経営システム

経営システム
日本のもの作り (第3章のアドバンスコース)
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学習のポイント
•  問題とは何か
•  日本のもの作り
•  復活、日本の製造業
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問題とはなにか
2つのアプローチ
問題解決法
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QCストーリーのイメージ
問題の認識
調査・分析
解決策立案 解決策の実施
くちばしが届か どうして水が飲 水のほうから
なくて水が飲め めないのか、 こっちにきても
ない。
考えた。
らおう。
さあ、どうしよう。
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石を入れて水
位を上げると
楽に飲めた。
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問題解決の手順
基本ステップ
• 
• 
• 
• 
• 
• 
デミング・サイクル
問題の認識
調査・分析
解決策の立案
解決策の実施
結果の評価
対策(見直し・調整)
Plan
Ac?on
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Do
Check
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問題とは何か
•  困っていること(不都合なこと)
–  誰が、
–  どんな場面で、
–  どの程度、困っているのか?
•  困っていること=問題
•  問題を解消する方法=問題解決法
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問題の例
•  問題の定義(5W1H)
•  誰が、何時、どこで、なぜ、何を、どの程度
•  例
•  誰が=日本の企業が、
•  何時=今も、これからも、
•  どこで=世界市場で、
•  なぜ=販売競争に勝てないので、
•  何を=製品が売れなくなり、
•  どの程度=赤字になる(存続が困難になる)
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どの程度の問題か?
•  問題
–  日本の企業が、今後、世界市場で、競争に勝て
ないので、製品が売れなくなり、赤字になる
•  因果関係=原因と結果
–  その結果、日本の産業が衰退し、雇用が減少す
る。
–  その結果、若者の就職先が、減っていく。
–  その結果、日本人の豊かな生活が、維持できなく
なる(少子化、市場縮小、売上減少)。
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なぜ問題が起こるのか
•  問題
•  日本の企業が、今後、世界市場で、競争で勝てないの
で、製品が売れなくなり、赤字になる
•  原因=なぜ(理由)
•  コスト:価格競争で太刀打ちできない
•  品質:日本で求められる機能と品質は、国外の現地の
ニーズとマッチしない(過剰品質)
•  顧客サービス:競争相手と日本企業とでは、要求品質
が異なる(日本は高級高機能指向)
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問題と解決策の関係
なぜ?
問題
なぜ?
なぜ?
原因
原因
原因
原因
原因
解決策=原因を除去すれば、問題は発生しない
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ビジネスへの応用
原因
問題点
コスト:価格競争で太
誰が、
刀打ちできない
どんな場面で、
品質:日本で求めら
どれほど困っている
れる機能と品質は、
のか
国外の現地のニーズ
とマッチしない
=
顧客サービス:競争
相手と日本企業とで 解決してほしい問題
は、サービスが異な
(売れない、利益が
る(日本の方が良い)
出ない、など)
結果
どれほど困っている
のかèお金を払う? いくらなら払える?
これを解決してほし
い=「ニーズ」è
具体化されて「ウォン
ツ」è
これが集まって「デ
マンド」èマーケット
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問題解決「2つのアプローチ」
トップダウン
(設計的アプ
ローチ )
ボトムアップ
(分析的アプロ
-チ)
改善
対策
目標
ギャップ
=問題
対策
対策
現状
対策
改善
改善
現状
現状
改善
現状
現状
現状
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現状
現状
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『ものづくり』における世界市場での日本の地
位は、過去から現在まで、どの様に推移して
きたのか。
現在の日本が持つ『ものづくりの技術水準』は、
欧米やアジア諸国と比較して、どうか(優劣)。
『日本のものづくり』は、今後、世界市場にお
いて、どの様な役割を担っていくべきか。
日本の世界戦略を描いてみよう
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世界のテレビ市場におけるシェア
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デジタルカメラの世界シェア(2008)
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ボトムアップ・アプローチ
市
場
価
格
他社の追随で市場価格低下
つぎの製品を投入
重要なのは,スピード
スピードに不可欠な力
・開発技術
・生産技術
経過時間
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トップダウン・アプローチ
Mission
Vision
経営理念
(何時までに、どの程度)
Goal
中期目標
方策・手順
Strategy
経営戦略
目的
(こうありたい)
目標
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(使命)
(中期経営計画)
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『ものづくり』における日本の地位
過去
現在
•  戦前:
•  世界最高水準の品質
–  職人技
•  世界一高性能の零戦、一台ごとに手
作りで部品の互換性はない
•  戦後:
–  統計的品質管理(SQC)の導入
–  大量生産、ブルーカラーによる
現場の改善
–  全社的品質管理(TQC)の導入
–  海外移転
•  コスト競争のため、中国やASEAN諸
国など,海外へ生産移転
•  国外生産で利益・技術とも流出
–  自動車や家電は、世界最高水準の
品質、生産技術
•  複合技術に強み
–  ハイブリッド・カーなど、技術と価格など、
高度な制約に強い
•  生産拠点の一部国内回帰
–  キャノンなどは海外の生産拠点を国
内に回帰
–  国内生産によって、国内で蓄積され
てきた現場の世界最高水準の生産
技術
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コスト(価格)競争力の推移
日本
欧米
中国
東南アジア
過去(戦後) 過去(直近) 現在
将来
低コスト
高コスト
高コスト
高コスト
(優位、国内生産)
(海外移転、現地生
産)
(空洞化、一部国内
回帰)
アメリカ、西
高コスト
欧は高コスト (EU統合、巨大市
場)
高コスト
高コスト
(巨大市場)
(イギリス離脱、保
護主義化、不透明)
---
低コスト
高コスト傾向 高コスト化
(沿岸部)
(沿岸から内陸へ)
---
低コスト
コスト上昇
(巨大市場)
(巨大市場)
---
生産コストを下げるため、「人件費が安い」あるいは
「関税が撤廃された」国や地域へ生産拠点を移転
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品質=技術力・開発力
•  過去(高度成長期)
•  世界有数の技術力・開発力
•  自動車、家電製品での圧倒的強み
•  デファクト・スタンダード
•  現在
•  世界有数の技術力・開発力
•  デジタル化の浸透で日本の優位性消失
•  国際標準(ISO)の獲得競争において苦戦
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スマイルカーブ
利益
部品生産
デザイン
試作品
開発
販売
モジュール
部品生産
組立
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アフター
サービス
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スピードへの対応
開発力
•  競争力のある試作品を、
短期間に開発
生産技術
•  素早い市場投入
•  試作品の迅速な量産化
•  そのための開発力
•  全社横断型の
プロジェクトチーム
•  そのための生産技術
•  優秀なブルーカラー(現場作業員)
が,量産化スピードにおけ
る国際的競争優位の基盤
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技術競争力の比較
対 欧米
•  産業のコアとなる半導体
(CPUや携帯電話などの回路基盤)は、
欧米企業の後塵を拝す
•  個々の技術では優位、
世界標準では劣位
–  開発した最高水準の技術が利用さ
れないまま消滅する可能性
•  美的センス、核心的な機能
デザインで ?(疑問符)
対 アジア諸国
•  低価格競争で劣位、
開発力と性能では優位
•  品質では優位、
プラントやシステムの販売
(水ビジネスや太陽光発電など)で出遅れ
–  機器などのコンポーネントや技術の
供給のみとなること(下請け化)
を危惧
–  顧客がほしいのは最終製品
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競争優位のまとめ
価格
品質・性能 顧客
サービス
欧米
日本
国際標準
高い
やや高い
高い人件費 極めて高い 極めて高い
自動化で対抗
アジア
安い人件費 やや低い
(中韓、台湾、
低価格
(追随)
東南アジア)
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低い
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『日本のものづくり』は、今後、世界市場において、どの様な役割を担っ
ていくべきと思うか。日本の戦略(目標達成のシナリオ)を描きなさい。
日本の戦略
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日本の世界戦略
•  目的:
•  現代日本の豊かな生活の維持・継続
•  目標:
•  職人技の存続
•  『技術立国』『ものづくり大国』日本の復活!
•  戦略:
•  強みを前面に:高度な技術、複合技術
»  強み:高い制約条件下での製品開発
•  国際標準の獲得
»  ISO(Interna?onalStandardizeOraganiza?on)
•  東南アジア・韓国・中国と、Win-Winの関係を築く
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競争優位の課題
•  競争優位の源泉
•  価格、品質(機能)、顧客サービス
•  日本の比較優位と世界戦略
•  高い制約条件下での複合技術の高度化
–  環境対応の自動車、野菜工場などの複合技術
–  リチウムイオン電池(産業のピラミッド)
–  世界標準獲得への挑戦
–  ISOの認定獲得を迅速確実に
–  対欧米だけでなくアジアもライバル
èアジアとの協働・協業
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推薦図書
•  『世界で勝つ! ビジネス戦略力 「スマートシティ」で復活する日本企
業』PHP研究所
•  『BOP 超巨大市場をどう攻略する
か』日本経済新聞社
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スマート・シティ
高速道路システム(ITS)、次世代自動車センター
(オペレーションセンター)、蓄電システム、風力発電、
洋上風力発電、ソーラーパネル、スマートハウス、
EVカーシェアリング、マルチエネルギーステーション
環境配慮型設計ビル、地域EMS(コントロールセンター)、
地域EMSと連動したスマートビル群、メガソーラー、
スマートハウス、バイオマス燃料、EVカーシェアリング、
スマートハウス、電気バス、中小規模のスマートビ
ル、マルチエネルギーステーション、
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