第 25 回全国小学生作文コンクール 「わたしたちのまちのおまわりさん」 優秀賞(高学年の部) タイトル:ありがとう、おまわりさん 氏 名:酒井 千乃 小学校名:千葉県 私立千葉日本大学第一小学校 五年 「わざわざ暑い中を、お父さんと届けてくれたんだ。とうもありがとう。お父さんに、 この用紙に書いてもらっている間、ちょっと待っていてね。 」 若い婦警さんはニコニコ笑いながら、六才の私に話しかけてくれた。 夏休み中ある日、することもなくテレビを観ていた私は、おつかいに行く父に付いて行 くことにした。途中で銀行のATM機に寄ると、棚の上に、カバンが置いてあるのに気が ついた。 「忘れ物だから、念のために警察に届けよう。」ということになり、最寄りの交番 へ歩いて行った。私は、それまで、おまわりさんと直接関わったことがなかった。交番に 行ってみたかったけど、用事もないのに行くところではないし、一人で行くのは少し怖い。 父が一緒なら、怖くないばかりか安心だと思った。 私が勝手に想像していた交番と実際の交番は、大きくちがっていた。それに、交番に用 のある人は多くないだろうと思っていたのに、三人のおまわりさんは、忙しく働いていた。 一人は、地図を広げて道案内。もう一人は、電話中。最後の一人は、椅子に座って男の人 と話をしている。このせまい交番の中ですら、おまわりさんはこんないろいろな仕事をし ていることにおどろいていると、道案内が終わった婦警さんが父に用件を聞き、父の後ろ にいる私をみつけて話かけてくれたのだ。 おまわりさんの仕事は交番の中だけでなく、地域のパトロールがある。自宅付近でも、 ときどきオートバイに乗ったおまわりさんを見かける。スピードを落として、ゆっくりと 周りを見わたして、普段と変わったことはないか確かめている。また、習い事に行くとき に使う大きい歩道にはおまわりさんがいて、車が歩道に飛び込んでこないか、歩行者がき ちんと渡っているか見守ってくれている。 それまで私は、 「おまわりさん」を気にしたことはなかった。でも、間接的におまわりさ んと関わっていたのだ。 ときどき下校途中に、おまわりさんが道路に立って見まわりをしている。夏の暑い日も、 汗を流しながら立っている姿を私は何度も目にした。それに最近は、自宅付近にもパトカ ーやバイクに乗ったおまわりさんを見かけるようになった。 交番で働くおまわりさん、パトカーやバイクに乗って働くおまわりさん、たくさんのお まわりさんに、私たちは見守られている。今度、おまわりさんに会ったら、「ありがとう」 と言いたい。
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