ビール麦技術資料 12 月号 平成 28 年 12 月 12 日 下都賀農業振興事務所 重点ポイント ① 湿害対策を実施しましょう! ② 2.5 葉を過ぎたら、麦踏みを始めましょう! ③ 計画的に麦踏みを行いましょう! 1 生育概況と気象の経過(小山市アメダス) 11 月は平年と比べ、気温はやや低く、降水量は多く、日照時間はやや少な く推移しました。しかし、気温については、高い日と低い日の差が大きい傾向 にありました。11 月上旬の播種では出芽、生育が早く、既に 2.5 葉に達して います。播種適期(11/9-18)以降は降雨が続き、大豆の収穫の遅れも重な り、例年に比べ播種が遅れて 12 月にずれ込みました。ほ場ごとの状態をよく 確認して麦踏みに入りましょう。 2 11/1-15 平年差・比 11/16-30 平年差・比 12/1-10 平年差・比 平均気温 11.0℃ -0.6℃ 8.4℃ 0.0℃ 8.2℃ +1.8℃ 降水量 51.0mm 159% 45.5mm 160% 9.5mm 58% 日照時間 75.0 時間 99% 76.2 時間 96% 49.8 時間 124% 気象庁の 1 か月予報(12 月 8 日発表) 平年に比べて気 温は低く、降水 量が多い予想で す。 3 これからの栽培管理 ◎湿害対策を実施しましょう 生育期間の降水量と麦の単収との関係をみてみると、 雨が多い年ほど低収になっています(右図)。 つまり、単収を確保するためには、十分な湿害対策 が重要となります。 近年は短期間にまとまった雨が降ることが多くなっ ています。排水対策をおろそかにすると、ほ場に長時 間滞水してしまい湿害を起こします。特に播種が遅れ たほ場では出芽までに時間がかるのでほ場排水に万全の対策をしましょう! 排水対策を実施していないほ場では、播種後の早いうちに排水溝(明きょ) を設置し、必ず排水口を排水路に繋ぎましょう。すでに排水対策を行っている ほ場でも、排水口がほ場外の排水路に繋がっているか確認しましょう。 幅広で深い額縁明きょ 明きょを排水路に繋ぎ 確実な排水対策を! ◎麦踏みを始めましょう ほ場ごとの差が大きいため、しっかり葉齢を確認して麦踏 みを行ってください。2.5 葉前に行うと、葉を切ってしま いその後の回復に時間がかかる等、悪影響が起こる場合が あります。 麦踏みには過剰生育を抑制しながら、分げつを旺盛にし、 根張りを深くする効果があります。また、霜柱による凍上害を防止します。 3葉 目安 4,5 回 1回目・・・2.5 葉期以降 2回目以降は前回の麦踏みの2週間後 最後・・・茎立ち期直前 2葉 1葉 *茎立ち期直前の麦踏みは早すぎる茎立を抑え、 穂揃いを良くし、成熟ムラのない倒伏しにくい麦 にする効果があります。 2.5 葉過ぎたら麦踏み可能です! 注意点 ・重量のある大型トラクター等で行う場合は、接地面積を大きくするよう工夫 しましょう。 ・土壌水分が高いときは、土壌が固くなり生育不良を招くので避けましょう。 農業機械を使用する時は、転落・転倒等の事故の ないように十分注意しましょう! 問い合わせ先 栃木県下都賀農業振興事務所 経営普及部 農畜産課 0282-24-1101 HP http://www.pref.tochigi.lg.jp/g54/index.html
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