第3回 「東北で人口が増えている?”人口データ分析”」

第3回 「東北で人口が増えている?”人口データ分析”」
日本全体が人口減少という大きな課題に直面していますが、そのような中で人口が増えている自治体もあります。東北では、どのような自治体で人口が増加し、
また、どのような特徴が見られるのでしょうか。
2.人口の社会増減
1.人口増減
人口マップの「人口増減」では、市区町村ごとの人口増減率や、出生・死亡数、転入・転出数
などを見ることができます。
人口マップの「人口の社会増減」では、転入出者の地域や年齢、性別などの傾向を見ることが
できます。
<市町村別 人口増減率 2010年、2015年>
市町村
2010年
青森県
六戸町
-1.81%
2015年
おいらせ町
0.16%
大間町
2.06% -17.56%
岩手県
北上市
滝沢市
矢巾町
-1.25%
-
2010年
2015年
1.57%
13.46%
13.10%
9.67%
-4.87%
6.92%
山形県
東根市
1.27%
2.92%
福島県
0.40%
0.55%
2.98% 福島市
-1.60%
0.57%
0.44%
1.74% いわき市
宮城県
+
市町村
大和町
1.78% 富谷町
0.05% 大衡村
<青森県六戸町 From-to分析(定住人口)2014年>
-3.45%
2.33%
相馬市
-2.10%
1.95%
転入超過数内訳
その他
(46人)
青森市
(10人)
おいらせ町
(23人)
三沢市
(117人)
八戸市
(22人)
<グラフの見方>
仙台市
2.04%
3.46% 本宮市
0.39%
-1.79%
名取市
多賀城市
岩沼市
大河原町
柴田町
6.51%
4.83% 大玉村
1.30%
1.22%
2位 青森県十和田市 28人(12.6%)
0.50%
-1.53% 鏡石町
0.54%
-2.57%
0.61%
1.11% 西郷村
1.40%
2.81%
0.84%
1.14% 泉崎村
0.61%
-4.51%
-1.18%
0.47% 三春町
-5.23%
0.62%
5.38%
5.42%
※ 上記は、2010年(2005年との比較)、2015年(2010年との比較)におけ
る人口増減率のうち、いずれかがプラスである自治体。ただし、原発事故による帰
還困難区域を含む市町村を除く。
※ 2010年はRESAS、2015年は総務省統計局のデータを基に作成。
※ 左図は、県別のマップ(2010年における人口増減率)を結合して作成。
1位 青森県おいらせ町 23人(27.7%)
2位 その他 60人(72.3%)
3位 青森県八戸市 22人(9.9%)
4位 青森県青森市 10人(4.5%)
<青森県六戸町 年齢階級別純移動数 2010年-2014年>
(人)
240
0~14歳
220
15~64歳
200
180
65歳~
83
160
140
46
<グラフの見方>
80
127
102
83
40
38
20
0
<執筆者からのコメント:菅原>
人口が増えているのは、県庁所在地よりも、その周辺の自治体に多いということが驚きでした。人口が増えている自
治体の中には、六戸町のように若い世代の方々が移り住むといった状況も見られるようです。
-20
 また、六戸町では、2011年から
2014年までの間、0~14歳の年少
人口と、15~64歳の生産年齢人
口の転入超過数が多くなっており、
若い世代の流入傾向が見られます。
52
100
60
(※ 中核市…人口20万人以上等の要件を満たし、国からの指定を受けた自治体。東北では、青森市、盛岡市、
秋田市、郡山市、いわき市が指定されている。)
○ 円グラフは、人口の移動があった市区町村の全
体に占める割合を示します。
○ 「転入者数-転出者数」がプラスであれば「転入
超過」、マイナスであれば「転出超過」となります。
5位 その他 46人(20.6%)
120
 人口増減率がプラスの自治体は、県庁所在地や中核市(※)及びその周辺市町村などに
多い傾向が見られます。
 2015年に人口増減率がプラスと
なった青森県六戸町では、三沢
市、十和田市、八戸市など、周
辺の市から人口が流入しているこ
とが分かります。
その他
(60人)
十和田市
(28人)
1位 青森県三沢市 117人(52.5%)
利府町
転出超過数内訳
-27
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
Next. 》 「東北の産業について」の予定です。ぜひお楽しみに!!
○ 棒グラフは、各年齢階級における純移動数を示し
ます。
○ 各年齢階級の純移動数がプラスであれば0より上
に表示され、マイナスであれば0より下に表示され
ます。
次ページは・・・
六戸町の秘策!?
『 おまけ “六戸町の秘策!?” 』
■青森県六戸町について
■六戸町の子育て支援・定住促進政策
六戸町は、青森県上北郡の東南部に位置し、東はおいらせ町、西は十和田市、
南は五戸町、北は三沢市、東北町にそれぞれ隣接しています。
町の特産品としては、特別飼育を経て生まれた「青森シャモロック ザ・プレミアム
#6」や、品質の良さが自慢の「大玉にんにく」をはじめとした多彩な農産物があります。
また、町のイメージキャラクター「メイプルくん」は、未来への発展と躍動感を表現し、
町民に愛されるよう町の木「楓(かえで)」をモチーフにしています。
□子ども医療費助成制度
六戸町に住所を有する15歳(中学校卒業年度末)
までの子どもについて、医療費の一部負担金を町が助成
する制度。
【主要データ】
面積
83.89㎢
人口
人口密度
○ 六戸町では、前ページで見たように、周辺市町村からの流入や若い世代の転入
などにより、平成24年以降、定住人口が増加しています。この要因としては、町の立
地条件のほか、町による子育て支援・定住促進政策の効果等が考えられます。
世帯数
4,314世帯
10,959人
事業所数
356事業所
130.64人/㎢
従業者数
2,944人
□定住促進新築住宅建設補助金
良質な住宅取得を促進するため、「定住を目的として
新築住宅の建設を行う方」に対し、住宅建設費の一部
を予算の範囲内で補助する制度。
出典/面積、人口、人口密度、世帯数:六戸町ホームページ(平成28年5月現在)
事業所数、従業者数:RESAS(平成26年経済センサス)
「メイプルくん」
【位置図】
□六戸町若者定住支援事業
東北町
青森市
七戸町
三沢市
おいらせ町
若者の定住を促進するために、六戸町内の民間賃貸
住宅に入居する若者夫婦世帯に対して、家賃の一部を
補助する制度。
十和田市
五戸町
八戸市
□その他の事業
青森県
内容・詳細につきましては、六戸町ホームページからご確認ください。
鹿角市
秋田県
二戸市
岩手県
参考:六戸町ホームページ http://www.town.rokunohe.aomori.jp/index.html