、期間中:87
2.生育・収量・品質概況
【標準播区(7月7日播種)】
播種後の適度な降雨によって出芽は良好で、出芽日数は短くなった(平年差:-3日)。主茎長
及び葉数は播種15日後は平年を上回っていたが、播種30日後では平年を下回り、その後概ね平
年並となった。分枝数は生育期間を通じて平年を上回って推移した。播種60日後の調査ではLAI
は平年を上回り、乾物重は平年をやや上回った。
開花期は8月18日で平年より4日早く(播種後日数では平年並、平年差:-1日)、成熟期は11月
18日で平年よりも7日遅かった(播種後日数では平年差+10日)。
収穫時の主茎長は平年を下回り(平年比:87)、主茎節数及び分枝数は平年を下回った(主茎
節数同差:-3.2、分枝数同比:88)。稔実莢数は平年を上回り(同比:124)、百粒重は平年並
であった(同比:98)。子実重は35.2kg/aで平年を上回った(同比:119)。子実重のうち大粒
の占める割合は69.7%と平年並であった(同差:-0.8)。
検査等級は大粒では1等中であったが、中粒は虫害や褐斑粒、裂皮粒の発生により2等~3等で
あった。被害粒の発生程度は、虫害は平年並、褐斑粒は平年よりやや上回り、裂皮粒は平年を
下回った。
[まとめ]
出芽は良好であった。7月下旬から8月下旬までほぼ降雨がなく畝間灌水を4回(7/28、8/3、
9、18)実施したことから、期間を通じて十分な生育量が確保され、LAIも高かったことから
莢数は平年を上回った。子実肥大期は寡日照傾向であったが、百粒重は平年並、子実重は平
年を上回る結果となった。
【晩播区(7月22日播種)】
播種後に降雨がなかったため、出芽前より畝間灌水を4回行った。出芽日数は平年より遅かっ
た(平年差:+3日)が、出芽は良好であった。主茎長は平年を下回って推移したが、播種60日
後の調査では平年並となった。葉数及び分枝数は生育期間を通じて平年をやや下回って推移し
た。播種60日後のLAIは平年を上回ったが、乾物重は平年を下回った。
開花期は9月2日と平年並(播種後日数では平年より遅い、平年差:+3日)で、成熟期は平年
より18日(播種後日数では+20日)遅かった。
収穫時の主茎長は平年並で(平年比:98)、主茎節数及び分枝数は平年を下回った(主茎節数
:同左-1.9、分枝数:同比63)。稔実莢数は平年を上回り(同比:107)、百粒重は平年並であ
った(同比:99)。子実重は27.6kg/aで、平年並となった(同比:101)。
子実重のうち大粒の占める割合は59.0%と平年を下回った(同差:-4.2)。
検査等級は、大粒では褐斑粒、裂皮粒、虫害の発生により2等であり、中粒も大粒と同様の理
由により3等であった。被害粒の発生程度は褐斑粒は平年を上回り、裂皮粒,虫害は平年をやや
下回った。
[まとめ]
播種後降雨がなく、出芽前に標準播と同時期に灌水を実施した。生育初期は生育量が少な
かったが、播種60日後では平年並に回復し、莢数は平年をやや上回った。子実肥大期は寡日
照傾向が続いたが、稔実莢数は平年を上回り、百粒重は平年並、子実重は平年並となった。
【その他】
病害虫については、ハスモンヨトウの発生は平年より多く、カメムシ類は平年並であった。
5.試験方法
1)供 試 品 種
2)播種期(基準日)
フクユタカ
標準播区:7月7日(7月10日±5日)
晩 播 区:7月22日(7月25日±5日)
3)生 育 調 査 時 期 播種後15日、30日、45日、60日、成熟期
4)耕 種 概 要
(1)圃 場 条 件 前作水稲-大麦
(2)栽 植 密 度 標準播区-14.3本/㎡(条間70cm×株間20cm)
晩 播 区-19.0本/㎡(条間70cm×株間15cm)
1株2本(3粒手播、出芽後2本仕立)
(3)施 肥 体 系 苦土石灰100kg/10a、N-P-K:0-8-8(kg/10a)、基肥のみ
(4)中 耕 培 土 2回
3葉期(標準播区 7月28日、晩播区 8月16日実施)
5葉期(標準播区 8月8日、晩播区 8月23日実施)
(5)畝 間 灌 水 7月28日(晩播区は出芽前)、8月3日、9日、18日に計4回実施
(6)病害虫防除 標準播区
7月 5日 クルーザーMAXX 種子塗沫 (種子消毒)
7月 6日 ダイアジノン粒剤5 土壌混和 (土壌害虫対象)
8月10日 プレバソンフロアブル5散布(ハスモンヨトウ防除)
9月 1日
アミスター20フロアブル、キラップフロアブル散布
(カメムシ、紫斑病防除)
晩播区
7月20日 クルーザーMAXX 種子塗沫 (種子消毒)
7月21日 ダイアジノン粒剤5 土壌混和 (土壌害虫対象)
標準播区・晩播区共通
9月 8日
9月16日
プレバソンフロアブル5散布(ハスモンヨトウ防除)
アミスター20フロアブル、スタークル液剤10散布
(紫斑病、カメムシ防除)