腸炎に対するPipemidic acidの薬効評価

VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
125
腸 炎 に 対 す るPipemidic
Piromidic
本 廣
中島
acidと
acidの
薬 効 評 価
の 二重盲 検比 較 試 験
孝 ・阪 田
保 隆 ・藤 本
保 ・西 山
哲 也 ・石 本
耕 治 ・富 永
薫 ・山 下
亨
文雄
久 留 米 大 学 小児 科 学 教室
手 島 第
一 郎*・ 松
尾
利
子
北 九 州 市 立 朝 日ケ丘病 院 伝 染 科
長
田
英
輔**・ 二
宮
冬
彦**
福 岡 県立 朝 倉病 院 内 科
鮫
島
博
福 岡 県 立朝 倉病 院(副 院 長)
古
賀
暉
人
古 賀病 院 内 科
橋
本
雅
晴***
八 女 公立 病 院 内 科
木
下
啓
筑 後市 立 病 院 内 科
益
子
直
己 ・永
田
一
良**
福 岡 県立 柳 川病 院 内 科
坂
本
博
章
大 牟 田市 立 病 院 内 科
中
村
昌
弘
久留 米 大 学 微 生 物 学 教室
*: 現北 九 州 赤十 字 血 液 セ ン ター
**: 現 久 留 米 大 学 第2内 科 学 教 室
***: 現 橋 本 内 科
(昭和56年6月3日
受 付)
今回,細 菌性 赤 痢,腸 炎 ビブ リオ腸 炎 を 含 む 腸 炎 に 対 す るPipemidic
お よび 腸 内 細菌 叢 に及 ぼ す 影 響 に つ い て,対 照 薬 と してPiromidic
2,000mg/日,分4,5日
acid(PPA)の
acid(PA)を
治療 効 果
選 び,両 薬 剤 とも
間 経 口投 与 で の二 重 盲 検法 に よ る比 較 試 験 を実 施 した。 全 投 与 例 は67例,
この うち,効 果 判 定 採 用 例 はPPA群27例,PA群24例
で 各 種背 景因 子 の 検 討 で は い ずれ の層 別 因
子 に つ い て も両 剤 間 に 有 意 差 は な か った。 主 治医 に よ る臨 床 効 果 は 前 者 は89.3%,後
と高 い有 効 率 が 得 られ,有 用 性 で も満足 率 は各 々69.0%,56.0%で
者 は92.0%
あ っ たが,い ず れ も有 意差 は 得
られ なか っ た。 一 方 委 員 会 判 定 に よる臨 床 効 果 はPPA群85.2%,PA群75.0%で
主 治医 判 定 に比
較 し,や や,有 効 率 は低 下 したが 両 剤 間 に 有 意 差 は な か った。 投 与 前 の1日 排 便 回 数,便 性 状,併
用 薬 の有 無,合 併 症 の 有 無 に つ い て 層 別 し,各 々の臨 床 効 果 との 関 係 を み た が,血
つ い てPPA群
の 方 がPA群
便例 の有 効 率 に
よ りま さる傾 向 に あ っ た ほか は 両 群 間 に 有 意 差 は な か った。
FEB.
CHEMOTHERAPY
126
Shigella,
Salmonella,
(K,oxytoca)な
Vibrio parahaemolyticus
(V. parahaemolyticus),
どの病 原腸 内細 菌はPPA群8例,PA群7例
Klebsiella
1982
oxytoca
検 出 され,そ の 細 菌 学 的 効 果 に 関 して
両 群問 に有 意 差 は なか った。
PPAお
よびPAの
投 与 前,投 与 中,投 与 後 の 糞 便 中細 菌叢 に関 して,投
気 性 菌, Escherichia
coli
( E. coli ), Klebsiella,
菌 数 が 多か っ た 。 投 与 中 の 菌 数 はPPA,PA群
Citrobacter,
向 を 示 し,嫌
気 性 菌,グ
与前 で は 両 投 与 群 と も嫌
の
Streptococcus
Enterobacter,
と も グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 の 著 しい 低 下 ま た は 消 失 傾
ラ ム 陽 性 球 菌 の 宮 し い 度 動 は な か っ た 。 投 与 後 て はPPA群
性 菌 は 投 与 前 と 同 程 度 で あ り,嫌
気 性 菌,Streptococcusは
傾 向 で あ っ た 。 両 群 間 の 相 違 は,投
与中 にPPA群
では グ ラ ム陰
増 加 傾 向 を 示 した 。PA群
の 方 がPA群
で も同 様 の
に 比 較 し菌 数 低 下 が 著 し い こ と で
あ った 。
嫌 気 性 菌 を除 く 主要 細 菌 に つ い てPPAお
株 に つ い て のMICの
12.5μg/ml,そ
測 定 で は,PPA群
投 与 前204株,投
≧400μg/mlが
ピ ー ク てPPA投
与中,後
与 例 で はV.parahaemolyticus,Pseudomonasを
は12.5∼25μg/mlの
cus200∼
ピ ー クMICを
Ampicillin
(ABPC),
よ びPA投
示 す 株 が 最 も 多 か っ た,投
≧400μg/mlの
パ タ ー ンを 呈 し た 。PPA群
与 後218
は
50μg/ml,
と も 類 似 の パ ク ー ンを 示 し た 。
除 く 他 の グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 に 対 しPA
示 し,Staphlococcusは3.13∼
≧400μg/mlのMICを
前 にみ られ た位 置 と
PPAお
与中160株,投
の 他 の グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 て は0.78∼3.13μg/ml,Staphylococcus
Streptococcusは200∼
PA投
よ びPAの
の 投 与 前 に お け るPPAのMICはPseudomonasで
位 置 にMIC分
≧400μg/ml,Streptococ与中 に は グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 は 投 与
布 の ピ ー クが あ り,投
与 後 も 同 様 の2峰
性 の
の検 出菌 では この よ うな 変 化は なか っ た。
Chloramphenicol
(CP),
Tetracycline(TC)に
対 す る耐 性 菌 の 検 討 では
与 前 に グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 で か な りの 頻 度に 耐 性 菌 が み ら れ た が,両
に よ りそ の 検 出 頻 度 は 低 下 し た 。 以 上 の 成 績 か らPPAはPAと
同 様,腸
薬 剤 の投 与
炎 の 治療 に 適 した 薬 剤 で
あ る と思 わ れ る。
抗 菌 性 化 学 療 法 剤PPAは
大 日本 製薬 総 合 研究 所 で合
成 さ れ た 薬 剤 で あ る 。 本 剤 の 化 学 構 造 はFig.1に
と お り基 本 骨 格 と し てpyridopyrimidine環
pyridonecarboxylic
Nalidixic
23回
を 有 す る
され,細 菌性 赤 痢 や腸 炎 ピプ リオ腸 炎 に も良 好 な成績が
得 られ て い る。
今 回,腸 炎 患 者 を対 象 として 本 剤 の 治 療 効 果,腸 内細
よび
菌 叢 に 及 ほす 影 響 に つい て 客 観 的 に 評 価 す る 目的 のため
類 似 して い る。 本 剤 は す で に第
に,既 存 の薬 剤 で比 較 的 繁 用 され て い る もの の一 つであ
acidの
acid (NA)と
誘 導 体 で あ り,PAお
日本 化 学 療 法 学 会 総 会(神
薬 研 究 会 報 告 に と りあ げ ら れ,基
ら,PA,NAは
示 した
るPAを
戸 市,1975年5月)新
礎 的,臨
床 的 検 討1)か
対照 薬 と して二 重 盲 検 法 に よ り比 較 試験 を行な
っ た の で そ の成 績 を報 告 す る。
I.
じ めABPC,Cephaiexin,Carindacillin
な どの抗 生 物 質 と比 ぺ そ の有 用 性 が 明 ら か に さ れ て い
1.
試 験 計 画お よ び 方 法
参 加 機 関 お よ び コ ン トロ ー ラ ー
本試 験 にはTable1に
る。
本 剤 はPseudomonas aeruginosaを
ム陰 性 菌 に よ る 尿 路 感 染 症,前
と し て1979年
は しめ 各種 グ ラ
立 腺 炎,中
耳 炎 の 治療 剤
お,コ
2.
対
象
に 市 販 さ れ 現 在 広 く 使 用 さ れ て い る。 こ
Table
れ ら 適 応 の 承 認 以 前 に,本
プ ン 試験 で,杉
山 ら2),鵜
剤 は 腸 管 感 染 症 に 対 し,オ
飼 ら3)な ど に よ り58例
1
Chemical
structure
of pipemidic
に使用
acid
Collaboration
institutes
ー
Kurume
University
Kitakyushu
Fig. 1
示 す8施 設 が 参 加 協 力 した。な
ン トロー ラーは 中 村 昌弘 が 担 当 した。
Fukuoka
Prefectural
Koga
Hospital
Yame
City Hospital
Chikugo
School
of Medicine
City Asahigaoka
Hospital
Asakura
Hospital
City Hospital
Fukuoka
Prefectural
Ohmuta
City Hospital
Yanagawa
Hospital
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
下痢 を 主訴 とす る息 者 ま たは 検 診 に よ り糞 便 か ら病原
菌 が分 離 され た息 者 を対 象 と した。 な お,下 記 に 該 当す
る患者 は あ らか じめ 対 象 か ら除 外 す る こ と と した。
127
Agar
(Eiken),
1)
15歳 未 満 の 息 者
(BBL)+5%Rabbit
2)
妊 婦,授 乳 婦
検 討 した。
3)
重 篤 な腎 お よび肝 機 能 障 害 を 有 す る患 者
3.
試験薬剤
照 薬 のPA錠
価 を 含 有 し,両 薬 剤 は 錠 剤 の外 観,大
(Eiken),
NAC Agar
bloodを 用 い,久 留 米 た学 小 児 秤 て
そ れ ぞ れ の 菌 のPPA,PA.ABPC.CP,TCに
MICは
被 検 薬剤 で あ るPPA錠,対
mg力
TCBS Agar
(Eiken),
Staphylococcus medium 110 (Eiken),
SF
Broth (Eiken)+1.5%
Bact-Agar (Difco), PEA Agar
は 各 々250
き さ,包 装
大 日本鰻 薬(性)総
つ い ての
合研 究 所 で 実施 した。
なお,各 病 院 で 採 取 した検 体 は 光 岡 の 試 料 輸 送 用 培
地 の に 移 し,氷 冷 して 久留 米 大学 へ 輸 送 し,大 学 ては4
な ど全 く識 別 で きな い よ うに 作 製 した 。両 薬剤 と もPTP
℃ に保 存 し,採 取 後1週 間 以 内に 同 定,定 量 を完 了す る
包装 した2錠 を1回 分 と し,ユ ニ ッ トバ ヅ クに 入れ5日
こ と とした。
分 を 白箱 に納 めPPA-PAと
表 示 し,こ れ を1症 例 分 と
した。 これ らは コ ン トロー ラ ーに よ り無 作為 に割 りつ け
られ たの ち,そ のKey
tableの 保管 が な され,開 鍵 まで
厳重 に保 管 され 機密 保持 が は か られ た。 な お,両 薬 剤 の
4)
臨床検 査
後 記の 検 査項 目を投 与開 始 前 と投 与 終 了時 に 出 来 る限
り実 施す る こ と と した。
赤 血球 数,血 色 素 量,ヘ マ トク リ ソ ト,血 小板 数,白
含量,崩 壊試 験 は大 日本 製 薬(株)に お い て実 施 され 基 準
血球 数,白
に合 致 した もの で あ る こ とが 確 認 され た。
ン,BUN,血
4.
食直後
お よび就 寝前 に 服 用 す る こ と と し,投 与 期 間 は5日 間 と
5)
自 ・他 覚的 な副 作 用 が 認 め られ た 場 合 に は,そ の症
投 与 の中 止
8.
効 果判 定
時点 にお け る症 状 の 評価 を で き る限 り行 な い 調 査 表 に 記
1)
主 治医 に よる判 定
入す る こ と とした 。
(1) 臨床 効果
併 用薬 剤
著 効,有 効,無 効 の3段 階 で 判 定 した。
試験 薬 剤投 与 中 は 治療 効 果,副 作 用 評 価 の 判 定 に 影 響
を及 ぼす 薬剤 の 併 用 は 原 則 と して避 け る こ と と した 。
乳
観 察項 目 と観 察 時期
観 察項 目 と観 察 時 期 は後 述 の と お りで あ る。 な お,発
症 日 よ り入院 前 まで の状 態 お よび 治 療 に つ い て は 問 診 に
よ りで きる限 り聴 取 す る こ と と した。
1)
臨床 症 状
体
温
与中 止 の有 無,処 置,経 過 な
どを 出 来る限 り詳 細 に 記 載す る よ うに した,
主 治医 の判 断 で投 与 を中 止 して よい が そ の 場 合,中 止
6.
ウロビ
副 作用
状,程 度,発 現 の時 期,投
した。
5.
リル ビ
清 ク レアチ ニ ン,尿 蛋 白,尿 糖,尿
リノー ゲ ン,尿 沈 渣 。
用 法 ・用 量 お よび 投 与 期 間
両 薬剤 とも1回2錠(500mg),1日4回,毎
血 球 分 画,GOT,GPTAI-Pase,ピ
(2) 有 用性
本 剤 が患 者 に と って有 用 て あ るか ど うか を投 与 法,治
療 効 果,副 作 用 な どの面 を考 慮 して,非
常 に 満 足,満
足,ま ず まず 満 足,不 満,非 常 に 不 満 足 の5段 階 で 判 定
した。
(1),(2)の判 定 は投 与終 了後 に 行 な っ た。
2)
委員会判定
委 員会(本 廣
孝,富 永
薫,手 島 第 一 郎)で 設 定 し
1日 排 便回 数
た 基 準 に よ り判 定 した 。 そ の 基 準 は下 記 の と お り て あ
便性:水 様 便,泥 状便,軟 便,有 形 便 お よび 粘 液,血
る。
液,膿 混 入 の 有無
2)
菌検 索
各 病 院 で種 々の分 離 培 地 を用 い て病 原 腸 内細 菌 の 検 索
を行 ない,腸 内 細 菌 叢 の検 索 は後 述 の培 地 を 使 用 した 。
1),2)に
つ い て は 入 院 よ り退 院 ま で で き る限 り 毎 日
各項 目を観 察 す る こ と と し,投 与 終 了 後7日 間 は 観 察 す
腸内細菌叢
る い は便 性 が 水 様 また は 泥 状 を 呈 す る例)あ
以上かあ
るい は 病 原
た して い る例 を 効 果 判 定 採 用 例 と し,次 の よ うに 判 定 し
た。
回 復 日数 の 判 定
解熱日
各病 院 で の原 因菌 の検 索 とは 別 に 投 与 前,投 与3日
目,投 与終 了後4∼6日
回 数 が3回/日
菌 が判 明 して い る場 合 の 両 条 件 また は いず れ か 一 方 を 満
1)
るこ と と した 。
3)
判 定 基 準(委 員会 判 定)
投 与 開 始 日有 症(開 始 日,便
目の 便 中 細 菌 叢 に つ い てDHL
37℃ 以 上 の 発 熱 が37℃
便 回数 正 常 化 日
未 満 に 下降 した 日
FEB,
CHEMOTHERAPY
128
川 便 回数 が1日3回
以 上か ら2回 以 下 に 減 少 した 日
下 痢 便(水 様 便,泥 状 便)が 軟 便 また は 有形 便 に 回
粘,血,膿
デ ー タの取 り扱 い
試 験 終 了後,委 員 会 を開 催 し,全 症 例 の調 査 表 の記載
内容 を確 認 し,除 外 お よび脱 落 症 例 に つ い て協 議 決定 し
復(あ る い は排 便が 認 め られ な くな った)日
た。
便消失日
1)
便 中 に 粘 液,血 液,膿 が 認 め られ な くな った 日
臨 床 効 果(主 治 医 。 委 員 会 判 定)
主治 医,後 員会 判 定 と もに 除 外 お よび 脱 落症 例 を除い
菌 陰性 化 日
た 例 を 採 用 例 と した。 た だ し,主 治 医 判 定 に お いて細菌
病 原菌 が 便 中 に 認 め られ な くな った 日
2)
無 効2病 原菌 が投 与 終 了 後 も排 菌 した もの
9.
便性 回 復 日
1982
性 赤 痢(保 菌 者)は 判 定 採 用 例 とし た。
臨床 効果
2)
著 効:便 性,便 回 数 が2日 後 まで に 回 復 した も の
副作用
有 効:便 性,便 回 数 が5日 後 まて に 回 復 した もの
副作用の検、
けが な され た例 は全 例 採 用 例 と した。
無 効:便 性,便 回数 が 終 了後 も回 復 しな か っ た4,の
3)有
た だ し,開 始 日,便 性 が 軟 便 また は 有形便,便 回 数 が
除 外お よび 脱 落 例 を除 い た例 を採 用 例 と し たっ ただ
1日2回
以下 の 症 例 につ いて は 投 与後 便 性,便 回 数 が 回
用性(主
治医 判定)
し,副 作 用 の ため 脱 落 と した 例 ば 採 用例 と した。
復 した もの を有 効,回 復 しなか っ た もの を無 効 と し,著
4)
効 とい う判定 は行 なわ な か っ た。
除 外 お よび 脱 落 例 を 除 い た 例 の うち.病 原菌 の 消長が
3)
確 認 で きた例 を 採 用 例 と し た。
細 菌 学的 効 果
これ らの 判 定 に つ い て,参 加 医 師 の 異 議 が ない ことを
著 効:病 原 菌 が2日 後 まで に消 失 し た もの
確 認 した うえ で,コ
有 効:病 原 菌 が5日 後 まで に 消失 した もの
○
病 原 菌 と はShigella,V.parahaemolytfcus,
monella,
K. oxytocaを
Sal-
x2 test
and Fisher's
Table
3
exact
Reasons
ン トロー ラ ーがKey
し た.な お,試 験 期 間 途 中,開 鍵 例 は1例
tableを 開封
も認め られな
か った。
意 味 す る 。
Table
*
細 菌 学 的 効 果(委 員 会 判定)
2
Patients
examined
test
for exclusion
Table
4
Reasons
for drop-out
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
129
な お,N.S,はnot significantの
10. 統 計的 解 析
デー タの解 析 はx2検
定 法(Yatesの
の直 接確 率 計 算 法,WILCOXONの
補 正),FXSHER
II.
1.
順位和検定法 を 用 い
た。 危険 率 は両 側 危 険 率 を 採用 し,5%を
有意水準 とし
た。
*x2
test, Fisher's
exact
5
test and Wilcoxon
集 積 さ れ た 全 症 例 数 と そ の 内 駅 はTable2に
Background
rank-sum
略 で あ る。
績
検討症例
す な わ ち,全
Table
成
characteristics
test
投 与 症 例 は67例(PPA群35例,PA群
示 した。
CHEMOTHERAPY
130
32例)で
あ っ た。 この うち,除 外 症 例 は14例(PPA群
7例,PA群7例),脱
群1例)で
FEB.
も委 員会 判 定 採 用 例 と比 較 し症 例 數,解 析 結 果 に大差が
落症 例 は2例(PPA群1例,PA
なか っ た。 し たが って,主 治 医 判 定 採 用 例 で の成 績は省
略 した。
あ り,除 外理 山お よび脱 落理 由はTable3,
4に 示 した。 したが って,委 員 会 判定 に お け る効 果 判定
3.
臨床効果
採 用例 は 除 外 お よび脱 落症 例 を 除 い た51例(PPA群27
1)
主治 医 に よ る臨床 効 果 判定
例,PA群24例)で
あ った。 な お,主 治 医 判 定 に お け る
効 果判 定 保 用例 は除 外症 例 の う ち,細 菌性1赤痢(保 菌 者)
を その 対象 に 含 め た ため,53例(PPA群28例
25例)で
1982
。PA群
主 治 医 判定 に よ る臨 床 効 果 はTable6に
に,PPA群
示 した よう
で は 著 効 率 が3507%(10/28),著
効,有 効
を 合わ せ た 有効 率 は89.3%(25/28),PA群
あ っ た。 有 用 性 判定 採 用 例 は 主治 医 判 定 に お
が20.0%(5/25),有
で は著効率
効 率 は92.0%(23/25)で
け る効14と
判定 採 用例 に 副 作 川 て脱 落 した症 例 を 加 え た54
有効 率 は 両 群 と もほ ぼ 同 様 の 値 を示 し たが,著
例(PPA群29例,PA群25例)で
PPA群
あ った。 副 作用 判定
採 用 例 は 投 与症 例 全例 で あ った。
2.
効 果 判定 採 用 例 の 背 景項 目に 関 す る検 話
2)
主 治 医 に よ る 有用性 判定
主治医 に よ る 有川 性 判 定 はTable7に
群
PPA群
間 の比 較 を 行 な った(Table5),,
す な わ ち,年 齢,診 断 名,合 併 症 の 有無,併 用 薬 の 有
与前の 患 者 の1日 排 便回 数,便 性 状 お よび病 原 菌
嫁PPA,PA両
よ り高 か った。 しか し,著 効率,
有 効率 と も両 群 問 に 有 意 差 は 認 め られ な か った。
番員会 判定 採 用例 の 背 景項 目に つ い てPPA,PA両
無,投
の方 がPA群
あ り,
効 率は
群間 て 有意 差 が 認 め られ なか っ た。 こ の
示 した よ うに,
では"非 常 に 満 足 率"が241%(7/29)。
非常
に 満 足 と満 足 を 合わ せ た"満 足 率"は69.0%(20/29)。
PA群
で は"非 常 に 満 足 率"が12.0%(3/25),"満
は56,0%(14/25)で
あ り,若 干PPA群
足率"
の方 がPA群
よ うに,両 群 間 に お い て背 景項 目に 偏 りが 認 め られ な い
よ り有 用 率 が 高 か っ た が両 群 間 に有 意 差 は認 め られなか
ため 両 群 間 の 比較 は 可能 と考 え られ た。 主 治医 判定 採 用
っ た。
例 に つ い て も同 様 に 検討 したが,い ず れ の項 目につ い て
3)
Table
6
Clinical
effectiveness
*
1 Wilcoxon
*
2 Fisher's
exact
test , Ratio of "Excellent"
3 Fisher's
exact
test;
*
rank-sum
1 Wilcoxon
*
2 Fisher's
exact
*
3 x2 test;
Ratio
rank-sum
by doctors
in charge
test
Ratio of "Excellent"+"Good"
Table
*
judged
委 員 会 に よる臨 床 効果 判定
7
Utility
judged
by doctors
in charge
test
test; Ratio
of "Remarkably
of "Remarkably
satisfactory"
satisfactory"+"Moderatory
satisfactory"
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
委 員会判 定 に よる臨 床 効 果 はTable8に
に,PPA群
示 した よ う
で は 著効 率 が25.9%(7/27),有
85.2%(23/27),PA群
また,粘 液 便 で あ りた症 例 に対 す る 有効 率 はPPA群
84.6%(11/13),PA群70%(7/10),血
あ り著 効率 は両 群 とも同 様
の 値を示 した が,満 足率 はPPA群
群 と も1例 のみ で あ つた。
効 灘 は
で は 著 効 率 が25.0%(6/24),
有 効率 は75.0%(18/24)で
131
の方 がPA群
よ り高
便 で あ った 症
例 に 対 す る 有効 率 はPPA群92.9%(13/14),PA群
58,3%(7/12)で
あ り,粘 液 便,血 便 で あ っ た症 例 に 対
か った。 しか し,著 効 率,有 効 率 と も両 群 間 に 有 意 差 は
す る有 効 嘱 は い ず れ もPPA群
認 め られ なか った。
特 に,血 便 で あ っ た症 例 に 対 す る 有効 率 はPPA群
次 に,こ れ らの症 例 を投 与前 の1日 排 便 回 数,投
与前
が ま さ る傾 向(P器0.0652)に
の 方 がPA群
よ り高 く,
の方
あ っ たほ か は 有意 差 は 認
の便 の性状,併 用 薬 の 有 無,合 併 症 の有 無 に つ い て 層 別
め られ なか っ た。 膿 性 便 で あ った症 例 は 両 群 と も1例列の
して,そ れ ぞ れ の臨 床 効果 を 検討 した。
み で あ った心
投与 前 の1日 排 便回 数 と効 果 の 関 係 はTable9に
判 川 薬 の 有無 お よび 合併 症 の 値
示し
Table11,12に
た とお り両群 間 に有 意 差 は 認 め られ な か った
投 与前 の便 の 性 状(水 横 便,泥 状 便,軟 便 あ る い は
す る症 例 が 少 な く一 定 の 傾 向 は 認 め られ な か った。
4)
粘液 便,血 便,膿 性 便)と 臨 床 効 果 の 関 係 に つ い て,
Table10に
示 した。 便 の 性 状 が 水 様 便 で あ った症 例 に
対 す る有 効 率 はPPA群,PA群
と効 果 と の 関 係 は
示 した と お り併 用 薬 また は 合 判症 を 有
委 員 会 に よる細 菌 学 的 効 果 判 定
委 員 会 判 定 採 用 例 で病 原 菌 が 検 出 され,か つ そ の病 原
菌 の 消 長 が 確 認 され た症 例 は 少 な くTablel3に
と もに69.2%(9/13)
示 した
であ り,泥 状 便 であ った症 例 に対 す る有 効 率 はPPA群
と お りで あ る。投 与5口 後 まで に 病 原 菌 が 消 失 した有 効
100%(13/13),PA群90%(9/10)で
例 を病 原 菌 判 明 例 全 例 で み る と,PPA群8例
あ っ たが,い ず
れ も有 意差 は 認 め られ な か った。 軟便 で あ った症 例 は 両
Table
*
1 Wilcoxon
*
*
rank-sum
Ratio
of "Excellent"
3 Fisher's
exact
test;
*
Clinical
efficacy
judged
Ratio
9
by committee
of "Excellent"+"Good"
Clinical
efficacy
classified
1 Fisher's
exact
test;
Ratio
of "Excellent"
2 Fisher's
exact
test;
Ratio
of "Excellent"+"Good"
中6例,
中4例 で,有 意 差 は 認 め られ なか つ た。
test
2 x2 test;
Table
*
8
PA群7例
by frequency
of evacuation
OHEMO「rHERAPY
132
Table
*
*
10
Clinical
efficacy
1 Fisher's
exact
test ; Ratio of "Excellent"
2 Fisher's
exact
test ; Ratio of "Excellent"+"Good"
Table
11
Clinical
efficacy
classified
1 Wilcoxon
*
2 Fisher's
exact
test ; Ratio
of "Excellent"
*
3 Fisher's
exact
test:Ratio
of "Excellent"+"Good"
rank-sum
classified
by cases
*
test
FEB.1982
by nature
with or without
of stool
concomitant
medication
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
Table
*
1 Wilcoxon
*
12
rank-sum
Clinical
efficacy
classified
exact
test ; Ratio
of "Excellent"
3 Fisher's
exact
test ; Ratio
of "Excellent"+"Good"
Table
*
Fisher's
exact
test ; Ratio
13
*
Fisher's
Eruption
exact
test
(two
cases),
with or without
Bacteriological
efficacy
of "Excellea"+"Good-
Table
**
by cases
test
2 Fisher's
*
133
s-GPT[31•¨39(2nd.)•¨52(5th.
14
Side effects
day)]
(one
case)
coiTiplicatiun
CHEMO7HERAPY
134
Table
15 lsolataon
frequencies
*
and numbers
FEB・1982
of bacteria
in feces
of patients
treated
with
pipemidic
acid
**
; Fecal samples tested,
;
A; No. of fecal samples except
presence
Mean(A
samples)•}S.E.
for samples
whose
[log10
(bacterial
bacterial
No.
No. were
g
feces)]
not determineddue
to the
of the others.
B; No. of fecal samples where the indicated organisms were detected (%).
4.
副作用
検 体 の 糞 便 試料 を採 取 した。Table15,16にPPA群,
投 与 した 全 例 す なわ ちPPA群35例,PA群32例
に
つ い て,副 作 用 を検 討 した 。 副 作 用 出 現 は,Table14
に示 した よ うに3例 で,そ の いず れ もがPPA群
発 疹2例
とGPT上
で あ り,
昇 の1例 で あ った。
発 疹 の2例 中1例 は投 与5日
目に発 現
した た め 投与 を 中止 しグ リチル リチ ンを 投 与 して2日 後
目39→ 投 与5日
上 昇 の1例 は 投 与前31→ 投 与2日
目52で
あ った。 退 院 後 の経 過 は把 握 で
きな か った。
5.
目) ,投
PPA群
で は投 与 前 に採 取 した25検 体 中 ,菌 数 の多い
Enterobacter,
E. coli,
Hafnia
Klebsiella,
alvei , Shigella,
で あ り,投 与 中 に採 取 した25検
siella,
与 後(投 与終了
目)の 細 菌 の 分 離 頻 度 と菌 数 を 示 した。
Citrobacter,
Citrobacter,
Streptococcus
体 で は E. coli,
Kleb-
Enterobacter
, H. alvei, Shigella
の 菌 数 が 著 し く低 下 ま た は消 失 した の に 対 し
,嫌 気性
菌,Streptococcusは
ほ とん ど変 化 して い な い か,あ る
い は や や増 加 傾 向 に あ っ た
糞 便 中細 菌 叢 の 変 化
。 投 与 後 に採 取 した24検 体
Citrobacter
, Enterobacter,
どの グ ラ ム陰 性 菌 の 菌 数 は 投 与 中 に比 べいず
で は E. coli,
腸 炎患 者 の薬 剤 投 与 に よる糞 便 中の 細 菌 叢 の変 化 を検
討 す る た め にPPA群74検
の投 与 前,投 与 中(3日
後4∼6日
もの は 嫌 気性 菌,
目に発 現 し,無 処 置 で投
与 終 了5日 後 に消 失 した 。 他 の1例 は 投 与2日
に 消 失 した。GPTの
PA群
体,PA群66検
体,合 計140
H.alveiな
Klebsiella,
れ も多 く,投 与 前 と比 較 す る と菌 数 は ほ ぼ 同 程度 であっ
CHEMOTHERAPY
VOL.30NO.2
Table
*
16
;Fecal
Isolation
frequencies
samples
tested,
and numbers
of bacteria
135
in feces of patients
treated
with piromidic
acid
**
; Mean(A
samples)•}S.E.[logo
(bacterial
No./g
feces)]
A; No. of fecal samples except for samples whose bacterial No. were not determined due to the
presence of the others.
B; No. of samples where the indicated organisms were detected (%)
Shigella,
た 。 ま た,
の再 排 菌 は認 め られ
Salmonella
嫌気性菌の検 出頻
なか った。 投 与後 の Streptococcus,
で は グラ ム陰 性 菌 の菌 数 は 投 与 前 の値 に近 い場 合 が 多 か
った 。Salmonellaに
つ いて は 再 排 菌 が 認 め られ た が,
で は再 排 菌 は 認 め られ
度 ある いは 菌数 は投 与 前,投 与 中 よ りや や 高 い レベル に
Shigella,
あ った。PA群
体 中,菌 数 の
な か った 。Streptococcusと
多い もの は嫌 気 性 菌, E. coli, Klebsiella,
Citrobacter,
は 投 与 中 の 値 とほぼ 同 じで あ った。
Enterobacter,
Salmonella,
では 投 与 前 に 採 取 した22検
Proteus,
V. parahaemolyticus,
H.alvei,
Shigella,
Streptococcus
菌株数が少な く比較が難 しい H. alvei,
monella,
V. parahaemolyticus
な どで あ っ た。
Shigella,
を 除 け ぽPPA群
菌 叢 のパ ター ンと類 似 して い た 。投 与 中 の23検
H. alvei,
Shigella
度 で あ っ た 。 一 方,
Staphylococcus,
嫌 気 性菌 の検 出頻 度,菌 数
病 原 菌 の 検 出 され た症 例 の 細 菌 叢 の 変 化 をFig2∼5
に,病 原 菌 の 検 出 され なか っ た症 例 の そ れ をFig.6に
示
Sal-
した 。 症 例 に よ り程 度 は 異 な るが,病 原 菌 を 含 む グラ ム
の細
陰 性 菌 は 減 少 も し くは消 失 す るの に 対 し,嫌
体 では
は 消 失 し,そ の他 の グ ラム陰 性 菌 の
菌数 は いず れ も減 少 した が,そ の 程 度 はPPA群
V. parahaemolyticus
よ り軽
Streptococcus,
嫌気性菌 の菌数は増加 した。投与後に採取 した21検 体
Streptococcusは
気性 菌 や
概 して ほ とん ど変 化 しな い か 増 加 し
た。
6.
糞 便 中 細 菌 の薬 剤 感 受 性
PPAま
た はPA投
与 例 の 投 与 前,投 与 中,投 与 後 に
お け る糞 便 中 細 菌 のPPAお
よびPAに
対 す る 薬剤 感受
CHEMO塵7HERAPY
136
Fig. 2
Bacterial
flora in human feces (Bacillary
性 を検 討 した 。
な お,嫌
b)
気 性 菌 は 両 薬 剤 に 対 して 感 受 性 が な い こ と が
知 ら れ て い る の で こ れ を 除 き,好
前204株,投
与 中160株,投
気 性 菌 に 限 定 し,投
与 後218株
与
に つ い て検 討 し
a)
∼1.56μg/ml
cusで
PPAに
MIC値
対 す る感 受性
布 の ピ ー ク は,Pseudomonasで
は12.5μg/ml
200∼
,
そ の 他 の グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 で は0.78∼3.13μg/mlの
範 囲 で あ っ た 。 一 方Staphylococousで
μg/mI,Streptococcu3で
(Table17)。
は200∼400μg/mlで
2)
a)
は ピ ー クは50
あ った
対 す る 感 受性
に 対 す るPAのMICは0.39
,PseudomonasのMIC分
100μg/mlで,そ
投 与 前 の検 出 菌 の 感受 性
病 原 菌 お よ び グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 に 対 す るPPAの
MIC分
PAに
dysentery)
V. parahaemolyticus
ー ク は12
た。
1)
Fig8. 1982
布 ピ ー クは
の他 の グ ラム陰 性 腸 内細 菌 に対 するピ
.5∼25μg/mlの
範 囲 であ った
は ピ ー ク が 認 め ら れ ず3
。Staphylococ-
.13∼ ≧400μg/mlま
は 幅 広 く分 布 し,Streptococccusの
≧400μg/mlて
あ っ た(Table18)
で
ピ ー クは
。
投 与 中 の 検 出菌 の 感受 性
PPAに
対 す る感 受 性
投 与 前 と 類 似 の パ タ ー ン を 示 し た(Table19)。
b)
PAに
対 す る感 受 性
病 原 菌 を 除 く グ ラ ム 陰 性 菌 で は 投 与 前 と 同 じ位 置 に一
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
Fig. 3
Bacterial
つ の ピー クが あ り,≧400μg/mlに
flora in human feces (Salmonella
も ピー クが 認 め られ
た(Table20)0
3)
gastroenteritis)
病 原 菌 は 検 出 例 数 が 少 な か ったの で,常 在 腸 内 細菌 の
うち検 出例 数 の 比 較 的 多 いE.coli,Klebsisella,Citro-
投 与 後 の 検 出菌 の感 受 性
a) PPAに
137
bacter,Enterobacterに
つ い て み る と,投 与 前 で は ,
性 菌,TC耐
性菌の検出頻
対 す る感 受 性
PPA群,PA群
投与 前,中
と類 似 の パ タ ー ンを 示 した(Table21)。
度 お よび 菌数 は比 較 的 高 値 を 示 した が,投 与 中 では 両 群
b) PAに
対 す る感 受 性
投 与 中 と同様,2峰
と も減 少傾 向 を示 した 。 この傾 向 はPPA群
性 の分 布 パ タ ー ンを 示 した(Table
22)。
乳
糞便 中 細菌 叢 を 調 べ る際,ABPC,CP,TCを
有 させ たDHL寒
それぞ
天 培 地 を 用 いて,こ れ
に著明であ
っ た。 投 与 後 は 投 与 中 よ り検 出 頻度,菌 数 と も増 加 傾 向
を示 した。
一 方CP耐
糞 便 中 の抗 生 物 質 耐 性 菌
れ25μg/ml含
共 にABPC耐
PA投
性菌は
,そ の検 出頻 度 がPPA投
与前 お よび投 与 中 に 丑coliに
与 前 と,
お い て高 か っ たの
を除 く と,他 の菌 では 両 群 と も,投 与 前,投 与 中,投 与
ら抗 生物 質 に対 す る耐 性 菌 の検 出頻 度 お よび 菌 数 を 調 べ
後 を通 して低 値 を示 した 。 また 菌数 に お い て も投 与 前,
た(Table23,24)。
投 与 中,投 与 後 を 通 じて 両 群 と も低 値 で あ っ た。
CHEMOTHERAPY
138
Fig. 4
III.
Bacterial
考
flora
in human
案
E. coli,
enterotoxogenic
に はABPC,
Kanamycin(KM),
NA,PAで,Solmonellaで
(Vibrio
parahaemolyticus
1982
enteritis)
選 択 され て い る。
腸管 感 染 症 の 主 な起 炎 菌 に対 す る 選 択薬 剤 は,enteropathogenic
feces
FEB.
E. coli,
Paromomycin,
Shigella
Colistin,
は 種 々の理 由か ら5∼8)未熟
児,新 生 児,免 疫 不全 状 態 下 に あ る者,循 環 器 疾 患 を 有
従 来 腸 管感 染 症 の 薬 効評 価 は 細 菌 性 赤 痢 で 実施 されて
きた が,本 症 が 著 しく減 少 し た 今 日9),多
くの症 例を集
め 二重 盲 検 法 で,そ の 検 討 を 行 な う こ とは 困難 に な って
き た。
そ こでPPAの
腸 管 感 染 症 に対 す る効 果 を 客 観的 に評
す る 者 以外 には 一 般 に抗 菌 製 剤 の 投 与 は され ず,Vibrio
価 す るた め,伝 染 病 院 あ る い は一 般 病 院 に入 院 した下痢
cholerae,
症患 者 を対 象 と し,前 述 の よ うに 既 存 の 薬 剤 で
V. parahaemolyticus
が,Yersinisに
bacterに
ycline ‚ª,
が,
に はTC,CP,NA,PA
,種 々の
腸 管感 染 症 に対 し,し ば しば 使 用 され て い るPAを 対照
対 し て はKM,TC,CPが,Campylo-
は Erythromycin,
Clostridium
Clostridium
TC, Doxycycline,
perfringens ‚É‚Í
difficile に対 しては
MinocABPC,
Vancomycinが
CP
薬 に選 び ・ 二 重 盲 検 法 で 比 較 試 験 を 行 な い
,本 剤 の治療
効 果 お よび 腸 内 細菌 叢 に 及 ぼ す 影 響 に つ い て 検討 した。
臨 床 効果 を主 治医 に よる効 果 判 定 で み る と,著 効率ば
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
Fig. 5
PA群
の20.0%に
PPAお
よびPA群
Bacterial
比 較 しPPA群
flora in human
は35 .7%と
や や 高 く,
の 有 効 率 は 各 々89 .3%,92.0%と
139
feces
(Klebsiella
oxytoca
enteritis)
合 併症 の有 無 につ い て 層 別 し,臨 床 効 果 との 関 係 を 検 討
した が,便 性 状 の うち血 便 例 の 有 効 率 に つ い てPPA群
両剤 ともに 高 率 で あ った が 有 意 差 は な か った 。一 方,委
の方 がPA群
員会 判定 で の著 効 率 はPPA群25.9%,PA群25.0%
有 意差 は認 め られ な か った。
でほ とん ど差 は な く,有 効 率 は 各 々85.2%,75.0%で
,
が や や高 いが 有 意 差 は な く,杉 山 ら2),鵜 飼 ら3)
PPA群
のPPAオ
ー プ ン試 験 の成 績 に 類 似 し,杉 山 ら10),山 本
ら11)の比 較 試 験 で の対 照 薬KMに
劣 らぬ成 績 が得 られ,
51例
よ りま さる傾 向 に あ っ た ほか は,両 群 間 に
の うち病 原 腸 内 細 菌 を 検 出 した15例29.4%に
つ い て 検 討 した。 そ の 内 訳 は,Shigella5例9
Salmonella
2.0%,
7例13.7%,
K. oxytoca
V. parahaemolyticus
2例3.9%で
著者 ら12)が小 児 の 細菌 性 赤 痢,病 原 大腸 菌 性 下 痢 症 に
判 定 で はPPA群8例,PA群7例
PAを
に消 失 した有 効 例 は 各 々6,4例
投 与 した成 績 よ り も優 れ て い た。
次 に投 与 前 の1日 排 便 回 数,便 性 状,併 用 薬 の 有 無,
なか っ た。
.8%,
1例
あ った 。 細 菌 学 的 効 果
で,投 与5日
で,有
目まで
意 差 は認 め られ
CHEMOTHERAPY
14O
Fig. 6
Bacterial
flora in human feces (Acute enteritis,
副 作 用 は両 剤 ともに 胃腸障 害 例 は な く,PPA群
疹2例,GPTの
FEB.
で発
軽 度上 昇1例 の 計3例4.5%に
た が,新 薬研 究 会 報 告 時1)の10.7%に
み られ
比 較 して 低 率 で,
Enterobacter
は 約106/g,
Streptococcus
ン投 与 で 消退 した。
coccusは
体,PA群66検
体 の計140検
投 与 前,投 与3日
体の
目,投 与
終 了後4∼6日
目の 便 中細 菌 叢 を 検 討 した。 両 剤 の投 与
前 に 検 出 され た菌 種 の うち,嫌 気 性菌, E. coli, Klebsiella,
Citrobacter,
Enterobacter,
Streptococcus
菌 数 が 多 か っ た 。 嫌 気 性 菌 の 菌 数 は107∼108/g,E.coli,
の
organism)
は106∼107/g,
は 約105/gで
Citrobacter
あ った。
光 岡13)に よ る 健 康 成 人 に つ い て の 成 績 で は 嫌 気 性 菌 が
発 疹 の1例 は無 処 置 で 消 退 し,他 の1例 は グ リチル リチ
次 にPPA群74検
causative
Klebsiella,
約1011/9で
糞 便 に つ い て,PPA,PAの
negative
1982
あ りEnterobacteriaceaeお
ほ ぼ108/gで
よ びStrepto-
あ る 。 ま た 伊 藤14)に よ る 健 康成
人 男 子 に つ い て の 成 績 で は 嫌 気 性 菌 が1010/g,E.coli,
Klebsiella,
Enterobacter
α-Streptococcusは
, Citrobacter
約107/gで
は107∼106/g,
あ った
。 また,福 田 ら25,
は 原 因 不 明 の急 性 腸炎 患 者 の腸 内細 菌 数 は健 康 成 人のそ
れ に 比 べ 減 少 す る と述 べ て い る。 以上 の こ とか ら,今 回
の 薬 剤 投 与前 のわ れ わ れ の成 績 に関 して
,上 述 の菌数が
vol.30
Table
No.2
17
CHEMOTHERAPY
Pipemidic
acid-sensitivity
of
clinical
isolates
remedication•\
141
from
feces
of
patients
with
clitcriti,i
•\
* No. of strains(%).
Table
18
Piromidic
* No. of strains(%).
acid-sensitivity
of
clinical
isolates
remedication•\
from
feces
of
patients
with
enteritis
•\
CHEMOTHERAPY
142
Table
*
Pipemidic
acid•sensitivity
of clinical
-M
isolates
from
feces of patients
with enteritis
from
feces
with enteritis
idmedication-
No. of strains (%)
Table
*N
19
FEB.
20
Piromidic
o. of strains (%).
acid-sensitivity
of clinical isolates
-M idmedication-
of patients
1982
VOl. 30
NO. 2CHEMOTHERAPY
Table
21
Pipemidic
acid•sensitivity
143
of
clinical
isolates
from
feces
of
patients
with
ostmedication•\
enteritis
•\
* No. ofstrains(%)
Table
22
Piromidic
acid-sensitivity
of
clinical
isolates
ostmedication•\
* No. of strains(%).
from
feces
of
patients
with
enteritis
•\
CHEMOTHERAPY
144
*
**
Table
23
Fecal
samples
Mean•}S.
Isolation frequencies
and number
of patients with enteritis, treated
FEB.
of antibiotic-resistant
with pipemidic acid
strains
isolatedfrom
1982
feces
tested
E.
A:
No. of fecal
B:
presence
of the others.
No. of samples where the indicated
C:
B/A
#: ABPC;
samples
except
DHL-ABPC(25ƒÊg/ml),
for samples
CP;
whose
organisms
が 著 し く低下 ま たは 消 失 し,嫌 気 性 菌,Staphylococcus,
ほ とん ど変 化 は な い かや や 増 加 し,PA
群 で も同 じ傾 向で あ った。 これ は,こ れ らの薬 剤 の 抗 菌
ス ベ ク トル か らみ て 当 然 の成 績 と考 え られ る。
投 与 後 は,PPA群
were
DHL-CP(25ƒÊg/ml),
健 康成 人 に比 べ 少 な い の は下 痢 に 起 因 す る と思 わ れ る。
一 方 ,投 与 中 はPPA群
で は グラ ム陰 性腸 内細 菌 の 菌数
Streptococcusは
bacterial
では 投 与 中 に陰 性 化 したSkigella,
No. were
not determined
due to the
detected.
TC;
DHL-TC(25ƒÊg/ml)
Salmonellaを
除 く と グ ラ ム陰 性 腸 内 細 菌 の菌 数 は没与
前 とほ ぼ 同 様 の傾 向 を示 し,嫌 気 性 菌 ,Streptococcus
は増 加 傾 向を 示 した 。PA群
で はShigella ,V.parahae投 与 中 に 陰 性 化 した の を 除 け ば
,グ ラム陰
性 腸 内細 菌 の 菌数 は投 与前 に近 づ き,嫌 気 性 菌,Stremolyticusが
ptococcusはPPA群
PPA群
はPA群
と同 様 や や 増 加 す る傾 向 に あった。
に比 較 し投 与 中
,グ ラ ム陰 性 腸 内細菌
VOL.
30
NO.
Table
*
**
Fecal
24
Isolation
frequencies
and number
of patients with enteritis,
treated
samples
Mean•}S.
A:
CHEMOTHERAPY
2
of antibiotic-resistant
with piromidic acid
presence
isolatedfrom
fect..
tested
samples
except
for samples
whose
No. of samples
C:
B/A
#:
ABPC;
where
the indicated
DHL-ABPC(25ƒÊg/ml),
の菌 数 の 低 下 が 著 明 で あ っ た が,こ
CP;
organisms
No. were
not determined
due to the
were detected.
DHL-CP(25ƒÊg/ml),
れは抗菌力の差に よ
TC;
中,投
DHL-TC(25ƒÊg/ml)
与 後 の 検 出 菌 も投 与 前 と類 似 の パ タ ー ン を 示
た 。 一 方,PAのMICは,投
る も の と思 わ れ た 。
薬 剤 感 受 性 で は,投
bacterial
of the others.
B:
与 前 検 出 菌 に 対 す るPPAのMIC
は12.5μg/ml,そ
の 他 の グ ラム 陰
は100μg/ml,そ
μg/mlに
は50μg/ml,Streptococcusは200∼
Staphylococcusで
≧400μg/mlで
島 ら16)の 報 告 とほ ぼ 同 様 の 結 果 で あ っ た 。 投 与
し
与 前 の 検 出 菌 で はV.
parahaemolyticusは0.39∼1.56μg/ml,Pseudomonas
性 腸 内 細 菌 で は0.78∼3.13μg/mlに,Staphylococcus
あ り,五
strains
E.
No. of fecal
はPseudomonasで
145
の 他 の グ ラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 は12.5∼25
そ れ ぞ れMIC値
は3.13∼
の ピ ー ク が あ っ た 。 ま た,
≧400μg/mlとMIC値
幅 広 く分 布 し,Streptococcusは200∼
≧400μg/mlの
は
CHEMOTHERAPY
146
株 が 最 も 多 く,こ
FEB.
れ まで に 報 告 され て い る成 績 と類 似 し
て い た 。 投 与 中 の 検 出 菌 で は,病
原 菌 を 除 くグ ラ ム陰 性
year
7)
review.
DIXON,
on
腸 内 細 菌 に,投
与 前 で み ら れ た ピ ー ク値 の ほ か に
Am.
J. M.
Effect
of
excretion
duration
μg/mlの
所 に も ピ ー クが 認 め られ た 。 こ の2峰
PAに,対
寸 るShigella,
性 は 投
者 ら17)が 以 前 報 告 し た
cnteropathogenic
E.coliに
ABPC,
CP.
TCに
9)
出 頻 度 が 高 か っ た が,両
にABPC,
TC耐
剤投 与
10)
性菌検
数 と も 低 下 した 。
以 上の 病 原 腸 内 細 菌 の 消 失 効 果 お よ び 腸 内 細 苗 叢 に 及
ぼ す 選 択 的 影 響 を 考 え 台 わ せ る と,PPAはPAと
11)
同様
腸 炎 の 治 療 に 適 した 薬 剤 で あ る と 思 わ れ る。
受性 測 定 に ご協 力 い た だ い た大
12)
か ら 昭 和55年9月
13)
第23回
2)
告 。Pipemidicacid,
杉 山 茂 彦, 赤 尾
日 本 化 学 療 法 学 会 総 会,
冨 貴 子,
介:
小 林 祥 男,
1975
足 立 利 幸,
今 井 千 尋,
rapy
2900∼2905,
飯村
達,
(主 と して 赤 痢)
2899,
平石
松 原 義 雄,
浩:
の 問 題 点-。
1975
国 民 衛 生 の 動 向 。 厚 生 の 指 標27:
1980
杉 山 茂 彦,
赤尾
満,
角 田 沖 介:
小 林 祥 男,
今 井 千 尋,
と そ の 類 似 疾 患 に 対 す る 治 療 成 績-と
く に カ ナマ
イ ン ン と の 二 雄 樹 検 法 に よ る 比 較-。
感 染 症学 雑
誌47:
77∼83,
1973
山 本 琢 三, 他 (12施
般):
細 菌 性 赤痢
と そ の類 似
疾 患 に 対 す る リ ピ ドマ イ ン ン の 治 療 成 績-と
くに
二 重 白 検 法 に よ る カ ナ マ イ ン ン と の 比 較-。
感染
症 学 雑 誌47:
35∼43,
本廣
孝, 河 野 信 晴,
1973
田 中 幹 久,
舩 津 維 一 郎:
Piromidic
友 石 泰 輔, 沖
acidに
よ る小 児
光 岡 知 足:
腸 内 菌 叢 の 研 究 に お け る 最 近 の進 歩-
773∼788,
伊 藤 機 一:
福 田 一 男,
日本 細 菌 学 雑 誌
1974
腸 内 細菌 震 の変 動 に関 す る研究。感桑
367∼377,
千 田 俊 雄,
菱 沼 義 興,
1972
中 谷 林 太 郎,
村 上 義 次:
腸 内 フ ロ ー ラ 。 第54回
瀬 尾 威 久, 松
急 性 出 並 性 腸 炎の
日 本 感 染 症 学 会 総 会 抄録,
1980
清 水 長 世:
に 対 す るPipemidic
23:
急性
16)
acid
五 島 瑳 智 子,
堂 ケ 崎 勲,
金 子 康 子,
小 川 正 俊, 滝
田 聖 親, 辻 明 良, 高 橋 邦 子, 桑 原 章 吾: Pipemidicacidの
細 菌 学 的 評 価,と
く にin vitro, in vivo
2894∼
1971
2640∼2646,
17)
赤 痢 そ の 他 の下 痢 一 診 療 に 有用 な数 値
1344∼1352,
山本
カ ネ ン ドマ イ シ ン の 細 菌 性 赤痢
の 抗 緑 膿 菌 作 用 に つ い て 。Chemotherapy
406∼419,
T. 2:
厚 生 統 計 協 会:
原 義 雄,
腸 内 細 菌 叢 の検 索 手 技。 感 染症 学 雑 誌
表 ― 。 日 本 臨 床32:
6)
15)
1975
光 岡 知 足:
45:
5)
角田沖
1975
の 治 療 効 果 の 検 討 。Chemotherapy
サ ル モ ネ ラ 症 の 臨 床-そ
症 学 雑 誌46:
天野
関 す る 基 礎 的 ・臨 床 的 研 究 。Chemothe23:
鵜 飼 一 郎,
腸炎
4)
14)
戸 谷 徹 造,
山 本 琢 三,
ty-
Med.
343∼347,
29:
新薬 研 究 会 報
赤 痢 お よ び 赤 痢 類 似 疾 患 に お け るPipemidic
acidに
3)
満,
Salmonella
Brit.
と く に 嫌 気 性 菌 を 中 心 と し て-。
献
1)
of
Children.
細 菌 性 赤 痢 お よ び 病 原 大 腸 菌 性 下 痢 症 の 治 療。
Chcmotherapy
19: 505∼519,
1971
であ
る)
文
1970
treatment
臨 床 と細 菌2:
重 美,
日 本 製 薬 株 式 会 社 総 合 研 究 所 に 深 謝 致 し ます 。
(本 研 究 期 間 は 昭 和54年2月
13•`24,
antibiotic
1965
誠:
珂 三,
薬 荊 の 投 与 に よ り検 川 頻 度,菌
稿 を 終 る に あ た り,感
斎腿
450,
対 ナ る 耐 性 菌 の 検 討 で は,薬
by
1343•`1345,
8)
お
い て も同 様 の パ ター ンが み られ て い た。
前 の ゲラ ム 陰 性 腸 内 細 菌 で,特
92:
of
≧400
phimurium
与 後 検 出 菌 で も 認 め ら れ た が,宮
J. Epid.
S.;
1982
1974
ASERKOFF, B.; S. A. SCHROEDER & P. S. BRACHMAN: Salmonellosis
in the United States-a
five-
本廣
孝,
23:
1975
河 野 信 晴,
田 中 幹 久,
友 石 泰 輔, 沖
重 美, 舩 津 維 一 郎: Piromidic
acid
dry syrup
に よ る 小 児 細 菌 性 下 痢 症 の 治 療 。Chemotberapy
19:
520∼536,
1971
VOL.30
CHEMOTHERAPY
NO.2
EVALUATION
OF THE
EFFECT
147
OF PIPEMIDIC
ACID
ON
ENTERITIS
A DOUBLE BLIND CONTROLLED STUDY
COMPARED WITH PIROMIDIC ACID
TAKASHI MOTOHIRO, YASUTAKA SAKATA, TAMOTSU FUJIMOTO,
TOORU NISHIYAMA,TETSUYA NAKAJIMA,KOJI ISHIMOTO,
KAORU TOMINAGA and
Department
of Pediatrics,
FUMIO YAMASHITA
Kurume University
School of Medicine
Department
DAIICHIRO TESHIMA and TOSHIKO MATSUO
of Infectious Deseases, Kitakyushu City Asahigaoka
Department
of Internal
EISUKE NAGATA and
Medicine,
Hospital
FUYUHIKO NINOMIYA
Fukuoka
Prefectural
Asakura
Hospital
HIROSHI SAMEJIMA
Fukuoka
Department
Department
Department
Department
Prefectural
Asakura
Hospital
TERUHITO KOGA
of Internal Medicine, Koga Hospital
MASAHARU HASHIMOTO
of Internal Medicine, Yame City Hospital
AKIRA KINOSHITA
of Internal Medicine, Chikugo City Hospital
NAOMI MASHIKO and KAZUYOSHINAGATA
of Internal Medicine, Fukuoka Prefectural Yanagawa Hospital
Department
HIROAKI SAKAMOTO
of Internal Medicine, Ohmuta City Hospital
MASAHIRO NAKAMURA
Department
of Microbiology,
Kurume University
School of Medicine
A double-blind controlled trial was carried out using piromidic acid (PA) as a reference drug in
order to examine the therapeutic effect of pipemidic acid (PPA) on enteritis including bacillary dysentery and Vibrio parahaemolyticus
enteritis,
and the influence of PPA on bacterial flora in feces. The
results obtained were as follows.
1. Efficacy was evaluated in 27 PPA-and
24 PA-treated cases fulfilling test conditions among total
67 medicated cases. There were no significant differences between these medicationgroups
on the background factors analyzed.
2. According to the unified evaluation, the rates of "excellent response plus good response" were
85. 2% with PPA and 75% with PA. There was no significant difference between both the drugs, while
there was CLtendency that PPA was superior to PA with respect to the efficacy in the cases with bloody stool.
3. From fecal samples taken premedication,
pathogens such as Shigella sp., Salmonella sp., Vibrio
parahaemolyticus
and Klebsiella oxytoca were detected in 8 PPA-and 7 PA-treated
cases, but there
were no significant differences between both the medication groups on bacteriological effects.
CHEMOTHERAPY
148
4.
Fccal bacterial
Before
medication,
flora was
observed
the numbers
in all fecal
of organisms
were
FEB.
samples
large
taken
before,
in anaerobes,
during
and after
Escherichia
coli,
1982
medication,
Klebsiella
sp,
Citrobacter
sp., Enterobacter
sp. and Streptococcus
sp. During
medication
with PPA or PA, the gramnegative
organisms
were markedly
reduced
or disappeared,
while anaerobes
and gram-positive
organisms did not change significantly.
After
in number to the same degree as before
creased.
reduction
treated
5.
cases.
drug-sensitivity
inhibitory
henicol
with
and
to
tetracycline
or
of
organisms,
resistant
PPA
of the organisms
concentrations
gram-negative
organisms
PA.
PPA
and
PPA
had
Those
with PPA, the gram-negative
organisms
while anaerobes
and Streptococcus
sp.
were obtained
with the PA-treated
cases.
A difference
of organisms
in feces was more marked
in PPA-treated
The
mal
for
Similar results
in the number
medication
medication,
or
PA
a
large
results
was
and
PA
determined
were
12.5ƒÊg/ml
and
were
or
indicate
part
none
of
that
the
by the agar-dilution
0.78•`3.13 ƒÊg/ml
100 ƒÊg/ml
rare,
PPA
as
for
while
isolates,
those
and
well
and
as
method.
sp.
resistant
tiwy
were
PA
i% a
was that the degree of
cases
than in PAThe
12. 5•`25 ƒÊg/ml
Pseudomonas
to
greatly
useful
recovered
were in-
The
gram-negative
ampicillin,
reduced
drug
peak minirespectively
for
chlorampby
enteritis.
medication