第 3 章

第3章
第 3 章 現状の分析と課題
3.1. 水需給の将来見通し
3.2. 施設の状況
3.3. 経営の状況
3.4. 市民アンケート調査によるニーズの把握
3.5. 業務指標による現状分析
11
第3章
3.1. 水需給の将来見通し
1)予測方法
近年の給水人口や給水量の実績値とその傾向に基づいて将来の水需要を予測しまし
た。具体的には以下のとおりです。
基本となる行政区域内人口は、平成 27 年 10 月に策定されている「尾道市まち・ひ
と・しごと創生人口ビジョン」に基づき推計値を設定しました。
また、一般家庭の使用が中心の家事用と企業などが使用する業務用とでは、使用傾向
が大きく異なるため、分けて推計を行い収益となる有収水量を設定しました。
①計画給水人口の予測
上位計画
・日本の将来推計人口
・尾道市人口ビジョン
②有収水量の予測
家事用水量
・原単位の分析
・人口×原単位
業務用、
その他用
・時系列分析
有収水量
有収率、負荷率
③1日平均、1日最大給水量
図 3.1 水需要予測手順
増加
要因
項目
実績
飽和値
出典
世帯規模の縮小
2.24 人/世帯
2.05 人/世帯
国の調査
自家用井戸
炊事
94%
100%
市民アンケート
の水道切替
散水等
59%
100%
飽和値は今回設定
50.8%
100%
食洗機
31%
65%
節水型洗濯機
32%
100%
節水型トイレ
34%
100%
水洗化率の向上
減少
節水機器の
要因
普及
図 3.2 家事用原単位の構造モデル(使用目的別分析)
12
下水道課資料
飽和値は今回設定
文献調査
第3章
表 3.1 水需要予測の方法・考え方
項目
予測方法・考え方
「尾道市まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」における「人
①給水人口
行政区域内人口
口推計」結果を採用しました。減少は継続するものの平成 52
年に 11 万人を維持し、平成 72 年には 9 万人になります。
給水区域内人口×普及率 として算出しました。
給水人口
給水区域内の未普及地域は地形の制約や住民ニーズ等の面で
解消は困難であり、給水普及率の向上は見込みませんでした。
家事用水量
=給水人口×一人一日家事用水量
( 一 人 一 日 家 事 用 過去 10 年間のデータを用いて時系列傾向分析を行いまし
②有収水量
水量)
業務用水量
その他用水量
た。
合併以降の実績値が安定した過去 5 年間のデータについて時
系列傾向分析を行いました。
過去 10 年間のデータについて時系列傾向分析を行いまし
た。
③一日平均、一日最大給水量
一日平均有収水量
=家事用水量+業務用水量+その他用水量
一日平均給水量
=一日平均有収水量÷有収率
有効率は実績で 98%を超過している年度があり十分に高い
水準に達しています。明らかな低下傾向が見られないことや
(有収率)
今後も管路更新等により漏水防止に努めることからから現状
維持とします。有収率は有効率 98%から実績平均有効無収
率 3.1%を控除して将来値を 94.9%と設定しました。
一日最大給水量
(負荷率)
=一日平均給水量÷負荷率
10 カ年の平均値 87%を踏まえ、平成 27 年度実績値 86%
を採用しました。
2)人口
人口の将来見通しは図 3.3 のとおりです。オレンジ色の線は『尾道市まち・ひと・
しごと創生人口ビジョン』に基づく行政区域内人口の推移、青色の線は給水区域内人口、
緑色は実際に水を使用していただける給水人口の推移を表しています。
これによると、人口減少が続き、平成 52 年には給水人口が 105,274 人、平成 67
年には 89,554 人になる推計となっています。
13
第3章
200,000
(人)
給水人口等の推移
150,000
100,000
行政区域内人口
給水区域内人口(人)
給水人口(人)
50,000
0
H17
実績←|→予測
H27
H37
H47
H57
H67
図 3.3 人口の推移
3)給水量
給水量の推計結果は以下のとおりです。
緑色の線が一日平均有収水量、青色が一日平均給水量、オレンジ色は一日最大給水量
の推移を表しています。
家事用、業務用ともに減少傾向であることから、平成 67 年度には約 22%減の
36,419m3/日となる推計となっています。
これより、将来は収益となる有収水量も減少するため、水道料金が一定であれば料金
収入も減少傾向が続きます。また、一日最大給水量も減少することから、施設更新時に
は需要予測を考慮した規模適正化や統廃合を検討する必要があることが考えられます。
60,000
(m3/日)
有収水量、給水量の推移
50,000
40,000
30,000
20,000
10,000
0
H17
一日最大給水量
一日平均給水量
一日平均有収水量
実績←|→予測
H27
H37
H47
図 3.4 水需要予測結果
14
H57
H67
第3章
3.2. 施設の状況
1)施設の概況
本市水道事業の施設概要ならびに施設系統図は図 3.5~図 3.8 のとおりです。
大正 14 年、本市水道事業創設以来の貯水池堰堤・導水管・浄水施設及び配水池施設
の多くが 90 年を経過した今日も現役で稼働しています。これらの構造物は、美観的に
も優れているということから、平成 16 年 11 月に国の登録有形文化財に選定され、後
世に引き継ぐべき水道の財産といえます。
一方、広島県沼田川水道用水供給事業(以下「沼田川水道用水供給事業」という。)
の災害発生による受水停止が長期に渡る際には、唯一の浄水源となることから、今後と
も適切な運転監視及び維持管理を継続していく必要があります。
また、給水区域拡張事業や合併により管理する施設数も増えています。市内全域に渡
り起伏の多い地形条件のもとで、適正水圧で配水するための配水池やポンプ場を多数保
有しており、適切な管理が必要です。
具体的には 71箇所の配水池・調整池、59 箇所のポンプ場を保有し、導送配水管延
長は 1,136km(平成27年度末時点)となっています。
水源に恵まれていない本市では、平成 27 年度実績で約 94%の水道用水を沼田川水
道用水供給事業から購入し配水しており、沼田川水道用水供給事業の水道施設と密接に
関連しています。沼田川水道用水供給事業区域図は図 3.9 のとおりです。
2)安全な水の安定供給
本市水道事業創設以来、貴重な自己水源として稼働している施設を有効活用すること
により、安定供給を図るとともに受水費の抑制に努める必要があります。
西國寺仁王門
(平成 27 年度
尾道市重要文化財登録)
15
第3章
みっちゃん
16
第3章
図 3.5 尾道市水道施設の概要
17
流量計(県)
減圧弁
M
R
浄水設備
沼田川水系(
上水受水)
P
R
M
大山田
受水点
265m3/日
M
坊士
M
φ300
坊士ポンプ場
2.85m3/分×126m
×110kW×3台
P
坊士減圧弁
長者原
受水点
8,735m3/日
内海水系・因島水系へ
M
K
φ150~50
長者原第1配水池
PC造 V=1,500m3
長者原第2配水池
PC造 V=2,000m3
長者原
水系 M
K
坊士浄水場
58,200m3/日
43,820(43,875)
配水池名
構造
有効容量m3
尾道分計画1日最大
協定水量
(平成24年度
1日最大協定水量)
浄水場名
施設能力m3/日
水源・取水地
取水能力
M
西尾道
受水点
7,000m3/日
西尾道調整池
PC造
V=2,500m3
久山田貯水池
720,000m3
導・送水管
(県沼田川関係)
配水管
送水管
導水管
浄水池
山波水系へ
尾道系
61,000m3/日
県沼田川
用水道
本郷水源
沼田川
受水
地点
許可値
緊急遮断弁
流量計
M
K
ポンプ場
P
県沼田川関係
上水道
凡 例
高平
取水堰提
φ400
φ300
φ400~300
M
R
φ250~200
M
M
φ250~50
吉浦・神田・日比崎・正徳・
東元・福地・吉和西元・沖側・
手崎・吉和
長江・西久保・東則末・門田・桜・
潮見・天満・栗原東西・三軒家・
吉浦・日比崎・手崎・栗原東部・正徳
日比崎
減圧弁
R
摺木ポンプ場
0.061m3/分×40m
×2.2kW×2台
P
M
P
吉井谷減圧弁
畑・城徳
吉浦
日比崎
木ノ庄西(上り地・城塚)
木ノ庄西(国延・向末政)
木ノ庄西
(吉井谷・竜泉寺谷・木門田)
木ノ庄西(実角・吉井谷)
末政ポンプ場
0.08m3/分×73m×3.7kW×2台
畑第1配水池
RC造
V=57m3
R
畑減圧弁
0.065m3/分×48m
×2.3kW×2台
畑ポンプ場
畑第2配水池
RC造
P
V=109m3
摺木
兵庫橋東減圧弁
R
西藤馬場
φ200~50
西藤
RC造 V=15.5m3
0.22m3/分×59m×5.5kW×2台
西藤ポンプ場
φ150~75
西藤配水池
M
虹ケ丘団地
RC造
P
3
V=240m
M
RC造 V=10m3
0.153m3/分×113m
×7.5kW×2台
実角ポンプ場
実角配水池
RC造
P
V=127m3
栗原・美ノ郷
阿草調整池
RC造
V=100m3
高須・阿草
高須RCC団地
長江南高
K
R
φ100
φ300~75 長者原
三美園団地
大山田配水池
SUS
V=2,000m3
K
φ150~50
P
千光寺山第2配水池
(次ページより)
堂ヶ迫配水池
RC造
V=100m3
φ75
瀬戸減圧弁
R
尾道工業団地
M
原田(高塚)
P
M
M
K
千光寺山第1配水池
RC造
V=100m3
栗原東一丁目
栗原東一、二丁目
流通配水池
RC造
V=396m3
運動公園
山城戸減圧弁
向峠減圧弁
M φ150~50
R
R
R
向山減圧弁
R 竹屋減圧弁
千光寺山ポンプ場
RC造 V=23m3
0.6m3/分×45m×7.5W×2台
R
堂ヶ迫減圧弁
木ノ庄東(行実)
R
東西土堂
流通団地
東西土堂・三軒家
M φ100~50
R
阿吹減圧弁
長江山城戸
栗原向峠
栗原向山
栗原竹屋
別所
木ノ庄東(瀬戸)
木ノ庄東(木梨)
原田(下小味、梶上、梶下、小原下)
下小味加圧ポンプ場 SUS V=8m3
0.13m3/分×95m×5.5W×2台
R
P
東部ポンプ場 FRP V=1m3
0.12~0.2m3/分×40m×5.5kW×2台
原田(枝、矢原)
梶山田減圧弁
梶上旧道減圧弁
R
R
M
M φ300~75
M
原田
(小原上、
小原中、
小原西)
原田
(小原西)
山崎①減圧弁
φ200
~50
RC造 V=37.5m3
1.25m3/分×149m×55W×2台
運動公園ポンプ場
運動公園配水池
P
RC造
V=120m3
K
神田配水池
SUS
V=191m3
久山田などへ
M
梶上配水池
SUS
V=142m3
梶上ポンプ場
SUS V=26m3
0.10m3/分×117m×7.5kW×2台
P
山崎②減圧弁 R
原田(下小味、上小味、梶上)
神田減圧弁
木ノ庄(木梨山方)・原田(神田)
RC造SUS内張 V=186m3
1.69m3/分×61m×30W×3台
池田山ポンプ場
池田山第1配水池
SUS V=1,300m3
P
φ400~200
池田山第2配水池
SUS V=500m3
御調へ
高頭配水池
PC造
V=1,500m3
平原
団地
竜王台団地
φ350~75
φ200~75
K
R
平原ポンプ場
栗原インター南減圧弁
3
PC造 V=118m
3
2.0m /分×70m×37kW×2台
φ350~50
M
M
R
RC造 V=45.9m3
R
木ノ庄西(末政)
木ノ庄石畦
P
0.8m3/分×83m
末政減圧弁
P ×22kW×2台
石畦ポンプ場
山方第1ポンプ場
本郷ポンプ場
FRP V=4m3
SUS V=22.5m3
0.22m3/分×81m×7.5kW×2台
3
0.4m /分×90m
P
寺谷ポンプ場 SUS V=3m3
本郷配水池
美ノ郷本郷・別所・
×15kW×2台
0.08m3/分×66m×3.7kW×2台
RC造
中野・木ノ庄石畦・家政
V=320m3
木ノ庄東(寺谷)
山方第2ポンプ場
P
中野上組
P
SUS V=26m3
木ノ庄東(市原)
M
0.37m3/分×72m P
中野上組ポンプ場
3
φ250~50
×11kW×2台
FRP V=1.5m
M
0.101m3/分×60m×3.7kW×2台
山方配水池
西部配水池
中央配水池
SUS
PC造
M
RC造
P
P
V=176m3
V=69m3
伊予兼ポンプ場
V=130m3
西部ポンプ場
RC造 V=10m3
PC造 V=2m3
M
0.35m3/分×78m×11kW×2台
0.036m3/分×75m×3.7kW×2台
M
門田配水池
RC造
V=600m3
門田ポンプ場
RC造 V=40m3
0.652m3/分×69m×15kW×2台
P
防地・長江・東則末・
栗原・門田
P
φ300~50
RCC減圧弁
R
南高校上減圧弁
栗原・大迫団地
三美園調整池
SUS
V=100m3
大迫減圧弁
R
M
長江配水池
RC造
V=1,644m3
長江浄水場
緩速ろ過池
(処理能力Q=4,500m3/日)
φ150~75
坂谷
取水堰提
φ350~200
φ400~200
φ500~100
φ250~150
φ300
φ200~100
RC造
V=5.7m3
向井山接合井
西尾道水系
φ300~50
φ150~50
久山田水系(
自己水源)
φ200~150
平原配水池
PC造
V=1,500m3
第3章
図 3.6 水源及び配水施設系統図(1/3)
18
流量計(県)
減圧弁
M
R
広島県沼田川水道
(三原水系)
宮浦浄水場
33,000m3/日
11,350m
(9,739)
受水
地点
許可値
緊急遮断弁
流量計
M
K
ポンプ場
P
送水管
県沼田川関係
P
V=3,100m3
P
M
P
M
φ500
~350
R
M
矢立
受水点
1,500m3/日
M
R
大浜受水点
3,950m3/日
東尾道
M
P
V=100m3
竜王配水池
PC造
V=1,000m3
M
M
K
M
諸原配水池
SUS
V=290m3
野間配水池
SUS
V=330m3
高尾配水池
RC造
V=230m3
高尾第2配水池
SUS
V=790m3
P
φ250~50
三庄配水池へ
田熊(東区)
φ100
R φ200~50
石原減圧弁
φ200
R
φ75~50
V=162m3
φ100
M 外浦滅菌室
φ150~100
φ75
φ75
0.02m3/分×60m
×0.75kW×2台
P
M
φ200~50
φ250~50
φ250~50
細島配水池
RC造
V=46m3
P
M
φ150~40
西富浜・有井・
道越・岩子島・
津部田
江奥・江郷・干汐・
兼吉・宇山・土井・
宇立・小歌島・
東富浜・中富浜・
田尻・岡条・沖条・
江ノ浦・釣浜
川尻・立花
浦崎
西迫
田下
桜谷
M
M
鏡浦
田熊(高地区)
田熊(中区)
中庄・重井
椋浦
中庄(高地区)・外浦
φ75~50
φ150~50
φ150~50
椋浦配水池
RC造
V=42m3
φ150~50
φ75~30
φ100~40
中区配水池
SUS
V=55m3
西浦配水池
RC造
V=400m3
鏡浦配水池
RC造
V=50m3
0.1m3/分×70m
山口ポンプ場 SUS V=10m3 ×5.5kW×2台
φ75
中庄(高地区)
P
連絡管(相互融通)
中庄
大浜・中庄
重井・中庄
φ100~50
細島
φ200~40
φ300~40
高見配水池
PC造
V=210m3
向東(高所地区)
P
西浦中継ポンプ場
2.00m3/分×40m×22kW×2台
M
M
15kW×2台
K
P
浦崎西迫ポンプ場 SUS V=4m3
0.15m3/分×79m×5.5kW×2台
0.5m3/分×88m×
P
P
浦崎田下ポンプ場 SUS V=4m3
0.17m3/分×49m×3.7kW×2台
市・花尻・大田
今津野
河内
公文・貝ヶ原・
高尾の一部
φ150 神減圧弁
~100 R φ100~50
高尾・神の一部
高尾減圧槽
SUS
V=50m3
R
φ200~50
江田減圧弁
浦崎桜谷ポンプ場 SUS V=4m3
0.15m3/分×79m×5.5kW×2台
川尻ポンプ場
RC造 V=35m3
φ300~40
田熊中区ポンプ場
SUS V=3m3
φ50
×22kW×1台
1.9m3/分×43.5m
×22kW×1台
田熊第1ポンプ場
P 2.0m3/分×35m
M
M
M
φ200
(休止中)
M
φ250~200
久山田
久山田
労住協
団地
吉和西迫
江田・釜窪・
平・大町・
中原・白太・
大蔵・岩根・
本・三郎丸
φ200~50
大田・高尾・
神・貝ヶ原・
市の一部
久山田労住協配水池
RC造
V=50m3
西迫配水池
RC造
V=50m3
東西土堂・三軒家
久山田労住協
ポンプ場 RC造 V=10m3
0.2m3/分×66m×5.5kW×2台
P
東久保・
尾崎
新高山団地
千光寺減圧弁
φ150~50
R
SUS V=30m3 0.48m3/分×79m×15kW×2台
百島ポンプ場
百島水池
M φ150~50
RC造
P
M
向東西部
向東西部
有道配水池
PC造
V=1,004m3
K
M
φ100~50
正徳・古浜・新浜・
土堂・十四日・久保・
尾崎・東西御所・
東久保・山波
M
φ100
φ150
φ200
K
φ300~75
M
江田の一部
国守
国守配水池
SUS
V=290m3
門田
RC造 V=130m3
1.05m3/分×60m×22kW×2台
φ150
P 有道ポンプ場
田熊第1配水池
P
φ250
SUS
(高区)
V=750m3
田熊ポンプ場
RC造 V=550m3
M
(低区)
K
2.8m3/分×60.8m×45kW×2台
2.6m3/分×59.0m×45kW×1台
(高区)
1.5m3/分×85m×37kW×2台
1.5m3/分×77m×37kW×2台
M
田熊受水点
7,150m3/日
φ250
有道
受水点
750m3/日
φ250~40
RC造
0.42m3/分×80m×11kW×2台
P
高須
彦ノ上流量計
φ200~40
谷水ポンプ場
久山田配水池
RC造
V=205m3
M
M
K
大浜配水池
φ250 M
M
PC造
大浜ポンプ場
3
V=2,000m
RC造 V=200m3
M
2.3m3/分×79m
×45kW×2台 (減圧解除)
中庄配水池
K 土生・田熊減圧弁
RC造
M
R φ400~50 田熊・土生・
中庄・三庄
V=400m3
赤上ポンプ場
田熊第2配水池
P RC造 V=16m3
中庄高区配水池
PC造
0.315m3/分×54m
RC造
P
V=2,000m3
φ250
×5.5kW×2台
φ75
V=250m3
中庄ポンプ場
赤上配水池 1.7m3/分×31m×15kW×2台
M
SUS
φ150~50
M
(低区) V=100m3
土生(高地区)
M
浦崎配水池
RC造
V=320m3
φ300~40
φ500~40
M
矢立減圧弁(解除)
谷水
受水点
700m3/日
M
M
φ150
高須・山波
M
φ100~50
φ250
φ75~50
R
門田減圧弁
浦崎ポンプ場
SUS V=90m3
1.5m3/分×80m×37kW×2台
P
φ350~50
国守調整池
SUS
V=160m3
P
浄土寺山配水池
RC造
V=50m3
新高山配水池
RC造
V=100m3
千光寺山第2配水池
RC造
V=100m3
千光寺山ポンプ場へ
久山田ポンプ場
RC造 V=25m3
0.43m3/分×93m×15kW×2台
江奥第1ポンプ場 RC造 V=320m3
1.5m3/分×40m×18.5kW×3台
江奥第1
江奥第1配水池
φ200
受水点
RC造
P
江奥第2ポンプ場
2,000m3/日 φ250
V=1,300m3
3
RC造 V=360m
2.09m3/分×50m
×37kW×2台
江奥第2配水池
江奥第2
M
PC造
受水点
φ300 P φ250
3
V=2,034m3
3,000m /日
M
φ400~250
小田浦調整池
PC造
V=3,000m3
M
M
M
桑田減圧弁
K
浦崎
受水点
2,200m3/日
東尾道
受水点
3,300m3/日
φ250
菅ポンプ場
SUS V=110m3
1.72m3/分×48.5m
×22kW×2台
菅第2調整池
SUS
V=210m3
桑田
受水点
3,100m3/日
洲江・林受水地点へ
佐木島調整池
M
東奥山ポンプ場
SUS V=110m3
1.72m3/分×94m
×45kW×2台
RC造 V=200m3
3.625m3/分×43m×45kW×3台
山波ポンプ場
山波配水池
φ450
コンクリート造
P
V=3,200m3
浦崎調整池
RC造
V=1,000m3
K
K
小田浦加圧ポンプ所
3.0m3/分×60m×55kW×2台
3.0m3/分×60m×55kW×1台
配水池名
構造
有効容量m3
尾道分計画1日最大
協定水量
(平成24年度
1日最大協定水量)
浄水場名
施設能力m3/日
水源・取水地
取水能力
導・送水管
(県沼田川関係)
配水管
導水管
上水道
凡 例
新高山調整池
PC造
V=3,000m3
K
山波
受水点
8,700m3/日
因島水系
M
山波水系
坊士調整池
PC造
V=3,000m3
内海水系
P
P
門前ポンプ場
SUS V=110m3
1.72m3/分×88.5m
×45kW×2台
菅第1調整池
SUS
V=310m3
φ250
φ250
大山田配水池より
φ300~50
長者原第1、第2配水池より
φ250
坊士浄水場より
第3章
図 3.7 水源及び配水施設系統図(2/3)
19
流量計(県)
減圧弁
M
R
受水
地点
許可値
緊急遮断弁
流量計
M
K
ポンプ場
配水池名
構造
有効容量m3
尾道分計画1日最大
協定水量
(平成24年度
1日最大協定水量)
浄水場名
施設能力m3/日
水源・取水地
取水能力
導・送水管
(県沼田川関係)
配水管
送水管
県沼田川関係
P
導水管
上水道
凡 例
林受水点
3,300m3/日
M
φ600
~250
洲江受水点
4,000m3/日
M
φ600
~100
佐木島調整池より
P
φ100
P
φ150
林ポンプ場
RC造 V=126m3
1.56m3/分×46m×
22kW×3台
φ200
K
P
洲江配水池
RC造
V=250m3
林第2配水池
SUS
V=1,000m3
林第1配水池
PC造
V=1,000m3
洲江ポンプ場
RC造 V=20m3
0.35m3/分×60m×7.5kW×2台
φ100
M
三庄配水池ポンプ場
0.9m3/分×22m
×5.5kW×2台
三庄配水池
PC造
V=1,000m3
田熊第1配水池より
M
K
M
K
三庄高区配水池
RC造
V=50m3
R
三庄減圧弁
M
φ100
大里配水池
RC造
V=15m3
垂水ポンプ場
RC造 V=7.1m3
0.315m3/分×72m×
7.5kW×2台
垂水配水池
M P φ75
RC造
V=114m3
P
大里ポンプ場
RC造 V=1.4m3
0.05m3/分×50m×
2.2kW×2台
φ50
高根配水池
RC造
V=148m3
M
φ100~40
M
φ75~50
M
φ150~40
P
荻
垂水
垂水(大里)
高根
φ75~40
M φ200~40
南生口減圧槽
RC造
V=23m3
荻加圧ポンプ場
V=3m3
5.5kW×2台
R
南生口第1
減圧弁
高根ポンプ場
RC造 V=8.3m3
0.14m3/分×50m×
3.7kW×2台
M φ75
P
林・名荷
南生口ポンプ場
RC造 V=23.21m3
0.39m3/分×135m×18.5kW×2台
φ300~40
御寺・宮原・荻
中野・瀬戸田・沢・
福田・林・鹿田原
洲江・原
土生・三庄(高地区)
三庄・土庄
松山団地
名荷加圧ポンプ場
0.45m3/分×57.5m×7.5kW×2台
φ75~40
名荷(東郷)
P
φ300~40
南生口配水池
RC造
V=264m3
M
P
φ150~50
φ150~50
φ200~40
V=16m3
0.225m3/分×27.5m×1.8kW×2台
松山団地ポンプ場
松山団地配水池 φ75~40
M P
SUS
第3章
図 3.8 水源及び配水施設系統図(3/3)
20
第3章
坊士浄水場
尾道市
福山市
三原市
宮浦浄水場
浦崎
向島
百島
因島
瀬戸田
図 3.9 沼田川水道用水供給事業区域図
21
第3章
3)取水導水施設
本市の自己水源は、久山田貯水池、中野第 5 水源、大田水源の 3 水源でしたが、平
成 21 年 3 月 31 日に中野第 5 水源を廃止及び大田水源を休止しました。
久山田貯水池は、三原市北部の坂谷、高平からも取水しています。同貯水池を水源と
する長江水系は、本市の使用水量の 1 割弱を賄っています。
本市の計画取水量を表 3.2 に示します。水源に恵まれていない本市は、大部分を沼
田川水道用水供給事業から受水しています。
表 3.2 計画取水量
区分
県水受水
自己水源
水源名
浄水場名
種別
長者原受水点
谷水受水点
西尾道受水点
東尾道受水点
桑田受水点
矢立受水点
浦崎受水点
山波受水点
江奥第1受水点
江奥第2受水点
有道受水点
大浜(因島)受水点
大浜(因島)受水点
大浜(因島)受水点
林(瀬戸田)受水点
小計
内訳
(尾道地区)
(向島地区)
(因島瀬戸田地区)
久山田貯水池
ダム水(尾道地区)
中野第5水源
表流水(因島瀬戸田地区)
大田取水井
地下水(旧御調中央簡水)
小計
計
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
長江浄水場
中野浄水場
高尾浄水場
計画取水量
【認可数値】
(m 3 /日)
10,000
700
7,000
3,300
3,100
1,500
2,200
8,700
2,000
3,000
750
3,900
550
7,450
3,300
57,450
36,500
5,750
15,200
5,000
廃止
休止
5,000
62,450
久山田貯水池
(ダム水)
8.0%
浄水受水(尾道地区)
沼田川水道用水供給事業からの受水
浄水受水
(因島瀬戸田地区)
24.3%
自己水源
久山田貯水池(ダム水)
浄水受水
(尾道地区) 58.4%
浄水受水
(向島地区) 9.2%
図 3.10 計画取水量(沼田川水道用水供給事業からの受水量と自己水源量)
22
第3章
なお、年間配水量の推移は図 3.11 のとおりです。
平成 16~17 年度の向島町、御調町、因島市、瀬戸田町との合併により年間配水量
も増加し、その後は、人口減少等に伴い、減少傾向が続いています。平成 27 年度末時
点では、1,463 万m3/年程度であり、水源別割合では、沼田川水道用水供給事業から
の受水が約 94%、自己水源が約 6%と、沼田川水道用水供給事業からの受水が大半を
占めています。
『水源別割合』
県受水
約94%
自己水
約6%
図 3.11 水源別年間配水量の推移
沼田川水道用水供給事業の取水施設である椋梨ダムの写真を図 3.12、福富ダムの写
真を図 3.13、浄水施設である坊士浄水場の写真を図 3.14 に示します。
図 3.12 椋梨ダム(沼田川水道用水供給事業)
23
第3章
図 3.13 福富ダム(沼田川水道用水供給事業)
図 3.14 坊士浄水場(沼田川水道用水供給事業)
24
第3章
4)浄水施設
本市浄水施設は、自己水源である久山田貯水池から導水管を経て長江浄水場で緩速ろ
過処理を行い、長江配水池で塩素滅菌し貯水しています。取水から貯水までの間は、自
然流下方式となっており動力を使用しない省エネ施設です。なお、長江配水池からも自
然流下で配水しています(図 3.15 から図 3.17 参照)
。
また、沼田川水道用水供給事業から各受水点で浄水を受水しています。
HWL+94.23
久山田貯水池
V=754,000m3
長江浄水場
LWL+80.30
塩素
注入
HWL+62.43
着水井 9m3×1池
HWL+66.00
LWL+59.39
緩速ろ過池 454m3
4池(内1池予備)
HWL+65.00
配水池
V=1,644m3
配水
(長江、西久保、東西則末、
図 3.15 久山田貯水池水系の施設フロー図
門田、桜、潮見、天満、
栗原東西、三軒家、
吉浦、日比崎、手崎、
栗原東部)
HWL+38.30
LWL+36.30
P
門田ポンプ場
V=40m3
図 3.16 久山田貯水池
25
第3章
図 3.17 長江浄水場
5)送・配水施設
本市は、長江浄水場で浄水処理した浄水及び沼田川水道用水供給事業から購入した浄
水を配水池まで送水し、各配水池から自然流下で配水しています。
本市のほとんどの地域では、狭隘な平地と急峻な山の入り組んだ地形であることから、
管路延長も長くなります。そのため、浄水場から離れた島嶼部や御調地域等は、遠距離
送水となります。
また、標高の高い地域には、複数のポンプ場・配水池を経て送水し、自然流下方式で
配水する多段加圧送水形式を採用しています。
これら地形上の制約のもと、引き続き、施設更新コストの縮減を図るとともに、適正
水圧・水質が保持できる計画的な配水管網の整備と各施設の長寿命化を見据えた設備台
帳などの有効な活用により、多角的に分析することも必要となっています。
26
第3章
6)施設の見通し
(1)施設利用率、施設最大稼働率
施設利用率と最大稼働率は、類似団体の平均よりやや高い水準となっています。利用
率の低い原因が、負荷率ではなく施設最大稼動率が低い場合は、一部の施設が遊休状況
にあるとみられます。しかし、施設最大稼働率が 100%に近い場合は、事故や維持管
理における施設停止に対応した安定給水が困難となります。本市の負荷率は類似団体と
同程度であり、施設利用率と施設最大稼動率のいずれも類似団体を少し上回っています。
今後の水需要減少下で現状程度の施設利用率を維持するためには、更新時に需要予測を
考慮した規模とする必要があります。
施設利用率
(%) : 一日平均配水量÷配水能力×100
施設利用率は、配水能力に対する配水量の割合を示すもので、施設の利用状況を総合
的に判断する上で重要な指標です。施設利用率はあくまでも平均利用率であるから、水
道事業のように季節によって需要変動のある事業については、最大稼働率、負荷率と併
せて施設規模を検討することが必要です。
施設稼動率
(%) : 一日最大配水量÷一日配水能力×100
負荷率
(%) : 一日平均配水量÷一日最大配水量×100
100
80
60
施設利用率、施設最大稼働率 (%)
87.1 86.9
75.0
65.3
72.3
62.9
68.4
59.6
62.3
54.3
施設利用率
利用率_類似平均
57.0
49.7
施設最大稼働率
稼動率_類似平均
52.6
45.8
40
20
0
H25
負荷率 負荷率
本市 類似平均
H37
H47
H57
H67
図 3.18 施設利用率、施設最大稼働率
(2)配水系統整備基本計画
① 施設の建設年代と耐震性
施設の建設年代と耐震性は図 3.19 のとおりです。左側は建設年代です。建設年
代は区域の拡張に応じて分布しており、一部では法定耐用年数を過ぎた施設も見ら
れます。
右側は耐震性の分布です。耐震診断により耐震性がないことを確認した施設につ
いては、建設年代や稼働予測をもとに管路更新計画との整合を図りつつ、統廃合も
視野に入れた施設規模適正化事業及び耐震補強事業について、配水系統整備基本計
画を策定しました。
27
第3章
図 3.19 施設の建設年代と耐震性
② 配水系統整備基本計画の概要
送配水施設を将来にわたって適切に管理運用するためには、今後の水需要減少や
各施設の給水区域の変更及び調整を考慮した上で、合理的な施設更新及び耐震化を
進める必要があります。市町村合併前に整備された施設には必ずしも効率的な配水
区域や規模になっていないものもあります。そこで、老朽化が進行し、耐震性を有
さず、維持管理も困難な施設を抽出して統廃合方法を検討し、具体的な水理計算に
基づいて施設を休止もしくは廃止することとしました。非常時の安定給水も考慮し
た配水池容量確保のための増強や、老朽化した施設の耐震化や信頼性を高める施設
更新を図ります。
『系統間の管路整備による統廃合施設』
〇本郷ポンプ場
〇伊予兼ポンプ場
〇東部ポンプ場
〇垂水ポンプ場(瀬戸田)
『非常時の安定給水
を考慮した容量増強』
〇運動公園配水池
〇鏡浦・椋浦配水池(因島)
〇浄土寺山配水池
〇堂ケ迫配水池
〇千光寺山第一配水池
〇西浦配水池(因島)
〇中庄配水池(因島)
〇垂水配水池(瀬戸田)
『信頼性向上のための施設更新』
〇阿草調整池
〇山波配水池
〇有道ポンプ場
〇門田配水池
〇大浜ポンプ場(因島)
〇中庄ポンプ場(因島)
〇中庄高区配水池(因島)
図 3.20 配水系統整備基本計画の概要
28
第3章
7)管路の評価
(1)布設年度別延長
管路の布設年度別延長分布を整理した結果によると、高度経済成長期(昭和 40~50
年代)に整備された管路が法定耐用年数を迎えることが分かりました。
そこで、本市では平成 27 年にアセットマネジメントに基づく管路更新計画を策定し
ました。アセットマネジメントとは、技術・財政の両面からしっかり検討された中長期
の更新計画を策定し、その計画に基づいてきちんと更新を実行していくという実践活動
です。この管路更新計画では、更新需要の平準化と適正事業量を検討し、管路の定量的
評価に基づく更新対象管路の抽出と優先順位の選定を行いました。
図 3.21 布設年度別管路延長(「アセットマネジメントに基づく管路更新計画」より)
(2)健全度の推移
以下に管路の健全度を示します。
更新事業を全く行わない場合は老朽化管路が増加の一途をたどります。更新基準に基
づく更新を実施した場合、一時的に経年化管路が増加しますが、その後減少に転じ、多
くの管路は健全管路として維持できることを確認しました。
更新事業を実施しなかった場合
1,200
1,200
1,000
1,000
800
管
路 600
延
400
長
200
800
管
600
路
延 400
長
200
健全管路
経年化管路
老朽化管路
0
平成26年
1.2%
毎年平均1.69%
ずつ増加
健全管路
経年化管路
老朽化管路
0
2014年 2019年 2024年 2029年 2034年 2039年 2044年 2049年 2054年
西暦年度
2014年 2019年 2024年 2029年 2034年 2039年 2044年 2049年 2054年
西暦年度
老朽管(60年以上経過)の割合
更新基準に基づく更新を実施した場合
※経年化管:法定耐用年数1.0~1.5倍 老朽化管:法定耐用年数1.5倍超
平成66年
平成26年
68.6%
1.2%
平成66年
毎年平均0.16%
ずつ増加
7.4%
図 3.22 管路の健全度(
「アセットマネジメントに基づく管路更新計画」より)
29
第3章
3.3. 経営の状況
1)組織体制
現在の条例定数は、67名ですが、平成27年度現在、局長以下58名(再任用短時
間職員を除く)の職員で水道事業の運営を行っています。その組織体制については、
図 3.23 に示すとおりです。水道技術管理者は工務課長が努め、局は庶務課、工務課、
浄水課の3課で運営しています。
平成18年度の89人から大幅な削減を達成していますが、今後の更新需要等事業量
の増大や災害時の対応に課題が生じる恐れがあります。また、人口減少等に伴う料金収
入の減少など、水道事業を取り巻く環境が厳しさを増す中、より一層、事業基盤強化を
図っていく必要があります。
職員の年齢構成は、平成17年度では50~60歳が最も多く、次いで30~35歳
でしたが、平成26年度では40~45歳が最も多く30歳代より若い世代は非常に少
なくなっています。ライフラインである水道事業を維持・継続させるためには常に熟練
した技術職員の確保が重要であり、技術継承を踏まえた計画的な若年層の補充に努める
必要があります。このような諸課題を踏まえた組織・機構を検討する必要があります。
また、平成30年度には下水道事業を統合する方向で検討を進めており、より組織力を
高める取り組みが必要になってくると考えられます。
平成 28 年 4 月 1 日付 職員数 67 名
(内訳)主事 15 名 技師 40 名
再任用短時間 職員 8 名 嘱託職員 4 名
水道局
庶務課
庶務係
経理係
料金係
因島瀬戸田
営業所
工務課
給水係
維持係
施設係
因島瀬戸田
管理係
浄水課
浄水係
水質管理係
水道技術管理者
:
工務課長
図 3.23 本市水道局の組織体制図
30
第3章
職員数の推移
(人)
100
(再任用含まず)
庶務課
工務課
90
浄水課
80
因島瀬戸田営業所
70
職
員
数
60
50
40
30
20
10
0
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
年度
図 3.24 職員数の推移
60才以上
55~60
50~55
45~50
40~45
H26
35~40
H17
30~35
25~30
20才以上~25才未満
年齢別職員数(H17・H26)
20才未満
(人)
-
5
10
15
20
25
30
図 3.25 職員の年齢構成
2)目標の達成状況
現在の尾道市地域水道ビジョンで設定している経営成績・財政状態及び経営効率化に
関連する目標値について、達成状況を確認しました。
経営成績・財政状態では、半数以上の項目で目標を達成しているものの、未達の指標
については、投資に対応するだけの有収水量が確保できていない状況が要因となってお
り、アセットマネジメントに基づく管路更新計画を着実に執行していくことが求められ
ています。経営効率化では、有収水量の減少等により目標に届かなかった指標も多く、
今後とも改善に向けて取り組む必要があります。
31
第3章
表 3.3 経営成績と財政状態
項目
H22
H28
目標
H27
実績
類似
平均
全国
平均
単位
優位向
経 常 収 支 比 率
(%)
↑
111.7
104.7
110.4
◎
113.1
総 資 本 利 益 率
(%)
↑
1.7
0.7
1.5
◎
1.3
供
給
単
価
(円)
↓
252.95
249.79
251.89
○
164.89 179.22
1㎥の水を供給したときの平均収入額で
す。低額である方が水道サービス(水道料
金)の観点からは望ましいと考えられま
す。
料
給
金
水
原
価
(円)
↓
228.84
241.48
228.72
◎
155.23 200.37
1㎥の水を製造するのにかかる費用です。
安価である方が望ましいと考えられます。
率
(%)
↑
110.5
103.4
110.1
◎
106.2
供給単価を給水原価で除したもので、
100%を下回っている場合は、給水にかか
る費用が、水道料金のみで賄われていな
いことを示します。
率
(%)
↓
3.1
3.4
4.0
○
4.0
-
減価償却資産のうち本年度償却額の占め
る割合です。施設投資、設備投資等のバ
ランスが妥当かどうかを判断する指標で
す。
↓
26.1
32.2
28.4
◎
68.6
-
投下資本の回収と再投資との間のバラン
スを見る指標です。一般的こ100%以下で
あると、投資が健全であり財務的に安全と
考えられます。
↓
1,637
1,664
1,726
△
1,453
-
有収水量1m3当りの固定資産の割合を示
し、施設整備にかかる投資額が妥当かどう
かを判断する指標です。
有 収 水 量 1 m 3 当 り (円/㎥)
借 入 資 本 金
↓
358
327
-
-
-
有収水量1m3当りの借入資本金の割合を
示し、借入資本金企業債の借入額が妥当
かどうかを判断する指標です。
自己資本構成比率
(%)
↑
76.0
75.3
76.0
◎
流
率
(%)
↑
330.6
207.9
315.9
◎
配水管使用効率
施
設
効
率 固定資産使用効率
(%)
↑
14.6
14.0
12.9
○
108.3
収
益
性
回
減
収
価
償
却
企業債償還元金対
(%)
資 減 価 償 却 比 率
産
状
態
有 収 水 量 1 m 3 当 り (円/㎥)
有 形 固 定 資 産
財
務
状
況
動
比
(㎥/
万円)
職 員 一 人 あ た り
(㎥)
収
水
量
生 有
産
性 職 員 一 人 あ た り
(千円)
営
業
収
益
↑
6.5
↑
329,450
↑
85,163
6.3
99.1
-
7.7
-
315,677 345,428
◎
462,164
-
◎
79,404
-
88,674
資産を有効活用して利益に結びつけいて
いるかの指標です。企業の収益性を判断
するもので、高いほど企業成績が良好で
あることを示します。
68.9
△
80,362
特別損益を除いた経常的な収支の関係を
見る指標で、100%未満であれば形状損
失が生じていることを意味し、100%以上
であることが望まれます。
自己資本と剰余金の合計金額の負債・資
本合計額に対する割合を示します。財務
の健全性を示す指標であり、値が高い方
が財務的に安全と考えられます。
短期債務に対する支払い能力を示しま
す。流動比率が100%を下回っていれば
344.2 4302.3 不良債務が発生していることを示し、経営
の効率化等を図る必要が生じる場合もあり
ます。
配水量を配管延長で除して算出した値で
20.0
22.8 あり、1㎥当りの有効利用をみる指標で
す。
72.0
6.1
凡例
◎
〇
△
×
32
-
説明
達成
未達だが改善傾向
未達で改善傾向なし
未達で改善が必要
固定資産の面から施設効率を計る指標
で、この率が高いほど施設が効率的に使
われていることを示します。反対に、この
率が低い場合は過剰な設備投資である場
合も考えられます。
労働生産性の指標で、設備投資や費用
に関する他の指標とあわせて総合的に判
断する必要がありますが、職員数に対する
売上高をみることで、職員数が適正である
かの判定等ができます。なお、一般的にこ
の値は大きい方がよいと考えられていま
す。
第3章
表 3.4 経営効率化
項目
有
事
業
内
容
単位
収
優位向
H22
H28
目標
率 (%)
↑
94.3
95.0
94.4
△
89.5
(m3/
万円)
↑
6.5
6.3
6.1
△
-
固定資産使用効率
職 員 一 人 当 た り
有
収
水
量
(m3)
↑
329,450
供
給
単
価
(円)
↓
252.95
249.79
及
料
び
金 給
コ
水
ス
準
ト
水
原
価
(円)
↓
228.84
↓
56.1
有 収 水 量 1 m 3 当 た り (円/㎥)
建 設 改 良 費
総
収
支
比
類似
平均
H27
実績
315,677 345,428
○
-
1㎥の水を供給したときの平均収入額で
179.22 す。低額である方が水道サービス(水道料
金)の観点からは望ましいと考えられます。
241.48
228.72
◎
-
200.37
1㎥の水を製造するのにかかる費用です。
安価である方が望ましいと考えられます。
17.1
37.1
△
-
-
投資規模と有収水量との比較であり、長期
安定的な水道施設整備を図っていくために
は、適切な規模・効率的な経費で投資を
行っていく必要があります。
104.5
110.8
◎
経 常 収 支 比 率 (%)
↑
111.7
104.7
110.4
◎
106.8
-
安
定
度
有 形 固 定 資 産
(%)
減 価 償 却 率
↓
33.8
107.7
68.0
106.3
42.8
凡例
◎
〇
△
×
△
◎
-
年間で職員一人当り何m3を有収水量を配
水したかを示す指標です。人的資源が効
率的に活用されているかをを示す指標であ
り、数値が大きいほど職員一人当りの生産
性が高いことを示します。
251.89
111.3
118.9
施設の稼動状況が、どの程度収益につな
がっているかを示す指標。この率が低い要
因として、漏水が考えられます。漏水が多
85.5
いと判断される場合は、水資源の有効利用
の観点からも何らかの対策を講じる必要が
あります。
固定資産の面から施設効率を計る指標で
あり、一般的にこの値が高いほど施設が効
率的に使われていることを示します。反対
に、この率が低い場合は過剰な設備投資
による場合も考えられるため留意が必要と
なります。
-
↑
↑
説明
◎
率 (%)
営 業 収 支 比 率 (%)
全国
平均
経営収支の均衡度を、総収益対総費用の
関係で見る指標です。
107.8 この率が100%未満であれば、純損失を生
じており、経営の安定が損なわれていること
を示します。
108.8
特別損益を除いた経常的な収支の関係を
見る指標で、100%未満であれば形状損失
が生じていることを意味し、100%以上であ
ることが望まれます。
105.9
通常の営業活動に要する費用を、営業活
動に必要なものとして徴収している給水収
益等の営業収益でどの程度賄っているかを
112.5
示しています。収益的収支が黒字であるた
めには、100%を上回っている必要がありま
す。
44.9
減価償却の進み具合や資産の経過年数を
見る指標です。施設更新の必要性や、今
後の修繕費の増減傾向を推測できるため、
投資計画策定時の施設管理の効果的な運
用が可能かどうかの指標に用います。
-
達成
未達だが改善傾向
未達で改善傾向なし
未達で改善が必要
また、現在の尾道市地域水道ビジョンで掲げた事業のうち、浄水場改良事業、自動分
析計改良事業、配水管理センター更新事業、緊急遮断弁設置事業、未普及地区解消事業、
組織体制の見直し、システム改良事業については着実に実施し、給水管(鉛管)取替整
備事業、施設及び管路の耐震化事業、環境保全事業は現在も進行中となっています。
33
第3章
3)財政収支の見通し
今後の水需要減少に伴う料金収入の減少や、アセットマネジメントによる更新費用等
の条件設定の元で財政収支を見通しました。計算条件は以下のとおりとしました。
計算条件( 収益的収支)










計算条件( 資本的収支)
料金収入:年間有収水量(水需要予測結果)×供給単価(一定)
その他の収入:現状のままで一定
人件費:職員数(一定)×年間1人当たり人件費(一定)
電力費:年間給水量×単価(一定)
薬品費:年間給水量×単価(物価上昇0.7%)
受水費:年間受水量×単価(一定)
その他の維持管理費:現状に物価上昇0.7%見込む
支払利息:既発行済み企業債の支払利息+新規分の支払利息
新規分の年利率は1.6%と想定(近年実績)
減価償却費:既存施設の償却額+新規施設の償却額
その他の支出:現状のままで一定







企業債:毎年2億円を起債
→企業債残高減少と現金保有の両面から最適値を設定
国庫補助金:毎年1億円で一定
→近年実績と老朽管更新費用増加から最適値を設定
その他の収入:現状のままで一定
→一般会計負担金として消火栓設置費、開発地企業債元金
事業費:アセットマネジメントによる更新費用(12.3億円/年)
企業債償還金:既発行済みの企業債の元金償還額
+新規分の元金償還額
その他の支出:特になし(見込まない)
現在の料金水準を維持した場合、使用水量(有収水量)の減少に伴い収益的収入は減
少傾向が続き、減価償却費や物価上昇による維持管理費等の上昇により収益的支出は増
加する見通しとなりました。これらの結果、平成 42 年には損益がマイナスに転じ、そ
の幅は増加し続ける結果となりました。
資本的収支は、更新費用に対して設定した企業債、補助金のもとで毎年 12 億円程度
の資本的収支不足が生じる形で均衡しています。
この資本的収支不足額は自己資金により補てんすることとなるため、平成 50 年以降
は資金残高がマイナスに転じる結果となりました。
給水原価は、有収水量の減少と物価水準の上昇等により上昇を続け、現在の料金水準
を維持した場合、平成 38 年以降は給水原価が供給単価を上回る逆ざやとなり、その差
は年々拡大していく結果となりました。
収益的収支
5,000,000
収
入
・
支
出
4,000,000
300,000
3,000,000
0
2,000,000
-300,000
H42以降
マイナス
1,000,000
千
円
600,000
-600,000
0
-900,000
H27
H37
収入
H47
H57
支出
図 3.26 収益的収支
34
損益
H67
年度
損
益
千
円
第3章
資本的収支
2,000,000
収
入
・
支
出
千
円
2,000,000
1,500,000
1,500,000
1,000,000
1,000,000
500,000
500,000
0
不
足
額
千
円
0
H27
H37
収入
H47
H57
H67
年度
資本的収支不足額
支出
図 3.27 資本的収支
資金収支
4,000,000
収
入
・
費
用
6,000,000
2,000,000
1,000,000
0
-2,000,000
-4,000,000
H50以降
マイナス
-4,000,000
千
円
-6,000,000
H27
H37
H47
損益勘定留保資金
H57
資本的収支不足額
資
金
残
高
千
円
-9,000,000
H67 年度
資金残高
図 3.28 資金収支
原価と単価
400
300
単
価
200
100
H38以降
逆ざや
0
H27
H47
H37
供給単価
H57
給水原価
H67
年度
図 3.29 給水原価と供給単価
35
第3章
3.4. 市民アンケート調査によるニーズの把握
本市で水道を利用されている一般家庭の使用者のご意見を本ビジョンに反映するために、
アンケート調査を平成 28 年 8 月に実施しました。
質問項目は、飲用方法や広報、料金、水道事業の方針、水の使用方法、水道施設のメン
テナンスとサービス、今後の要望などの 30 項目とし、発送部数 1,500 通のうち、回収部
数は 680 通(回収率 45%)となりました。
水道事業が様々な検査を行いながら安全な水を供給していること、水道水を沼田川水道
用水供給事業から購入していることを知っている割合はいずれも 40%以下であり、水道事
業についての市民の皆様の理解は必ずしも高くないことが分かります。
水道事業に期待することとしては「安全・おいしい水」(32.8%)
、「地震や災害に強い」
(21.6%)、
「水道料金を安く」(13.1%)、
「漏水修理へ迅速対応」(10.5%)の順となり
ました。こうした市民の期待を反映した計画を目指します。
5.0%
0.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
32.8%
安全、おいしい水
21.6%
地震や災害に強い
13.1%
水道料金を安く
10.5%
漏水修理へ迅速
5.3%
情報提供などのサービス
4.9%
経営の効率化
4.1%
地球環境に配慮
3.6%
にごりがでない
2.9%
工事時の断水を少なく
水の出を良く
0.8%
その他
0.8%
国際貢献
0.4%
水道事業に期待すること
図 3.30 市民アンケートによる水道事業に期待すること
36
35.0%
第3章
3.5. 業務指標による現状分析
本市の施設状況、財政状況を、
「水道事業ガイドライン(PI)を活用した現状分析ツール」
(平成 28 年 3 月 公益財団法人 水道技術研究センター)により類似事業体と比較した結
果は次ページのとおりです。類似事業体は、総務省による地方公営企業等の経営比較分析
で用いられている区分に従い、給水人口は「100,000 人以上 150,000 人未満」
、主な水
源区分は「受水」
、有収水量密度は「全国平均未満」となる江別市、大崎市、鶴岡市、土浦
市、加須市、木更津市、長生郡市広域市町村圏組合、小松市、掛川市、松江市、佐賀東部
水道企業団です。
安全に関する指標では、「管路の更新率」
「カビ臭から見たおいしい水」は改善し、類似
事業平均を上回りました。しかし、「経年化設備率」「経年化管路率」は悪化しており、設
備や管路の更新は今後とも積極的に継続する必要のあることが分かりました。水質に関す
る項目は沼田川水道用水供給事業との連携により改善方策を検討します。
安定に関する指標では、
「給水管の事故割合」
「普及率」「給水人口一人あたり配水量」が
類似事業体平均を下回っています。給水管(鉛管)の取替えによる事故の未然防止に取り
組むとともに、普及の向上や上水道への切替について PR を進める必要があります。
持続に関する指標では、
「経常収支比率」が類似事業体を下回っています。今後とも水道
事業の健全経営を維持するための取組が必要です。
受水
:水道用水供給事業(いわゆる水の卸売り)から水道用水の供給を受けることを受水
といいます。尾道市水道事業は沼田川水道用水供給事業から受水しています。水道事
業の経費は資本費の占める割合が高く、水源はその規模を決定する大きな要因となる
ため、総務省では水源区分を「ダムを主な水源とする事業」
「受水を主な水源とする事
業」
「表流水(ダムを除く。
)を主な水源とする事業」「その他(地下水、伏流水等)を
主な水源とする事業」の4つに分けています。
有収水量密度
:水道事業の経営を左右する要因の一つとして、地理的条件による差異があります。
平地に密集して人が住んでいる場合は、管路延長の短い効率的な施設配置が可能とな
り、建設も維持管理も安価となります。地理的条件別分類の基準としては、人口密度
や単位面積当たりの有収水量による密度等も考えられますが、人口密度は商業施設等
の事業所の立地状況が反映されない点に問題があるため、総務省は給水区域面積1ha
当たりの年間有収水量(これを「有収水量密度」といいます)に基づく分類を行って
います。
37
第3章
広島県尾道市(H25比較事業12内)
安全
H20乖離値H25乖離値
【原水・浄水】
(事故)
【給水】
(鉛製給水管)
【原水・浄水】
(臭気)
2201水源の水質事故数
70
60
50
40
30
20
10
0
1117鉛製給水管率
【給水】
(貯水槽水道) 1115直結給水率
1105カビ臭から見たおいしい
水達成率
1110重金属濃度水質基準比
【原水・浄水】
(地下水汚染)
1113有機塩素化学物質濃度
水質基準比
2103経年化管路率
【配水】
(施設老朽化)
1114消毒副生成物濃度水質
基準比(塩素酸除く)
2102経年化設備率
【配水】
(赤水・濁水)
1106塩素臭から見たおいしい
水達成率
2104管路の更新率
【配水】
(塩素処理)
安定
H25乖離値
類似団体
2102経年化設備率
70
60
50
40
30
20
10
0
3008給水収益に対する職員
給与費の割合
【財政・職員適正化】
(適正化)
3003総収支比率
2002給水人口一人当たり配
水量
【施設規模適正化】
(予備力確保)
1002水源余裕率*
【施設規模適正化】
(普及率向上)
2103経年化管路率
2104管路の更新率
【老朽化対策】
(給水設備最適化)
5106給水管の事故割合
2210管路の耐震化率A
2006普及率
2207浄水施設耐震率
2004配水池貯留能力
【災害対策】
(給水量確保)
持続
【老朽化対策】
(管路・施設更新)
【災害対策】
(耐震化)
2209配水池耐震施設率
2003浄水予備力確保率
H25乖離値
類似団体
【ヒト】(人材確保)
3109職員一人当たり配水量
【ヒト】(効率性)
*
3025企業債償還元金対減価
3008給水収益に対する職員
70
償却費比率
給与費の割合
60
【カネ】(財務健全性)
【ヒト】(技術力)
50
40
30
20
10
0
3023自己資本構成比率
【カネ】(他会計依存)
3006繰入金比率(資本的収
入分)
3106水道業務経験年数度
2104管路の更新率
【モノ】(投資)
3015給水原価
【カネ】(効率性)
5107漏水率
3014供給単価
3019施設利用率
【モノ】(効率性)
4001配水量1m3当たり電力
消費量
【カネ】(料金) 3013料金回収率
3002経常収支比率
【カネ】(収益性)
類似団体
H25乖離値
※各項目の左にある数字は水道事業ガイドラインの規格番号です。
38
第3章
乖離値
:前のグラフでは、各 PI 値と平均値の乖離状況を乖離値で示しています。算出式は以下のとおりです。
標準偏差=�
乖離値=
2
∑ (比較対象の各 PI 値 − 平均値)
比較対象者数
10 × (各 PI 値 − 平均値)
標準偏差
+50
各 PI 値が、平均値と同じ場合は、50 と表示され、
平均値より良い数字の場合は、50 よりも高く、
平均値より悪い数字の場合は、50 よりも低い数字が表示されます。
乖離が大きいほど、50 よりも離れた数字になります。
≪経営比較分析表≫
経営比較分析表は、総務省通知「公営企業に係る経営比較分析表の策定及び公表について」
(平成 27 年 11 月 30 日付総
財公第 130 号、総財営第 91 号、総財準第 122 号、総務省自治財政局公営企業課長、同公営企業経営室長、同準公営企業
室長通知)により、平成26年度決算から全国の各公営企業に毎年の策定及び公表を義務付けられたものです。
この経営比較分析表では、経常収支比率等各種の経営及び施設の状況を表す指標を作成することとなっており、団体の経
年比較や他団体との比較、また複数の指標を組み合わせた分析を行うことで、より経営の現状や課題を的確に把握すること
が可能となります。また、中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」の策定を進める上でも有益な情報が得られるほか、
議会や住民に対する経営状況の説明にも活用することができます。
このようなことから、経営指標を「経営比較分析表」としてとりまとめて公表し、今後の見通しや課題への対応に活用し
ていきます。
経営比較分析表分析欄
1. 経営の健全性・効率性について
本市では、90%以上を県水受水に依存しているため、コストが割高であり、厳しい業務運営を求められるものの、①
経常収支比率、⑤料金回収率ともに平成 26 年度の会計制度改正に伴う長期前受金戻入の導入による特殊要因を除くと、
すべての年度で 100%を維持しており、健全な経営状況にある。
④企業債残高対給水収益比率については、類似団体・全国平均を大きく下回り、債務残高が少なく、年度別の比較にお
いても安定していることを示している。
⑦施設利用率及び⑧有収率についても、年度別の比較において安定しているとともに、類似団体・全国平均を大きく上
回り、施設の適正規模・効率性及び供給した配水量の効率性が確保されている。
今後も、良好な指標の数値を維持しつつ、特に経常収支比率の向上を目指し、現在より健全性・効率性に優れた業務運
営に努める。
2. 老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、類似団体・全国平均と比較したところ、やや下回っているものの、②管路経年化率は、
昭和 40 年代から 50 年代初頭にかけて整備した管路が、近年更新時期を迎えているため、上回るものとなっており、管
路を中心とした資産全体の老朽化が年々進んでいることを示している。
そのため、アセットマネジメントによる管路更新計画に基づき、今後の更新を長期的な視点から適正に施工することに
より、③管路更新率の安定化と高率化を図るとともに、①及び②の低減化に努める。
全体総括
分析の結果、年度別に比較した場合、数値の悪化が懸念される項目があるとともに、類似団体・全国平均と比較した場
合、劣っている項目が見受けられるものの、全体としては、健全な経営状況が維持されているものと考える。
しかしながら、今後については、人口減少・市民や企業の節水意識の高まりに伴う水需要の減少傾向が予想され、収益
の大きな増加を期待することは難しい状況にある。一方で、老朽化した配水施設や管路の更新、災害に備えた耐震化対策
など、既存設備の更新整備等に多額の投資が必要となるため、それに係る費用の増加が考えられ、経営状況の悪化が懸念
される。
そのため、より一層のコスト意識に徹した経費節減と慎重かつ効率的な事業経営に取り組み、安全で良質な水の安定供
給に努める。
39
第3章
40