第 6 章

第6章
第 6 章 尾道市水道事業ビジョンの推進
6.1. 実施スケジュール
6.2. 投資・財政計画と数値目標
6.3. フォローアップ
59
第6章
6.1. 実施スケジュール
計画期間
項目
H29~33(前期)
H34~38(後期)
H29 H30 H31 H32 H33 H34 H35 H36 H37 H38
水安全計画の運用
水安全計画に基づく水質管理
水安全計画のレビュー
安全な水の安定供給
安
全
・
安安
全心
な
水
道
施設の健全度を把握する点検を含む維持管理
長江浄水場等施設の適切な運転監視
資産の長寿命化を図るための定期的な機器修繕の実施
「水質検査計画」に基づいた水質検査
塩素濃度の適切な管理
鉛管の取替
水源の環境保全
久山田貯水池周辺の環境保全
良質な水源の確保を継続するための検査及び調査研究
施設の適正管理(アセットマネジメントなどの実施)
管路更新事業と施設更新事業の実施
ー
市
民
サ
管路の老朽度調査
ビ 進捗確認と計画の時点修正
ス 市民への情報提供(水道事業の見える化)
と
満 水道事業に関する広報の充実
足 水道週間等を活用した現状の周知
度
の 独自モニタリングの実施と市民参加型モニタリングの検討
向
料金業務等窓口サービスの充実
上
水道水質に関する情報の発信
経営基盤・技術基盤強化
規模の適正化などによる工事費の縮減
持
続
日常点検・修繕故障履歴を踏まえ個別機器の更新等長寿命化措置によ
るコスト縮減
財政計画に基づいた適正な料金体系や水道料金水準の見直し
利用者へのきめ細かい対応と口座振替の推進
未 料金収入以外での財源確保と支出抑制方策の検討
来
へ 自己水源有効活用による受水費の抑制
つ 人材の育成
な
げ 研修と技術継承による技術力強化
る 効率的な組織体制の構築と職員数の確保
水
道 広域連携・公民連携
広域連携や公民連携(PPP)の研究推進
広島県水道事業推進会議や備後圏域6市2町での協議・研究を踏まえた
広域連携の具体化の検討
委託業者の継続的なモニタリングと連携の推進
公民連携によるコスト縮減等についての事前調査等の実施の検討
県内や近隣市の水道技術研修センターなどで開催される研修への参加
水道施設の計画的更新・耐震化
管路の計画的な更新・耐震化
施設の計画的な更新・耐震化ならびに統廃合
定期的な事業の進捗確認と計画の見直し
修繕履歴等に基づく長寿命化を考慮した個別機器等の合理的な更新に
よる故障リスクの縮減
災 水質検査機器の耐震化
害 非常時の体制強化
に
強
強 危機管理計画や業務継続計画(BCP)に基づいた防災訓練
靱
い
応急給水・復旧資機材の備蓄と適切な管理
水
道 応急給水用水源として長江浄水場の適切な運用の継続
災害対策に関する市民の理解向上に向けた広報活動
BCPの継続的な見直し
応援部隊の受入体制の整備
防災マップの作成
水質検査の相互応援に関する協定書に基づいた連携
尾道市災害時支援協力員による効果的な応急活動
60
(水質検査計画策定に合わせて、原則毎年度3月に実施)
第6章
第5章「具体的取組」主な取組と期間
項目
水道
安全
安全・安心な
水安全計画の運用 水安全計画のレビュー
安全な水の安定
供給
具体的内容と期間
毎年度 3 月末に実施
「水質検査計画」に基づいた水質検査
毎日、毎月など
鉛管の取替
毎年約 500 件、事業期間内で約 5,000 件
施設の適正管理
管路:約 14km/年、事業期間内総更新
市民サービスと
満足度の向上
(アセットマネジ 管路更新事業と施設更新事業の実施
延長 140km,更新率:1.2%/年
メントの実施)
施設:配水池等の統廃合の検討と施設更新
市民への情報提供 水道週間等を活用した現状の周知
毎年 6 月 1 日から 6 月 7 日で実施
(水道事業の
持続
未来へつなげる水道
見える化)
水道水に関する情報の発信
3 か月ごとに市ホームページで公表
経営基盤・技術
財政計画に基づいた適正な料金体系や
会計年度ごとの確認と 3 年に 1 度の受水費
基盤強化
水道料金水準の見直し
の見直し
人材の育成
効率的な組織体制の構築と職員確保
業務の確認
毎年
広島県水道事業推進会議や備後圏域 6 市
広域連携・
備後圏域 6 市 2 町
平成 29 年度に広域連
2 町での協議・研究を踏まえた広域連携の
公民連携
携の具体的内容について検討
具体化の検討
基幹管路更新事業
50 箇所
口径φ75~100
総延長約 36km
管路の計画的な更新・耐震化
管路耐震適合化率
強靭
災害に強い水道
水道施設の計画的
平成 27 年度末
38.3%を事業期間内で 50%に向上
更新・耐震化
ポンプ電気計装設備更新事業
施設の計画的な更新・耐震化
耐震化率
14 箇所
平成 27 年度末 81.7%を事業
期間内で 93.6%に向上
危機管理計画や業務継続計画(BCP)に基
毎年実施
非常時の体制強化
づいた防災訓練
防災マップの作成
事業期間前期に作成
61
第6章
6.2. 投資・財政計画と数値目標
1)投資計画
本市では、今後高度経済成長期に整備した多くの管路や施設が法定耐用年数を迎えま
す。この大量更新を合理的かつ確実に進めるため、アセットマネジメントに基づく基本
計画を策定しています。これらをもとに、将来の投資額を設定しました。
管路更新計画(平成27年度)では管路の定量的評価に基づく更新対象管路の抽出と
優先順位の選定を行い、合わせて適正事業量の検討を行いました。この結果に基づき、
管種に応じた更新基準年数(60~100 年)と、管路更新目標(延長:約 14km/年、
費用:6.95 億円/年)を設定しました。
配水系統整備基本計画では、これまでに行ってきた耐震診断の結果や水需要の地区別
推計結果をもとに、給水区域の変更及び調整を考慮した基本計画を立案しました。この
中では、老朽化が進行し耐震性を有さず維持管理も困難な施設を休止もしくは廃止する
方法を検討するとともに、非常時の安定給水を考慮した増強施設の計画と、既存重要施
設の耐震化を含めた更新計画を策定しています。
2)財源計画
(1)財源計画
水道事業の主な財源は、料金収入、企業債、繰入金及び国庫補助金となります。
料金収入は、年間有収水量(水需要予測結果)×供給単価(一定)としました。
企業債は、企業債残高の減少と現金保有の両面から最適値を設定し、毎年 2 億円を
起債するものとしました。
国庫補助金は、近年の実績と老朽管更新費用の増加見込みに応じて毎年 1 億円で一
定としました。
その他の収入は、一般会計負担金として消火栓設置費と開発地企業債元金を現状のま
ま一定と見込みました。
今後とも、引き続き、国庫補助金や自主財源の確保を図りながら、適切な起債管理や
指標点検に努め、健全な財政計画となるよう研究・改善に努めます。
(2)投資以外の経費と収支ギャップ
人件費は、職員数×年間一人あたり人件費 として算出し、職員数は更新事業量の増
加に伴う業務量の増加に対応するため現状のまま一定としました。一人あたり人件費、
電力費単価、受水費単価、その他の支出についても現状のままで一定としました。薬品
費、その他の維持管理費は物価上昇 0.7%(近年実績)を見込みました。支払利息は、新
規分の年利率を 1.6%(近年実績)としました。
これらの設定に基づく収支見通しによると、本計画の計画期間である平成 38 年度ま
での期間では収支ギャップは生じない結果となりました。しかし、計画期間以降となる
平成 41 年度以降は収支ギャップが生じ、その差は拡大の一途をたどる結果となってい
62
第6章
ます。そこで、今後は企業債借入残高の限度額水準や適正な料金水準について、総務省
の研究会報告(
「公営企業の経営戦略の策定等に関する研究会報告書」
(平成 26 年 3
月)
)や、水道料金算定要領(平成 27 年 2 月)などを踏まえ、改めて試算及び検討を
重ね、適正な資産維持費を見込んだ料金算定など、必要な利益の確保に向けた検討を進
めます。
将来を見据えた
必要額の算定
アセットマネジメント、
投資の合理化等による
投資額の軽減
均衡
中長期的な将来需要を適切に把握し、
アセットマネジメント等の知見を活用し
てその最適化を図る
財政計画
ギャップ解消
投資計画
公営企業の必要額
投資計画の策定
適切な更新等を行う
ために必要な額の確保
料金と公費のバランスや
世代間負担の公平等を
勘案して構成を決定
企業債
事業規模に見合った
適切な水準での起債
繰出金
繰出基準に基づく
繰出額の確保
料金
独立採算と公料金性を
勘案した適切な算定
財政計画の策定
必要な需要額を賄う財源を経営の中で
計画的かつ適切に確保する
「投資計画」と「財政計画」は相互に関連しており、最終的に均衡した形で策定する
図 6.1 経営戦略の策定
投資試算の再検討
○ダウンサイジング、スペックダウン
○予防保全型維持管理を含む適切な
維持管理による長寿命化
○過剰投資・重複投資の精査
○新たな知見や新技術の導入
○優先順位が低い事業の先送り、取りやめ
○民間資金・ノウハウ等の活用(PPP/PFI
の導入等)
○広域化の推進
等
財源試算の再検討
両面から
均衡点を探る
取組を反映
○内部留保額の見直し
○料金の見直し 等
投資以外の経費の効率化
給与・定員の見直し、広域化の推進、
民間のノウハウの活用(指定管理、民間委託
等)、ICTの活用等による更なる効率化
図 6.2 「投資・財政計画」策定までの流れ
(総務省:経営戦略策定ガイドラインより)
63
第6章
(3)収支見通し
単位:百万円
年 度
項 目 給水収益(料金収入)
計 益
勘
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
3,480 3,464 3,451 3,435 3,429 3,393 3,377 3,361 3,343 3,318
収 その他営業収益
長期前受金戻入(既存施設)
長期前受金戻入(新設施設)
その他営業外収益
入
特別利益
収
H29
569
790
796
801
807
813
818
824
830
836
292
296
287
282
276
260
249
239
225
224
17
24
25
39
47
48
53
26
23
23
24
24
24
24
24
24
24
1
4,370 4,574 4,557 4,559 4,559 4,514 4,506 4,495 4,471 4,455
人 件 費
468
480
488
488
488
488
488
488
488
488
維持管理費
881 1,163 1,171 1,179 1,187 1,194 1,202 1,210 1,218 1,226
動 力 費
73
76
76
76
76
76
76
76
76
76
薬 品 費
4
5
6
6
6
6
6
6
6
6
そ の 他
支
定 引 当 金
支 払 利 息 ( 旧 債、リ - ス 債 )
出 支 払 利 息 ( 新 債 )
804 1,082 1,090 1,097 1,105 1,113 1,120 1,128 1,136 1,144
112
減価償却費 (既存施設、リ-ス資産)
938
2
1
1
1
1
1
1
1
1
110
97
90
82
75
67
60
53
47
3
6
10
13
16
19
22
25
919
890
853
810
769
734
700
682
26
103
142
182
222
263
274
301
936
減価償却費(新設施設)
受 水 費
1,522 1,526 1,505 1,497 1,494 1,478 1,470 1,463 1,455 1,444
そ の 他
38
計 23
23
23
23
23
23
23
23
23
3,959 4,240 4,233 4,277 4,279 4,264 4,259 4,262 4,234 4,238
当 年 度 純 損 益
411
334
324
282
280
251
247
233
236
218
単位:百万円
年 度
項 目 企 業 債
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
160
200
200
200
200
200
200
200
200
200
国庫(県)補助金
69
103
100
100
100
100
100
100
100
100
工事負担金
99
99
96
101
102
106
101
97
90
91
他会計出資補助金
収
入
資
他会計借入金
そ の 他
計
本
1
2
2
2
2
2
2
2
2
403
397
402
403
407
403
398
391
392
拡 張 費
改 良 費
勘
2
331
1,052 1,616 1,230 1,230 1,230 1,230 1,230 1,230 1,230 1,230
リ - ス 債 務
事 務 費
定
企 業 債 償 還 金 (旧債、リ-ス債)
267
277
企業債償還金(新債)
278
294
284
299
305
297
277
262
7
13
20
他会計長期借入金償還金
そ
の
他
計
収 支 不 足 額
64
6
1
1,325 1,894 1,508 1,524 1,514 1,529 1,535 1,533 1,520 1,512
994 1,492 1,111 1,122 1,110 1,122 1,132 1,135 1,129 1,119
第6章
3)今後の取組
(1)施設・設備の廃止統合(ダウンサイジング)及び合理化
施設・設備の廃止統合(ダウンサイジング)については、配水系統整備基本計画に基
づいて事業を着実に進めると共に、5 年毎に進捗確認と水需要の最新動向に応じた内容
の見直しを行う必要があります。
施設・設備の合理化については、管路更新計画及び配水系統整備基本計画に基づく管
路口径の適正化(縮小)を進めると共に、新たな管種の導入など公共工事の計画、発注、
期間及びライフサイクルなど精査を行い総合的なコスト削減を検討します。また、未普
及地域の解消については、運搬給水などの新たな手法の導入についても検討を行います。
(2)アセットマネジメント
施設・設備の長寿命化等の投資の平準化は、引き続きアセットマネジメントの運用に
より継続します。また、必要な情報の収集や整理を行い、ICT などを用い現行の施設情
報を活用した個別施設の更新時期の適正化を図るためのミクロマネジメントや、施設全
体の更新需要及び財政見通しを経営視点から中長期的に適正化を図るマクロマネジメ
ントの導入などについても検討します。
(3)広域連携と公民連携
広域連携については、広島県や近隣事業体との連携を取りながら、期待されるメリッ
トや必要性などについて研究し、実効性のある具体的な取り組みを検討します。
公民連携については、委託業者のモニタリングを継続的に実施しながら、今後も研究
を行います。
(4)財政計画と水道料金の適正化
財政計画の見通しを必要に応じ継続して作成し、財政分析指標による適正な管理分析
を行うことで、持続可能な財政運営に向けて経常経費の抑制に努めます。また、事業を
行う上で、国・県から幅広い事業に活用できる交付金や補助金のメニューに積極的に取
り組むことにより一般財源の持ち出しを削減します。そのために、情報取集や関係機関
との連絡調整を行い資金の調達を図ります。
水道料金は、能率的な経営の下における適正な原価に照らし合わせた公正妥当な給水
サービスの対価でなければなりません。今後も継続した事業・業務の見直しを行い効率
的な事業運営を図りながら、マクロマネジメントの視点に立ち必要な財源試算を行った
うえで、給水原価と供給単価のバランスが適正に維持できるよう市民に必要な情報を発
信し理解を得ながら、水道事業が「安全」
「強靭」
「持続」を確保ができ、未来につなが
るように適正な料金設定に取り組みます。
65
第6章
(5)組織及び人材
組織・機構については、地方公営企業を事業運営していく上で効率的かつ実行力があ
り機動性を備えた組織とするために、中長期的な視点から簡素合理化や事務事業の見直
しを行い、実施可能な業務の民間への委託化を進めることで、更なる費用の削減に努め
ます。また、人材については、市長部局と協議を行いながら、今後の施設の更新需要増
加に対応できる職員数の確保に努めるとともに技術力の向上、技術継承を図ります。
4)数値目標
これまでの方針に基づいて見通した平成38年度の想定数値を目標値としています。
経営成績と財政として、収益性、料金、資産状態、財務状況、施設効率、生産性に関す
る15の指標と経営効率化として事業内容、料金水準及びコスト、安定度に関する10
の指標のもとで本計画の数値目標を設定していますが、アセットマネジメントによる計
画的な投資の平準化を進めることで回転資金などの自己資本の増強は図れるものの、水
需要低下に伴う給水収益の減少と近年の物件費の上昇、また、投資に見合う有収水量の
確保が期待できない状況を勘案し、半数以上の指標値において、前回目標値と比べると
低い設定となりました。これらの目標値について、継続的にモニタリングを行いますが、
計画に反映されていない沼田川水道用水供給事業の受水費単価の値上げ(平成31年度
までは現在の単価を継続)や、有収水量が計画値を下回り給水収益の減となる場合には、
必要に応じて事業計画の見直しを行います。また、平成38年以降は、給水単価が供給
単価を上回る逆さやが想定されているため、手持ち現金資金の状況を注視しつつ、計画
期間の前期中には、料金体系や料金水準の見直しについて検討を行う必要があります。
以上、目標値の達成に向けて取り組む上で、市民アンケート調査の結果に添うべく「安
全、おいしい水」の安定供給に向け、本市水道事業ビジョンなどの着実な執行に努めま
す。
※経営を持続するための取組の一例
【料金改定のケース】
本ビジョンの計画期間内は収支バランスを確保できる見通しとなりました
が、平成 42 年以降は損益がマイナスに転じる見通しとなっています。これ
を回避するためには、前年の平成 41 年に 10%程度の料金改定を行い、そ
の後も 10 年毎に 10%程度の改定が必要となると想定されます。
業務指標(PI)とは
(社)日本水道協会が平成 17 年 1 月に制定した「水道事業ガイドライン」に基づく指標
で、137 項目の指標が示されています。
66
第6章
経営成績と財政
項目
単位
優位向
前回
目標
H27
目標値
説明
経 常 収 支 比 率 (%)
↑
110.4
104.7
103.0
総 資 本 利 益 率 (%)
↑
1.5
0.7
0.4
供
給
単
価
(円)
↓
251.89
249.79
251.00
給
水
原
価
(円)
↓
228.72
241.48
251.00
率 (%)
↑
110.1
103.4
100.0
率 (%)
↓
4.0
3.4
4.0
企業債償還元金対
(%)
減 価 償 却 比 率
↓
28.4
32.2
26.0
有 収 水 量 1 m 当 り (円/㎥)
有 形 固 定 資 産
有 収 水 量 1 m 3 当 り (円/㎥)
借 入 資 本 金
↓
1,726
1,664
1,970
↓
-
327
-
財
務
状
況
自 己 資 本 構 成 比 率 (%)
↑
76.0
75.3
76.0
流
率 (%)
↑
315.9
207.9
315.0
施
設
効
率
配 水 管 使 用 効 率 (%)
↑
12.9
14.0
12.0
固定資産使用効率
(㎥/
万円)
↑
6.1
6.3
5.0
職 員 一 人 あ た り
有
収
水
量
(㎥)
↑
345,428
315,677
326,000
↑
88,674
80,362
84,000
収
益
性
料
金
回
減
資
産
状
態
生
産
性
収
価
償
却
3
動
比
職 員 一 人 あ た り
(千円)
営
業
収
益
特別損益を除いた経常的な収支の関係を見る指標で、
100%未満であれば形状損失が生じていることを意味し、
100%以上であることが望まれます。
資産を有効活用して利益に結びつけいているかの指標で
す。企業の収益性を判断するもので、高いほど企業成績が
良好であることを示します。
1㎥の水を供給したときの平均収入額です。低額である方が
水道サービス(水道料金)の観点からは望ましいと考えられ
ます。
1㎥の水を製造するのにかかる費用です。安価である方が
望ましいと考えられます。
供給単価を給水原価で除したもので、100%を下回っている
場合は、給水にかかる費用が、水道料金のみで賄われてい
ないことを示します。
減価償却資産のうち本年度償却額の占める割合です。施設
投資、設備投資等のバランスが妥当かどうかを判断する指
標です。
投下資本の回収と再投資との間のバランスを見る指標で
す。一般的こ100%以下であると、投資が健全であり財務的
に安全と考えられます。
有収水量1m3当りの固定資産の割合を示し、施設整備にか
かる投資額が妥当かどうかを判断する指標です。
有収水量1m3当りの借入資本金の割合を示し、借入資本金
企業債の借入額が妥当かどうかを判断する指標です。
自己資本と剰余金の合計金額の負債・資本合計額に対する
割合を示します。財務の健全性を示す指標であり、値が高い
方が財務的に安全と考えられます。
短期債務に対する支払い能力を示します。流動比率が10
0%を下回っていれば不良債務が発生していることを示し、
経営の効率化等を図る必要が生じる場合もあります。
配水量を配管延長で除して算出した値であり、1㎥当りの有
効利用をみる指標です。
固定資産の面から施設効率を計る指標で、この率が高いほ
ど施設が効率的に使われていることを示します。反対に、こ
の率が低い場合は過剰な設備投資である場合も考えられま
す。
労働生産性の指標で、設備投資や費用に関する他の指標と
あわせて総合的に判断する必要がありますが、職員数に対
する売上高をみることで、職員数が適正であるかの判定等
ができます。なお、一般的にこの値は大きい方がよいと考え
られています。
経営効率化
項目
H27
前回目標
目標値
↑
94.4
95.0
95.0
3
固 定 資 産 使 用 効 率 (m /
万円)
↑
6.1
6.3
5.0
職 員 一 人 当 た り
有
収
水
量
↑
345,428
315,677
326,000
↓
251.89
249.79
251.00
↓
228.72
241.48
251.00
↓
37.1
17.1
37.0
率 (%)
↑
110.8
104.5
103.0
経 常 収 支 比 率 (%)
↑
110.4
104.7
103.0
営 業 収 支 比 率 (%)
↑
106.3
107.7
100.0
有 形 固 定 資 産
(%)
減 価 償 却 率
↓
42.8
68.0
50.0
収
(m3)
供
給
単
価 (円)
及
料
び
金
コ
給
水
原
価 (円)
水
ス
準
3
ト
有 収 水 量 1 m 当 た り (円/㎥)
建 設 改 良 費
総
安
定
度
優位向
率 (%)
有
事
業
内
容
単位
収
支
比
説明
施設の稼動状況が、どの程度収益につながっているかを示
す指標。この率が低い要因として、漏水が考えられます。漏
水が多いと判断される場合は、水資源の有効利用の観点か
らも何らかの対策を講じる必要があります。
固定資産の面から施設効率を計る指標であり、一般的にこ
の値が高いほど施設が効率的に使われていることを示しま
す。反対に、この率が低い場合は過剰な設備投資による場
合も考えられるため留意が必要となります。
年間で職員一人当り何m3を有収水量を配水したかを示す指
標です。人的資源が効率的に活用されているかをを示す指
標であり、数値が大きいほど職員一人当りの生産性が高い
ことを示します。
1㎥の水を供給したときの平均収入額です。低額である方が
水道サービス(水道料金)の観点からは望ましいと考えられ
ます。
1㎥の水を製造するのにかかる費用です。安価である方が
望ましいと考えられます。
投資規模と有収水量との比較であり、長期安定的な水道施
設整備を図っていくためには、適切な規模・効率的な経費で
投資を行っていく必要があります。
経営収支の均衡度を、総収益対総費用の関係で見る指標で
す。
この率が100%未満であれば、純損失を生じており、経営の
安定が損なわれていることを示します。
特別損益を除いた経常的な収支の関係を見る指標で、
100%未満であれば形状損失が生じていることを意味し、
100%以上であることが望まれます。
通常の営業活動に要する費用を、営業活動に必要なものと
して徴収している給水収益等の営業収益でどの程度賄って
いるかを示しています。収益的収支が黒字であるためには、
100%を上回っている必要があります。
減価償却の進み具合や資産の経過年数を見る指標です。施
設更新の必要性や、今後の修繕費の増減傾向を推測できる
ため、投資計画策定時の施設管理の効果的な運用が可能
かどうかの指標に用います。
67
第6章
6.3. フォローアップ
1)推進体制
このビジョンの策定にあたりパブリックコメントを実施し、市民に情報提供するととも
に意見をいただきました。また、ビジョンの内容は市議会には平成29年3月に報告し、
市民には同時期に市ホームページに掲載し、情報共有を図ります。
事業運営から施設維持保全、市民サービス対応など、幅広い範囲にまたがる本ビジョン
の内容を具体的に推進するためには、各部門の分担により専門領域に積極的に取り組むこ
とに加えて、横断的な協議や調整が必要となります。
そこで、本ビジョン推進体制として、尾道市水道事業経営検討委員会ならびに本市水道
局による局内ワーキングを設置し、継続的な進捗確認と見直しを図ります。
2)フォローアップ
本ビジョンで示している目標の達成に向けて、各種取組を計画的に推進していきます。
また、PDCAサイクルに基づいて、毎年、取組の進捗状況や目標の達成状況を確認・
検証し、本市水道事業を取り巻く環境の変化や市民の皆さまの意見・要望も把握しながら、
必要に応じて中間年度(概ね 5 年後)に本ビジョンの見直しを行います。定期的な見直し
に加えて、給水量が本計画での見通しを下回り給水収益が予想を下回った場合には事業の
一部先送りや料金改定などを行います。また、突発的な事故や災害が生じたときにはその
応急対応と全体計画の見直しなどをおこないます。
計画の策定(Plan)
計画の策定(Plan)
事業への
反映
•ビジョン、目標の設定
•基本計画の策定
短期・中期計画
及び実施計画
•未達成目標の対処・将来見通し
•新たなニーズ等の把握
PDCAサイクル
《持続》
事業の推進(Do)
事業の推進(Do)
実施成果
の整理
68
情報開示・説明責任
情報の収集
目標達成状況の確認(Check)
目標達成状況の確認(Check)
•進捗状況の管理
図 6.3
改善の検討(Action)
改善の検討(Action)
•事後(中間段階)評価
•顧客満足度の把握
PDCA サイクルにしたがった尾道市水道事業ビジョンの推進と検証・見直し