海外安全対策情報 (2016年7月~9月) 在ラスパルマス領事事務所 1 社会・治安情勢及び一般犯罪・凶悪犯罪の傾向 (1)犯罪発生状況 スペイン内務省が発表した2016年1月から6月の一般犯罪統計によ ると,カナリア自治州における総犯罪件数は4万4,067件で前年同時期 に比べ3.0%減少した。特徴としては、2015年同時期と比べ、特に 住宅・車両侵入窃盗件数が6.6%と大幅に増加したことが挙げられる。 犯罪種別の内訳は以下のとおり(件数)。 窃盗(スリ、置き引き等) 15,742(前年比 強盗(暴力や脅迫を伴う窃盗) 761( 同 (住宅・車両侵入窃盗) 1,716( 同 (自動車・バイク窃盗) 816( 同 薬物犯罪 301( 同 傷害 3,526( 同 殺人 10( 同 1.0%増) 0.8%減) 6.6%増) 1.6%減) 1.3%増) 3.2%減) 0.0%減) (2)県別状況 カナリア自治州全体の犯罪発生件数は3.0%減少。県別に見ると、ラス パルマス県では住宅車両進入強盗が19.5%、薬物犯罪が17.8%そ れぞれ増加、サンタクルス デ テネリフェ県では、暴力や脅迫を伴う窃盗 が11.9%、薬物犯罪が20.3%と、それぞれ大幅減少となった。 また、カナリア自治州2県都を比較すると、ラスパルマス デ グランカ ナリア市では犯罪件数合計が0.8%の減少に止まる中、サンタクルス デ テネリフェ市では前四半期に続いて、16.7%の大幅減少となった。 (3)薬物等に関わる事案 治安警備隊は8月21日、ブラジル南部サントス港からラスパルマス港 レオン イ カスティージョ埠頭に到着したコンテナ船から砂糖の搬送用袋 9袋に入った287キロのコカインを押収。荷揚げに従事していた荷役業 者1名を逮捕した。市場での売買推定価格は1千万ユーロと見られている。 同コンテナはアフリカ大陸向け経由用として荷積みされる予定であった ため、治安警備隊は最終目的地について捜査を進めている。 (4)邦人被害事案 特になし。 2 テロ・爆弾事件発生等の状況 モロッコの内務大臣が、9月にブリュッセルを訪問し、EU の移民担当委員 長と会談。 その際、カナリア諸島が、ジブラルタル海峡経由と共に、欧州出身のイス ラム国(IS)聖戦士の EU 域内帰還ルートとなっていると警告。 欧州テロ対策センター(ECTC)作成の2014年から2015年の報告に よると、IS へは世界104カ国から3万人が参加。内4千人が欧州出身者で あり、その内30%が出身国へ戻っている。 加えて今年の2月には、欧州対外国境管理協力機関(Frontex)がカナリ ア諸島を難民の新たな EU 入域ルートとして位置づけ。 過去数ヶ月間に数隻の小船が対外管理システム(SIVE、於:ラスパルマス 県)の監視に確認されることなくカナリア諸島内の浜辺へ漂着した事実から も、SIVE の監視能力の欠陥が指摘されている。 3 誘拐・脅迫事件発生状況 邦人被害の事件は認知していない。 4 日本企業の安全に関わる諸問題 特になし。 以上
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