文 論 ﹁代 理 出 願 ﹂ 契 約 と 東 京 電 気 の組 織 能 力- は じ め に - 戦前 に お け る G E の国 際 特 許 管 理 一 西 村 成 弘 特 許 管 理 に つ い てほ と んど 明 ら か にさ れ て いな い。特 許 は 出 願 さ れ 登 録 さ れ る だ け では そ れ 自 体 何 ら 利 潤 を 生 むも の で は なく 、 業 が 特 許 制 度 を 利 用 し て利 潤 を 得 る た め に は 、出 願、 保 全 、権 (Generaむ l し ろ所 有 者 に 出 願 費 用 や特 許 料 な ど の費 用負 担 を 強 いる 。 企 Ee 、c 以t下 rG iE cとC p戦 a前 ny 略o )mの にお け る 国 際 的 な 特 本 稿 の 課 題 は 、 米 ゼ ネ ラ ル ・エ レ ク ト リ ッ ク 社 先 の国 に お いて も 特 許 管 理 が な さ れ な けれ ば な ら な い。 特 許 管 理 が 必 要 であ る 。 ま た 企 業 活 動 が 海 外 へと 展 開 す る場 合 、進 出 利 侵 害 の救 済 と 防 禦 、 特 許 契 約 、 ラ イ セ ン ス契 約 など の特 許 管 G E は 戦 前 、白 熱 電球 か ら発 電機 に いた るま で多 数 の 日本 特 許 許 管 理 活 動 に つ いて 、 日本 の事 例を 明 ら か にす る こと であ る。 を 取得 し特 許 管 理活 動 を 行 って いた が、 本 稿 は 白 熱 電 球 分 野 に 理 の側 面 か ら 企 業 経営 史 を 分 析 す る こと に よ って こそ 、 特 許 戦 ら か にす る こと 、 日本 電 球 産 業 の再 編 が G E の特 許 管 理 活 動 に 第 一の 課 題は 、 第 一次 大 戦 期 ま で のG E の特 許 管 理 活 動 を 明 の実態 を 明 ら か にす る 。 本稿 で は 三 つの課 題 を 設定 し 、 日本 にお け る G E の特 許 管 理 明 ら か に でき 得 ると 筆 者 は考 え て いる。 略 と 経営 組 織 のあ り方 や 、 国 際的 な 企業 間 関 係 の展 開 を 十 分 に お け る活 動を 中 心 に分 析 を 行 う 。 戦前 G E が主 要 な 外 国 企 業 と の間 に特 許 協 定 を 締 結 し て いた こと 、 そ の基 礎 と し て世 界 各 国 に対 し て特 許 出 願 を 行 って いた こと はす で に指 摘 さ れ て い る。 ま た 、 国 際 特 許 出 願 と いう 現 象 し て いる こと を 指 摘 す る 研 究 も 存 在 す る 。 し か し な が ら 、 先 行 自 体 に着 目し 、 そ れ が 多 国 籍 企 業 によ る 技 術 支 配 と 密 接 に 関 連 研 究 では 、 企 業 が 国 内 あ る いは 国 外 で行 う 経 営管 理機 能 で あ る 28 ( ( ) お よ び 富 田 徹 男 氏 に よ って指 摘 さ れ て い る 。 キ ャ ント ウ ェル は ァ メ リ カ 合 衆 国 特 許 商 標 庁 ) の ガ ゼ ット を 調 査 し 、 G E が ァ よ って行 わ れ た こと を 明 ら か に す る こ と で あ る 。 こ れま で に G メ リ カ に お いて取 得 し た 特 許 の発 明 者 の国 籍 が ア メリ カ 以 外 の E の特 許 戦 略 は 、 東 京 電 気 の経 営 発 展 を 分 析 し た 研 究 の な か で 部 分 的 に明 ら か にさ れ てき て いる( 。4 こ) れ ら の研 究 は 主 に東 京 電 在 職 し ﹃工業 所有 権 制 度 百 年 史 ﹄ 編 纂 に携 わ った 富 田 氏 は 、 東 多 数 の国 に拡 散 し て い る こと を 指 摘 し 、 一九 三 〇 年 代 に お け る 京 電気 など 日本 企業 が取 得 した 日 本 特 許 のな か に多 数 の ﹁発 明 気 によ る G Eか ら の技 術 導 入 に 焦 点 を 当 て て お り 、 こ の視点 か 明 ら か にす るも の であ り 、 G E の日 本 に お け る 全 般 的 な 特 許管 者 外 国 人﹂ の特 許 が含 ま れ て いる こと を 発 見 し た 。 氏 は こ の現 ら G E の特 許 戦 略 の分 析 を 行 って いる 。 し か し 先 行 研 究 は 東京 理活 動 に つ いては 明 ら か にさ れ て いな い。 同 様 に、 市 場 に 現 れ 象 を特 許 カ ル テ ル に よ る技 術 移 転 方 法 であ る と し 、 技 術 移 転 の 研究 は 同様 の 調査 を 日本 を 対 象 に行 った も の であ る( 。7 特) 許庁に た東 京 電 気 の企 業 行 動 の みを 見 てG E の特 許 管 理 を 見 な いも の 評 価 に お いて ﹁発明 者 外 国 人 ﹂ 特 許 を 含 め て考 え る必 要 性 を 説 多 国籍 企 業 の 国際 的 R & D活 動 の存 在 を 論 じ て いる( 。6 富) 田氏 の と し て、 第 一次 大 戦 期 にお け る 電 球 産 業 の集 中 は 東 京 電 気 に よ か れ て いる 。 し か し キ ャ ン ト ウ ェ ル、 富 田 両 氏 の研 究 で は 、 電 気 に対 す る特 許 の使 用 許 諾 、 す な わ ち 東 京 電 気 の製 造 ・販売 って主 導 さ れた と いう 通 説 が あ る( 。5 こ)の通 説 も 集 中 の過 程 で 行 活 動 を 通 し て G Eが 日本 特 許 を いか に活 用 し た か と いう 側 面 を わ れた G E の特 許 管 理活 動 を 見 れ ば 、 そ れ が G E の主 導 によ っ ﹁発 明 者 外 国 人 願﹂ と は 、東 京 電 気 が G E の 日本 特 許 を G E に代 わ って出 願 ・ は ﹁代 理 出 願 ﹂ 契 約 と 呼 ば れ る条 項 が 含 ま れ て いた。 ﹁代 理 出 下 I G E C と略 )と の協 定 に取 って代 わ ら れ た が 、 こ の協 定 に ト リ ック 社 ( 、以 一九 年 に G E の子 会 社 イ ン タ ー ナ シ ョナ ル ・ゼ ネ ラ ル ・エ レク 開 発 の組 織 能 力 に は 特 許管 理能 力 の向 上を 含 めな け れば な ら な 究 開 発 組 織 の拡 充 の側 面 を指 摘 さ れ て お ら れ る が 、筆 者 は 技 術 技 術 開 発 の組 織 能 力 の向 上 にあ ったと 論 考 さ れ て いる。 (8 氏) は研 分 析 さ れ 、 一九 二 〇年 代 に東 京 電 気 が経 営 を 発 展 させ た 要 因 は 氏 は 東 芝 社 史 編 纂資 料 を 使 用 し、 東 京 電 気 の経 営 発 展 に つ い て へ の特 許管 理 機 能 の移 転 を 明 らか にす る こと であ る。 長 谷 川 信 第 三 の課 題 は 、 一九 二 〇年 代 初 頭 に おけ るG Eか ら 東 京 電 気 な い。 そ れ が 経営 管 理 上何 を 意 味 す るか に つ いては 明 ら か にさ れ て い ﹂ の 特 許 が ど のよ う な 目 的 で出 願 さ れ た のか 、 てな さ れ た こと が明 ら か にな る であ ろう 。 第 二 の 課 題 は 、戦 間期 にお け る国 際 特 許 管 理 の方 法 を 明 ら か 取 得 す る 特 許 管 理 の方 法 であ る 。 ﹁代 理 出 願 ﹂ は こ れ ま で ほ と にす る こと であ る。 G Eと 東 京 電 気 と の間 の特 許 協 定 は 、 一九 んど 明 ら か に さ れ て こ な か った が 、 そ の存 在 は キ ャ ント ウ ェル 29 第37巻第3号 経 営史学 文 論 いと 考 え て い る。 企 業 は 、 特 許 部 門 を 確 立 す る こ と に よ って開 1 国際 特 許 出 願 に お け る 日本 の位 置 日本 の特 許制 度 は 二八 八 五年 の専 売 特 許 条 例 の制 定 には じ ま 二 る機 能 を 得 る こと にな るか ら であ る 。 本 稿 では 一九 二 一年 にお る が 、 しば らく の間 は外 国人 が出 願 、 登 録 す る こと は 実 質 的 に いた 。 第 二は内 外 人平 等 の 原 則 であ る。 こ の原 則 は 、 条 約 加 盟 一八 九 九年 に加 盟 し た パ リ条 約 は 、次 の 三 つの原 則 を 持 って 同盟条約 ( パ リ条 約 ) に加 盟 し て以 降 であ る。 で き る よう に な った の は 、 日本 が 一八九 九 年 に 工業 所 有 権 保 護 日 本 に対 す る特 許 出 願 け る 東 京 電 気 の特 許 部 門 の設 置 と 確 立 を 、 ﹁代 理 出 願 ﹂ 契 約 に 不 可 能 で あ った。 外 国 人 が 日本 に お い て特 許 出 願 を 行 う こと が 発 し た技 術 を 権 利 化 す る機 能 だ け でな く 、 技 術 開 発 を 促 進 さ せ 国 際特 許管 理 組 織 を 明 ら か にす る。 伴 う 特 許 管 理 機能 の移 転 と し てと ら え 、 戦 間 期 に お け る G E の 本稿 の特 徴 は 、企 業 の戦 略 と 組 織 を 特 許 の側 面 か ら 追 跡 す る こ と に あ る。 筆 者 は、 G E お よび 東 京 電 気 の特 許 を 調 べる にあ 国 の国 民 は 他 の 加 盟 国 に お いても そ の国 民 に要 求 さ れ て い る手 た り 、農 商 務 省 特 許 局 発 行 の ﹃ 特許公報﹄および ﹃ 特許発明明 細 書﹄ を使 用 し た。 ま た 、 G Eと 東 京 電 気 と の間 の契 約 内 容 と 続 に 従え ば 同 一の条 件 で 工業 所有 権 を 取 得 でき ると いう 内 国 民 に他 の加 盟 国 に 出 願 し た 場 合 は 、 最 初 の出 願 日 が そ の国 に対 す 東 京 電 気 の特 許 管 理活 動 に つ いて は、 元 東 京 芝 浦 電 気 株 式 会 社 る 出 願 日 と み な さ れ る も ので あ り 、 同 一の特 許 が他 の加 盟 国 で 待 遇 を 定 め たも の で あ る 。第 二 は 優先 権 の原 則 であ る。 優 先 権 本 稿 の叙 述 は 次 の通 り行 う 。 二で は 、 日本 にお け る白 熱 電 球 出 願 さ れ ても 不 利益 を 受 け な いと いう 原則 であ る。 こ れ ら第 一 常 務 取 締役 関晴 雄 氏 、 元同 社 特 許 部 長 小 津 厚 二郎 氏 、 元 同 社 特 分 野 の特 許 取得 状 況 と そ の特 質 を諸 外 国と 比 較 し な が ら 明 ら か と は 加 盟 国 の 一国 に 最 初 に 出 願 し た 日を 基 準 と し て 一定 期 間 内 に す る 。 三 で は 、 タ ング ス テ ン電球 特 許 の所 有 と 管 理 の主 体 を であ る 。 第 三 は 特 許 独 立 の原 則 で あ る。 特 許 独 立 の原 則 と は 、 と 第 二 の原 則 は 、 特 許 の国 際 出 願 を 促進 さ せ る 上 で必 要 な条 件 許部 ( 知 的 財産 部 )技 監 高 橋 甫 氏 から の ヒ ア リ ング によ って情 明 ら か にす る と と も に 、 タ ング ステ ン特 許 裁 判 と 電 球 産 業 集 中 報を得た。 の過 程 を 特 許 管 理 の側 面 か ら 明 ら か に す る。 最 後 に 四 で は 、 の設 立 を 見 る な か で 、 G E か ら 東 京 電気 への特 許 管 理 機 能 の移 理 の特 徴 を 明 ら か に す る と と も に 、東 京 電気 に おけ る特 許 部 門 ﹂ 契 約 の内 容 か ら 戦 間 期 に お け る G E の 国 際 特 許 管 効 では な く 、 同 一の発 明 を 日 本 で特 許化 し よう と し た場 合 、 日 れ た と し ても 、 そ の効 力 は アメ リ カ の主 権 が 及 ぶ領 域 で し か有 いと いう 原 則 であ る 。 た と え ば あ る 発 明 が ア メ リ カ で特 許化 さ 同 一の特 許 が 複 数 の国 で登 録 さ れ た と し ても 、相 互 に 関 係 が な ﹁代 理 出 願 転 を 述 べる 。 30 ネ ル ンス ト電 球 、GEM電 2. フ ィラ メ ン トの 形 状 、 フ ィラ メ ン ト支 持 装 置 、 光 燭切 換 装 置 、球 の構 造 を含 め た 。 3. ゲ ッ ター 、 導 入 線 、 ベ ー ス を 含 め た 。 本 でも 特 許 出 願 手 続 を 行 わ な け れば な ら な い。 日本 政 府 は パ リ 条 約 加 盟 に対 応 し て 国 こ のと き 制 定 さ れ た 特 許 法 は 明 治 三 二年 内 法 の整 備 を す す め 、 特 許 法 を 改 正 し た 。 特許法と呼ばれ、外国人は国内に住所を 有 す る 代 理 人 の選 定 を 行 え ば 、 日 本 に 特 許 出 願 でき る こと が 規 定 さ れ た 。 ま た 明 治 三 二年 法 で は 優 先 権 に 関 す る 規定 が 設 けられ、ここに外国人が日本に対して特 許を出願、取得する法整備がなされた。 ひ と た び 日 本 の特 許 制 度 が 外 国 に 対 し て開 か れ る と 、 外 国 人 や 外 国 企 業 は 、 さ ま ざ ま な 発 明 を 日 本 に 対 し て特 許 出 願 し 始 め た 。 当 時 、 電 球 分 野 は 技 術 開 発 が各 国 で活 発 に 行 わ れ て いた 分 野 の 一つで あ り 、 日 本 に お い ても多 数 の電 球 関連 特 許 が 出 願 さ れ た 。 日 本 に 出 願 さ れ た 電球 関 連 特 許 のう ち 外 国 人 に よ る 出 願 の傾向 を 表 し た のが 、 表 1 であ る 。 出 願 の 傾向 を 見 る と 、 一八 九 九 年 の日 本 のパ リ条 約 加 盟直後から出願が開始されたことがわか る 。 ま た 外 国 人 の出 願 特 許 に は 、当 時 の 31 特 許 明 細 書 よ り作 成 。 出 所) 出願 まで(件) 白熱 電 球 特 許 の技 術 分 布(外 国 人発 明):1918年 表1 球 、 カ ー ボ ン と金 属 を 合 わせ た フ ィ ラ メ ン ト。 1. 注) 第37巻第3号 経営史学 特 許 明細 書 よ り作 成 。 出 所) 同 じ。 表1に 注) 出願 まで(件) 白熱 電 球 特 許 の技 術 分 布(日 本 人発 明):1918年 表2 文 論 白 熱 電 球 開 発 の特 徴 を 反 映 し て 、 電 球 の 基 幹 部 品 であ る フィ ラ メ ント に 関 す る 出 願 が 多 い。 フ ィラ メ ント 関 連 の 特 許 は 一 九 一八 年 ま で の出 願件 数 七 九件 のう ち 半 メ ント の他 にも 、 ゲ ッタ ー や導 入 線 な ど 、 数 以 上 の四 二件 に のぼ っ て いる 。 フィ ラ 電 球 の主 要 部 品 に 関 す る 発 明も 多 く 出 願 これ に対 し て、 日 本 人 発 明 に よ る 白 熱 された。 電 球 特 許 の出 願 傾向 を 表 し た の が 表 2 で あ る 。 日 本 人 発 明 の最 初 のも の は 、 廣 瀬 新 によ って 一八 八 九年 に 出 願 さ れ た 特 許 第 九 九 九 号 であ る 。 こ の発 明 は カ ー ボ ン 電 球 に関 す る も ので あ る が 、 ど の程 度 の 効 力 を 有 し て いた か は 不 明 で あ る 。 廣 瀬 の出 願 後 、 日本 人 発 明 に よ る 出 願 は 一五 年 間 ほ ど 行 わ れ て いな い。 日 本 人 発 明 の 出 願 は 一九 〇 五 年 か ら 徐 々に 始 ま る が 、 で あ った。 例 え ば 、 バ ル ブ 内 に カ ー ボ 最 も 多 い発 明 は 電 球 の構 造 に 関 す る も の ン ・フ ィ ラ メ ント を 複 数 本 配 置 し 、 切 換 装 置 によ って燭 光 を 切 り 換え る と いう 変 燭 電 球 に関 す る 発 明 で あ る 。 世 界 的 な 技 32 でに 一〇 件 の出 願 が あ る のみ で あ り 、 同期 間 に お け る外 国人 出 術 革 新 の焦 点 で あ った フ ィラ メ ント に 関 し て は 、 一九 一八年 ま G E M電 球 の フ ィ ラ メ ント は 炭 素 を 非 常 な 高 温 で 処 理 し て金 属 一九 〇 四年 には G E によ る 一連 のG E M 電 球 が 特 許 出 願 さ れ た 。 メ ント を 用 いた ウ ィリ ア ム ・ヴ ォル カ ー の電 球 が 出 願 さ れ た。 六年 か ら 一九 〇 九 年 に は シ リ コ ン ・カ ー バ イ ド を 用 い た パ ー 化 さ せた も の で、 後 に東 京 電 気 が 生 産 と 販 売 を 行 った 。 一九 〇 願 の四 二件 と 比 較 す る と 、 四 分 の 一の件 数 で あ った。 日 本 に出 願 さ れ た 外 国 人 発 明 の特 許 の技 術 的 内 容 に つ いて さ に区 別 し て い る。 そ の他 の 種 類 の フ ィ ラ メ ン ト と は 、 カ ー ボ カ ー ボ ン ・フィ ラ メ ン ト にか わ る新 し いフ ィ ラ メ ント の開 発 ( 1 ) ユス ト = ハナ マン特 許 2 カ ーと ク ラ ー ク の電 球 が 出 願 さ れ て い る。 ら に詳 し く 見 よ う 。 前 出 表 1は フィ ラ メ ント に 関 す る発 明を さ ら に カ ーボ ン ・フ ィ ラ メ ント の発 明 、 タ ング ステ ン ・フィ ラ メ ン ・フ ィ ラ メ ント か ら タ ング ス テ ン ・フ ィ ラ メ ント へ の発 展 の は ヨー ロ ッパ に お け る タ ン グ ス テ ン ・フ ィ ラ メ ント の成 功 で新 テ ン ・フィ ラ メ ント が 開 発 さ れた 。 こ れま で の研 究 では 、 タ ン ン ツ ・ハナ マン ( Franzan H m a an) に よ って 実 用 的 な タ ング ス タ ン グ ス テ ン電 球 の開 発 と 日 本 特 許 過 渡 期 に生 み出 さ れ た も の であ る 。 表 1に よ る と 、 日 本 が パ リ た な 段 階 に 入 った 。 一九 〇 四年 に ウ ィ ー ン 工科 大 学 の研 究 者 で ント の発 明 、 そ の他 の種 類 の フ ィ ラ メ ント に 関 す る 発 明 の三 つ 条 約 に加 盟 した 直 後 から 過 渡 期 の フ ィ ラ メ ント に関 す る 発 明 が あ った ア レ ク サ ン ダ ー ・ユ ス ト (D r .Alexand er ン電 球 の基 本特 許 と いわ れ る エジ ソ ン の特 許 は ア メリ カ で 一八 グ ス テ ン電 球 の基 本 特 許 と いわ れ る こ の ユス トと ハナ マン の特 Jt) s uと フ ラ す る特 許 出 願 は ほと んど なさ れ て いな い こと がわ か る 。 カ ーボ 継 続 的 に出 願 され て おり 、 他 方 で カー ボ ン ・フ ィ ラ メ ント に 関 す る フィ ラ メ ン ト素 材 の 開発 に移 って いた 。 こ の流 れ は 日本 の 九 七年 に失 効 し て お り( 、1 世7 界) 的 な 開 発 の流 れ は カ ーボ ン に代 替 許 制 度 は 各 国 ご と に 独 立 し てあ る の で 、 日本 の 場合 に つい て は 許 が 各 国 で支 配 的 な 効 力 を 持 って いた と考 え ら れ て いるが 、 特 日 本 に 出 願 さ れ た 過 渡 期 の フィ ラ メ ント に 関す る特 許 には 、 ス テ ン特 許 の技 術 的 内 容 を 明 ら か に し 、 そ れ ら が 日 本 に対 し て 独 自 な 研 究 が 必 要 で あ る 。 こ こ で は 、 欧 米 で 開発 さ れ た タ ン グ 特許 出 願 状 況 にも 直 接 的 に反 映 さ れ て いた の であ る。 次 のも のが あ った 。 一八 八九 年 か ら 一九 〇 二年 にか け てネ ル ン ど のよ う に出 願 、 登 録 さ れ た か に つ いて 、 欧 米 諸 国 に おけ る場 スト 電 球 に 関 す る 特 許 が 三件 出 願 さ れ た。 ネ ル ン ス ト球 は ゲ ッ テ ィ ンゲ ン大 学 のネ ル ン スト博 士 が 開発 し たも の で、 発 光 体 を 合 と 比 較 し て明 ら か にす る 。 白 熱 電 球 の フ ィ ラ メ ント に融 点 の高 いタ ング ステ ンを利 用す 高 温 に 熱 し 電 気 を 通 す こ と で白 色光 を 発 す る も の であ った。 一 九 〇 〇 年 か ら 一九 〇 二年 に は チ タ ニウ ム ・カ ー バ イ ド の フィ ラ 33 第37巻第3号 経営史学 文 論 ンを 実 際 に ワイ ヤ 状 と す る こと には 大 き な 困 難 があ った 。 カ ー ると いう 考 え 方 は 早 く か ら 知 ら れ て いた よ う だ が 、 タ ング ス テ ク ー リ ッジ の引 線 ( 延 性 ) タ ン グ ス テ ン ・フ ィ ラ メ ント に対 し ル ガ ムを 揮 発 さ せ ると いう 方 法 であ る( 。2 こ4 れ)ら の方 法 に よ って の ア マルガ ムを ダ イ スを 通 し て射 出 成 形 し 、 高 温 で 熱 し て ア マ て押 出 ( 非 延 性 ) タ ン グ ス テ ン ・フ ィ ラ メ ント と 呼 ば れ る 。 ユ 製 造 さ れ た タ ン グ ス テ ン ・フ ィ ラ メ ント は 、 後 に 開 発 さ れ る ス トと ハナ マン、 ク ツ エル、 ブ ラ ウ、 クー リ ッジ は そ れ ぞ れ 自 ボ ン ・フ ィ ラ メ ント にか わ る タ ング ス テ ン ・フィ ラ メ ント の開 と ハナ マンは 一九 〇 四年 に タ ング ス テ ン ・フ ィラ メ ント を 製造 ら が発 明 し た押 出 フ ィ ラ メ ント に関 し 、 主 要 な 国 に特 許 出 願 を 発 に最 初 に成 功 し た のは 、 ユ スト と ハナ マ ンであ った 。 ユ スト ラ メ ン ト に タ ング ス テ ンを 堆 積 さ せ 、 そ の後 カ ー ボ ンを 分 解 し す る 二 つの化 学 的 プ ロセ スを 開 発 し た 。 一つは カ ー ボ ン ・フィ 行 った。 か の発 明 が 出願 さ れ た。 ア メ リ カ の特 許 制 度 は 先 願 主 義 を と っ に ユス トと ハナ マン が特 許 出 願 を 行 い、 これ ら 以 外 にも いく つ ア メ リ カ に は 一九 〇 五年 一月 に ク ツ エ ルが 、 一九 〇 五 年 七 月 て除 去 す る堆 積 法 であ り 、 も う 一つは 粉 末 タ ング ス テ ンを 有 機 そ の 後 高 温 に 熱 し て 結 合 剤 を 除 去 す る 焼 結 法 で あ る( 。2こ 2れ )らが て お らず 先 発明 主 義 を と って いる。 (2 し5 た) が って、 これ ら 有 力 な 結 合 剤 と 混 ぜ て ペ ー スト 状 にし 、 ダ イ ス の孔 を 通 し て射 出 し 、 タ ン グ ス テ ン電 球 の基 本 特 許 を 開 発 し た と 言 わ れ る ユ スト と ハ 発 明 に 関 し て いず れ に 優先 性 があ るか 、 いず れ が 先 に発 明 さ れ ナ マン の発 明 であ る。 たも の か が審 査 さ れ 、結 局 一九 一二年 二月 二七 日 に ユ スト と ハ ア メ リ カ で特 許 化 さ れ た ユス ト = ハナ マン特 許 の請 求 範 囲 は は 優 先 性 が 認 め ら れず 、 拒絶 さ れ特 許 化 さ れ な か った( 。26) ナ マ ン の発 明 に対 し て特 許 が与 え ら れた 。 ク ツ エル や他 の発 明 し か し タ ン グ ス テ ン ・フ ィ ラ メ ン ト の 開 発 は 、 ユ ス ト と ハ ナ (Dr.Hans Kuzel ) は 同 時 期 に コ ロイ ド 状 の タ ン マ ン に よ る も の だ け で は な か った 。 ウ ィ ー ン の ド ク ト ル ・ハ ン ス ・ク ツ エ ル グ ス テ ン ・ペ ー ス ト を 作 り 、 乾 燥 さ せ て 焼 結 さ せ る 方 法 を 発 明 次 のよ う なも の で あ った 。 ﹁一、 緊 密 に 結 束 し た 金 属 状 でか つ (Dr. FriB zlau) は 、 ウ ェ ル ス バ ッ ハ の 発 明 し た オ ツ ・ブ ラ ウ ラ メ ント 。 二 、全 体 に わ た り高 い溶 解 点 を 有 し電 導 性 のあ る実 全 体 に わ た って均 質 のタ ング ス テ ンか らな る白 熱 電 球 用 の フ ィ し た 。 オ ー ス ト リ ア ・ウ ェ ル ス バ ッ ハ 社 の ド ク ト ル ・ フ リ ッ ス ミ ウ ム 電 球 を 改 良 す る 過 程 で 、 純 粋 な タ ン グ ス テ ン ・フ ィ ラ ト 。 フ ィ ラメ ント の 発 光 体 は 、 タ ング ス テ ン の緊 密 に結 束 した 、 質 的 に 純 粋 な金 属 タ ング ス テ ン か ら な る白 熱 電 球 用 フ ィ ラ メ ン メ ン ト を 製 造 す る 方 法 を 発 明 し た( 。2ア 3メ ) リ カ でも G E研 究 所 の 均 一の金 属 で あ る と いう 性質 に負 う 。 三、 濃 密 な、 緊 密 に結 束 ウ ィ リ ア ム ・D ・ク ー リ ッ ジ ス テ ン ・フ ィ ラ メ ン ト を 製 造 す る ア マ ル ガ ム ・プ ロ セ ス を 発 明 (W ilal miB.Cooli ge d) が タ ン グ し た 。 こ の プ ロセ ス は 、粉 末 タ ン グ ス テ ンと カド ミ ウ ムと 水 銀 34 熱 効 力 を も ち 、 そ の 効 率 にお い て認 知 で き る 分 解 が な い﹂。 ユ そ の後 出 願 さ れ た ハン ス ・ク ツ エル の 日本 特 許 は コロイ ド を 結 も の であ る。 ブ ラ ウ の 日本 特 許 は 焼 結 法 を そ の内 容 と し てお り 最 初 に 出 願 さ れ た押 出 タ ン グ ス テ ン特 許 は フリ ッツ ・ブ ラウ の ィ ラ メ ン ト に 関す る特 許 の 一覧 であ る。 表 3 によ ると 、 日 本 に ス ト = ハナ マン特 許 が請 求 範 囲 と し て いる も のは 非 常 に広 く 、 合 剤 と す る コ ロ イ ド ・プ ロ セ ス( 、3G1E ) の も の は ア マ ル ガ ム ・プ う であ った か 。表 3 は 日本 に出 願 さ れ た 押 出 タ ング ス テ ン ・フ お お よ そ タ ン グ ス テ ン電 球 であ れ ば す べ て こ の特 許 に 該 当 し た 。 ロセ スを 請 求 範 囲と し て いた。 (3 ユ2 ス) ト と ハナ マン の特 許 は 、 一 した タ ン グ ス テ ン金 属 か ら な る 白 熱 電 球 用 の フ ィ ラメ ント 。 そ G Eは 自 らも ア マル ガ ム ・プ ロ セ ス の発 明 を 行 いな が ら 、 他 方 九 〇 七年 に 出 願 さ れ た第 一三六 一二号 であ った が 、 これ は ア メ の溶 解 点 は摂 氏 約 三 二 〇 〇度 で、 燭 力 あ た り 一ワ ット 以 下 の白 で ア メ リ カ に出 願 中 の ユスト = ハナ マ ン特 許 を 一九 〇 九 年 に 二 リ カ で成 立 し た ユス ト = ハナ マン特 許 と 同 じ 請 求 範 囲 を も つ特 五万 ド ル で買 収 した( 。28) しか し ユス ト = ハナ マン特 許 が 広 範 な 権 利 を も つ基 本 特 許 で テ ンな ど で被 膜 し て 通電 し 、白 熱 化 し 、 コア部 分 の炭 素 を タ ン 許 で は な か った 。 こ の特 許 は ユスト と ハナ マンが ド イ ツ で特 許 グ ステ ンに完 全 に吸 収 さ せ 、 そ の後 で加 熱 し て炭 素 を 除 去 す る 化 し た 堆 積法 を改 良 し たも の で、 カ ーボ ン ・ワイ ヤを タ ング ス ユス トと ハナ マン の発 明 は イ ギ リ ス、 フ ラ ン ス、 ド イ ツ、 オ ー ハナ マン の特 許 が全 面 的 な 勝 利 を お さ め た わ け では な か った 。 ス ト リ ア など に特 許 出願 さ れ た 。 これ ら の諸 国 では ユ スト と ハ あ った の は 、 ア メ リ カだ け であ った 。 ヨー ロ ッパ では ユ スト と ナ マン が発 明 し た堆 積 法 に対 し ては 特 許 が 与 え ら れ た が 、 も う ロ ッパ 諸 国 と 同 じよ う に 、強 力 な 基 本 特 許 が 存 在 せ ず 、 代 替 的 な 押 出 タ ング ステ ン特 許 が並 存 し 競 合 し合 う と いう 状 況 にあ っ 方 法 を 特 許化 し たも の であ った( 。3 こ3の )よう に、 日本 も 大 陸 ヨー は拒 絶 さ れ 、 ウ ェル ス バ ッ ハが 出 願 し て いた 焼 結 法 が 優 先 さ れ 一つの方 法 であ る焼 結 法 に関 し ては 、 ド イ ツ、 オ ー スト リ ア で た。 ド イ ツなど 大 陸 諸 国 では 広 い基 本 的 な 特 許 請 求 範 囲 を 承 認 押 出 タ ング ステ ン ・フィ ラ メ ント は カ ーボ ン電 球 に比 較 し て ( 2 ) ク ー リ ッジ特 許 た。 は ア メ リ カ で成 立 し た よう な 強 力 な 基 本 特 許 は 成 立 せ ず 、 大 陸 各 段 に 効率 が 良 か った が 、 同時 に非 常 に脆 く 壊 れ やす か った 。 す る こと を た めら った から であ る。 (2 し9 た) が って、 ヨー ロ ッパ で 諸 国 を 中 心 に多 く の代 替 的 な 押 出 タ ング ス テ ン ・フ ィ ラ メ ント タ ング ス テ ン の弱点 を 克 服 す る こと に成 功 し た のは G E のク ー のあ る タ ング ステ ン ・フィ ラ メ ント の開 発 に取 り 組 んだ 。 押 出 各 国 の技 術者 は 押 出 タ ン グ ス テ ンを 改 良 し、 断 線 のな い柔 軟 性 こ の よう に 、 ア メ リ カ では タ ン グ ス テ ン電 球 の強 力 な 基 本 特 に関 す る特 許 が並 存 す る こと と な った 。 許 が成 立 し 、 ヨ ー ロ ッパ では 成 立 し な か った 。 では 日 本 では ど 35 第37巻第3号 経営史学 論 表3 押 出 タ ング ス テ ン・フ ィラ メ ン トの 特 許 出 願 状 況(1918年 文 出 願 まで) 注)請 求範囲に機械的操作 による製造方法が含まれていない ものを分類 した。 出所)特 許明細書 より作成。 36 九 一〇年 に、 タ ング ス テ ンを 加 熱 し た 状 態 で機 械 的 加 工 を 加え ポ イ ント であ る こと を 発 見 し た 。 クー リ ッジ は 研 究 を 重 ね 、 一 性 と 展 延 性 を も た せ るた め には 機 械 的 作 業 と 温 度 管 理 が 重 要 な 金 属 と 冶 金 の研 究 のな か で、 ク ー リ ッジ は タ ング ステ ンに 柔 軟 リ ッジ であ った 。 一九 〇〇 年 に設 立 さ れ た G E 研 究 所 に お け る 登録 さ れ た の であ る。 (38) た ア メ リ カ特 許 は ほ ぼ無 審 査 で 日本 特 許 と し て 日本 の特 許 局 に 登録 さ れ た。 一九 一〇年 の韓 国 併 合 の際 に、 統 監 府 に出 願 さ れ 監 府 に お いて査 定 が 行 わ れ 、 一二月 一三 日 には 日本 の特 許 局 に に対 し て出 願 さ れた 。 こ の特 許 は 出 願 後 早 く も 八 月 二七 日 に 統 は方 法 特 許 と 製 品特 許 は別 個 に出 願 され た 。 一月 一二 日 に出 願 グ ス テ ン 製 品 の 両方 を 請 求 範 囲 に含 ん で いた が 、 日本 にお い て ス テ ン の 製造 方 法 と ク ー リ ッジ の方 法 によ って製 造 さ れ た タ ン ア メ リ カ で 出 願 さ れ た特 許 は ク ー リ ッジ が 発 明 し た 引 線 タ ング し て 一九 一〇年 一月 一二 日と 八月 一二日 に特 許 出 願 を 行 った 。 た。 G E は ア メ リ カ特 許 商 標 庁 への出 願 よ り も 早 く 、 日 本 に 対 ク ー リ ッジ特 許 も ま た、 ア メ リ カ以 外 の各 国 に特 許 出 願 さ れ な らび 、 白 熱 電 球 の基 本 特 許 の 一つと 呼 ば れ る よ う に な った 。 三 〇 日 に特 許 登 録 さ れ た。 (3 こ5 の) 特 許 は ユ スト = ハナ マ ン特 許 と 政 治 的 変 動 に 乗 じ て 統監 府 経由 で出 願 し たも のと 考 え ら れ る。 特 許 を 出 願 し た 後 に無 審 査 で特 許 を 取 得 す る出 願 方 法 を 発 見 し 、 主 張 す る のが 難 し いも の で あ った 。 G E は 一月 に方 法 に関 す る 般 的 な 性 質 と の区 別 が 明確 でな く 、 特 許 付 与 に必 要 な 新 規 性 を 第 二 に 、後 の特 許裁 判 で争 点 と な る よう に、 タ ン グ ス テ ン の 一 ン特 許 と 同 じ よう に非 常 に広 い範 囲 を カ バ ーす るも の であ り 、 あ った( 。3 請9 求)範 囲 の内 容 は 、第 一に ア メ リ カ の ユ スト = ハナ マ 條 。 四 、永 久 に 展延 性 を 有 す る引 か れ た る タ ン グ ス テ ン体 ﹂ で タ ング ス テ ン製 品。 三、 永 久 に展 延 性 を 有 す る タ ング ス テ ン繊 品 。 二 、高 熱 せ ら れ た る後 も 其 の展 延 性 を 保 存 す る如 き 可 延 性 許 の請 求 範 囲 は 、 ﹁一、 永 久 に展 延 性 を 有 す る タ ン グ ス テ ン製 G E が タ ン グ ス テ ン技 術 に 一大 革 新 を も た ら す 可 能 性 を 秘 め さ れ た特 許第 二 〇 八 九 四号 ﹁ 白 熱 電 燈 繊 條 其 他 の目 的 用 に供 す し か し 日 本 に 出 願 さ れ た 引線 タ ン グ ス テ ン特 許 は ク ーリ ッジ た特 許 を 日本 の特 許 局 に出 願 せ ず に統 監 府 に出 願 し た 理 由 は 、 る如 く 錬 製 ﹃タ ング ス テ ン﹄ を 製 す る方 法 ﹂ は 、 引 線 タ ング ス のも のだ け では な か った 。 日本 に おけ る引 線 タ ン グ ス テ ン特 許 て鍛 性 と 強 靭 性 を も た せ、 加 熱 し た ダ イ ス の孔 か ら 引 き 出 す 方 テ ンの 製 造 方法 を 請 求範 囲 と した も の であ った( 。3 八6 月)一二 日 に の 一覧 を 表 し た も のが表 4であ る。 一九 一八年 ま で に出 願 さ れ 第 一八 九 六 一号 の請 求 範 囲 自 体 に求 め る こと が でき る 。 こ の特 出 願 さ れ た特 許 第 一八九 六 一号 ﹁﹃ タ ング ス テ ン﹄ 製 品 ﹂ は 製 た 特 許 は 全 部 で 一一件 あ った 。 G E が特 許権 者 と な って い る特 に 三 四項 の請 求 範 囲 か らな る特 許 を 出 願 し 、 一九 一三 年 一二 月 品自 体 を 請 求範 囲 と す る製 品 特 許 であ った( 。3 し7 か)し製 品 特 許 で 法 を 発 明 し た。 (3 G4 E)は ア メ リ カ にお い て 一九 一二年 六 月 一九 日 あ る後 者 は 日 本 の特 許 局 に出 願 さ れた の では な く 、 朝 鮮 統 監 府 37 第37巻第3号 経 営史学 許 明細 書 よ り作 成 。 出 所)特 求 範 囲 に 機械 的操 作 に よ る タ ン グ ス テ ン製 造 法 とそ れ に 関 連 す る 発 明 を含 ん で い る も の、 そ れ に よ っ て 注)請 出願 ま で) 引 線 タ ン グス テ ン ・フ ィラ メ ン トの特 許 出願 状 況(1918年 表4 文 論 製 造 され る製 品 を含 んで い る もの を分 類 した 。 許 第 一〇 八 三 一号 は 、 ま だ いな い 一九 〇 六 年 に 出 願 さ 引 線 技 術 の開 発 に 成 功 し て れ た も の で あ り 、 ﹁展 延 性 のタ ング ス テ ンよ り 製 作 し て成 る 白 熱 電 燈 用 繊 條 ﹂ ほ か 四 項 の請 求 範 囲 か ら な る 製 品 特 許 で あ る( 。4 こ0の )特 許 は 、 タ ング ステ ンは ﹁不 純 なるときには非常に堅く且 脆弱なれども純粋なるとき には展延性を有し且柔軟な る が故 に 其 の純粋 な る 状態 に あ り て は 之 を線 と な し て 白 熱燈 に 其 の繊條 と な す こ と﹂ が 可能 で あ ると いう 性 質 を根 拠 と し て 一見 広 い範 囲 を カ バ ー し て いる よう に 見え る が 、 そ の よう な タ ン グ ス テ ンを 製 造 す る方 法 は 記 さ れ て な い不完 全 なも の であ った。( G4 E1に )よ る引 線 タ ン グ ス テ ン特 許 の他 にも 38 年 に買 収 し て支 配 下 に おき 、 産 業 集 中 の手 段 と し て利 用 し た 。 た 。 一九 一六 年 二 月 に ニ ュー ヨ ー ク地 方 裁 判 所 は G E の ユ スト フ リ ッツ ・ブ ラ ウ の発 明 や英 ウ ェスチ ング ハウ スが 特 許 権 者 と = ハナ マ ン特 許 を 支持 す る 判決 を 出 し 、 さ ら に同 年 六月 の連 邦 G E は 一九 一二年 二月 一七 日 の ユスト = ハナ マン特 許 登 録 直 後 以 上 の よう に 、 日本 にお い ては 押 出 タ ング ス テ ン特 許 、 引 線 巡 回 裁 判 所 も こ の判 決 を 支持 し 、 ユス ト = ハナ マン特 許 の法 的 な って い る ア ン ト ン ・レ デ ラー の 発 明 、 ス イ ス のゴ ッ ド リ ー タ ン グ ス テ ン特 許 の 両 分 野 で単 一の強 力 な 基 本 特 許 が 存 在 す る な 地 位 が 決 定 し た( 。4 こ2 れ)に よ り G E は ア メ リ カ の 電球 産 業 を 強 ス社 ( Lo co Phi l i psCompany) に 対 し て 特 許 侵 害 訴 訟 を 提 起 し の で は な く並 存 し て いる状 況 があ った 。 し か し表 3 や表 4 で示 に オ ラ ンダ の フィ リ ップ ス社 の子 会 社 であ る ロ コ= フ ィリ ップ さ れ た特 許 の並 存 は 、単 に出 願 と 登 録 の状 況 か ら 導 き 出 さ れ た スト = ハナ マ ン特 許 ほ ど に は 裁 判 がう ま く 進 ま な か った。 ク ー 固 に 支 配 す る こと が 可 能 に な った。 他 方 で ク ー リ ッジ特 許 は ユ ブ ・グ ミ ュー ル に よ る発 明 な ど 、 引 線 タ ング ス テ ンに 関 す る 複 だ け であ り 、実 際 に は こ れら の特 許 を 前 提 と し て、 各 特 許 権 者 数 の特 許 が出 願 、登 録 され た 。 は自 ら 所 有 す る 特 許 を 管 理す ると と も に電 球 事 業 を め ぐ って競 エンド ・ワイ ヤ 社 裁 判 で 一九 二 〇年 六 月 二 九 日 に 有 効性 が 認 め リ ッジ 特 許 の有 効 性 は 、 G E 対 イ ンデ ィ ペ ンデ ント ・ラ ンプ ・ ら れ た が 、 一九 二七 年 一月 のG E 対 ド ・フ ォレ スト ・ラ ジ オ社 争 と協 調 が 行 わ れ た 。 次節 で は 、 日本 に出 願 、登 録 さ れ た特 許 第 一次 大 戦 期 ま で の 特 許 管 理 の具 体 的 な 競争 関 係 を 明 ら か に し よう 。 三 (1) 米 英 独 に お け る タ ング ステ ン特 許 の管 理 有 効 性 は 否 定 さ れ確定 し た( 。4 し3 か)し ユ スト = ハナ マ ン特 許 で の ら れた が 、 そ の後 最 高 裁 判 決 でも ク ー リ ッジ 特 許 の製 品 特 許 の 控 訴 裁 判 所 判 決 では クー リ ッジ 特 許 の方 法 部 分 の有 効 性 が 認 め ると の判 決 が 下 った 。 G Eは 控 訴 し 一九 二 八 年 九 月 の第 三 巡 回 及 び ロ ベ レ ン ・ピ ア ノ社 の判 決 では ク ー リ ッジ 特 許 は無 効 であ 日 本 にお け る 特 許 管 理 は 海 外 に お け る 企 業 間 の特 許協 定 に強 国 際 協 定 と タ ング ステ ン電 球 特許 の管 理 く 影 響 さ れ て いた 。 G E によ る 電 球 特 許管 理 は 、 し た が って 世 リ カ 国内 に お け る支 配 を 強 固 な も の に し、 ク ーリ ッジ 特 許 の部 勝 利 と 、 他 方 で行 わ れ た 国 内 電 球 企 業 の系 列 化 は 、 G E の ア メ 1 界 的 な タ ング ス テ ン特 許 の協 定 関 係 を 踏 ま え た 上 で 明 ら か に な 分的 な有 効 性 の否 定 は ほと んど 影 響 し な か った 。 イ ギ リ ス で は G E の協 定 企 業 と し て B T H Thoma onHous t on,Co. ,Lt. ) dが 活 動 し て いた が 、 ほ か に も エジ ( Bri t i s h る。 以 下 では ア メ リ カ、 イ ギ リ ス、 ド イ ツに お け る タ ング ステ ン特 許 を め ぐ る企 業 間 関 係 を 見 た 上 で 、 G E の日 本 に お け る 特 ア メ リ カ で G Eは 出 願 中 の ユ スト = ハナ マ ン特 許 を 一九 〇 九 許 管 理 を 見 る。 39 第37巻第3号 経営史学 文 論 リ ア ・ウ ェ ル ス バ ッ ハ 社 の オ ス ミ ウ ム 電 球 の 技 術 を 持 つ ア ウ エ (ド イ ッ チ ェ ン ・ガ ス グ リ ュ ー リ ヒ ト 社 、 以 一九 〇 三 年 に A E G と ジ ー メ ン ス ・ハ ル ス ケ 社 が 中 心 と な っ て 下 アウ エ ル社 ) が存 在 し て いた 。 ド イ ツに お け る産 業 再編 は 、 ルゲ ゼ ルシ ャ フト め ぐ っ ては B T H が G E か ら 、 ジ ー メ ン ス ・ブ ラザ ー スが ジ ー ソ ン = ス ワ ン社 、 G E C ( Gener alEl ect ri cCo . ,Lt. d、 ジ ー メ ) ン ス ・ブ ラ ザ ー ス 社 など が活 動 し て いた 。 タ ング ス テ ン特 許 を メ ンス ・ハル ス ケ か ら特 許 を 得 て いた ほか 、 GE C が 一九 〇七 (Verkaufs s t ell e Vereinih er tGlual mpenfabrie k n、 V V G ) を 設 立 し た こ と に は じ ま る 。 V V G に は ド イ ツ、 オ ー ス ト リ ア 、 ハ カ ー ボ ン電 球 の生 産 と 販 売 を管 理 す る 、 ベ ル リ ン電 球 工 場連 盟 げ ら れ て いた が、 一九 一三年 に B T Hは G Eか ら 得 た クー リ ッ ン ガ リ ー 、 イ タ リ ア 、 オ ラ ン ダ 、 ス イ ス の 一 一社 が 参 加 し 、 年 に オ ー ス ト リ ア と ドイ ツ か ら押 出 タ ン グ ス テ ン特 許 を 購 入 し ジ特 許 を武 器 と し て G E C 、 エジ ソ ン = ス ワ ン、 ジ ー メ ン ス ・ し V V G は カ ー ボ ン フィ ラ メ ン トを 対 象 と し て おり 、 金 属 タ ン て いた 。 イ ギ リ ス で は こ れ ら主 要 企 業 の間 で特 許 紛 争 が 繰 り 広 ブ ラ ザ ー スを 組 織 し タ ン グ ス テ ン 電 球 協 会 ( Tun gst ne Lamp Associ ati on) を 設 立 し た 。 B T Hは 協 会 を 通 し て電 球 市 場 を 統 ィラ メ ント 出 現後 、 A E G 、 ジ ー メ ン ス ・ハル スケ 、 ア ウ エル グ ス テ ン の 出 現 と と も に し だ い に 影 響 力 が 弱 く な った 。 金 属 フ は、 B T Hだ け が ク ー リ ッジ 特 許 を 使 用 し て 引 線 タ ング ス テ 線 タ ン グ ス テ ン電 球 の販 売 を 許 可 し た 。 協 会 加 盟 企 業 のな か で は協 会 に G Eか ら 得 た ク ー リ ッジ 特 許 を も プ ー ルし 、 他 社 に引 市 場 と され て い る地 域 で の電 球 生 産 と 販 売 を 統 制 し た 。 B T H ンスを 与 え る こと で 、 G E は重 要 な 電 球 特 許 を 所 有 す るド イ ツ も使 用許 諾を 与 え る こ と に 同意 し た。 (4 ク7 ー)リ ッジ 特 許 の ライ セ ト ・ト ラ ス ト を 通 し て 、 ジ ー メ ン ス ・ ハ ル ス ケ 、 ア ウ エ ル 社 に リ ッジ 特 許 は A E G に 与 え ら れ て いた が 、 G E は フ ィ ラ メ ン 金 属 フ ィ ラ メ ン ト 電 球 に 関 す る 主 要 な 特 許 を プ ー ル し た( 。4ク 6) ー 社 の 三 社 は フ ィ ラ メ ン ト ・ト ラ ス ト カ ー ボ ン 電 球 の統 一価 格 を 設 定 し 市 場 統 制 を 行 っ て い た( 。4し 5) か ス テ ン特 許 を プ ー ルし 、 G Eと の協 定 によ ってイ ギ リ ス企 業 の 制 し よう と し た 。 四社 は 電 球 協 会 にそ れ ぞ れ が 所 有 す る タ ング ン ・フ ィ ラ メ ン ト を 製 造 し 、 他 の 協 定 企 業 に 供 給 し て い た 。 こ (Drahtok nzern) を 結 成 し 、 の よう にイ ギ リ ス では B T Hが クー リ ッジ 特 許 の優 位 性 を 利 用 し て産 業 集 中 を 進 め た の であ る。 存 し て い た 。 一九 〇 三 年 以 来 G E と 密 接 な 関 係 に あ り 、 G E の 力 な基 本 特 許 が成 立 せず 、複 数 の代 替 可 能 な タ ング ス テ ン特 許 許 に 関 し て ア メ リ カ に お け る ユスト = ハナ マ ン特 許 のよ う な 強 前 出表 3 お よび 表 4 にあ る よう に、 日本 では タ ング ス テ ン特 ( 2 ) 日 本 に おけ る タ ング ス テ ン特 許 の管 理 企業 と そ の特 許 の 国際 的 な支 配 を 得 た の であ る。 (Al l gemei ne El ektrizitast Geselslchaf)t 、 タ ド イ ツ でも 重 要 な タ ング ス テ ン電 球 特 許 を 所 有 す る 企 業 が並 ン タ ル ム 電 球 の 技 術 を 持 つ ジ ー メ ン ス ・ハ ル ス ケ 社 、 オ ー ス ト 特 許を 持 つA EG 40 〇 七 号 、 第 一四 七 四 六 号 を 買収 し た。 (4 ユ8 ス)トと ハナ マン の特 許 ハナ マン の特 許第 一三 六 一二号 と ハン ス ・ク ツ エル の第 一〇 八 有 のレ ベ ルで 集 中 が 行 わ れ た。 G E は 一九 〇九 年 夏 に ユスト と 用 し て各 権 利 者 が 電 球事 業 を 進 め たわ け で は なく 、 特 許 権 の所 が並 存 す る 状態 に あ った 。 し か し 、 これ ら の並 存 す る特 許 を 利 A EG の間 で進 め ら れ 、 一九 一一年 九 月 のバ ー デ ンバ ー デ ン に 球 が G E の 日本 特 許 を 侵 害 し て いる と 警 告 し た( 。5 交1 渉)は G E と て AE G の代 理 店 であ る 大 倉 組 に 書簡 を 送 り 、 A E G の輸 入 電 渉 が 発 生 し た 。 一九 一〇 年 五 月 に G E は 代 理 人 岸 清 一をと お し か し 一九 一〇 年 頃 に A E G と G E と の間 で 日 本 市 場 を めぐ る交 ては A E Gは ド イ ツ のV V G の 一員 で あ る ので カ ー ボ ン電球 の 日本 への輸 出 は 制 約 を 受 け 、 引 線 タ ング ス テ ン電 球 も ク ー リ ッ お け る 会 議 で G E の優 位 性 が 確 定 し た 。 日 本 の電 球 市 場 に お い ジ 特 許 が 存 在 す る の で自 由 に輸 出 で き な いと いう も ので あ った 。 の買 収 は 、 同 年 に G E が ア メ リ カ で行 った ユス ト = ハナ マン の 買 収 も 、 G E が ユ スト = ハナ マ ン特 許 の買 収 と並 行 し て行 った ま た A E Gは 引 線 タ ング ス テ ン以 外 の金 属 フ ィラ メ ント の販 売 ア メ リ カ 特 許 の買 収 と 関 連 し て いる 。ま た 、 ク ツ エル の特 許 の ア メリ カ のク ツ エ ル特 許 の買収 と 関連 し て いる( 。4 お9 そ)らく G E いの で、 輸 出 や生 産 は 現 実 的 では な か った 。 日 本 電 球 市 場 に お は 可能 と さ れ て いた が 、 AE G は 有 効 な 日 本 特 許 を 有 し て いな け る G E の優 位 性 を 認 め た AE G は 、 結 局 、 一九 一四 年 一月 に は 両 者 の ア メリ カ 特 許 買 収 の 際 に 、 日本 に お け る特 許 権 の買 収 G E は ユ スト と ハナ マ ン、 ク ツ エル の特 許 を自 ら の管 理 下 に に つ いて も 合 意 し て いた も の と考 え ら れ る 。 置 いた の であ る が 、 日 本 に は 他 に も A E G や ア ウ エル 社 な ど が 東 京 電 気 と 電 球 に関 す る販 売 協 定 を 締 結 し た 。 て G Eか ら ク ー リ ッジ 特 許 の使 用 許 諾 を 受 け て いる 関 係 上 、 日 A E G以 外 の ドイ ツ企 業 は 、 フ ィ ラ メ ント ・ト ラ スト を 通 し 所 有 す る 押 出 タ ング ス テ ン特 許 が 残 って いた 。 こ れ ら特 許 の管 ツ国 内 に お け る 契 約 関 係 と G E と ド イ ツ企 業 と の間 の契 約 関 係 理 は 、 一九 一〇 年 のク ー リ ッジ 特 許 の発 明 を 背 景 と し て 、 ド イ 本 への進 出 は認 めら れ な か った と 考 え ら れ る 。 逆 に いえ ば 、 A は、日本は ﹁ そ の他 の地 域 ﹂ に 含 ま れ て い て、 いず れ の企 業 も と AE G が 国 際 協 定 を 締 結 し た と き に 遡 る 。 一九 〇 三 年協 定 で の特 許 を 所 有 す る ア ウ エル社 が あ った 。 ア ウ エ ル社 の日 本 特 許 要 な特 許 を 所 有 し て いた ド イ ツ企 業 は ほ か に フリ ッ ツ ・ブ ラ ウ 経 て優 位 性 を 確 定 しな け れ ば な ら な か った の であ る 。 日 本 で 重 て協 定 関係 にあ った が ゆえ に、 G E は 一九 一〇 年 か ら の交 渉 を E Gと は フ ィ ラ メ ント ・ト ラ スト の形 成 以 前 か ら 日本 を め ぐ っ を 媒 介 と し て行 わ れ た 。 参 入 す る こと の でき る 地 域 で あ った( 。5 し0 ば)ら く は G E 、 A E G も 契 約 関係 を 媒 介 と し て G E の管 理 下 にあ った と 考 え ら れ る 。 日 本 を め ぐ る G E と ド イ ツ企 業 の関 係 は 、 一九 〇 三年 に G E であ り 、 両 者 は そ れ ぞ れ 日本 にお い て電 球 事 業 を す す め た 。 し と も に日 本 に電 球 輸 出 を 行 う こ と も 現 地 生 産 を 行 う こ と も 可 能 41 第37巻第3号 経営史学 文 論 こ の よう にし て 日本 で所 有 され て いた ド イ ツ企 業 の主 要 な 電 球 含 め て特 許管 理を 行 う 体 制 が整 った こと 、 さ ら にG E が 管 理 し あ らわ し て いる。 であ り 、 日本 にお け る G E の立 場 が非 常 に強 固 であ った こと を て いた特 許 は タ ン グ ス テ ン電 球 の各 主 要 部 分 を す べ て含 む も の G E がド イ ツ企 業 の特 許 を も 管 理 し 、 G E が 主導 権 を と って 特 許 は 、 G Eが そ の全 体 を 管 理 す る よ う にな った 。 日本 電 球 産 業 を 再 編 ・集 中 す る 動 き は 、 早 く も 一九 一四年 に あ 2 タ ン グ ス テ ン電 球 訴 訟 に三 社 で東 京 電 球 製 作 所 に 警 告 状 を 送 った( 。5 G4 E)の 代 理 人 岸清 日本 に おけ る重 要 な 電 球 特 許 のほ と ん ど す べ てが G E に よ っ ら わ れ た 。 一九 一四 年 四 月 、 G E は アウ エル 社 、 A E G と とも 一、 A EG の代 理 人 長 島 鷲 太 郎 、 アウ エ ル社 の代 理 人 カ ー ル ・ っては 、 G E の軍 門 に 下ら な い限 り 一切 の電 球 の生 産 ・販 売 が でき な いと いう こと を 意 味 し て いた 。 こ の事 態 に 対 し 日 本 の製 て管 理 さ れ て いる こと は 、 東 京 電 気 を 除 く 日 本 の製 造 業 者 に と 製 造 販 売 相 成 り 居 り 候由 に 有 之 候 処 必 要 の場合 に は違 反 に対 し し てG E支 配 に対 抗 し よ う と し た 。 造 業 者 は G E の管 理 が 及 ん で いな いタ ング ステ ン特 許 を 武 器 と フ ォ ー グ ト の 連 名 で出 さ れ た 警 告 状 は 、 ﹁ 貴会社 には後記特許 法 律 上 の手 続 に依 り て拙 者 等 の本 人 の 利益 を 保 護 す る の止 む な の 一に若 し く は 全 部 に 違 反 す べき ﹃タ ング ス テ ン﹄ 繊條 電 球 を き に立 至 り 可 申 候 に付 折 返 し 何 分 の御 回 答 煩 し 度 此 段 得 貴 意 日本 では 日 露 戦 争 後 の水 力 電 源 開 発 に とも な い、 一九 〇 七年 ご ろか ら 電 球 企 業 が 勃 興 し は じ め た 。 代表 的 な 企業 は大 阪 電球 、 候 ﹂ と 記 さ れ 、 続 いて 侵 害 さ れ て いる特 許 の 一覧 が 掲 げ ら れた 。 列 記 さ れ た 特 許 は 、 ア ウ エル 社 所有 の第 一〇 一四八 号 ﹁ 白熱電 これ ら の企 業 に は 独 自 に開 発 し た 特 許を 企 業 化 し たも の が多 く 、 燈 沁 の製 造 法 ﹂、 第 一〇 八 七 七 号 ﹁金 属 ﹃タ ン グ ス テ ン﹄ の妬 日本 に お い ても 初 期 の技 術 開 発 が 活 発 に行 わ れ て いた こと がう であ った が 、 当 初 は す べ てカ ー ボ ン電球 の生 産 を 行 って いた。 熱 電 燈 ﹂、 G E所 有 のク ー リ ッジ の製 品 特 許 であ る第 一八 九 六 か が え る( 。5 し6 か)し タ ング ステ ン電 球 の 出現 に よ って カ ー ボ ン電 東 京 電 球 製 作 所 、 電 光 舎 ・帝 国 電 球 、 恩 田商 会 、高 岡電 球 など 一号 ﹁﹃ タ ング ス テ ン﹄ 製 品 ﹂、 同 じく 方 法 特 許 であ る第 二 〇八 球 の製 造 だ け で は 経営 が 困 難 と な り 、ま た タ ン グ ス テ ン電 球 製 を 具 ふ る白 熱 電 燈 ﹂、 第 一八九 八 〇 号 ﹁吊 子 装 置 を 具 へた る 白 テ ン﹄ を 製 す る法 ﹂、 A E G 所 有 の第 二 二 八 二九 号 ﹁ 金 属白熱 九四号 ﹁ 白 熱 電 燈 繊條 其 他 の 目的 に供 す る如 く 練 製 ﹃タ ング ス 繊條 の 整形 法 ﹂ であ った 。 こ れ ら は押 出 、 引 線 の両 タ ング ス テ 一九 一二年 に は大 阪 電 球 が 、 一九 一三年 には 帝 国 電 球 と 日本 電 造 に 参 入 す る にも 技 術 上 の 困 難 があ った。 こ の よう な 状 況 下 で 球 が 相次 いで東 京 電気 と タ ン グ ス テ ン電 球 の製 造 ・販 売 に関 す ン電 球 を 製 造 す る た め には 必 要 と な る 特 許 であ った 。 一九 一四 年 の連 名 で の警 告 状 は 、 こ の時 点 です で にG E が 他 社 の特 許 を 42 結 し 、 G E 系 列 に 入 った 。 上 述 の警 告 状 を 送 付 さ れ た東 京 電 球 が東 京 電 気 と 特 許 協 定 を 締 る 特 許協 定 を 締 結 し 、 G E系 列 に 入 った 。 ま た 一九 一四年 には 、 結 ん で いる 。 ま た 警 告 状 で ゲ ア リ ー は 、 大 正電 球 が 企業 化 し よ を 御 承 知 被 下 事 と存 候幸 に 御賢 慮 あ ら ん こと 希 望 に 不甚 候 ﹂ と あ と で ﹁﹃タ ング ス テ ン﹄ 電 球 の製 作 に関 す る 現在 の 一般 状 況 ギ リ ス で の ク ー リ ッジ 特 許 を め ぐ る 裁 判 で 敗 訴 し た 人 物 であ る 三 年 第 一六 〇 六 六 号 と 内 容 が 同 じ で あ る が 、 ク リ ュー ゲ ル は イ エル ン スト ・ア ウグ スト ・ク リ ュー ゲ ル発 明 の 英 国特 許 一九 一 の電 球 特 許 を 企 業 化 す る ので は な く 、 G E 以外 の外 国 人所 有 の と 指 摘 し た 。 こ のよ う にゲ アリ ー は 警 告 状 で 設 立 し な い旨 を 訴 う と し て いる 岡 本 宜 美 所 有 の特 許第 二 八 八 四 六 号 は イ ギ リ ス 人 特 許 を 企 業 化 し よ う と す る も ので あ った 。 一九 一五年 に 設立 さ え たが 、 結 局 大 正 電 球 は 二月 二四 日 に設 立 さ れ た 。 こ のよう な 日 本 で は 第 一次 大 戦 勃 発後 の大 正初 期 年 間 に ふ たた び 電 球 企 れ た 大 日 本 電 球 株 式 会 社 、 関 西 電 球 株式 会 社 、 一九 一六年 に九 事 態 に対 し同 年 六月 二 日、 G E は 系 列 下 に入 った 東 京 電 球 を 原 業 の興 隆 が み ら れ た 。 し か し こ の とき 設立 さ れ た 企業 は 、独 自 ュー ル の 日本 特 許 を 、 関 西 電 球 は 英 ウ ェス チ ング ハウ ス の特 許 告 と し て大 正 電 球 を 相 手 に ﹁特 許 第 二 八 八 四 六 号 無 効 審 判 請 州 で設立 された大 正電球株式 会社 である。大 日本電 球は グミ を 、 大 正 電 球 は 岡 本 宜 美 の特 許 を そ れ ぞ れ 企 業 化 し よ う と し て ﹁特 許 第 一八九 六 一号 侵 害 差 止 及 損 害 賠 償 請 求 ﹂を東京 地方裁 次 いで G E は 、 一九 一六年 八月 一五 日 に大 日本 電 球 に対 し て 求﹂を提 出した。 こ の三 社 の設 立 は 、 G Eが 一九 一四 年 ま で に日 本 で 構 築 し た 設立された。 特 許 独 占 に 風穴 を 空 け るも の であ り 、 し か も ド イ ツ企 業 と の関 一号 権 利 範 囲 確 認審 判請 求 ﹂ と グ ミ ュー ル特 許 に対 す る ﹁特 許 第 二 六 七 〇 四 号 無効 審 判請 求 ﹂ を 特 許 局 に提 出 し た。 大 日本 電 判 所 に 提 出 し た 。 さ ら に 翌年 一月 一五 日 には ﹁ 特 許 第 一八 九 六 球 も 応 戦 し 、 七 月 一〇 日 に は G E の ク ー リ ッジ 特 許 が無 効 であ 係 にも 影 響 を し かね な い重 大 な 挑 戦 であ った 。 と いう のは 、 ひ グ ス テ ン特 許 の有 効 性 が強 ま り 、 G Eが 管 理 す る 一連 の タ ング と たび こ れ ら の会 社 の存 在 を 許 せ ば 、 そ れ ら が 基 礎 と す るタ ン ス テ ン特 許 の効 力 が減 退す る か ら であ る。 G Eは 、 これ ら 三 社 る と す る ﹁特 許 第 一八 九 六 一号 無 効 審 判請 求 ﹂ を 特 許 局 に提 出 大 正 電 球 、 大 日 本 電 球 と 法廷 闘争 を 進 め る 一方 で 、 G Eは 関 し た 。 こ れ は クー リ ッジ の製 品特 許 を 攻 撃 す るも の であ った 。 に 対 し て 相 次 いで特 許 侵害 訴 訟 を 提 起 した 。 G E の 日 本 に お け る 責任 者 であ ったJ ・R ・ゲ ア リ ー は、 一 日 に英 ウ ェスチ ング ハウ スを 相手 に ﹁特 許 第 二 四 〇 二七 号 無 効 西 電 球 に対 し ても 訴 訟 を 提 起 し た 。 G E は 一九 一七年 三月 一九 九 一六年 二 月 一九 日 付 け で 設立 前 の大 正 電 球 の 関係 者 に対 し て ン電 球 製 造 に不 可 欠 な 一連 の特 許を 管 理 し て いる こと を 述 べた 警 告 状 を 送 付 し た 。 ゲ ア リ ー は警 告 状 の中 で G E が タ ン グ ス テ 43 第37巻第3号 経営史学 文 論 審判請求﹂と ﹁ 特 許 第 二 七 一六 五号 無 効 審 判 請求 ﹂ を特 許 局 に た の であ る。 大 正 電 球 は そ の後 東 京 電 気 の小 倉 工 場 と な り 、 東 造 と 販 売 に 関す る協 定 を 締 結 し 、 G E の傘 下 に入 る こ と にな っ 関西 電 球 と の裁 判 は 一九 一九 年 ま で行 わ れ た 。 一九 一九 年 三 月 京 電 気 の全 国 的 な 電 球 販 売 の拠 点 の 一つと な った( 。7 大3 日)本 電 球 、 提 出 す ると と も に、 (6 同7 年) 五 月 には 法 人 と し て の関 西 電球 と そ の 取 締 役 を 被 告 と し て大 阪 地 方 裁 判 所 に ﹁特 許 第 一八 九 六 一号侵 には 合 同 で第 一八 九 六 一号 に関 す る 口頭 審 理 が 行 わ れ る な ど 、 害 刑 事 訴 訟 ﹂ を 提 出 し た( 。6 関8西 )電 球 も これ に 応 戦 し 、 六 月 に ﹂ を 特 許 局 に提 出 し た 。 一〇月 一日 に東 京 電 気 と タ ング ス テ ン の製 造 販 売 に 関 す る 特 許 最 後 ま で法 廷 闘 争 が 行 わ れ る か にみ え た( 。7 し4 か)し 関 西 電 球 は 、 ﹁ 特 許 第 一八 九 六 一号 無 効 審 判 請 求 一連 のタ ング ス テ ン特 許 裁 判( で7 は0い )ず れ も G E の ク ー リ ッジ 協 定 を 締 結 し 、 G E の傘 下 に入 った 。 つづ い て大 日 本 電 球 も 同 特 許 、 と く に 製 品 特 許 で あ る 第 一八 九 六 一号 の有 効 性 が 共 通 し て争 点 と な った 。 G E は 一連 の特 許 裁 判 を す す め るう え で 、代 よう に、 一九 一四 年 か ら 相 次 い で提 訴 さ れ た タ ング ス テ ン電 球 年 一二月 に同 様 の特 許 協 定 を 締 結 し 、 G E 系 列 と な った( 。7 こ5の ) に関 す る裁 判 は 、 一九 一九 年 に は 実 質 的 に G E が 全 勝 す る 形 で 理 人 であ る 岸 清 一と 密 接 な 連 絡 を と った 。岸 は 同 じ事 務 所 の木 た 二 日後 の八 月 一七 日 に 、 海 路 アメ リ カ へと向 か った。 (7 岸1 ら)は テ ン電 球 関 連 特 許 の有 効 性 を 維 持 でき た こ と に 加え 、 日 本 電 球 終 了 し た 。 裁 判 を 通 し てG E は 自 ら が管 理 す る 一連 の タ ング ス 村 駿 吉 と と も に 、 大 日 本 電 球 に 対 し て 最 初 の 民事 訴 訟を 提 出 し ア メリ カ でG E の法 務 担 当 者 ら と直 接 協 議 し 、 日本 に お け る タ 四 ﹁ 代 理出 願﹂ 契 約 に よ る戦 間 期 の特 許 管 理 産 業 の東 京 電 気 への集 中 を 完 成 さ せ た ので あ る 。 ング ス テ ン訴 訟 の戦 略 を 練 った 。岸 ら は G E から イ ギ リ ス 、ド イ ツ にお け る タ ング ステ ン裁 判 の情報 を 入手 し、 一〇月 一六 日 に帰 国 し た 。 岸 ら の帰 国後 、 G E は裁 判 で ク ー リ ッジ の発 明 し た 引 線 タ ング ステ ンが全 く 新 規 なも の であ る こと を イ ギ リ ス、 第 一次 大 戦 期 ま で の特 許 管 理 組 織 タ ング ス テ ン特 許 裁 判 と 電 球 産 業 の集 中 の 過程 を見 る と 、 日 1 正 電 球 、 大 日 本 電 球 、 関 西 電 球 は純 粋 な タ ン グ ス テ ン が展 延 性 本 にお け る タ ング ス テ ン電 球 特 許 の管 理者 は G E であ り 、 G E ド イ ツ にお け る 判 決 を 利 用 し な が ら主 張 し た。 こ れ に対 し、 大 を も つ こと は 既 知 の事 実 で あ り 、第 一八九 六 一号 は 無 効 であ る が 岸 ら を 代 理 人 と し て直 接 訴 訟 を 行 う と いう 形 態 であ った 。裁 の支 配 力 は 大 き く な った が 、 東 京 電 気 に事 業 を 集 中 さ せ る 戦略 判 の結 果 電 球 産 業 は 東 京 電 気 を 中 心 と し て 再編 さ れ 、東 京 電気 口頭 弁 論 が 相次 いで行 わ れ た 。 裁判 の最 初 の結 果 は 、 一九 一七 を も って いた 主 体 は G E で、 ま た そ の 戦略 を 成 功 裡 に遂 行 し 目 一九 一六年 末 か ら 一九 一九年 に か け て答 弁 書 、 反 駁 書 の提 出 、 と主張した。 年 八 月 に 現 れ た 。大 正 電球 が東 京 電 気 と タ ン グ ス テ ン電 球 の製 44 的 を 達 成 さ せ た のも G E であ った。 第 一次 大 戦 期 ま で の特 許 管 B TH が 出 願 し 、 特 許 権 者 と な って いる 。 さ ら に ド イ ツに お い ス にお い て、 ク ー リ ッジ 特 許 は G E と 特 許協 定 を締 結 し て いる 製 造 機 械 ・設 備 を 供 給 し 、 さ ら に 提供 し た機 械 設備 の据 え 付 け 約 を 締 結 し た 。 特 許 協 定 に よ り 、 G E は東 京 電 気 に対 し て電 球 が 特 許 権 者 と な り 、 G E か ら 譲 渡 さ れ た 特 許 出 願 権 を自 ら が 出 さ れ て いる 。 つま り 、 イ ギ リ スや ド イ ツで は 、 B T H や A E G れ てお ら ず 、 ア メリ カ と 同 様 に G E自 身 が特 許 権 者 と し て登 録 し 日本 では 、 クー リ ッジ 特 許 は東 京 電 気 に よ って 出 願 、登 録 さ ても 同 じ く A E G が 出 願 し 、 特 許権 者 と な って いる 。 こ れ に対 理 の特 徴 を 、 東 京 電 気 の位 置付 けと 関連 さ せ て見 てお こう 。 と 作 業 指 導 、 電 球 製 造 のノ ウ ハウ伝 授 の た め に技 師 W ・T ・マ G E は 一九 〇 五年 に 東京 電気 と 資 本 参 加 お よび 技 術 提 携 の契 ク チ ェス ニー を 派 遣 し た 。 さ ら に G E は東 京 電気 社 員 が G E の 願 し、 G E特 許 の管 理 を 行 って いた の であ る 。 G Eは 提 携 当 時 、 東 京 電 気 を 日 本 を 含 む東 アジ ア 地域 に お け る 諾 を 東 京 電 気 に与 え た( 。7 こ6の )よう な 特 許協 定 の内 容を み ると 、 人 を 務 め、 弁 護 士 と し て GE の特 許 管 理 を 担 った 。 も う 一つ重 岸 を 代 理 人 と し て いた 。 タ ング ス テ ン裁 判 では 岸 は G E の弁 護 を 選 任 す る必 要 があ る こと が 規 定 さ れ て いる ので 、 G E は こ の よ って行 わ れ た 。 特 許 法 では 外 国 人 は 帝 国 内 に 居 住 す る代 理 人 これ に対 し 日本 にお け る 特 許 管 理 は 全 般 的 に 代 理 人 岸清 一に 工 場 な ど を 訪 問 し 技 術 訓 練 を受 け る こと を 許 可 し た。 特 許 の側 生 産 基 地 と し て位 置 付 け て いた こ と が わ か る 。 電 球 製 造 機械 ・ 面 では 、 G E は 日 本 で出 願 、 取 得 し て いた 特 許 の 独占 的 使 用許 設 備 の提 供 は 、 以 前 ま で手 作 業 で 行 って いた 東 京 電気 の 電球 生 いた。 岸 は G E が 日本 に出 願 し た 特 許 の代 理 人 を 務 め 、 G E の 要 な側 面 と し て、 岸 は 弁 理 士 と し ても G E の特 許 管 理 を 担 って 日本 に対 す る特 許 出 願 は す べ て岸 事 務 所 によ って出 願 処 理 さ れ の電 球 生 産 能 力 を 飛 躍 的 に高 め る こ と が で き た( 。7 東7 京)電 気 は 世 間 でも G E の ﹁分 工 場 ﹂ と 称 さ れ る に値 す る 実 体 を 持 って いた 2 て いた。 産 工 程 を 大 部 分 機 械 化 す る も の であ り 、 こ れ に よ って東 京 電気 の であ る 。 第 一次 大 戦 期 ま では G E が 東 京 電 気 に ライ セ ン スす 第 一次 大 戦 は 世界 経 済 と 電 機 企 業 間 の国 際 的 な 競 争 関 係 に 重 東京電気と の ﹁ 代 理出 願 ﹂ 契 約 る特 許 は G E自 身 が 管 理 を 行 ってお り 、 東 京 電 気 は 生 産 と 販 売 に専 念 す ると いう 職 能 的 な 分 業 関 係 が 成 り 立 って いた の であ る 。 に は 国産 化 の進 展 が見 ら れた 。 加 え て 日本 では 、 大 戦 終 了 後 の 一九 一九 年 に タ ン グ ス テ ン特 許 裁 判 が 終 結 し 、 東 京 電 気 を 中 心 大 な 変化 を も た ら し、 日本 の電 機 産 業 にお い ても 第 一次 大 戦 期 と し た 電 球 産 業 の集 中 が完 成 した 。 G Eは 新 た な 世 界 情 勢 を 目 しか し 日本 に おけ る こ のよ う な 分 業 関 係 は 、 G E の他 の外 国 ア メ リ カ 、 イギ リ ス、 ドイ ツ にお け る ク ー リ ッジ の引 線 タ ング 企 業 と の 国際 契 約 か ら み ると 特 殊 な も の であ った 。 表 5は 日 本 、 ス テ ン電 球 特 許 の管 理方 法 を 比 較 し た も の であ る 。 ま ず イ ギ リ 45 第37巻第3号 経営史学 ー ジ 。特 許 明細 書 に よ り加 筆 ・修 正 した 。 『タ ン グス テ ン特 許 問 題 』、 第 三 節 、8ペ 邊二郎 出 所)渡 各 国 にお け る クー リ ッ ジ特 許 表5 文 論 てた 。 す な わ ち 、 一九 一九 年 に G E は 国 際事 業 を 専 門 的 前 にし て海 外 市 場 に 対 す る 積 極 的 な 戦 略 と組 織 を 打 ち た に管 理 す る 子 会 社 I G E C を 設 立 し 、 戦 間期 の 世 界 市 場 に対 し て新 た な 戦 略 で 臨 も う と し た( 。7 戦9 間) 期 の新 戦 略 に 従 い、 I G E C は 日 本 に お いて東 京 電 気 お よび 芝 浦 製作 一九 年 六 月 二 日 に特 許協 定 を 更改 し 、新 た な協 定 を 締 結 所 と そ れ ま で の特 許協 定 を 更 改 し た。 東 京 電 気 と は 一九 し た( 。8 I0 G)E C が 東 京 電 気 と 締 結 し た 一九 一九 年 の協 定 は 、 特 許 に 関 し てそ れ 以 前 の協 定 と 大 幅 に異 な ると こ ろ が あ った 。 東 京 電 気 に よ る G E特 許 の ﹁ 代 理出 願 ﹂ 契 約 特 許 の ﹁代 理 出 願 ﹂ と は 、 G E の所 有 す る特 許 技 術 の が も り 込 ま れ た ので あ る 。 日 本 に お け る 特 許 出 願権 を東 京 電気 に譲 渡 し、 東 京 電気 が 自 社 の名 義 で 、 東 京 電 気 を 日本 に お け る権 利 者 と し て 特 許 を 出 願 、 取 得 す るも の であ る。 一九 一九 年 協 定 を 実 質 的 に 引き 継 い で いる 一九 三九 年 の I G E Cと 東 京 芝 浦 電 気 と の 間 の 協 定 を 用 いて 契 約 条 項 を 確 認 す る と 、 ﹁ 代 理 出 願 ﹂ は 第 三 章 第 四 節 で次 の よう に規 定 さ れ て いる。 すなわち、 ﹁ 東京 芝浦電気株式会 社は独占的使 用許諾 が 与 え ら れ て お り 、 か つゼ ネ ラ ル会 社 (- I G E C の こ と 。 筆 者 注 ) が 同 意 し た 特 許を 、東 京 芝 浦 電 気 株 式 会 社 の費 用 で 、自 ら の名義 で特 許 出願 す る か、 あ る いは譲 渡 さ れ る こと を 選 択 でき る﹂。 (東 8京 3) 電 気 と I G E C と の契 46 約 に も 同 様 の条 項 が あ り 、 東京 電気 は こ の契 約 に従 って G E特 ﹁代 理 出 願 第 一に、 特 許 権 の使 用 と 利益 回 収 を 効 率 的 に 行 え る 点 であ る。 野 の特 許 で あ る 。 第 二 に 、 ﹁ 代 理 出 願 ﹂ す る特 許 に つ い て、 G う に、 東 京 電 気 に 独 占 的 使 用 許 諾 を与 え る と さ れ て いる技 術 分 東 京 電 気 が ﹁代 理 出 願 ﹂ す る特 許 は 、契 約 で 述 べ られ て いる よ ﹁代 理 出 願 ﹂ の 方 法 は 次 の よう に 定 め ら れ て いた( 。8 第5一 )に、 実 際 に現 地 で特 許 権 を 使 用 し 生 産 を 行 う 企 業 に 行 わ せ る方 が有 回 収 す る こと が でき る 。 第 二 に 、 特 許 侵 害 に 対 す る 対 処 など 、 そ の特 許 を 東 京 電 気 が 最 大 限 利 用 す る こ と で よ り多 く の利 益 を 市 場 競 争 に適 合 的 な 特 許 群 を 日 本 市 場 に 構築 す る こ と が でき 、 東 京 電 気 が 不 必 要 と 判 断 し た 特 許 は 出 願 さ れ な い。 し た が って、 は 、 実 際 に東 京 電 気 が 経 営 上 必 要 と し て いる特 許 だ け であ り 、 ﹂ に よ って東 京 電 気 が 日 本 の特 許 局 に 出 願 す る特 許 許を自社名義で出願、登録した。 E か ら 東 京 電 気 に 特 許 出 願 権 が 一件 に つき 一ド ル の対 価 で譲 渡 そ れ に対 応 す る。 特 許 権 の防 禦 と いう 点 で も ﹁代 理 出 願﹂ は有 さ れ る( 。8 第6 三)に 、 東 京 電 気 は ア メ リ カ か ら 送付 さ れ てく る特 許 効 であ る。 第 三 に、 契 約 によ って ﹁代 理 出 願﹂ に 必 要 と な る経 利 であ る 。 東 京 電 気 は 、 日 本 国 内 で 実 際 に 製 品 の製 造 販売 に従 実 際 に 、 G E か ら 東 京 電 気 へは 定 期的 に 膨 大 な 量 の特 許 明 細 費 はす べ て 日本 側 の負 担 と さ れ て い る 。 ﹁ 代 理出願﹂契約を締 明 細 書 を 日本 語 に翻 訳 し 、 添付 さ れ て いる 譲渡 証と と も に 日本 書 が 送 付 さ れ た 。 し か し 、 東 京 電 気 は 送付 さ れ てき た特 許 明 細 結 す るま で、 G Eは 弁 理 士 であ る 岸 を 介 し て 特 許 出 願 と特 許 管 事 し 、 日本 市 場 にお け る 競 争 に お いて 営 業 利益 を あ げ な け れば 書 のす べ てを ﹁代 理 出 願 ﹂ し た わ け で は な い。 G E か ら 送付 さ 理 を 行 って いた 。 こ の場 合 出 願手 数 料 、 毎 年 の特 許 料支 払 な ど な ら な い。 し た が って、 第 三 者 に よ る 特 許 権 の侵 害 に神 経 質 に れ てき た 特 許 のど れ を 出 願 す る か の選択 権 は東 京 電気 にあ り 、 は G Eが 直 接 負 担 し て いた 。 た と え ば 特 許 出 願 に つ いて み る と、 の特 許 局 に特 許 出 願 す る 。 第 四 に 、契 約 条 項 にも あ る よう に 、 特 許 権 を 維 持 す る た め に毎 年 行 わ な け れば な ら な い特 許料 支 払 外 部 弁 理 士 に依 頼 す る と 次 の費 用 が か か る 。 特 許 局 に 支払 う 印 特 許 出 願 や特 許 料 支 払 な ど 、 特 許管 理 に 関 す る 諸経 費 はす べ て の継 続 に か ん す る 判 断 も 日 本 側 に あ った 。東 京 電気 は 、 送 ら れ な り 、 も し 特 許 侵 害 が 発 生 す れ ば 東 京 電 気 が自 ら のこ とと し て てき た 特 許 の出 願 の要 否 や 特 許 料 支 払 、 つま り 特 許権 の継 続 の 紙 代 は 一件 に つき 一〇 円 で、 弁 理 士 に 支 払う 手 数 料 は 五 〇円 で 東 京 電 気 の負 担 であ った 。 要 否 な ど の判 断 を 行 い、 経 営 上 必 要 と考 え ら れ る特 許 に つ いて 書 が英 文 であ る の で翻 訳 料 一二 〇 円 が 加 算 さ れ る 。 さ ら に特 許 あ る。 さ ら に、 G Eが 直 接 日 本 で 出 願 手 続 を 行 った 場 合 、 明 細 G E が 日本 に お い て特 許 を 取 得 す る 際 に ﹁代 理 出 願﹂ 方 法 を が 登 録 さ れ ると 謝 金 と し て 一〇 〇 円 を 支 払 う 必 要 が あ り 、 出 願 のみ 出 願 し 権 利 を 保 有 し た 。 用 いた のは 、 次 のよ う な 利 点 が あ った か ら で あ る と考 え ら れ る。 47 第37巻第3号 経営史学 東 京 電 気 の 技 術 国 籍 別 特 許 出 願(1905-1938年) 図1 文 論 注)発 明者が不明 な特許は除いた。 出所)特 許明細書 より作成。 だ け で 二八 〇 円 か か る( 。8 こ8 れ)は 一件 あ た り の費 用 で あ る ので 、 EC は ﹁代 理 出 願 ﹂ 契 約 によ って費 用 無 し で 日 本 特 許 の管 理 が 数百件出願すると莫大な費用がかかることになる。しかしIG 可能 と な った の であ る 。 ﹂ 契 約 は 、 戦 間期 に お い て I G E C が 日 本 に お け ﹁ 代理出 願 る特 許 を 効 率 的 に維 持 、 運 営 す る 国 際 的 特 許 管 理 の契 約 で あ っ お い ても G Eお よ び IG E C にあ る と 定 め ら れ て いた か ら で あ た 。 と いう のは 、 ﹁代 理 出 願﹂ 特 許 の実 質 の権 利 者 は 、 契 約 に る。 (8一 9 九)一九 年 の契 約 更 改 を 契 機 と し て 、 G E は 日 本 に お け る 東 京 電 気 の組 織 能 力 の発 展 が言 え る。 国 際 特 許 管 理 を イ ギ リ ス、 ド イ ツと 同 じ 方 式 と し た と いう こ と 3 ﹁ 代 理 出 願 ﹂ 契 約 に よ って 出 願 さ れ た 特 許 の明 細 書 に は 、 発 明者 は G E やG E の関 連 企 業 に所 属 す る 外 国 人 、 特 許 権 者 は 東 京 電 気 と 表 記 さ れ て いた 。 こ のよ う な 外 国 人 発 明 の出 願 件 数 の 明特 許 の出 願 の伸 び を 統 一的 に表 し た も ので あ る が 、 外 国 人 発 推 移 を 図 示 し た のが 図 1 であ る 。 図 1は 外 国 人 発 明 と 日 本 人 発 明 の出 願 は 一九 一九 年 か ら 始 め ら れ 、 急 速 に 出 願 件 数 が 拡 大 し て いる こと が わ か る( 。9 G0E )が こ のよ う な 大 量 の日 本 特 許 の出 願 と 管 理 を 東 京 電 気 に代 行 さ せ るた め には 、 東 京 電 気 内 部 に特 許 最後 に 、 ﹁代 理 出 願 ﹂ に よ る 国 際 特 許 管 理 を 行 う た め に G E が 管 理を 行 う こと が でき るだ け の組 織 能 力 が な け れ ば な ら な い。 48 東 京 電 気 の組 織 能 力 を 強 化 し た 側 面 を 見 よ う 。 あ った 。 こ の事 件 で の請 求 人は 東 京 電 気 で、 代 理 人 は 小 松 と 後 さ せ た 。特 許 課 の設 置も ゲ ア リ ー の 王導 であ った( 。9 新5 た)に設 置 G E は 一九 二 一年 に東 京 電 気 内 部 に社 長 直 属 の特 許 課 を 設 置 に東 京 電気 の 特 許課 に所 属 す る こと にな る芝 山 岩 尾 であ った 。 ﹁ 代 理出願 これ ら の特 許 の 一部 は 一九 一七 年 ご ろか ら 実 験 室 内 に 置 か れ た さ れ た 特 許 課 は 、組 織 上 研究 所 や 工業 部 と は 独 立 した と こ ろ に 商 標 や意 匠 の管 理 に 関 し て は 一九 一九 年 の ﹁ 代理出願﹂契約以 特 許 担 当 者 に よ って出 願 処 理 さ れ て いた 。 こ のと き 特 許 出 願 業 位 置付 け ら れ 、 全社 の特 許 管 理 を 集 中 的 に管 理 す る専 門 の管 理 ﹂ 契 約 を 締 結 し た 時 点 で、 東 京 電 気 には 特 許 出 願 務 を 行 った の は小 松 茂 八 であ った( 。9 小1 松)は 自 ら も 特 許 開 発 を 行 部 門 で あ った 。 特 許 課 設 置 にあ た り 初 代 の特 許 課 長 と な った の 前 か ら し だ いに東 京 電気 が行 う よ う にな った と いえ る。 って いた 東 京 電 気 の技 師 であ った が( 、9 弁2 理)士 資 格 を 取 得 し 、 東 は 小 松 で あ った 。 以 前 か ら東 京 電 気 内 で特 許 出 願 を 担 当 し 特 許 や特 許 管 理を 行 う 専 門 の部 署 は 設 置 さ れ て いな か った 。 東 京 電 京 電 気 に お け る 最 初 の有 資 格 者 と な った 。 し か し G E 特 許 の に 精 通 し て いた 小 松 を 特 許 課 長 に 据 え る こと で 、 ﹁代 理 出 願 ﹂ 気 の名 義 で出 願 され た 特 許 は 一九 一八 年 ま で に 一六 件 あ った が 、 ﹂ 業 務 を 行 う 上 では 、 こ の 出 願 体 制 は 不 十 分 であ っ ﹁ 代 理出願 た。 組 織 的 にも 実 験 室 内 で業 務 を 行 う こと は 効 率 的 では な く 、 業 務 を 行う 体 制 を 整え よう と し た の であ る。 ﹂ さ れ た 特 許 の代 理 人を み る と 、 一九 二 二 年 二 月 出 岡久 司郎 を 相手 に ﹁ 第 一三 三 一〇号 意 匠 登 録 無 効 審 判 請 求 ﹂ を った。 東 京 電気 は 一九 一八年 三月 二 五 日 に高 岡 電 球 製 作 所 の高 た。 最 初 に東 京 電気 に移 転 さ れた のは 、 商 標 と 意 匠 の管 理 であ は しだ いに特 許管 理機 能 の 一部 を 東 京 電 気 に行 わ せ る よ う にし E の 日本 に お け る責 任 者 であ った ゲ アリ ー であ った( 。9 ゲ3ア )リ ー 願 以 降 か ら 小 松 茂 八 に な って いる の で 、 特許 課 に よ る ﹁ 代理出 た 。 特 許 明 細 書 に記 載 さ れ て いる代 理 人 は 、 一九 二 二年 三月 出 人 員 と 能 力 を 拡 充 し な け れ ば な らず 、 こ の準 備 に時 間 がか か っ 必 要 であ った 。 東 京 電気 で は 小松 課長 を 責任 者 と し た特 許 課 の 法 的 知 識 が 必 要 であ る と と も に 、英 文 明 細書 を 翻 訳す る こと も ﹁代 理 出 願 気 名 義 で G E 特 許 を 出 願 す ると いう 体 制 であ った こと がわ か る。 願 ま で は 岸 清 一と 記 載 さ れ て おり 、 こ の当 時 はま だ 岸 が東 京 電 ﹁代 理 出 願 し か し 特 許 管 理 機 能 の 移 転 に は も う 少 し 時 間 が か か った 。 G E か ら 送 ら れ てく る 明細 書 を 翻 訳 し 、 手 続 書 類 を 作 成 し 、 管 理す ると いう 特 許 管 理専 門 の部 門 が作 ら れ な け れ ば な ら な か っ た。 特 許局 に 提 出 し た( 。9 こ4の ) 事 件 は、 高 岡 の所 有 す る蛙 型 装 飾 電 球 願 ﹂ 業 務 は こ の時 点 か ら 開始 さ れ た と いえ る 。 ﹁代 理 出 願 ﹂ 契 東 京 電 気 に お いて特 許 部 門 の設 置 と 強 化 を 主 導 し た のは 、 G の意 匠 が 、東 京 電気 が G E か ら型 を 取 り 寄 せ 一九 一五年 か ら 製 ﹂ を 行う た め には 特 許 出 願 手 続 に 関す る 専 門 知 識 や 造 し て いたも の と 同 一であ り 、意 匠 は無 効 であ ると し た も の で 49 第37巻第3号 経営史学 文 論 約 か ら 三 年 後 、 特 許 課 設 置 か ら 一年 後 に 、 小 松 課 長 のも と で ﹁ 代 理出願 ﹂ が 開 始 さ れ 、 こ こ に G E が 東 京 電 気 の特 許 管 理 機 ﹁ 代 理出願 能 を と お し て 日本 特 許 を 管 理す る体 制 が 一応 完 成 し た 。 ﹂ によ る 国 際 特 許 管 理 は 順 調 に進 む か に 見 え た 。 五 結 論 本 稿 の最 初 に 述 べ た 三 つの 課 題 に沿 って結 論 を 述 べ れば 、次 た。 (9 芝9 山)は震 災 後 の 一九 二 三年 一〇月 二九 日 に事 務 所 を 東 京 電 で東 京 電気 の代 理 人 を 務 め て いたが 東 京 電 気 の社 員 では な か っ と な った の は芝 山 であ る。 (9 芝8 山)は前 出 の意 匠 事 件 で 小 松 と 共 同 が倒 壊 し 、小 松 は 震 災 の犠 牲 者 と な ってし ま った( 。9 小7 松)の後 任 ン特 許 裁 判 を行 い、 日 本 電球 産 業 の東 京 電 気 への集 中 を 果 た し った 。 G E は 日本 特 許 を自 ら が管 理 し、 G E自 身 が タ ン グ ス テ か ら 特 許 ラ イ セ ン ス を 与え ら れ る製 造 工場 と いう 位 置 付 け であ 事 業 を 進 め た の で あ る が 、第 一次 大 戦 期 ま で は東 京 電 気 は G E 定 を 締 結 し 、東 京 電気 の活動 を 媒 介 し て電 球 分 野 にお け る対 日 か に す る こ と であ った 。 G E は 一九 〇 五年 に東 京 電 気 と 特 許 協 第 一の課 題 は第 一次 大 戦期 ま で の G E の特 許 管 理 活 動 を 明ら のよう に な ろう 。 気 社 内 に移 転 さ せ て おり 、 こ の時 点 で東 京 電 気 へ入 社 し た こと た ので あ る 。 従来 電球 産 業 の集 中 は東 京 電 気 が主 導 した と 述 べ し か し 一九 二 三年 九 月 一日 の関 東 大 震 災 によ り 東 京 電 気 の建 物 が わ か る。 (1 芝0 山0 は)小 松 の後 を 受 け て 一九 二三 年 か ら 約 一年 間 特 タ ング ステ ン特 許 裁 判 の審 理 に 関わ って いた( 。1 特0 許2行 )政 に詳 し 課長 と し た。 (1 藤0 井1は )特 許 局 技 師 と し て、 直 前 ま でG E の 一連 の 九 二 三年 に特 許 局 技 師 であ った藤 井 隣 次 を 入 社 さ せ 、 翌 年 特 許 特 許 課 の能 力 を 大 幅 に拡 充 す る 必要 が あ った 。 東 京 電 気 は 、 一 か ら 同 様 の契 約 を締 結 し て いた が 、 一九 一九 年 以 降 は 東 京 電 気 気 に 管 理 さ せ るも の で あ った 。 G E は B T H 、 A E Gと は以 前 が あ った 。 こ の ﹁代 理 出 願﹂ 契 約 は 、 G E の 日本 特 許 を 東 京 電 の特 許 を 自 ら の名 義 で 日 本 の特 許 局 に出 願 し ても よ いと の規 定 G E C が 締 結 し た東 京 電 気 と の特 許協 定 には 、東 京 電 気 が G E 出 願 ﹂ 契 約 か ら 明 ら か に す る こ と であ った 。 第 一次 大 戦 後 に I 第 二 の課 題 は 、 戦 間 期 に お け る G E の国 際 特 許 管 理 を ﹁ 代理 京 電 気 に よ る 産業 集 中 で は な か った。 ら れ てき て いる が 、 実 際 に は G E が集 中 を 進 めた の であ り 、東 許 課 長 を務 めた 。 関東 大 震 災 があ った も の の次 第 に ﹁ 代理出願﹂数が増加し て ゆき 、 同時 に特 許 部 が研 究 所 を 中 心 と し た 社 内 提 案 を 特 許 出 願 く 同 時 に G E の特 許 裁 判 に 関係 した 藤 井 を 特 許 課 長 と し た こと と も 同 様 の契 約 を 締 結 し 、 戦 間 期 に は世 界 的 な ﹁ 代理出願﹂契 す る件 数も 増 大 し て い った 。 増 大 す る業 務 を 処 理 す る た め には 、 で 、 戦 間期 の ﹁ 代 理出 願 ﹂ に よ る国 際 特 許 管 理 の機 能 が 完 全 に 約 網 が 作 ら れ た ので あ る 。 東京 電気 へと 移 転 さ れた と いえ る。 50 第 三 の 課 題 は 一九 二 〇年 代 初 頭 にお け る特 許 管 理 機 能 の移 転 を 明 ら か に す る こと で あ った。 東 京 電 気 に G E特 許 の ﹁代 理 出 願﹂ 業 務 を 行 わ せ る た め に は、 東 京 電 気 の特 許 管 理 組 織 を 立 ち 上 げ る 必 要 が あ った 。 G Eを 代 表 す るゲ ア リ ー は 一九 二 一年 に 社 長直 属 の特 許 部 門 を 設立 し 、 さ ら に人 事 の面 でも タ ン グ ス テ ン特 許 裁 判 に 関 係 し た 特 許 局技 師 であ る藤 井 を ス カ ウト す る こ と に よ っ て、 特 許 課 を 強化 し た。 藤 井 は 東 京 電 気 が芝 浦 製 作 所 と 合 併 す る ま で 特 許 課 を率 い、 G E の国 際 特 許 管 理 に役 割 を 果 記 たした。 付 末 筆 な が ら 、 本 稿 を 執 筆 す る に あ たり イ ン タ ビ ュー に応 じ て いた だ いた 元 東 京 芝 浦 電 気 株式 会 社 常務 取 締 役 関晴 雄 様 、 元 同 社 特 許 部 長 小 津 厚 二郎 様 、 元 同 社 特 許 部 ( 知 的 財産 部 )技 監 高 橋 甫 様 、 資 料 調 査 に便 宜 を 図 って いただ いた (株) 東芝 、大 阪府 立 関 西 特 許 情 報 セ ンタ ー 、 及 び 日 本 弁 理 士会 大 阪 支 部 の方 々 に 、 記 し て感 謝 し ま す 。 ( 1) 板垣博 ﹁一九二〇年代アメリカ電機産業 の海外進出- GEの海 六 月 。 同 ﹁ア メ リ カ お よび ドイ ツ電 機 産 業 にお け る カ ル テ ル形 成 と そ の 国 際 化 に つ いて -戦 前 の G Eを 中 心 に見 た 特 許 支 配 と カ ル ﹃ 多 国 籍 企 業 と 知 的 所 有 権 - 特 許 と 技 術 支 配 の経 済 学 テ ル に よ る 市 場統 制 -﹂ ﹃三 田 商 学 研 究 ﹄ 第 三 〇 巻 第 四 号。 ﹄ 森 山 書 店 、 一九 八 九年 。 (2) 林 倬 史 (3 ) 特 許 管 理 は ﹁企業 が 利 潤 の獲 得 を な す の に最 も 適 切 な 効 果 を 生 ( pat ents) と 、 む よ う に 特 許 制度 を 利 用す る こと を 目的 ﹂ に行 わ れ るも の であ り 、 ( product s) と の関 係 を 、 一定 の経 営 政 一般 的 に ﹁自 己 お よ び 他 人 の 所 有 す る 多 く の 特 許 自 己 お よ び 他 人 の生 産 物 策 (pol i cy) と こ れ を 実 現 す るた め の周 到 な 計 画 (pl an) と に基 ﹃ 特 許 管 理 ﹄ 工業 づ い て適 切 に 処 理 し 、 以 って 最終 目 的 た る利 潤 (prof i t) の確 保 を 計 る 管 理 方 式 ﹂ と 定義 さ れ る。 井 上 一男編 著 所 有 権 実 務 双 書 、 有 斐 閣 、 一九 六 六年 、 三 、 六 ペ ー ジ。 研 究 には 主 に次 のも のが あ る 。藤 原貞 雄 ﹁わ が 国 電機 産 業 に対 す (4 ) 第 二次 大 戦 以 前 に お け る 東京 電気 と G Eと の 関係 を論 じ た 先 行 一 ・二号 、 一九 七 二 年 七 月 。 同 ﹁わ が 国 電機 産 業 に 対 す る直 接 投 る 直 接 投 資 -第 一次 大 戦 前 の場 合 -﹂ ﹃経 済 論 叢 ﹄ 第 一 一〇 巻 一九 七 三 年 三 月 。 資 - 一九 二 〇 年 代 初 頭 の場 合 -﹂ ﹃経 済 論 叢﹄ 第 一 一 一巻 三 号 、 出 版 局 、 一九 九 二年 。 林 義 勝 ﹁電 気 産 業 に お け る ア メ リ カ の技 術 一寸 木 俊 昭 ﹃日 本 の企 業 経 営 - 歴 史 的 考 察 -﹄ 法 政 大 学 哲男 ﹃ 戦間期 アメリカ の海外投資﹄東京 大学出版会 、 一九 七七年。 一九 八 四 年 三 月 。 長 谷 川信 ﹁技 術 導 入 か ら 開 発 へ﹂、 由 井 常 彦 ・ 導 入 - 世 紀 転 換 期 も う 一つの 日 米 関 係 -﹂ ﹃駿 台 史 学 ﹄ 第 六 一巻 、 外進出と 世界市場﹂ ﹃ 国民経済﹄第 一三 六号、 一九七七年。安保 吉田正樹 ﹁一八八〇年代から 一九二〇年 代におけるアメリカ電機 大 東 英 祐 編 ﹃大 企 業 時 代 の到 来 ﹄ 岩 波 書 店 、 一九 九 五 年 。 同 ﹁大 産業 の海外 進出﹂ ﹃ 三田商学研究﹄第三 〇巻 第二号、 一九 八七年 51 第37巻第3号 経 営史学 文 論 倉 組 の電 気 機 械 ビ ジ ネ スと A E G の対 日 戦略 -第 一次 大 戦 以 前 に に同 部 協 約 課 に 転 属 、 そ の後 外 国 企 業 と の契 約 関 係 に長 ら く 携 わ 二部 に配 属 さ れ 、 一九 四 三 (昭 和 一八 )年 特 許協 約 部 設 立 と 同 時 (11 ) 特 許 庁 、 前 掲 、 一五 〇 - 一五 一ペー ジ 。 って こら れ た 。 お け る G E の 特 許 戦 略 と の 関 係 で- ﹂ ﹃ 青山経営論 集﹄第三〇巻 (12 ) 同 上 、 二 〇 二 -二 〇 五 ペー ジ 。 一号 、 一九 九 五 年 七 月 。 同 ﹁外 資系 企業 の経 営 発 展 と 組 織 能 力 東 京 電 気 の事 例 分 析 -﹂ ﹃青 山 経 営 論 集 ﹄ 第 三 〇巻 三 号 、 一九 九 エジ ソ ン特 許 の失 効 (21) 特 許 第 一〇 八 一六 号 ﹁導 電 体 ﹂ (一九 〇 六 年 )、 一二 三 七 二 号 九 〇 四 年 出 願 )。 電 燈 用 繊 條 ﹂、 一 一八 二 二号 ﹁白 熱 電 燈 繊 條 用 炭 素 ﹂ (いず れも 一 (20 ) 特 許 第 八九 七 八 号 ﹁繊 條 製 造 法 の改 良 ﹂、 一 一七 〇 七 号 ﹁白 熱 (一九 〇 二年 出 願 )。 ご。 年 出 願 )、 六 四 二 六号 ﹁白 熱 電 燈 用 炭 化 ﹃ふ いら め ん と﹄ 製 造 法 ﹂ (19 ) 特 許 第 六 一三 九 号 ﹁白 熱 電 燈 用炭 化 物 繊 緯 製 造 法 ﹂ (一九 〇 〇 二 五 五 号 ﹁改 良 ﹃ネ ル ンス ト﹄ 式白 熱 電燈 球 ﹂ (一九 〇 二 年 出 願 )。 〇 五 一号 ﹁﹃ね る んす と﹄ 式 白 熱 電 燈 球 ﹂ (一九 〇 一年 出 願 ﹂、 六 (18 ) 特 許 第 五 二 八 九 号 ﹁白 熱 電 気 燈 用 燈 沁﹂ (一八 九 九 年 出 願 )、 六 に ついては (17 ) (16 ) 特 許 第 九 九 九 号 明 細 書 。 あ り 、 いわ ば 有 効 な 特 許 出 願 のみ を特 許出 願件 数 とす る 。 特 許 は 、 技 術 開 発 の点 か ら も 有 効 な 発 明と は み な さ れな いか ら で 特 許 の出 願 のみ を 含 め る 。 出 願 さ れ ても 審 査 の 過程 で拒 絶 さ れ た (15 ) 本 稿 で特 許 出 願 件 数 を 計 算 す る 場 合 、 最終 的 に特 許登 録 さ れ た (14 ) 特 許 庁 、 前 掲 、 一八 四 - 一九 一ペー ジ。 七 年 、 七 三 - 七 四 ペー ジ 。 (13 ) 経 済 企 画 庁 総 合 計 画 局 編 ﹃知 的 所 有 権﹄ 大 蔵省 印 刷局 、 一九 八 五 年 一 一月 七 ベー ジ 。 ( 技術 ・ (上 巻 )﹄ 一九 八 四 年 、 六 六 二 (5 ) 竹 内 宏 ﹃電 気 機 械 工 業 ﹄ 東 洋 経済 新 報 社 、 一九 六 七 年 、 一 一二 -二 (6 ) (7 ) 特 許 庁 ﹃工業 所有 権 制 度 百 年 史 ﹃ 特 許 ニ ュー ス﹄ 一九 -六 六 八 ペー ジ 。 富 田 徹 男 ﹁特 許 に よ る技 術 移 転 の功 罪 ﹁知 的 所 有 権 ﹂、 中 岡 哲 郎 ・鈴 木 淳 ・堤 一 文 化 ・知 的 所 有 権 二 八 )﹂ 通 商 産 業 調 査 会 九 八年六 月 五日。同 郎 ・宮 地 正 人 編 ﹃新体 系 日 本 史 一 一 産 業 技 術 史 ﹄ 山 川 出 版 社 、 二 〇 〇 一年 、 四 五 五 - 四 六 一ペー ジ。 (8 ) 長 谷 川 ﹁技 術 導 入 か ら 開 発 へ﹂、 同 ﹁外 資 系 企 業 の 経 営 発 展 と ﹃ 特 許 公 報﹄ お よ び ﹃特 許 発 明 明 細 書 ﹄ に記 載 さ れ て いる 特 許 組 織 能 力 ﹂。 (9) に よ って 閲 覧 可 能 で あ る。 明細 書は 現在 特許 庁 が運営 す る特許 電子 図書 館 を 利 用 した 。 ま た 本 稿 で は ア メ リ カ 特 許 の 調 査 を 行 う にあ た り U S P T O の データベース 氏 は 一九 四 〇 (昭和 一五 )年 入 社、 東 京 芝 浦 電 気 株 式 会 社 本 社 第 (10) 二 〇 〇 一年 五 月 二 三 日 、東 京 。以 下 ヒ ア リ ング と 記 す 。 関 晴 雄 52 ﹁ 白 二 郎 が 一連 の タ ン グ ス テ ン 特 許 裁 判 の 請 求 書 、 弁 駁 書 、 反 駁 書 な ど当 事 者 間 で やり 取 り され る裁 判 資 料 を 編 纂 し 注 釈 を 加 え た も の ﹂ (一九 〇 七 年 出 願 )、 一六 七 九 六 号 であ る 。 編者 は東 京 高 等 商 業 学 校 を 大 正 五年 に卒 業 、 商 学 士 の学 ﹁ 白 熱 電 燈 用 繊 條 製 造 法 熱 電 燈 用 繊 條 ﹂ (一九 〇 七 年 出 願 )、 二 一五 七 六 号 ﹁発 熱 単 位 又 は 白 熱 電 燈 用 と し て 繊 條 又 は 抵 抗 物 を 製 造 す る 方 法 ﹂ (一九 〇 九 年 (東 京 府 北 豊 島 郡 巣 鴨 町 ) 相 談 役 で あ った 。 裁 判 資 料 は 東 洋 電 球 に 所 属 し て ( 現 メト ロ電 気 Bri ght ,op.ci t . ,pp.184-186. 工業 株 式 会 社 )取 締 役 及び 支 配 人 、 東 洋 電 球 株 式 会 社 Ibid. ,pp.186-187. 位 を 持 ち 、 大 正 一 一年 に は 横 浜 電 気 工 業 株 式 会 社 (22 ) 出 願 )。 Bri ght,op.ci t . ,pp.198-200. (23 ) いた大 島 ﹃東 京 高 等 商 業 学 校 一 一年 度 用 。 東 京 高 等 商 一覧 ﹄、 大 正 五 年 、 一四 四 ペ ー ジ 。 ﹃日 本 工 業 要 鑑 ﹄ 大 正 (70 ) も 参 照 ) よ り 入 手 し た も の で あ る と 考 え ら れ Ibid. ,p.191. 業 学 校 る 。 工 業 之 日 本社 (注 (24 ) 一ペ ー ジ 。 ﹃ 外 国 特 許 出 願 の 実 務 ﹄ 発 明 協 会 、 一九 九 八 年 、 五 一 飯 田幸 郷 -六 (25 ) (44 ) (43 ) (42 ) (41 ) St ocki ng,G.W . ,M .W .W atki ns,Car t el si n A ct i o n:Cas e St udi e s Ibi d. ,pp.244-246. Bri ght ,o p.cit . ,pp.238-239. 同 上 。 特 許 第 一〇 八 三 一号 明 細 書 。 Bri ght,op.ci t . ,p.193. i n I nt ernat i o nalBusiness Di pl omac y,The Twenti et h Cent ury Fund, 特 許 第 一八 九 六 一号 明 細 書 。 一〇 一四 八 号 明 細 書 。 特 許 第 一〇 八 七 七 号 明 細 書 。 I bid. ,pp.187-189. 1946,pp.318-320. (39 ) (28 ) 特 許第 一〇 八 〇 七 号 明 細 書 。 Bri ght,op.ci t . ,pp.191-192. (29 ) 特 許第 (26 ) (30 ) 特 許 第 一〇 八 三 〇 号 明 細 書 。 (40 ) (31 ) U S Pat ent No. 1, 018, 502. , “I ncandescent Bodi es f or El ectri c (32 ) 特 許 第 一三 六 一二 号 明 細 書 。 (27 ) (33 ) US PatentNo.1, 082, 933. ,“Tungst en and Met hod ofM aki ng t he Bri ght,o p.ci t . ,pp.194-196. Lamp. ” (34 ) 明 細 書 に記 載 す る 方 法 を 以 て特 許 の 電 球 繊條 を 製作 し 之 に依 て電 於 い て被 請 求 人 の承 認 を 経 て本 件 特 許 の実施 権 を 獲 得 し本 件 特 許 スグ リ ュー リ ヒ ト﹄ 会 社 ⋮等 世 界 一流 の電球 会 社 は 盡 く皆 現 在 に (47 ) ﹁⋮ 独 逸 国 の ﹃ア ル ゲ マイ ネ ﹄ 会 社 、 ﹃ジ ー メ ン ス﹄ 会 社 、 ﹃ガ (46 ) Ibi d. ,pp.316-317. る カ ル テ ル形 成 と そ の 国 際化 に つい て ﹂、 五 八 ペー ジ 。 (45) I bi d. ,p.316.吉 田正 樹 ﹁ア メ リ カ お よ び ド イ ツ電 機 産 業 にお け (35 ) Same f or Use as Fi l amentsofIncandescentEl ectri cLampsand f or 特 許 第 二 〇 八 九 四 号 明細 書 。 OtherPurposes. ” (36 ) 特 許 第 一八 九 六 一号 明 細 書 。 球 を 製 造 す る も のな り ⋮ ﹂ (﹁特 許第 一八 九 六 一号無 効審 判 請 求 事 (37 ) 件 ﹂、 G E 側 反駁 書 、 一九 一七 年 五月 二 一日)、 渡 邊 、前 掲 、 第 五 ﹁特 許 第 一 八 九 六 一号 無 効 審 判 請 求 書 ﹂ ( 請 求 人大 島 辰 之 助 、 被 (38 ) (48 ) 特 許 第 一三 六 一二 号 は 一九 〇 九年 八 月 二 七 日 に 譲 渡 登録 さ れ て 節 、 二五 ペー ジ 。 一月 一七 年 ﹃﹁タ ン グ ス テ ン ﹂ 特 許 電 請 求 人 ゼ ネ ラ ル ・ エ レ ク ト リ ッ ク ・ コ ム パ ニ ー 、 一九 一九 日 、 審 判 三 四 四 二 号 )、 渡 邊 二 郎 編 球 問 題 ﹄、 一九 二 〇 年 、 第 五 節 、 一 - 四 ペ ー ジ 。 こ の 資 料 は 渡 邊 53 第37巻第3号 経営史学 文 論 に 提 出 し た こと に始 ま る。 渡 邊 、前 掲 、 第 一節 、 一- 二 ペ ージ 。 貫 が G E に 対 し て ﹁特 許第 一〇 八 三 一号 無 効 審 判 請 求 ﹂ を 特 許 局 ﹃ 特 許 公 報 ﹄ 一三 八 一号 、 一九 〇 九 年 九 月 二 二 日 。 最終 的 に特 許 局 は 西本 の請 求 を 棄 却 した が 、 G Eは 一九 一六年 六 いる。 特 許 局 さ れ て い る。 同 、 一三 九 一号 、 一九 〇 九 年 一〇 月 一五 日 。 な お 、 ま た 、第 一〇 八 〇七 号 と 第 一四七 四 六 号 は 九 月 二 八 日 に 譲 渡 登 録 (61) 同 上 、第 二節 、 一 一- 一五 ペ ージ 。 わ れ る。 一号 を放 棄 した の は他 の訴 訟 を 進 め やす く す るた め であ った と 思 月 に こ の特 許 を 放 棄 し 、実 質 的 に終 了 さ せ た 。 G Eが 第 一〇 八三 一九 〇九 年 に G Eは ク ツ エ ル の ア メリ カ 特 許 を 二 四 万 ド ルで 買 第 一四七 四六 号 の名 称 は ﹁白 熱 電 気 燈 ノ金 属 焙 支 持 装 置 ﹂。 (49) (62) 同 上 、第 二節 、 一- 三 ペ ージ 。 収 した 。 Bri ght ,o p.c it . ,p.193. (50) Hasegawa,o p.c it . ,pp.166-167. (65) 同 上、 第 七 節 、 一-九 ペ ージ 。 (64) 同 上 、第 四節 、 一- 一二 ペ ージ 。 同 、 第 八 節 、 一-九 ペ ージ 。 (63) 同 上 、第 三節 、 一- 四 ペ ージ 。 (51) G Eと A EG の交 渉 に つ い ては 、 長 谷 川 ﹁大 倉 組 の電 気 機 械 ビ (52) 同 上 、 一四 - 一五 ペー ジ 。 ジネ スと A EG の対 日 戦 略 ﹂ を 参 照 し た 。 (53) 同 上 、 一七 ペ ージ 。 (66) こ のあ と さら に G E は大 日本 電 球 に対 し 一九 一八 年 一二月 九 日 (68) 同 上 、 第 六 節 、 一ペ ージ 。 (67) 同 上 、 第 九 節 、 一-六 ペー ジ 。 二 一-二 七 ペー ジ 。 一ペ ージ 。 提 出 した 。 同 上 、 第 一〇節 、 一- 一三 ペー ジ 、 第 一 一節 、 一 -一 本 電 球 も 翌 三月 一九 日 に ﹁特 許 第 二〇 八 九 四 号 無 効 審 判 請 求 ﹂ を に ﹁特 許 第 二 〇 八九 四号 権 利 範 囲 確 認 審 判 請 求 ﹂ を 提 出 し 、 大 日 (54) 警 告 書 に つ い ては 、 渡 邊 、 前 掲 、 第 二 節 、 四 - 五 ペー ジ 。 ペ ージ 。 (55) 日本 電 球 工 業 会 ﹃日 本 電 球 工 業 史 ﹄、 一九 六 三 年 、 五三 - 五 六 (石 崎 千 代吉 、 第八八九 二号) 、大阪電 球 ・錦商会 ( 河村春太郎 (56) 独 自 の特 許 を 企 業 化 し た も のは 次 の通 り 。 電 光舎 杉山繁太 郎- 第 二〇六四 第 一七 五七 五 号 、 第 一〇 八 八 七 号 、 第 一九 八 六 一号 、 第 二 〇 七 三 八 号 。 難 波 ( 伊藤 隆三郎 第 一二 三 七 七 号 。 今 澤 精 一郎- (69) 同 上 、 第 六 節 、 二 - 五 ペー ジ 。 (井 上 ) 守 第 一八 一九 五 号 )、東 京 電 球 製 作 所 (70) ほ か にも 当 時 大 島 電 気 工務 所 主 であ った 大 島 辰 之 助 が 一九 一七 理 が 行 わ れ た が 、 一九 二〇 年 四 月 二二 日 に 審 判 請 求 資 格 な し と の 判 第 三 四 五 二号 ) を 特 許 局 に提 出 し た 。 他 の特 許 訴 訟 と 同 時 に 審 年 一月 に G E に 対 し て ﹁特 許 第 一八 九 六 一号 無 効 審 判 請 求 ﹂ (審 八 号 )、 エ ム電 球 製 作 所 (のち に三 平 株 式 会 社 。 松 本 直 ほ か第 二〇 九 二 七 号 、 第 二 〇 二四 三 号 ) な ど 。 三 五 - 一三 七 ペー ジ 。 (57 ) 安 井 正 太 郎 編 ﹃東 京 電 気 株 式会 社 五 十 年 史 ﹄、 一九 四 〇年 、 一 - 五 ペ ージ 、 同 、 結 論 、 一五 - 一七 ペー ジ 。 そ の後 大 島 は 一九 二 理 由 で審 判 請 求 却 下 の審 決 が 出 さ れ た 。 渡 邊 、 同 上 、 第 五 節 、 一 第 三 節 、 五 ペー ジ 。 (71) 岸 同 門 會 ﹃岸 清 一傳﹄、 一九 三九 年 、 九 七 ペー ジ 。 渡 邊 、前 掲 、 二年 には 東 洋 電 球 株 式 会 社 に 所 属 し て いた 。 工 業 之 日 本 社 、 前 掲 。 (58 ) 日 本 電 球 工 業 会 、 前 掲 、 六 七 - 七 〇 ペー ジ 。 ウ グ スト ・ク リ ュー ゲ ル の発 明 を 岡 本 が 日 本 で 出願 し たも の と考 (59 ) 後 に 述 べる よ う に 岡 本 宜 美 の特 許 は イ ギ リ ス 人 エル ン ス ト ・ア え ら れ て いる 。 (60 ) タ ング ス テ ン特 許 訴 訟 の始 ま り は 一九 一四年 一月 一六 日 に 西本 54 (72) 渡 邊 、前 掲 、 第 三節 、 九 - 二〇 ペー ジ 。 し て いる 。 関氏 か ら の ヒ ア リ ング 。 芝浦 電気 と の 間 で交 わ さ れた 契 約 書 を 読 ま れ た 関 氏 も これ を 確 認 (85) 関 氏 、 小 津 氏 か ら の ヒ ア リ ング 。 (73) 安 井 、前 掲 、 一六 二 ペー ジ 。 (74) 渡 邊 、前 掲 、第 七 節 、 二九 九 -三 三 〇 ペー ジ 。 (86) こ の 一ド ル の意 味 は ﹁対 価 無 く し て契 約 は 成 立 し な い﹂ と の理 が 、 特 許 出 願 一件 あ た り の翻 訳 料 は 六 〇万 円 か ら 一〇 〇万 円 にな 〇 〇 円 か ら 四 、 〇 〇 〇 円 の翻 訳 料 が 必 要 で、 明 細 書 の量 にも よ る ペ ー ジ 。 現 在 、外 国文 に よ る出 願 の場 合 は 一〇 〇 ワ ード で三 、 〇 (88) 弁 理 士 会 ﹃弁 理 士 制 度 一〇 〇 年 史 ﹄、 二〇 〇 〇年 、 五 二 - 五 三 (87) 関 氏 、 小 津 氏 か ら の ヒ ア リ ング 。 アリング。 由 か ら 契 約 の有 効 性 を 主 張 す るた め のも の であ る。 関 氏 か ら の ヒ (75) 同 上 、 結 論 、 一- 一 一ペー ジ 。 安 井 、 前 掲 、 一六 二 - 一六 三 ペ ー ジ。 五 ペ ー ジ。 (76) 安 井 、同 上 、九 九 、 一 一三 - 一 一四 ペー ジ 。 林 義 勝 、 前 掲 、 六 (77) Uchi da,o p.ci t . ,pp.155-157. であ り 、ま た外 国 人特 許 を 取 扱 う 専 門 家 と し ても 有 名 であ った 。 る。 (78) 岸 は 一八九 九 年 末 にお け る特 許 代 理 業 者 一三 八 名 のう ち の 一人 し た 。 たと え ば 村 井 兄弟 商 会 と ア メリ カ ン ・タ バ コ の提 携 の斡 旋 一九 一四 年 に 二件 の 外 国 人発 明 の技 術 が東 京 電 気 名 義 で特 許 出 (93 ) 関 氏 か ら のヒ ア リ ング 。 ( 発 明 者 大 久 保 増 蔵 )、 同 年 一二 月 二 一日 出 願 の 第 三 三 二 八 四 号 ﹁硝 子 絲 製 造 機 械 ﹂ (発 明 者 山崎 升 彦 ) の 代 理 人 は小 松 であ った 。 (92 ) 特 許 第 三 三 五 五 七 号 ﹁白 熱 電 燈 ﹂、 一九 一八年 一月 三 一日 出 願 。 一九 一七 年 五 月 一六 日 出 願 の特 許 第 三 一三 六 八 号 ﹁電 流 制 限 器 ﹂ (91 ) こ の時 代 の特 許 明 細 書 に は代 理 人 の 記載 の無 いも の が多 いが 、 ﹃ 経 済 論 叢 ﹄ 第 一七 〇巻 第 五 ・六 号 、 二〇 〇 二 年 一 一 ・一二 月 。 拙 稿 ﹁第 一次 大 戦 以 前 に お け る 東 京 電 気 の技 術 開 発 と 特 許 管 理 ﹂ 願 さ れ て いる が 、 本 稿 で 述 べ る ﹁代 理 出 願﹂ に よ るも の では な い。 (90) 氏 か ら の ヒ アリ ン グ 。 願 ﹂ 特 許 を す べ て I G E C に返 却 す る こと が 定 め ら れ て お り 、 ﹁代 理 出 願 ﹂ 特 許 の究 極 的 な 所 有 権 は 東 京 電 気 に あ る ので は な く 、 I G E C に あ った と いえ る 。関 晴 雄 氏 も これ を 確 認 し て いる 。 関 に お いて も 、 第 三章 第 七節 で、 契 約 が失 効 し た と き には ﹁代 理 出 (89) 前 出 一九 三 九年 一〇 月 一二 日付 け I G E C -東 京 芝 浦 電 気 協 定 岸 は 日本 の外 資 導 入を 主 張 す ると と も に、 実 際 に外 資 導 入 を 斡 旋 ジ。 も 岸 が行 ったも の であ る。 岸 同 門 會 、 前 掲 、 三 六 一-三 六 三 ペー (79) 拙 稿 ﹁I G E C の事 業 部 化 と 国 際 戦 略 の 転 換 ﹂ ﹃ 経営 史学﹄第 三 五 巻 第 三号 、 二 〇 〇 〇年 一二月 、 六 〇 -六 二 ペ ージ 。 (80) 安 井 、前 掲 、 二 八 八 ペ ージ 。 ﹂ ﹃国 民 経 済 雑 誌﹄ 第 一八 六巻 第 四 号 、 二 (81) I G E Cと 芝 浦 製作 所 と の ﹁代 理出 願 ﹂ 契 約 に つ い ては 、 拙 稿 ﹁外 国 技 術 の 導 入 と 特 許 部 門 の役 割芝浦製作所 における特許 部 門 の設 立 と 展 開- 〇 〇 二 年 一〇 月 を参 照。 (82) G E が保 有 す る 特 許技 術 は、 G E自 身 が 開 発 した も の の他 に企 業 間 協 定 に よ って G E の所 有 と な った 特 許 技 術 も 含 ま れ て い る。 Company, I ncorporat ed and Tokyo Shi baura Denki Kabushi ki (83) Pri nci pal Agreement bet ween Internat i onal General El ect ri c Kai sha,Oct ober12,1939,国 立 国 会 図 書 館 憲 政 資 料 室 G H Q / S C A P 資料 、 CPC-04511,04512. (84) 入 社 直後 に G E お よび I G E Cと 東 京 電 気 、芝 浦 製 作 所 、 東 京 55 第37巻第3号 経営史学 文 論 求事 件 ﹂、 一-三 ペー ジ 。 (94) 渡 邊 、 前 掲 、 ﹁附 録 第 三 号 第 一三 三 〇 号 意 匠 登 録 無 効 審 判 請 (95) 関氏 、小 津 氏 、高 橋 氏 か ら の ヒ アリ ン グ。 二 〇年 五月 六 日 に出 願 さ れた 特 許 第 六 七 六 五 五 号 、 一九 二 一年 八 (96) 代 理人 の判 明 し て い る ﹁代 理出 願 ﹂ 特 許 に つ い てみ る と 、 一九 月 二 日 に出 願 され た 特 許 第 六 四三 〇 一号 、 同 年 一二 月 一四 日 に 出 願 され た 特 許 第 六 二三 六 〇号 、 一九 二 二年 二 月 六 日 に 出 願 さ れ た 理人 は いず れ も 岸 清 一と な って いる 。 特 許 第 四四 〇 九 四 号 は 、 東 京 電 気 が 特 許 権 者 と な って いる が 、 代 (97) 安 井 、 前 掲 、 一八 〇 - 一八 一ペー ジ 。 (9 8) 小 津 氏 、 高 橋 氏 か ら の ヒ アリ ング 。 (99 ) 訴 状 に 記 載 さ れ た 芝 山 の事 務 所 は ﹁東 京 市 麻布 区桜 田 町 十 七番 五十 二 番 地 東 京 電 気 株 式 会 社 内 ﹂ で あ った 。事 務 所 の位 置 か ら芝 地 ﹂ で あ り 、 小 松 の事 務 所 は ﹁神 奈 川 県 橘 樹 郡 川崎 町堀 ノ内 七 百 山 は 東 京 電 気 社 員 で な か った と 考え ら れ る 。渡 邊 、 前 掲 、 附録 第 三 号 、 一- 三 ペー ジ 。 (100) 特 許 局 ﹃特 許 公報 ﹄ 第 六 八 五 号 、 一九 二 四年 五月 二 八 日。 (﹁ 特 許 第 一八 九 六 一号 無 効 審 判 請 (101) 小 津 氏 、 高 橋 氏 か ら の ヒ ア リ ン グ。 人 事 興 信 所 ﹃人 事 興 信 録 第 一三 版﹄、 一九 三 一年 。 (102) た と え ば 審 判 第 三 四 四 二号 京都大学大学院) ﹃ 特 許 公 報 ﹄ 三 六 二号 、 求 事 件 ﹂) に 関 す る 一九 二 〇年 四 月 二 二 日 の審 決 で は藤 井 隣 次 が 特 許局 技 師 と し て関 わ って いる。 特 許 局 (に し む ら ・し げ ひ ろ 一九 二 〇年 五 月 二 八 日。 56 GE'S INTERNATIONAL PATENT WORLD THE “PROXY APPLICATION” OF (GE) in Japan before incandescent about by lamp on patents Tokyo for World own Japanese Denkyu, controlled by Therefore, lamp which GE. the based GE said that from But its GE suits and was and suits registered against Dainihon absorbed and patents not those by GE, newly Denkyu, lamp dominated the brought substantial for of foreigner-owned of was controlled a series the the 1919, applied Denkyu, Company domination to had Taisho industry Electric 1912 patents GE filed on won lamp is included companies, 1919, Japanese It initiative. 1916, were By II. of General occurred which From ELECTRIC management which Electric's AND University War industry, companies. established patent tungsten filament, German Kansai the 1919 Nishimura Kyoto examines OF TOKYO Shigehiro paper BEFORE II: CONTRACT ORGANIZATION This MANAGEMENT WAR companies. not by Tokyo Electric. In 1919, IGEC GE a •gproxy and GE function. an order Electric, 1921, J.R. to establish its similar and had the to intensify Geary, a patent applications” out Electric Electric. provided own The that name and Japanese had Allgemeine the charged management with patent GE cost. through and contained could That apply is, in the Electric's concluded Gesellschaft, with GE had network. management management function business (IGEC), Tokyo been patent department. in 1922. Moreover, Electric own Elektricitats and Inc. agreement Tokyo on already application•h contracts Co., new patents contracts international •gproxy to carry GE its managed As General Tokyo which in Thomson-Houston completed “proxy patents period, British with clause, GE'S managerial International agreement application•h interwar In its register In established revised in Japan, The through of Tokyo directed Patent Tokyo Department in order to strengthen Tokyo Electric. Electric started the department, Geary recruited Rinji Fujii, former engineer at the Japanese Patent Office, and put him in charge of the department in 1924. With this the functional transfer from GE to Tokyo Electric was completed.
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