優秀賞 信じたい「いいね!」の力 田舎館村立田舎館中学校 3年 福士 なつみ 私の学校の校舎は新しくなってから十年が過ぎましたが、とてもきれいです。また、外 の花壇にはチューリップなどのたくさんの花が植えられ、学校全体が美しく整えられてい ます。そして、生徒たちはいつも明るくあいさつを交わし合い、どんなことにも積極的に 取り組み、元気に学校生活を送っています。 このような学校をさらによくするために、考えられたものがあります。それは、生徒が 生徒のよいところを見つけ、生徒集会で発表し合うという『生徒版館中いいね!』です。 これは、二年前に先生方が生徒のよいところを見つけて、昼の放送で発表するという『館 中いいね!』がもとになっています。 この『館中いいね!』が始まったのは、「先生方が生徒のよい行動や言動を見守り、生徒 の規範意識を高め、よい判断・よい行動や言動ができる生徒を育てるため」と言われてい ます。そして、これは「いじめ」の防止につながっていくことも期待されました。それを 「生徒が生徒のよいところを見つけて発表し合おう!」と生徒会が呼びかけ、今年の二月 から『生徒版館中いいね!』が始まりました。 私は、この『生徒版館中いいね!』について、みんながいろいろな人のよいところを見 つけ、そのよいところを自分もやるように意識し、生徒全員が当たり前によいことができ るようにしていこうとするためのものではないかと思います。この『生徒版館中いいね!』 が始まってから、私は周りの人が少しでもよいことをしているのを見つけると、 「いいね!」 と言うことを始めました。すると、 「いいね!」を言うことで、最大限の効果が表れた一例 を紹介します。 私はバスケットボール部に所属しています。今年六月に行われた最後の中体連は予定ど おり順調に勝ち進み、あと一勝すれば県大会というところまで来ました。しかし、県大会 に出場するために、どうしても勝たなければならない相手がいました。それはF中です。 F中には、去年の地区大会、今年の春の地区大会と続けて負けていました。そのため、ど うしたらF中に勝てるかを考えた結果、出した答えは、チーム全員が笑顔で「いいね!」 を言うことを心掛けながら練習することでした。F中に勝って県大会に出場するための練 習はとても苦しかったですが、目標を達成するために私たちは練習を頑張りました。その 練習中、欠かさなかったものはもちろん「いいね!」でした。すると、選手同士のコミュ ニケーションがよくなり、同時にチームワークも向上していきました。 そして、F中との県大会をかけた試合。最初五点差で負けていました。そのような状況 でも、選手はもちろんベンチもよいプレーには「いいね!」を叫んで、全員で気持ちを盛 り上げていきました。すると、だんだん点差が縮まっていき、最終的にF中に勝って県大 会出場を決めることができました。 私はこの出来事を通して、考えたことがあります。それはなぜ、「いいね!」を言うこと で、コミュニケーションがよくなり、同時にチームワークも向上していき、F中に勝つこ とができたのかということです。そのことについて、私なりに考え出した答えは、 「いいね!」 とほめられることで、うれしい感情が生まれ、それがコミュニケーションをよくしていっ たのではないかということです。また、認められているという安心感が「チームのために もっとやってやろう!」という気持ちにつながり、チームワークも向上させていったので はないかということです。 このように、 「いいね!」には部活動だけではなく、学校全体をよりよくしていくために 必要で、とても大切な力があるように思います。私たちの学校でも「いじめ」がないわけ ではありません。しかし、私は「いじめ」はなくそうとしなければ、なくならないものだ と思います。私はその鍵を握っているのは、言うまでもなく「いいね!」だと思います。 人のよいところを見つけてほめ合い、認め合うところに「いじめ」は起きないと思います。 今日も、校内であちこちで響き合う、先生方や生徒たちの「いいね!」の声。それは、 毎日誰かが必ずほめられ、認められている証拠です。私は「いいね!」の力を信じ、これ からも「いいね!」を言うことを心掛け、人のよいところをたくさん見つけ、認めていけ るような人になりたいと思います。
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