支援便り12月号 - 神奈川県立中原養護学校

平成28年度第8号
平成28年12 月21日
神奈川県立中原養護学校
支援連携グループ
12 月も中旬になり、冬らしい日が続くようになってきました。様々な行事が目白押しだった 2 学期も終わろ
うとしています。きっとたくさんの楽しい思い出を作れたのではないでしょうか。
さて、2 学期最後の支援だよりは、イベントや校内外支援 IT 係りからのお知らせ等です。ぜひご覧ください。
イベント等紹介
川崎ウィンズは川崎市を中心に活動している一般吹奏楽団です。吹奏楽団の素敵な演奏を聴き、
楽しいひと時を過ごしてみてはいかがでしょうか。
●演奏曲
「海の男達の歌」
(ロバート・W・スミス)
「カンタベリーコラール」(J.ヴァン・デル・ロースト)
「ポップスステージ」
他
☆日時:12月23日(金・祝)
☆開場:17時30分
☆開演:18時00分
☆場所:エポックなかはら 大ホール
☆住所:川崎市中原区上小田中 6-22-5
JR 南武線 武蔵中原駅より徒歩 1 分
☆入場料:無料
※オープニングコンサートを開催致しますのでお早めにご来場ください。
豊かな暮らしと学びを「デザインする」
—ATAC カンファレンスに参加して—
ICT 支援係
柳沼
佑介
今年度から ICT 支援係になって、iPad をはじめとしたタブレット端末や様々な
支援機器について、「もっとよい使い方はないかな」と考えることがとても多くな
りました。そんな折、作業療法士笠原から「こんなのがあるよ」と ATAC カンフ
ァレンスの存在を教えてもらいました。
「テクノロジー」と「コミュニケーション」
をキーワードに、社会の中で困難さを抱えている人たちを支援する技術・考え方を学び合うために
毎年開催されているのだそうです。「これだ!」と思い、参加することにしました。
ATAC カンファレンス、今年のテーマは「デザインする」でした。既存のテクノロジーや制度
をただ利用するだけではなく、人の個性や認知特性を活かしながら学べる・暮らせる・働ける場と
は何かについて、「デザイン」という視点から考える…そんな機会となりました。報告したいこと
は沢山あるのですが、ここではその中から2つ、紹介させてもらいます。
1つは、
「診断も治療もしないお医者さん」、三宅琢先生のお話。産業医という立
場から、視覚に病気や障害のある方に対し、タブレット端末などの支援機器を用い
た暮らし方や働き方を提案・支援する「情報外来」という仕事をされているのだそうです。患者さ
んの「視力の弱さ」に着目するのではなく、
「その人の願いや幸せを実現するために、何が必要か」
という視点から生活をデザインしていく三宅先生。そのことで、多くの人がその人らしい生き方を
取り戻していく姿に、とても感動しました。
もう1つは、特別支援教育が専門の近藤武夫先生(東京大学先端科学技術センター准教授)によ
る「超短時間労働という新しい働き方のデザイン」です。「少数の障害者を1つの職場で週に30
時間雇用する」のではなく、「週に1時間働く人を30人雇用する」という発想をベースにした
「IDEA モデル」の提案でした。この IDEA モデル、なんと私たちの川崎市で(!)自治体として
実施に向けた検討を始めているのだそうです。近い将来、中原の卒業生一人ひとりが、より自分ら
しく、生き生きと働き、生活していく…そんな姿が心に浮かびました。
私もタブレットや支援機器を有効活用して、生徒の学びをより豊かなものにして
いけるよう、デザインしていきたいと思いました。
コラム
中学部から高等部への繋がりを考える
中学部 1 年担任の吉田です。昨年度までは高等部の担任をしていました。
中学部の担任になり、半年以上が過ぎました。中学部から高等部へ向けての繋がりの大
切さを感じています。
高等部の生徒になると、自分の好きな物・事、得意なこと、将来の目標、人への関わり
方・意思の発信の方法など、自分の事をよく知っていて、そして実践できる生徒が多かっ
たように思います。それはきっと、小学部そして中学部での日々の積み重ねの中で、様々
なもの、活動、人、環境に触れることで育てられてきたのではないかと思っています。今、
中学部 1 年生の担任になり、小学部からの積み重ねを行ってきた事が、少しずつ力にな
ってきている姿を多く目にします。小学部からの積み重ねを大切にしながら、継続してい
くと共に今持っている力を広げていく、そして高等部へと繋げていく事が中学部での役割
だと考えています。
高等部になると「進路」について考える事が増えてきます。働くという事はどういう事
なのか、作業学習や現場実習を通して体験していくだけでなく、卒業後の生活を充実させ
るための余暇や、基本的な生活習慣、社会的なマナーなども学んでいきます。自分の好き
な事・物等をよく知っていたり、自分の得意な事を実践できたりする力は、進路について
考え、学ぶ時、そして卒業し社会に出ていく時の基礎として非常に大切な力だと思います。
自分の好きな物を見つけたり、いろいろな経験をしたりする中で、高等部や将来に向け
て一人一人が持っている力を十分に伸ばしていけるように保護者の方やクラスの担任同
士、そして外部の機関と連携、協力して指導に当たっていきたいと私は考えています。
中学部
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吉田奈々実
中原養護学校ホームページ
http:// www.nakahara-sh.pen-kanagawa.ed.jp/