ここん通信 no.8

ここん通信
no.8
熊本県 子ども・若者総合相談センター
(運営元:学校法人松本学園)
先日、関東では 56 年ぶりに 11 月の降雪。その日の朝、通勤途中にちらちらと数片の雪が頭上
を舞うのを見かけ、
「まさか、熊本でも雪?」と気持ちが高揚したのですが、果たしてあれは本当に
雪だったのか、今では半信半疑です。今年は例年になく寒い冬になると聞きます。寒い季節は、人も
活動的ではいられず、どことなく気分も沈みますが、クリスマスに年越しと、大きなイベントに心弾
む時期でもあります。イベントのいつもと少し違う空気を楽しみ、また、新年を迎える節目を大切に
しながら、この季節を過ごしたいものです。
さて、この寒い折ではありますが、12 月と 1 月は阿蘇と天草にて熊本県及び、熊本県子ども・
若者支援地域協議会主催の県北イベントが開催されます。お近くの方は、奮ってご参加ください。年
明けには天草にて出張相談会・イベントを予定しております。
県南・県北ブロックイベント
困難を有する子ども・若者によりそいましょう
ひきこもりや不登校などの社会生活を営むうえでの困難を有する子ども・若者の問題は、社
会全体の課題です。様々な立場にある人たちの話を通して、この課題について考えましょう。
阿蘇
日 程:平成 28 年 12 月 9 日(金)
時 間:13:00 開会(12:30 受付開始)
会 場:阿蘇市就業改善センター 大会議室
参加費:無料
第一部
天草
日 程:平成 29 年 1 月 28 日(土)
時 間:13:00 開会(12:30 受付開始)
会 場:天草市民センター 大会議室
参加費:無料
13:10~14:10
講演 “親の想い、子の想い”~不登校や非行等の「親の会」の学びから見えてきたこと~
講演者 清田一弘 氏(NPO 法人日本教育相談研究所「くまもと共育会 T.T」理事長)
な る げ う る か
成毛侑瑠樺さん(将来フリース―クールを作りたい 高校一年生)
第二部
第三部
14:20~15:00
ひきこもりを経験した方からのお話
講演者 熊本県ひきこもりピアサポーター
15:00~16:00
交流タイム
支援機関ごとにコーナーを設けます。支援団体の方々とお話ししてみませんか。
パンフレット等もご用意しています。
イベント お申込みお問合せ先
熊本県子ども・若者総合相談センター
熊本市東区月出3丁目1-120
熊本県精神保健福祉センター2階
Tel
096-387-7000
( 平日 8:30~21:00 )
Mail [email protected]
Column
人間関係の良いサイクルと悪いサイクル
世間はもうすぐクリスマス。この時期になると、チャールズ・ディケンズのクリスマスキャロルを
思い出します。この物語の主人公スクルージは、己の金銭欲を満たすためだけに生きる、街一番の嫌
われ者。クリスマスの夜、そんなスクルージのもとに亡霊が現れ、過去・現在・未来をめぐる時間の
旅に連れ出します。その旅を終えたスクルージは、それまでの生き方を改め、街一番の好人物に。
自分が周囲にどのような感情を向け、どう接するかによって、自分を取り巻く他者との関係性は
大きく変わります。今回は、そのサイクルについて考えてみましょう。
穏やか・にこやか
な対応ができる。
他人に対して、
肯定的な見方
をする。
相手のことも
大切にする。
大切にされ
ている感覚
「人との関わりは
良いもの」というイ
メージができる。
攻撃的であったり、冷た
い態度を向けられること
は、誰にとっても嫌なこと
です。嫌な気持ちにさせら
れた時、人は相手に仕返し
をしたい気持ちになった
り、よそよそしい態度にな
ったりしてしまいます。
また、表面的には友好的
に接していても、心の中で
は敵意や不信感をもってい
れば、相手にも伝わるもの
です。
「あの人は穏やか
な人」
「にこやかな
人」という評価
良
い
関
係
性
安
定
し
た
大切にされ
ている感覚
相手のことも
大切にする。
安心して関われ
る。にこやかな
態度を返せる。
「接しにくい人」
「いつも不機嫌そ
うな人」という評価
人を恐れた態度や、
攻撃的な態度が表
に出やすくなる。
相手のことも大
悪
切にできない
他人に対して、
い
否定的な見方
関
をする。
係
大切にされて
いない感覚
「人と関わるのは
嫌なもの」というイ
メージができる。
相手から友好的な態度を
向けられ、そしてそれが心
からのものである時、人は
嬉しさや、安心感を感じま
す。そのような関係性の中
では、自分からも友好的な
態度を返せますし、自分も
また、相手を大切にしよう
と思うものです。良い関わ
りが繰り返されると、信頼
が生まれ、少しのことでは
揺るがない、安定した関係
性が形成されます。
性
不
安
定
で
大切にされて
いない感覚
で きれ ば関 わ
りたくない。
相手のことも大
切にできない
冷たい態度や攻
撃的な態度にな
ってしまう。
人には相性があるので、誰しも良い関係にある相手と、悪い関係にある相手がいて当然です。そし
て、ポジティブな関係性を築けることが多い人、ネガティブな関係性の方が多い人、という偏りが出
てきます。そこには、多くの場合、その人が他者に対する基本的な信頼感をどの程度持てているかと
いうことが関わっています。自分の中の相手への信頼が相手から自分への信頼を引き出し、自分の
中の不信感が、相手の不信感を引き出すのです。関係性を変えることは容易ではありませんが、積み
重ねが大切だと振り返ります。