海外日本人学校の教育条件の改善・充実について(要望) 平成28年12月13日 大阪府議会議長 今井 豊 海外日本人学校の教育条件の改善・充実について グローバル化の進展により企業の海外進出が一層拡大するなか、保護者の 赴任等により児童・生徒が海外日本人学校で教育を受ける機会が益々増えて いく状況にあります。 大阪府議会では、本年 9 月 1 日に友好交流団が友好提携都市である上海市を 訪問した際、小・中等部にあわせ高等部も併設されている上海日本人学校に 赴き、浦東校と高等部の学校施設や授業風景を実地に見学するとともに、教職 員の皆さんと意見交換をさせて頂きました。 そのなかで、小中高あわせて 1,300 人以上の児童生徒が使わなければならな い浦東校のグラウンドなど、施設面をはじめ様々な制約のあるなか、日本及び 各国からの転入をよりスムーズに受け入れられる工夫や、特に本邦帰国後の学 習の継続性も見据え、学力・体力の向上に学校をあげて熱心に取り組まれてお られることに感銘を覚えました。 一方、高等部においては、一人あたり授業料が年間で約 207 万円と一般的な 大学授業料をも上回る額であり、国内と同様の条件での「高等学校等就学支援 金」のみでは保護者にとって過重な負担となっていること、また、教員採用も 学校独自で行うことになっており、特に若手から中堅教員の人材確保が難しい 状況にあることが浮き彫りになりました。 こうした海外日本人学校の実情は、生徒の健全な育成はもとより、国際化が 進展するなか安心して子供を産み育てる社会づくりという観点からも速やかに 改善を図っていくことが望まれます。 つきましては、下記事項について必要な措置を講じられますよう要望致しま す。 記 1 高等部授業料に対する支援措置の充実 高等部に関しては、生徒一人あたり年間約 207 万円と非常に高額な負 担となっており、 「高等学校等就学支援金」制度の拡充を含め支援措置の 充実を図られたい。 2 高等部教職員の確保支援 高等部においては、教育現場で中核を担う立場である若手から中堅教員 の確保が難しい状況にあるとともに、前述の授業料の高額負担の大きな 要素でもある教員給与の負担を減らす意味からも、小・中等部と同様に 教員の派遣制度を実現して頂きたい。 3 学校施設の整備・充実 最近、世界的に増加しているテロの脅威から児童・生徒を守るための 施設環境整備、また、今後、ますますグローバル化に必要な学習環境を 整備するための公的支援の充実を図られたい。
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