大阪労働局 - 厚生労働省

大阪労働局
Press Release
大阪西労働基準監督署発表
平 成 28 年 12 月 13 日
最低賃金法違反の疑いで書類送検
(定期賃金を支払わなかった疑い)
平成 28 年 12 月 12 日、大阪西労働基準監督署(署長 神田哲郎)は、医療法
人常磐会及び同法人が運営していたときわ病院の院長Aを最低賃金法違反の疑
いで、大阪地方検察庁に書類送検した。
記
1 被疑者
(1)医療法人常磐会
本店所在地
事業内容
(2)同法人 院長A
大阪市大正区小林西
医療保健業
2 違反条文等
最低賃金法違反
同法第4条第1項
同法第40条(罰則)
同法第42条(両罰規定)
3 事件の概要
被疑者医療法人常磐会は、大阪市大正区小林西で医療保健業を営む事業主、
被疑者Aは、同法人が運営するときわ病院の院長として、同法人のための経営
一切を統括管理し、賃金支払いの権限を有する使用者であるが、被疑者Aは、
法定の除外事由がないのに、同所において、労働者Bほか8名に対し、平成2
7年10月11日から同年11月10日までの定期賃金総額2,956,12
7円を、その所定支払日である平成27年11月25日に支払わず、もって大
阪府最低賃金額である1時間858円以上の賃金を支払わなかったものである。
4 参考
(1) 本件は、平成28年7月13日、被疑法人に対して捜索差押を実施して
いる。
(2) 本件は、労働基準法第24条違反に係る賃金不払事件であるが、最低賃
金額以上の額が支払われていない場合、最低賃金法第4条第1項違反も成
立し、最低賃金法の方が罰則が重いことから、最低賃金法違反として送致
するものである。
(3) 関係条文は別紙のとおり。
別紙
関係条文
最低賃金法
第四条
使用者は,最低賃金の適用を受ける労働者に対し,その最低賃金額以上の賃
金を支払わなければならない
3 次に掲げる賃金は,前二項に規定する賃金に算入しない。
一
一月をこえない期間ごとに支払われる賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
二
三
通常の労働時間又は労働日の賃金以外の賃金で厚生労働省令で定めるもの
当該最低賃金において算入しないことを定める賃金
第七条
使用者が厚生労働省令で定めるところにより都道府県労働局長の許可を受け
たときは,次に掲げる労働者については,当該最低賃金において定める最低賃
金額から当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定
める率を乗じて得た額を減額した額により第四条の規定を適用する。
一 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
二 試の使用期間中の者
三 職業能力開発促進法 (昭和四十四年法律第六十四号)第二十四条第一項
の認定を受けて行われる職業訓練のうち職業に必要な基礎的な技能及びこれ
に関する知識を習得させることを内容とするものを受ける者であつて厚生労
働省令で定めるもの
四 軽易な業務に従事する者その他の厚生労働省令で定める者
第四十条
第四条第一項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特
定最低賃金に係るものに限る。)は,五十万円以下の罰金に処する。
第四十二条
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その
法人又は人の業務に関して,前三条の違反行為をしたときは,行為者を罰する
ほか,その法人または人に対しても各本条の罰金刑を科する。